十一話 「実力と戦役」
青い機体がぞろぞろと現れた。様々な武器を装備している機体は「セプター」と呼ばれる機体だ。
汎用性が高く、様々な機体のベース機となっている。
「よりにもよってこいつらかよ!!」
「どこで仕入れたのかしらねっ!」
ショウダーがライフル弾を放つ、こいつらを倒さないと例の機体を追えないからだ。
「ミクリ君先に行って!」
「分かりました」
大剣で敵をなぎ倒しながら進む。
敵は13体ほどの中隊を組んでいる。
ミクリを追おうとする機体がいれば
「行かせねえよ!!」
パイルランサーを撃ち出した。
青い機体を貫いて、壁に叩きつけた。
リッツショウダーが後部ウィングに装備してある小型ダガーを出して投げつける。
機体に刺さり、そのまま倒れて機能停止した。
次々に機体が発砲し、敵の集中砲火を受けるが、ギリギリ回避する。
「クッソ!どうにかなんねーのか!」
ボゴンッ
突如に轟音、次々に爆発する敵機体。飛来する鉄の弾。
「これは!」
「やってくれるねえ」
それは中央基地司令部に居る艦艇「オルゲンゲーテ」からの砲撃だった。
通信で言葉が送られてくる。
「本艦はこれより援護砲撃を実施。基地内部の損傷を最小限に抑える為、小口径での砲撃を主とする」
前方上下にある主砲の内、上部主砲三基がこちらを向いている。
「上部主砲25cm砲弾装填。掃射初め!!」
撃ち放たれた砲弾が発砲音と共に飛翔する。25cmの砲弾が的確に機体に命中する。
「すげえな。俺の活躍が一瞬で水の泡だ」
この砲撃で四機が犠牲になった。残っている機体は逃げ出して撤退を始めた。
艦砲射撃がこれほどまでに力を発揮するとは思ってもみなかっただろう。
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「どこだっ!」
アーノルドで追ってきたが、意外と足が早い機体だった。地面を滑走しているため、早く移動できるのだ。
「機体の反応大きいヨ!」
レーダーに光が点滅する。しかしその光は画面の真ん中。つまりは
「真上ッ!!」
突如に真上の天井装甲が溶解して降り注いだ。
その中から図太いレーザーが照射されたが、ギリギリをすれて避けた。
「あぶないヨ!おいラの機体ガ」
「だったらもうちょっとちゃんとしろ!」
腕の機関砲を牽制に撃ったが、やはり装甲が弾く。分かっていることだが硬すぎる。
さらには胴体に大口径のレーザー収縮砲まで搭載していると来た。
「ちょっと確認したいんだけどな。聞いてくれないよな!」
しかしその声に敵機体が応答した。
「なに」
「!?」
女の声、聞いたことのある声だ。
突然現れた謎の少女。数日過ごした幼い思い出。拳を握りしめた。
「やっぱり・・・なんでだよ」
当たりやすい勘を怨んだ。
「私は基地内にジャマーを張るだけの作業を隠蔽するためにあなたを使ったまでよ」
「じゃあなんであんなに楽しそうに話してくれたんだ!」
「あなたには関係ない」
主体の装甲が展開され、中から大口径の砲口が出てきた。チャージしていたのかすぐに撃ってきた。
金色の粒子砲が飛び出し、こちらに向かってくる。
機体が吹っ飛び、外に投げ出された。
黄色い粉塵が飛び交う中に放り出され、砂漠の中の不利な戦闘に場を移された。