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アフターウォー  作者: IF太郎
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十六話 「北米接近戦」

 ――――ユナイデット・ステーツ――――


 ランドルフ級万能戦艦二番艦『ユナイデット・ステーツ』

 かなりの大きさと火力を誇る国級戦艦だ。この戦艦は修復にも時間がかかるため、ついこの間までドッグに入っていた。


 「バルト1、バルト2から先行。続いてバルト3からバルト9まで続行」


 「オルゲンゲーテからは何かあるか」


 「それが、こちらからの通信に応答がなく・・・」


 「何かあったと言うのか・・・だとすると――――――!?」


 言い切る前に衝撃が迸った。


 「本艦が攻撃を受けています!!」


 「先行艦はどうした!!」


 「同じく攻撃を受けています!バルト4はすでに砲撃を始めている模様!」


 バスク級マダラが受けた攻撃と同じのようだ。すでに幾つもの光線が飛んできている。

 

 「敵の長距離砲台か――ッ!!」


 さらに追い打ちをかけるように金色の光線が飛んでくる。

 それが吸い込まれるように装甲に着弾する。


 「被弾なれど軽微!」


 「艦砲射撃用意!全艦のレーダー回線を連結、索敵範囲を拡大しろ!!」


 「りょ、りょうかい!」


 ユナイデット・ステーツを中心に展開している艦艇のレーダー波を同経させると索敵範囲を格段に広げることをできる。

 索敵範囲を広げた時、レーダーに反応が複数写った。 

 

 「敵反応多数。数は6!うち2はシャインマシンと思われます」


 「チッ、四基も砲台が居るとは・・・だが、それもこれまでだ」


 砲台は固定されていることが多いため、見つかれば撃破される。そんな砲台がこんな前線にあることが不思議だが、あるのなら撃破することに変わりはない。

 

 「対地砲撃。各艦に通達しろ。各個撃破し、進撃を進めろと」


 下部の41.5cm三連装砲type4から実弾が発射される。ビームやレーザーだけでなく、主砲内の発射装置を変換することで発射弾層を変更できる。

 41cmの砲弾が地面に激突し、大地を激震した。荒野に砂埃が舞い上がり、地面に接していた砲台に当たる――――――――はずだった。


 「敵砲台依然健在!!」


 「なに!?移動砲台とでも言うのか!!」


 「映像拡大します!!」


 拡大された砲台は、車両の上に乗っかるように付いていた。 

 それを見たエイモンド司令官はあることを思い出した。


 「ミミック鉄道・・・・まさかこうも利用されるとは」


 北米を横断するようにいくつも配備された鉄道『ミミック鉄道』。北米からのドイツ移動をしやすくするために作られた鉄道である。

 線路は格納出来ないため、線路を撃てば簡単に進路を遮断できる、が、この一撃を複数回浴びせられるとなると、いくら大軍とはいえ痛い一撃になる。


 「何を隠しているか分からん。全艦砲撃を継続しろ!」


 「自由砲撃開始します」


 なおも砲撃を繰り返す艦隊。それに対して移動砲台は後部格納部分を開き、格納してあった複合ミサイルを発射してきた。

 ミサイルは上空に居る艦隊に向けて発射されたが、時折発射された砲弾と面当たりする。レーザーを発射しながら全武装を撃ちきる。


 「敵機体も参戦。こちらの部隊と交戦しました」


 「砲弾に当たるなと伝えろ。これがこの先もあるのなら先が長そうだ」


 憐れむ感情を押し殺し、自我の戦場が不利な状況に置かれていることに不安を感じたジョニー艦長。


 「司令、やはり他部隊との通信が出来ません。おそらく例のジャミングがまた干渉しているのかと」


 「ここにもあるのか。だがそれでは相手も通信が出来ないだろう」


 「いえ、これは推測ですが、大昔の電子送電機能を使っているのかと思います」


 「そんなものをいまさら使うのか・・・」


 電子送電システムは、所謂メール機能の様なものだ。この時代にも人工衛星は健在だ、衛星を経由して文字を送る機能なのだが、時間がかかることと、現在使われている衛星ではあまり使用できないという欠点があるため、現在使われていなかった。

 

 「敵砲台殲滅完了しました」


 「全艦進撃。被害状況知らせ」


 戦いはこちら側に傾いているかのように思えた。が、それも敵の計画の内だと言うことを、この後の悲劇で思い知るのであった。

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