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魔法の園 48

お待たせしております。



 俺は激情に荒れ狂う内心を自分でも持て余していた。


 この名前を見た瞬間に心の奥底から湧き上がる気味の悪い何かに翻弄されていて、まるで自分が自分ではないようだ。


<おいユウキ、一体どうしたんだよ! 大丈夫なのか!?><ユウキさん! 今すぐそちらに参ります。転移環を置いてください!>


 突然俺からの接続を絶たれた皆が<念話>でしきりにそう声を掛けてくるが、どれだけ俺が言葉を尽くしても納得はしてくれない。仲間同士で常につながっていた感覚を断ち切った事が原因なのだが、不安にさせてしまった。

 しかしこの醜悪な感情を仲間に知られたくはなかったのだ。


 だがこのままでいいはずがない。ユウナとレイアは縋りつくような目をして俺を見ているし、セラ先生とリエッタ師は困惑から脱しきれていない。

 この場の皆にも悪い事をした。符を見た途端に一気に機嫌が急降下したのだ。訝しんで当然である。


「ユウキ様……」


 ああ、何故君達がそんな顔をする必要がある。面倒をかけているのは俺だというのに。悪いのは全て俺なのだ。勝手に衝撃を受けて勝手に機嫌を悪くしている。


 だかだが自分の本名が映し出されたくらいで。



 思考を切り替えろ。


 一時の感情にすべてを支配されるのは愚かなことだ。これくらいの事、感情を制御できなくてどうする。


 それになにより……それになにより、俺が今更何を思ったところで全ては過去のこと。

 もとより俺は幽霊、つまり死んだ身だ。泣こうが喚こうが、全ては手遅れなのだ。

 俺がこの気分のまま自らの首を切り裂いて自殺した所で、息絶えるのはライルの体だ。滅殺すべきかつての俺は既にくたばった後、全くの無意味だ。



 この結城源一郎とやらが何をやらかした超がつく糞野郎であれ、今の俺になにができる訳ではない。今のこの時を生きる相棒、仲間や家族を不安にさせるほどの事ではない。そのはずだ。



「いや、お騒がせした。もう大丈夫です。二人とも、心配をかけたな」


「我が君……そう無理をされるな」


「切り替えたさ。大丈夫だ」


 レイアがこれまでにないほど優しげな声音で俺を慮ってくるが、本当に大丈夫だ。腹の中でとぐろを撒くこの感情へ折り合いさえつけば何も問題はない。切断していた仲間とのつながりも再度接続して仲間たちもとりあえず安心したようだ。


「お主がそう申すなら、それを信じるが……一体何があったのじゃ? それを聞いても良いかの?」


 セラ先生がそう尋ねてくるが、大したことではないと幾度か答えても納得してくれない。正直に話すしかないのだろうか。他人にはひたすらどうでもいい話題だと思うが。


「本当に仕様もない話なんですが、その紙に書かれていた名前が自分の本名でして。長らく意識していなかったものですから衝撃を受けていました」


 事実を告げたのだが、先生は当然信じてくれなかった。


「嘘をつけ。それだけでお主がそこまで荒れるものか。殺気一つ洩らさぬのにここまでの悪寒を感じたのは久しくなかったぞ」


 そりゃすみませんね。だから迷惑かけたって謝っているでしょうが。


「この文字、噂どおりとユウキさんは稀人、異世界人なのね。姿形はこちらの人なのに」


「色々とありまして。察していただけると幸いです」


 死んだはずの幽霊が現地人の体を乗っ取って使ってますなんて話した所で馬鹿にされていると思われるだろう。俺があの目録に執着していた事も関連付けて認識してくれたようで、それ以上の追求はなかった。


「失礼いたします。頭、お茶をお持ちしました」


 その時部屋に入ってきたのは瑞宝とその後ろにノーマ君(どう見ても()()()だと思うが)も居た。二人は”クロガネ”連中とは完全に別口なのでクランに滞在していたのだ。帰還は俺と共にすることになるだろう。


「おお。リセリ……瑞宝じゃったの。わざわざお主がそんな仕事をする事もあるまいに」


「いえいえ。余所者を快く置いて下さっているのですから。これくらいは働かせて下さいませ。あ、頭、お熱いのでお気をつけて」


「あ。こちらもどうぞ……」


 おっかなびっくり俺の前に菓子を置いてくるノーマ君だが、これが男? 冗談きついぜ。


 まだ意識してドス黒い感情を押さえ込んでいる俺は出された茶を胃に流し込んだが……くそ、やはり一度吐き出さないと()()は消えそうにないな。折角瑞宝が入れてくれた茶の味が殆ど解らない。


「先生、リエッタ師。この度はありがとうございました。少しばかり所用があるのでこれで失礼します」


「あ……うむ」


 俺は二人に断って席を立つと背後に控えていた従者二人もそれに続いた。


「我が君。私も同道するぞ、今の貴方を独りにするわけにはいかない」「先輩に同じくです」


 心配性な二人に苦笑するしかない。俺はそこまで子供じゃないと言うのに。


「心配ない。一刻(時間)もせずに戻る。俺を案じてくれるのは嬉しいが……」


「ユウは私が見ておくから大丈夫。まかせといて」


 相棒が俺の肩の上に転移して、胸を張っている。レイアとユウナにはポルカ達を見ていて欲しかった。俺が城から出た事は既に事情通には伝わっている。宴会中にないとは思うが陰湿な嫌がらせを警戒すべきだ。



「ユウキ……」「ユウキさん」「ユウキ、大丈夫かい?」


 転移環を用いてアルザスに移動すると仲間たちが俺を出待ちしてくれていた。その顔には一様に心配と書いてある。


「悪い、迷惑をかけたな」


「いや、ユウキが大丈夫だってんならいいんだけどさ……」


 玲二の言葉もどこか言い淀んでいる印象を受ける。まあいきなりあんな感じになれば仕方ないか。


「後で詳しい事は話すよ。今はとりあえず日課をこなしてくるわ」


 今はとにかくこの腹の中の感情を何とかしたい。ダンジョンという場所は誰にも迷惑をかけず暴れるには最適すぎる。更に金目の物も手に入るとあれば、行かぬ手はない。


「兄様!」


 転移環部屋(その名の通り各所に繋がっている転移環ばかり置いてある部屋だ)の扉が開くと、息を切らせたソフィアが駆け込んできた。そして彼女は両手に俺の妹と娘を連れていた。

 ソフィアとは<共有>していないからこの件は把握していないと思ったが、あの様子からして情報源はイリシャだな。


 何かを”視た”らしい妹は無言のまま俺の元に走り寄ると、そのまま俺に抱きついてきた。普段と違うのはその力が思いもかけぬほど強い事だ。


「お、おい、苦しいって、イリシャ」


「兄ちゃんはわたしがまもるから。つらい事があったらこんどはわたしがまもってあげる」


「シャオも!」


「兄様をお助けするのも妹の役目ですから」


 俺にしがみ付くイリシャの体は小さく震えている。家族に心配をかけてしまうとは、駄目兄貴だな。


「心配させちまったな、でもありがとうな」


 これだけ仲間や家族の暖かさに触れたというのに気分は全く晴れない。やはり気晴らしは必要だ。




「ねえユウ、私は基本そういう事を止めるのが役目だと思ってるんだけど」


 俺は日課をごく短時間で終わらせると31層に向かった。ここで現れるレッドオーガの最上位種はまともに相手をすると酷く難敵だが、今の俺にはその特徴が長所となりえる。


 奴等は強靭でとても死に難い。俺の憂さ晴らしに長く付き合ってくれそうだ。


「もー! 普段なら危ないからって絶対やらないことをするんだから!」


 そう言いつつも危険に備えてリリィは両の手にエリクシールを握り締めている。不測の事態になればそれを使ってくれるのだろう。なんだかんだ俺に優しい相棒だ。こんなどうしようもない俺に付き合ってくれるのだ、感謝しかない。


「これっきりだからね! 危ない事をさせないために私がいるのになぁ」


 

 俺はダンジョンの壁に攻撃魔法をブチ当てた。轟音とともに壁が崩れ、遠くから幾つもの雄叫びが轟いた。


「さて、このくそ喧しいオーガ共、俺の殺し合いに付き合ってもらおうか!」


 腹の底から湧きあ上がる黒い衝動を解き放ちつつ、俺は暴力の甘美な誘惑に身を任せるのだった。




「もー! ユウは私が居ないとほんとにダメなんだから!」


「相棒には感謝してるよ。仲間にもこんなことは頼めないしな」


 ぷんすかと怒っているリリィを宥めつつ、大鬼共と殴り合った俺は気分爽快だ。

 やはり人間溜め込むのは良くない。適度な発散が大事である。


 それに機嫌が良いのにはもう一つ理由がある。

 接近戦をこちらから仕掛けたら思わぬ収穫があったのだ。


 いくらダンジョンの通路も広くなったとはいえ、あの巨体が6体も入り乱れれば場は混乱する。特にこちらから距離を詰めると向こうからも襲い掛かってくるので連携がかなりお粗末だった。露骨にと惑いを見せて棒立ちの奴さえいた程だ。

 俺は基本的にモンスターと接近戦はしない。自分の拳が届く位置というのは、相手も同じことであるからだ。安全第一で()()を行う主義と俺としては紙一重の勝利などいずれ来る敗死と同じ事だ。だからスキル封印されるこの層でこれまで好き好んで接近戦などしなかったが、思いがけぬ発見であった。やって見なくちゃわからんもんだ。少なくとも俺が格闘している間は例のスキル封印攻撃も来なかった。

 あの反則技は範囲攻撃だけあってモンスターにも効果を及ぼすのかもしれない。戻ってから検証して見る価値はある。


 これと同じ現象が増援地獄の21層でもあった。向こうは次々と現れる敵に切りがないのでいっそ混交したほうが攻略する上でも安全と判断したが、それはここでも有効なようだな。

 やはり死中に活を求めるのは正しいやり方だ。


「いや、フツーに死ぬからそれ。ユウ以外じゃ絶対に無理だからね! なんであんな化け物と素手で殴り合おうと思うかなホント!」



 もーもーと牛のように唸っているリリィだが……そうだ、16層でタイラントオックスも狩っていこう。あの方法を使えば時間なんざほとんどかからないしな。


「ねえ、聞いてるの? ユウってば!」


 変だな、どうやらこの近くにも牛がいるようだな。

 

 もーもーもーもー!




 気分爽快でクランに戻った俺は早速ポルカに捕まった。今は大食堂でマールやルーシアと話をしていた。


「あっ、ユウキさん、何処に行ってたんですか? 姿が見えなくて」


「少し外してた。ポルカはこれからの話は聞いたのか?」


「はい、お姉ちゃんから聞きました。ユウキさんが居るウィスカの街に行っていいんですよね!?」


「詳しい日時が決まったら教えてくれ。迎えに行くから。で、マールはどうするんだ?」


「わ、私は……」


「一緒に冒険者をやろうではないか。私はマールと共に冒険したいぞ」


 こういう時のリーナの真っ直ぐさは見習いたいくらいだ。はっきりと言葉で誘えなかった姉弟子は隣で何度も頷いている。仲間を誘うときくらいは俺を使うんじゃなく自分の口で言ったほうがいいぞ姉弟子。


「あ、う、あの、その。わ、私もマールともっと一緒に居たいから、その……」


「アリア……私なんかを……」


 自分に自身の持てなかったマールは姉弟子の精一杯の勧誘に言葉もないほど感動している。

 しかし、その口から出た言葉は二人の期待を裏切るものだった。


「あ、ありがとう。私なんかをこんなに誘ってくれて本当に嬉しい……でも私はこのクランでお母様から受けたご恩を少しでも返さないといけないの」


 口ではこう言っているが、その顔を見れば未練があるのは丸解りだ。だが、この場で口を挟むべき適任者は俺ではない。


「お宅の娘さんはこう言ってますが、どう思われます?」


「あ、お、お母様!」


 俺とマールの視線の先にはリエッタ師がやってきていた。今回の主賓の登場に場はざわめくが、当の本人はそれらの状況に一切気にすることなく、真っ直ぐマールの前にやって来た。


「マール、お母さんはね、貴方達が元気で健やかに過ごしてくれればほかに何も望まないわ。私に何かしようなんて考えなくていいの。でも、もし私に何かしてあげたいと思うなら、好きな事を思いっきりやって元気な顔を見せて欲しいわ。せっかくお友達が誘ってくれているのよ、こんな機会を逃してはいけないわ」


 ほら、とリエッタ師はマールの背を押した。その先には姉弟子とリーナが固唾を飲んで見守っていた、


「あ、あのね、本当に私()いいの?」


 マールの自信なさげな声に答えたのは俺の背後にいた人物だった。


「あのね、マール、勘違いしないでほしいんだけど」


「エレーナさん……そ、そうですよね、私なんかじゃ」


「私達は貴女()いいわけじゃないの。貴方()いいの、貴女じゃなくては駄目なのよ。マール、私達と一緒に冒険しましょう?」


「は、はい! よろしくお願いします!」



「ん? なんだなんだ目出度い話か? 丁度いいじゃねえか、新パーティ結成に乾杯だ!」「おお、そうだそうだ、こうつはめでてぇ 乾杯だ」「よくわかんねえけど、乾杯だ!」


 周囲の酔っ払いどもは最早乾杯する理由を探している有様だ。絶対に事情など理解していそうにないが、そこかしこで乾杯の声が聞こえてくる。


「マールも良かったね、あの子の魔法は特殊すぎてギルドやクランでも持て余していた。でもあの三人ならきっと上手くやってくれると思う」


 リエッタ師と共にこちらへやってきていたルーシアの目頭には光るものがある。クランは本当に家族のように仲がいいな。氏族(クラン)を語源にしているだけあり、ギルドとは全く毛色が違う。



「ルーシア、先ほどの件だが、もう大丈夫だ。見てみるか?」


「いいのかい? それは嬉しいね、今すぐ行こう!」


「お、おい、姉貴」


 ラルフの困惑の声に耳を貸すことなく、ルーシアは俺をクランの一室に連れ込んだ。心配顔のラルフもくっついて来ているが、彼にも全くの無関係ではない。


「ほい」


 俺が無造作に手渡したのは俺というかライルが所有権を持っていた魔導書(グリモワール)”時の神の庭”だ。かつて<鑑定>では”時と空間の真理書”というご大層な銘があったのみだが、装丁され直して返却された時にはこの名がついていた。

 ルーシアは何故かこいつに夢中であり、帰還した時からしきりに見せてくれと訴えてきていた。所有権の書き換えも終わった今なら特に問題はないと判断して彼女に貸し出しているというわけだ。


「ああ、これが禁書指定の刻を操るグリモワール……見た目からしてなんて美しいんだ」


 そりゃ先生が張り切ってくれたからな。その分信じられない額を請求されたが満足している。文句はないのだが、装丁直しに金貨100枚は吹っかけすぎだろう。


「魔導書にも区分けがあるのか?」


「ええ、私達の勝手な位階付けだけれど。大抵の物は自らを強化、あるいは使用中だけ新たなスキルを使えたりするものばかりだ。だけど、極わずかに規格外の、他のすべてを凌駕するような圧倒的な能力を発揮する魔導書がある。それを禁書指定と私達は呼んでいるのさ」


 ルーシアは待ち焦がれた恋人のような視線をその魔導書に注いでいる。その瞳の輝きは尋常なものではない。


 これまではクランを纏める責任感の強い才女の印象があったが、リエッタ師が復活した事でその重荷が外されて本来のルーシアに戻ったというのが隣にいるラルフの弁である。


「姉貴は魔導具と魔導書に関しては数奇者(マッド)だからな。俺も何度被害にあったことか」


「うるさいぞラルフ。この素晴らしい魔導書の価値を知れば君もそうなる」


 ルーシアが俺を見てくる。その意図は明らかだ。


「構わないぞ。起動方法は……そっちの方が詳しいか」


 クランの幹部である彼女たちはそれの専門家だ。俺が何か言う前にルーシアは起動を始めていた。


「これが時を止める力。くっ、とんでもない魔力消費だ」


「これで本当に時間が止まってるのか?」


 半信半疑のラルフだが、今の彼は俺と同じく効果範囲の中にいる。わかりやすい証明は……おっ、あれがあったな。


「ラルフ、今さっきお前が置いたグラスを見てみろ」


「グラスだと? 一体何が……ってマジかよ!」


 かなり乱暴に宅の上に置かれたグラスは中身が波打っていた。しかし今の現象は波打った水面のまま固定されている。


「凄ぇ! 本当に時間が止まってやがる! こりゃ禁書指定だわ。どんな悪いこともやり放題じゃねえか」


「燃費悪すぎだけどな。幹部のルーシアがもうぶっ倒れそうになってるし」


 彼女は無理して状態を維持しているが、限界なのは明らかだ。そして俺はこの魔導書の限界も良くわかっていた。


 もう充分だろうと俺は手を誰もいない先に伸ばした。すると展開範囲を超えたことで時間を止める機能はあっさりと解除された。


「姉貴、無理すんなって! ユウキ、今のはあれか? 範囲を超えると強制解除される感じか?」


「ああ。だから集団が移動するのは不可能に近いな」


 しかも動くと範囲が不規則に変化するのだ。この距離を保てば大丈夫という安全圏は発動者本人くらいだ。だから吟零草の採取の時はマールが必須だったのである。本当にあいつがいてくれて良かった。


「私の魔力ではこれが限界か……総量には結構自信があったんだけどね」


 あと一歩で魔力枯渇になるところだったルーシアにマナポーションを渡す。


「結構保ったと思うが、大体5寸(分)くらいか?」


 俺の言葉にルーシアは落胆を隠さない。


「たったそれだけか……」


 そう言って肩を落とすが、ユウナだって4半刻(15分)程度で限界だったそうだし……いや、あいつはスカウトで本職としては負けられないか。


「つ、次は俺にやらせてくれよ!」


 もちろん否やはない。魔導書を他人に触れさせる事は本来有り得ない事だ。二人は俺の決断に驚いたが、当然善意だけではない。

 結構検証したが、仲間内は皆<共有>で俺と同量の魔力であるから、比較対象が無かったのだ。二人は言わば俺の実験に協力してくれているようなものだ。

 当然俺の視界を通してレイアが記録を付けている。いま確実に解ったことは、魔力消費が割合で減ってゆくことくらいか。ルーシアとラルフでは減り具合が異なるから、そこら辺も色々調べたい。



「な、何だこれは!!??」


 俺の思考はルーシアの絶叫で遮られた。何事かと思い彼女を見ると先程渡したマナポーションの瓶を凝視しているが、どうしたってんだ?


「なんだよいきなり大声出して。ラルフの集中が切れちまっただろうに」


「姉貴が大声出すなんて、何があったんだよ?」


 当のルーシアは俺たち二人のことなど気にもしていないようだ。

 呆然とした顔のまま彼女は俺の腕を掴んだ。まるで絶対に逃さないと言わんばかりに。


「なんで水を飲んだら魔力が回復するんだ! 魔力水の微々たる回復量じゃないぞ、私の魔力が完全に回復したんだからな!」


 あ。あー、しまった。最近はマナポーションと言えばこちらばかり使ってたからつい渡してしまった。

 本来マナポーションとは苦い。魔法職の味覚が壊れるといわれるほど不味い。人生の苦味だと嘯くやつさえいる。

 俺は現物を一舐めして世の魔法職に敬意を抱いたほどだ。戦いに勝つため、そして仲間のために彼等はそれを何本も飲み干すのだから。


 だから蜂蜜を入れて飲みやすくした改良版は飛ぶように売れたとセラ先生は言っていたし、それには俺も納得だ。


 そしてランヌ王都のダンジョンで手に入れた聖杯とエルフ国で腹いせにすり替えてきた謎金属から作られる魔力回復薬は無味ながらマナポーションと同等以上の回復量を誇る優れモノだった。


 その後は完全にこっちに置き換わるのは当然の流れであり、俺も全く気にせず渡してしまった。ルーシアは水だと思って口に含んだら突然魔力か回復したのか。そりゃ驚くなあ。


 彼女は詳しい話を聞くまでは逃さないと目が言っている。


「き、気のせいってことは?」

 

 ルーシアは無言で瓶をラルフに突き出した。半分ほど残っているそれを半信半疑で飲む彼だが、突然真顔になる。


「な、何だよこりゃ! こんなとんでもないもんがあるなら、あんなクソ不味いマナポーションなんざ飲まなくてもいいじゃねえか!」


 真剣な視線を送ってくるのが二人になった。抵抗しようにも対抗策が見つからん。完全にやらかしたな。



「ユウキ。私達は君の敵ではないはず。既にこれ以上ないほど大恩を受けた上にこう口にするのは自分でどうかと思うが、我々と協力関係にあると色々と得だよ。絶対に損はさせない。真理の徒として誓うよ」


 まるで俺に絡みつくように腕を腰に回すルーシアには白旗を上げるしかないようだ。製造法を渡す訳ではないのだし、そこまで致命的な事にはならんだろ。


 俺は無言で数本のマナポーションの大瓶を取り出しかける。気色に輝いた彼女だが、俺はそこまで都合のいい男ではない。

 もとより彼女に依頼しようとしていたことだが、ちょうどいい。このポーションを報酬代わりにルーシアには俺の頼み事を聞いてもらうとしよう。


「なあルーシア、こいつを見てくれ。あんたには……」


 こうして俺のクラン最後の夜は更けてゆくのだった。




「親方。貴方には大変世話になった。本当に感謝してるよ」


 翌朝、俺はクランで挨拶周りを行っている。今は大金をもたらしてくれた親方に心から礼を告げている最中だ。


 クラン滞在中に彼に修理してもらった魔法の武具は40を越える。その価値を金額に換算すると金貨にして2万4千枚を数えた。俺は鍛冶素材を渡しただけでただのガラクタが大金に変化したので本当に笑いが止まらない。

 親方にはリエッタ師が臥せてクラン全体が沈んでいた時も自分に出来る事はこれだけだと修理を続けてくれていた。その職人魂には頭が下がる思いだ。


「何言ってやがる、礼を言うのはこっちだぜ。リエッタの嬢ちゃんを助けてくれてありがとよ。あのまま死なせていたらあの世のおふくろに顔向けできねぇ所だった。言葉に出来ないくらい感謝しているぜ。またいつでも来いや、お前さんなら無料(ロハ)で幾らでも修理してやらあな」


「ダンジョンで壊れた魔法の武具を見つけたらまた持ち込ませてもらいます」


「そのときは俺の燃料として酒もよろしく頼まぁ。お前さんが出す酒が飲めなくなるのが一番残念だからな」


 俺は親方と硬く握手を交わして彼の元を離れた。


「ユウキ、本当に貰っちまっていいのかよ」


 隣で手甲を持って戸惑っているラルフが遠慮がちに声を掛けてくる。修理が完了した武具の一つに彼に最適な奴があったのでくれてやったのだ。


「お前が一番有効に使えそうだからな。解ってんだろ? 武具との出会いは一期一会だ、時機を逃すと一生巡り合えない。遠慮すんなって」


「そういう問題じゃねえだろ。魔法の武具だぞ? それも手甲(ガントレット)なんて聞いた事ねぇ。滅多に出回る品じゃねえはずだ」


 確かに珍しいが、俺は既に”緋色の風”のモミジにも同様の武具を与えて(あとで相応額を返してもらったが)いるからそこまで貴重と言うわけじゃないぞ。


「だから持っとけって。炎の効果を倍増させる効果付きだから、お前が一番向いている」


「いや、だからよ。こんな高い武具貰っても返せねえって。一体幾らすんだよ、金貨十数枚じゃきかねえだろ!」


 彼の主武器は武器全体で見れば使用金属が少ないので安いほうだが、たしかに<鑑定>では金貨220枚の価値だった。しかし<鑑定>は売値で表示される事が多いので買い取りだともう少し下がるはずだ。きっとそうに違いない。

 ギルドに持ち込むと大体<鑑定>通りの額で金貨が出てくるが、きっとそうに決まってる。


「だいたい150枚くらいか? 気になるなら稼ぎまくって返してくれ。冒険者のあるあるだが、強い武器を持ってる奴は高難度依頼をこなせるから滅茶苦茶稼げる。お前の魔導書との相性も最高だしな」


 ラルフの持つ魔導書は”炎の檻”というもので、効果発動中は自分の攻撃に強力な炎属性を付与するというものだ。かなり高耐性の防具でも平然とぶち破るらしいが、それをこの魔法の手甲は倍化させるわけだ。どう考えてもこいつが持つべき武器だろう。


「金は返す! こいつで稼ぎまくって絶対金貨150枚返すから待ってろよな! 畜生、お袋のことといい、お前に貰ってばっかりで何一つ返せねえ。お前と比べると自分の未熟さばかり痛感するぜ」


 肩を落とすラルフだが、彼はまだ若い。才気に溢れ、潜在能力は未知数だ。見かけはどうあれ中身が枯れ切って伸びしろ皆無の俺とは比較しちゃいかんだろう。


「俺はこのクランを気に入ったからな、ギルド専属じゃなきゃ加入していたくらいだ。これくらいはさせてくれよ。お前が更に強くなってリエッタ師の負担が小さくなりゃ、彼女が無理をする事もなくなるだろ」


「恩に着る。本当に恩に着るぜ。この恩は必ず返すからよ、これも待っててくれや」


 ラルフの目には光るものがある。そして周囲の目があるにもかかわらず幹部のこいつが俺に深く頭を下げる始末だ。


「馬鹿野郎、大の男が軽々しく頭を下げんじゃねえよ。ほら、頭上げろ、皆見てんぞ」


 無理矢理にでもラルフの頭を上げさせると、次にこいつは少し言いにくそうに口を開いた。


「わ、悪いな」


「じゃあな、また会おうぜ。それまで元気でやれよ」


 <マップ>で見ればリエッタ師やポルカ達がクランハウスの玄関で勢揃いしてくれている。待たせるわけには行かない。どこか呆けたような顔をしているラルフの肩を叩いて俺は別れた。


 だからその後のラルフの呟きを耳に入れる事は出来なかった。


「くそっ、”クロガネ”に入れてくれって言いそびれちまった……」




「ユウキさん!」


 玄関に向かうと俺を見つけたポルカが駆け寄ってきた。


「ようポルカ。いつこっちに来るか決まったら連絡をくれ。どう迎えに行くか考えるからよ」


 昨日の今日でまだ何も詳しい事は決まっていない。リエッタ師に通話石を渡しているのをポルカも見ていたのでこう伝えるに留めた。


「わかりました。なるべく急いで向かいます」


「無理すんなって。お前だけじゃないんだからさ。なあマール」


「そうよポルカ。お母様や家族のみんなと長く離れる事になるんだから……普通に考えたらそのはずよね?」


 何故か俺に確認を取るように聞いて来る彼女に俺は訝しげな顔をした。


「どうした? なにかあったか?」


 先ほどのラルフのように戸惑った顔のマールに訊くが、あっちも似たようなものだった。


「その、リーナやアリアがそんなこと気にしなくていいってしきりに言うから。きっとユウキが関係してるんでしょ?」


 姉弟子たちは俺がいずれ転移環を設置するに違いないと思っているようだ。


 あの二人には詳しく話していないし彼女達は俺が安全と確認した場所しか使っていないから解っていないが、当然ながら転移環の設置は厳正な審査のうえで行っている。

 この国ではジュリアの実家、ラインハンザのペンドライト子爵家のみの設置に留まった。それも異常なほどの甘い基準であり、身内補正が強烈にかかっていた。


 国王バイデン3世も一昨日の会話の中で設置を望む節が見えたが、実行には移していない。不特定多数が行き来する場所に秘密の品を置くなど隠しきれるはずもない。

 その点ではクランも同様だ。リエッタ師の私室は一番秘密が守れそうなはずなのにギースの野郎が侵入して魔導書の在り処を示すあの符を盗み見ていたのだ。

 機密保持は一切期待できないだろう。


 現状ではクランに転移環設置は難しいと思われるから、二人の希望を叶えるにはかなり障害がある。だがあくまで今の話だから未来は解らない。


「まあいずれはな。今すぐにってのは無理だが」


「何度も言ったけれど、本当にありがとう。君がいなかったら私達はママを失っていたわ。感謝してもしきれない」


 ルーシアと固い握手をする俺だが、彼女の目の回りの疲労に気がついた。こりゃ寝てないな。魔法学院のセシリア講師といい、俺の周囲の研究気質の者は寝食を忘れる事が多いようだ。


「気にするなって。俺にも目的があってのことだ。その時はいずれクランにも手を貸してもらうときがくるかもしれない」


「この大きすぎる貸しが少しでも返せるなら望む所だね」


「是非とも頼む。あと、あまり根を詰めすぎるなよ? 急ぎの依頼じゃないんだからな」


「それは無理ってものさ。あんなもの、世に出れば世界がひっくり返る超遺物だ。私の知的好奇心が抑えきれないよ。よくぞ私に依頼してくれた。必ずあの謎を解き明かしてみせよう」


 策や依頼した件が彼女の情熱に完全に火をつけてしまったようだ。あとでリエッタ師に言付けておかないといけないな。



「頭、そろそろ……クランの皆様には大変お世話になりました。ランヌの王都リーヴにいらっしゃった時は今回のお礼をこめて歓待させていただきますね」


 俺の近くに音もなく寄って来た瑞宝がクランの皆に礼を言っている。リエッタ師の意識が戻った後も俺がここに来るまで瑞宝とその弟(?)のノーマは世話になっていたからだ。

 妖艶な美女である瑞宝の言葉になにやら想像を逞しくさせた男どもが生唾を飲み込む音がこちらまで聞こえてくる。

 意味が解らずきょとんとしていたのはこの場ではポルカだけだった。ノーマちゃんもその意味を理解したのか、耳が赤くなっている。この子もエルフだから齢相応の見かけではない。


「瑞宝ちゃんも元気でね。いつでも遊びに来ていいんだから。遠慮なんかしてはいけないわよ」


「はい、是非。リエッタ様もお元気で」


 リエッタ師が瑞宝の手を握って別れを惜しんでいる。その柔らかな手は続いて俺の手を取った。


「ユウキさん。貴方は命の恩人よ。このお礼は必ずさせてもらうわ。貴方に助けが必要な時は必ず駆けつけるから」


 貴方を助けたのはポルカとクランの家族達なんだが、それを口にしても話は進まないので別の言葉を告げる事にした。


「リエッタ師もこの地の守護は大変でしょうが、お体にお気をつけて。近々、俺も地下の奥底に入る予定ですので少しでもお手伝いできることがあると思います」


「……国王さんから聞いていたのね。ありがとう、本当に心強いわ」


 彼女の手握る力が強くなった。今のは勝手な予想だったのだが、例の王城の地下ダンジョンを警戒してリエッタ師がこの地に居ついているようだ。セラ先生がここより南のランヌに居を構えている事も無関係と思えないが、俺はにはどうでもいいや。これ以上の面倒事に自分から首を突っ込むのはよそう。


「クランのみんなも世話になったな。色々あったが楽しかったぜ。またな」


 十重二十重と玄関に集まってきたメンバー達に別れの言葉を告げたら、返って来たのは言葉の嵐だった。


「世話になったのはこっちだぜ!」「ありがとうよ、また来いよ!」「感謝してるぞ、お前がいなきゃおくふろさんは助からなかった!」「クランの恩人だぜお前は!」「お前ならいつでも歓迎だぜ!」


「じゃあ。みんなまたな」


「ユウキさん、本当にありがとう! 僕、絶対に恩返しするからね!」


 俺は軽く手を上げて、瑞宝とノーマ君は深く頭を下げてクランを出た。



「気持ちの良い方ばかりでしたね」


「ああ、どこの組織もそうだが、頭の器で空気がわかるな。余所者にも居心地がいいってのはたいしたもんだ。だが瑞宝、君はリエッタ師に大きな恩があるんだったよな? 残ってもいいんだぞ」


 俺の問いに瑞宝は首を振った。


「私の帰りを待ってくれている皆がいます。リエッタ様もいつでも来てよいと言ってくださいましたし、なにより今の私の居場所はあそこですので」


 瑞宝の言葉に嘘はない。”クロガネ”でも大幹部唯一の女性として存在感は随一だし、親分さんの身内であるジーニの姉御や孫娘のリーナ嬢からもとても頼りにされている。

 強面が多い幹部陣の中でも物腰の柔らかい彼女は様々なところから相談を受けているという。”クロガネ”での俺の役職は相談役だが彼女の方がよほど役目が似合っている。

 代わらないと冗談半分で問いかけたら真顔で怒られたのは笑い話……にしたいんだが、あの時の彼女は本気で怒っていて迂闊に話題に出せない。


「そうか。じゃあ帰るとしようか」


「そうね、帰りましょう。こっちは随分と待たされたし!」


 その言葉と共に、むんず、と俺の腕は掴まれた。


 誰かなど確認しなくても解っている。俺に対してここまで遠慮のない行動をする人物は世界に二人だけであり、肉体接触を伴うのは更に一人だけだ。


「よう、エレーナ。()()だな」


「ええ、とっても偶然ね。さあ急いで帰りましょうか」


 もちろん<マップ>で居た事は解っていたがクラン前で張っていたエレーナに腕を捕まれた俺は彼女に腕を組まれた。百人に問えば百人が美女と答える美貌を持つエレーナに腕を組まれる事は男として光栄と思わなくてはいけないだろう。


 たとえその組み方が色気を一切感じさせない、抱え込み方だとしても。


「まあ、大胆ですこと。ではもう片方が空いていますので」


 悪のりを始めた瑞宝が反対側の腕を組んだ。こちらはいたって通常な組み方であり、エレーナの異様さが浮き彫りになる。これは最早捕縛術だろ、絶対に相手を逃がさんという強い意思をひしひしと感じる。


「だってあんた逃げようとしたでしょ」


「してないしてない。エレーナがまだホテルにいた事は解ってた。迎えに行くつもりだったよ、まだ精算もしてないしな」


 俺はそう釈明したが彼女の瞳は俺への疑念に染まっている。内心では面倒臭い事になんざか関わりたくないと思っているが口には出さない。


「本当に? だって最近一言もこれからの事を口にしないじゃない」


 そりゃ絶対ややこしくなるし……いえ、なんでもないです。

 俺の内心さえ覗き込もうとする彼女の瞳から俺はたまらず逃走する。


 だが俺の隣にはこういう色恋ごとには百戦錬磨の瑞宝がいる。俺を常に立ててくれる彼女は今回も助け舟を出してくれた。


「頭、こちらの美しい方をご紹介いただけますか?」


「ああ、そういやあの時は挨拶していなかったな。彼女はエレーナ。”紅眼”のエレーナといえば解るだろ?」


 瑞宝をリエッタ師が眠るホテルに連れて行ったと気に二人は顔を合わせているが、あの時は色々とゴタゴタしていたので自己紹介など出来なかった。エレーナもこの件は外野に過ぎない事は理解していたので口を出さなかったのだ。


「まあ、貴方があの高名な!? お目にかかれて光栄ですわ」


「光栄なのは私も同じよ。”クロガネ”の黎楼(れいろう)の瑞宝さんね。序列5位、裏社会では知らぬ者などいない実力者。凄腕の精霊使いという噂だけど」


 そりゃ長命種のエルフだ。研鑽がそのまま実力となるのでエルフ族は総じて実力者になる。


「私は頭の忠実な手足の一人です。紹介はそれで十分過ぎますわ。それでエレーナさんはどうして頭と?」


「ああ、彼女は君も知るクロイス卿の彼女だ。後はわかるな?」


「は? 誰があんなろくでなしを。冗談は休み休み言いなさいよ!」


 俺はこの上なく端的な説明をしたつもりだが、エレーナは怒髪天を突く勢いで怒り出した。もちろん瑞宝にはきちんと伝わっている。


「あらあら、そういうことでしたか。では急がないといけませんね」


「ちょっと瑞宝さん、私はあんな男のことなんかこれっぽっちも気にしてなんか。こらユウキ、聞いてるの!?」


 決めた。絶対に転移環だけ置いて瑞宝連れて速攻で帰る。なにがあろうと無視して撤退する。


 どうせ移動は王都を出て人気がなくなれば例の魔法の絨毯で向かうのだ。<結界>張りつつ速度を上げれば今日中には辿りつくから、後はクロイス卿に丸投げしよう。

 瑞宝に転移環を知られてしまうが、彼女の正体を俺も知ってしまった。これでおあいこってやつだろう。


「こら、ユウキ。返事しなさい!」


 さあて、明日からはダンジョンを攻略再開だ。思えば新大陸からの帰還に随分とかかってしまったが、その分準備は万端だ。


「……!! ……!!!」


 耳元でエレーナが何か言っている気がするが、全て聞き流している俺はこれからの探索の日々に思いを馳せ、気持ちを新たにするのだった。





 残りの借金額  金貨 13123345枚


 ユウキ ゲンイチロウ LV4587


 デミ・ヒューマン  男  年齢 75


 職業 <プリンセスナイトLV2510>


  HP  985214/985214


  MP  2654514/2684514


  STR 121840

  AGI 119541

  MGI 135416

  DEF 126985

  DEX 111584

  LUK 67584


  STM(隠しパラ)8541




 SKILL POINT  20315/20865 累計敵討伐数 412514



楽しんで頂ければ幸いです。


お待たせして申し訳ありません。


少し前に締め切り護るとかいったそばからこれです。毎回定時に上げている予約組みの皆様はよくできるなあと感心しきりです。


そして前話でクラン編が終了と言いましたが、書いている内にどう見てもこれが締めだなと思い直しました。

さらに番外編をお送りするとまで書きましたが……文量が多すぎましたので次回とさせてください。

予定がずれまくって申し訳ありません。



話は変わりますが、なんとまたレビューを頂戴してしまいました! 信じられません。ロクな宣伝もしてない愚作にこんな事があってよいのでしょうか!


くまちょねす様、本当にありがとうございます。心から御礼申し上げます。


次回でこの話を終わらせたら、いくつかご指摘いただいているので予定を変更して借金の件を少し始めたいと思います。確かに題名にまであるのに主人公が一切気にしていないのでご不満に思われた方もおられたと思います。

 私も主人公が好き勝手暴れる方が楽しかったのでそっちばかり書いてしまいました。

 時系列的には混乱をきたさない内容ですので問題ないかと思われます。


それでは次回またお会いしたく思います。



もしこの拙作が読者様の興味を引いて頂けましたら評価、ブックマークなど入れていただくとこれに勝る喜びはございません。何よりも作者のモチベーションが超絶鰻登りになります。更新の無限のエネルギーの元になりますので、何卒よろしくお願いします!

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