表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフターウォー  作者: IF太郎
10/21

九話 「青鳥の轟音」

 

 ミクリ達がジャマー機を探しているころ

 北側、進入港で敵の出待ちをしていたガウェイン達。


 「さあ、どっからでもかかってきやがれ!!」


 「あんまり意気込むと早死にするわよ」


 「縁起でもないこと言うなよ。こっちは現状解してやってんのに」


  フェルガーは新型装備「フォトン・バンカー」を左腕に装備している。

 それを見てレイは。


 「紅茶がまずくなるでしょ」


 「ちぇッ。気取っちゃって」


 「聞こえてますからね!!」


 マイクの近くで叫んだのか、スピーカから大音量でレイの声が聞こえてきた。


 「殺す気か!!」


 「あら無駄死に?よかったわね特進出来て」


 どこまでも腹立たしい奴だ。そう思いながらモニターを見てると。


 ゴゴンッ


 何かの足音が聞こえた。


 「おい今の!」


 レイはイヤホンに手を当てて音を聞く。


 「大型機ね、隊群で来ると思ったら。厄介な奴からお出ましよ」


 「また大型機か、俺たち好かれてるんじゃね」


 「それは不愉快ね。マタタビでもついているのかしら」


 ゴゴゴンッ


 「さあ、お出ましだ」


 鉄の巨体が露になる。


―――――――――――――――――――――――


 作業用のような巨大な機体が滑走している。足裏に付いたローラーで走っているようだ。


 「ユイ。例のポイントに進入する」


 「了解」


 銀髪の女の子。その容姿に見覚えがある。それは湖の森でみた女の子だった。


 フードをかぶった少女と男が乗っているのは大型のアフターマシン「シリウス」だ。

 シャイン社によって生み出された大型のAFだ。

 量産機であるカノープスは、シリウスの援助機と言ってもいいだろう。


 ゴゴンッ


 ローラーを収納し、直の重く太い足で鉄の地面を踏みしめる。

 鉛と鉛がこすれあう音が響き、光が差す方に向かって歩く。そして―――――


――――――――――――――――――――――


 「さあ、お出ましだ」


 露になった巨体は惜しくも人型をしていた。太すぎる足は鋼鉄の上に立ちはだかった。


 「シュトレンティアー発射!!」


 レイの機体、リッツショウダ―のライフルから淡い青色の光線が飛び出す。

 「シュトレンティアー」と呼ばれるライフルは、エネルギー弾と実弾の両方を使える長銃だ。


 「ユイ。攻撃を」


 「了解」


 この間までの目の色どりはもうそこにはなかった。

 殺戮を主根とする傭兵の体と化していた。


 「エネルギー反応!この距離で撃たれたら!!」


 「やらせねえよ!!」


 飛んできたビームにフォトンバンカーを向けて飛んでいく。

 バンカーの先端からピンク色の粒子が出てきて機体を包み込んだ。


 「クソ喰らえぇぇぇ!!」


 突進していって突然、爆発した。


―――――――――――――――――――――


 ガウェイン達が向かった北側で爆発音が聞こえた。

同時にサイレンが鳴り響き、森の鳥たちが一斉に飛び立った。


 「なんだ!!」


 悪い予感がする。ガウェイン達にも。そして・・・


 「いこうか。君が知りたい真実があそこにあるよ」


 「ああ。行こう」


 真実なんてどうでもいい。今しなくちゃいけないことはガウェイン達を助けることだった。


 レバーを引いてアクセルを踏む。

 スラスターが一斉に噴射し、光のように飛んでいく。

 

 それは、飛んで行った青い鳥にも似ていた。





 


  

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ