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世界最強になった俺、史上最強の敵(借金)に戦いを挑む!~ジャブジャブ稼いで借金返済!~  作者: リキッド


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魔法の園 46

お待たせしております。



「オツトメごくろーさんです!」


「なんだよそれ」


 翌朝、王城の裏口にある通用門から出て来た俺の隣にリリィが転移してくるが、芝居がかった口調で告げられた言葉に顔を顰めた。


「えっ、牢獄から出たらそう言うのがマナーなんじゃないの?」


「相棒、今度は一体何を見て影響されたんだ?」


 金バッジは? もらえるんじゃないの? と謎発言を繰り返している相棒を引っつかんで定位置の懐に放り込んだ。雑な扱いに文句を言うリリィだが、やはり慣れた場所だからなのかすぐに大人しくなって鼻歌が聞こえてきた。


 俺の出所(?)は誰にも告げていないが、当然仲間は知っている。玲二たちも駆けつけると最初は言っていたが、今日は普通に学院があるしほぼ毎日顔を合わせているのだから特段騒ぎ立てるほどの事ではない。ただでさえ好き好んで馬鹿をやって牢獄に行ったというのに何故祝う空気になるのだろう。


 しかし彼女達は少し離れた場所で俺を出迎えてくれた。


「お帰りなさいませ。この日をお待ち申し上げておりました」「うむ、お疲れ様だ、我が君」


 ユウナとレイアの従者二人からの言葉を受けたが、俺は険しい顔を崩さずユウナに告げた。


「周辺各国が露骨に恩を売ってきたぞ。国王宛に俺の釈放要求をして来たそうだ、ユウナは何か掴んでいたか?」


「はい、何らかの動きを見せたのは確かですが、確証が持てませんでした。しかし、ユウキ様の収監は極秘案件であったはず。まさか……」


「今更なにを言ってやがる。玲二や雪音から話を聞いたんだろ? ライカや凛華も居たし情報は漏れているのは解ってたが、まさかこうまで動いてくるとは面倒だな」


 こちとら国王と一人で決着をつけるべく土産まで用意していたと言うのに、諸外国がしゃしゃり出てきやがった。これが善意だとは欠片も思わない。国の外交とは自国の利益のみで動くからだ。送った側とすればこれで貸し一つを作ったつもりなのだろう。誰が借りてなどやるものか。


「あの者たちからすれば我が君に恩を売れる絶好の機会だった訳か。これを無視すれば一度助けてやったのに恩知らずだと糾弾してくる寸法だな。それが我が君が一番嫌う姑息さとも知らずに」


「人間はつくづく面倒だねえ。私は毎日甘ーいお菓子があれば何も文句ないのに」


 俺の胸元から顔を出しているリリィが呆れているが、その菓子を用意するのも簡単ではない……いや、一度に山ほど創っているから簡単だけど。


 そう言えばオウカの摂政宮が我が君に詫びを伝えて欲しいと言付かっていたなとレイアが言ってきた。凛華は俺の不興を買うと解っていても行わざるを得ないと判断したか。

 こんな恩の押し売りは無視くれてもいいんだが、それで不義理だと喧伝されるも癪だな、どうしたものかとユウナに判断を仰ごうかと彼女を見ると、なにやらとても喜んでいるみたいだ。無表情なのだが、僅かに頬が緩んでいる、主人として従者の表情の変化くらいは読み取れる。


「どうした?」


「いえ、ようやく各国がユウキ様の偉大な御力を理解し、こうして行動に移したことに感動しておりました。申し訳ありません、我が主がそのような振る舞いをお好みにならないと解ってはいるのですが」


 今回は本当に例外中の例外だが、俺は基本的に目立つ行動を好まない。陰の実力者を誇示したい訳ではなく、何度も言っているが目立てば目立つほど借金の問題が発覚しやすくなり、ひいては故郷のライルの家族に不都合な事実が露見する恐れが出てくるからだ。

 だからユウナには悪いが借金の問題が解決するまでは露出は徹底的に避ける方針は変わらない。しかし返済もウィスカの30層に至った事で大分展望が開けてきた。残りの借金は金貨1400万ほど(自分で言ってて頭痛がしてくる)だが今の推移で行けば4年ほどで完済できる計算だからだ。

 好き勝手に生きている自覚はあるが、それでも口さがない者達に借金の問題が知れ渡り、故郷の家族に責めを負わせる愚は冒したくない……いや、違うな。

 俺の本心はライルの体を勝手に使っている現実を家族の皆に知られたくないだけだ。



「我が君の意思は極力尊重するが、既に貴方も思い知っているだろう? 突出した力を持つものは隠棲など不可能だ。遅かれ早かれその強すぎる力が原因で表舞台に引っ張り出される事になる」


 レイアが至極当然の現実を突いてきた。事実として今の俺が良い例だ。



「ユウキ様、ひとまずお休みになられた方が。宿の手配は済んでおります」


「いや、クランに向かう。最後の面倒を片付けておきたい」


「無理をするものではない、非常にお疲れなのは私の目を見れば明らかだ。昨夜は大変だったのだから」


 そう、レイアの言葉通り、昨夜は色々とあった。実に色々とあった。


 国王バイデン3世が言った城の地下にあるダンジョンなど些細な問題だったほどだ。

 彼としても急ぎの話ではなく、俺が暇なときにでも探索してくれれば構わないと言っていた程度の話だ。あちらとしては口が固く利害の一致した腕利きの冒険者が確保できれば今は十分なのだろう。

 俺としてもこれからウィスカの探索を再開するつもりだったし、獣王国の獣神殿の秘蹟にある隠しダンジョンを攻略する方が優先度は上だ。神殿には素材の時に非常に助けられたし、その見返りとして口には出さなかったもののダンジョン攻略をして欲しい旨の意思も受けた。

 正直これ以上の面倒を抱えたくはなかったが、ソフィアの安全に関わるなら無関係ではいられない。しかし優先順位としてはかなり下なのは確かだ。



 では何が俺をここまで苦労させたかといえば、深刻な話は終わったと仲間から情報を得たソフィアがその直後に転移環を使ってやって来たからだった。


 ソフィアと国王との関係は良好だった。彼女としても兄王が来ているならば是非ともご挨拶をしなければとやってきたし、王もかつては儚げな印象ばかり残った妹が異国で溌剌と笑顔で暮らしているとわかり、上機嫌になった。

 王を更にご機嫌にさせたのはソフィアの増大した魔力だった。魔法王国の姫としては残念極まる魔力の持ち主で偽物王女の烙印を押されていた彼女だが、俺が特製の魔力鍛錬を施したことで乏しい魔力は格段に上昇し、それは留学に訪れている各国の王族を凌駕している。


 魔法においては他の追随を許さない自負のある彼等にしてみれば大いに面目を施した格好であった。しかし報告は聞いて知ってはいても、実際に両の目で確認した王の喜びは相当なものだった。


 その結果、このような良き日に飲まずに居られるかと夜明け近くまで酒盛りに付き合わされたのだ。

 転移環は秘密事項だが、ソフィアは祖国にあてた手紙においてそれを匂わす文面をしたためていた。

 ウィスカと王都とアルザスを数日で行ったり来たりする内容をそのまま送っていたし、その内容を俺に見せていたのでソフィアが俺を裏切ったとかそういう次元の話ではない。


 そもそも貴族や王族の留学はその国の情報収集の側面も持ち合わせている。はっきりと俺目当てだと言われたエリザやフィーリアはその最たるものだし、むしろ行わないと叱責を受けるだろう。


 それにソフィアは公爵家を通じてランヌ王家にもかなり深い付き合いをしており、そこで得られた情報を手紙で国王に送っていた。その行動により妹は現在ライカール国内で高い評価を得ているという。

 これまで姫として失格の烙印を押されていたが、祖国に多大な貢献を為した事で名誉を回復することになった。空前の好景気に沸くランヌ王国への窓口として動く事もあり、ライカールの貴族たちは完全に掌を返している。


 妹の為になるのであれば、ある程度の情報漏洩は許してやろうと言うのが兄貴の判断である。それに情報の拡散の心配もあまりない。ソフィアから得たそれを吹聴するより秘匿するほうがより役立つはずだからだ。触れ回ったら俺が全てを消し去るつもりである事をソフィアはきちんと手紙に書いていた。


 余談であるが、国王が不在である情報をもたらしてくれたのはジュリアだ。国王が長らく待たせていたという例の妃は北部では有名な人物だった。噂になるほど見目麗しい美姫だと言うのに浮いた話一つなく貴族の結婚適齢期を過ぎた後でも独身を貫いているという。

 暇な貴族共の中には口さがない者はどこにでもいるから、そんな彼女は恰好の話題だった。あまりの風評被害に見かねた周辺の最大貴族の元に身を寄せていたこともあった。


 そして北部の最大貴族とはペンドライト子爵家であり、ジュリアやソフィアにとって幼い頃から知っている年上のお姉さんだった訳だ。


 お姉さまはそんなにおきれいなのにどうしてみなさん放っておくのかしら? と子供の頃のジュリアは無邪気に尋ねてみても、当の彼女は微笑むだけで何も答えてはくれなかったという。


 そんな彼女のもとにようやく王が現れ、約束を果たしに来たとなれば当然周囲は沸き返る。ジュリアにも妹や母親から通話石で連絡があり、国王の不在理由を俺も知ることになったのだ。


 そんな訳で上機嫌だった王が久方振りに目にした腹違いの妹は見違えるほどの溌剌さと膨大な魔力をその身に宿していた。

 魔力王国の王女に相応しいその魔力を見れば、誰も二度とソフィアを偽物などと呼ぶことはないと一層上機嫌になり、セイブル侍従長と共に更に酒が進む始末。

 結局夜空が白む頃になって王が酔い潰れ、ようやくお開きになったのだ。



 お陰で今日の日課がこなせていない。どんな忙しい日も欠かさず続けていただけに、なんとか時間を見つけて行いたいところだ。

 それに王は幼い頃からの初恋の人を迎えられて嬉しいのだろうが、彼は自身の王宮でこれから巻き起こる熾烈な女の戦いを覚悟しておくべきなのだ。


 正室である王妃はオウカ帝国からの輿入れであり、摂政の凛華などは歳も近くて親しかったという。

 そしてどうやら凛華からこちらの情報が渡ったようで、尖塔に滞在していた俺を訪ねてきたのだ。


 無論、色気のある話ではなくて女の武器を更に磨くために各種化粧品を欲していた。俺は専門家ではないが、品物の担当窓口として認知されていたようだ。


 しかし清楚な印象を受ける王妃の口からは中々に好戦的な言葉が漏れ出している。考えてみればあの皇太后の眼鏡に叶った人物なのだから、只者であるはずがないのだ。

 虫も殺さないような顔で格の違いを教えてやりますと言い出すので俺は関わりたくないとばかりに彼女の望む品を山ほど差し上げて退散願った。


 確かにオウカ帝国の八卦衆とか言う最高位貴族とライカールの片田舎の女性とでは分が悪いか? だがそれは王が苦労すべきことだな。大きな幸せを掴んだのだから、その分反動が来るのは当然である。


 だがそれからも数度の訪問を受け、上流階級の淑女たる彼女との会話は思いもかけず楽しいものであり、俺の無聊を随分と慰めてくれたのは確かである。

 ライカールにまた女の戦いが巻き起こる予感を感じながら、これ以上はもう知らんぞとばかりにそそくさと城を後にしたのだ。



「二人には改めて礼を言わせてくれ。君たちが居てくれたからでなんとかなった。ありがとう」


「何を申されるか。こちらこそなかなかできぬ体験をさせてもらった。エリクシールの精製に立ち会えるなど、これからの生涯で二度とないであろう。それにようやく従者らしい仕事をしたしな」


「ユウキ様の為さりたいことのお助けするのが従者ですので、お気になされることはございません。それに我が主の名声が高まる事は従者の本懐でございます。ライカールの歴史にユウキ様の名は栄光と共に永遠に記録される事でしょう」


 どちらかと言えば悪名な気もするが、ユウナが喜んでいたのでこれ以上何かを言うつもりはない。


「そういえばレイア、例の薬は結局どれだけ残ったんだ?」


 総量は解っているが、あいにくと俺は何本分になるかまでは把握できない。本職のレイアのほうが確実だ。


「うむ。一番小さな小瓶に分ければ千本は優に越える。1度開封すれば時間経過で劣化するから、大瓶で使うことはなかろう。そして上澄みがあと10本残っているな」


「いくらかはクランにまわして、あとは少しだけオウカと獣王国に分ける。しかし、よくそんなに残ったな」


 もともと大量に作らないと満足な量の上澄みが確保できない恐れがあったため、手に入る素材の品質が許せる最大限で作ったがそれでもそんなにあるのか。


「百倍以上に薄めればハイポーションになるだろうが、無意味だな。それはポルカの神業を愚弄する行為でもある」


「あいつ、凄かったらしいな」


 仕方なかったとはいえ、ポルカの覚悟と決意を側で見ていたかったのは確かだ。しかし国相手に喧嘩を売る真似をして只で済むと思うほど馬鹿じゃないから俺が後始末をつけることにした。

 結果として酔った王からあれも手に入れたし、取り敢えずクランも安心だろう。


「セラ大導師も仰っていたが、製薬とはつまるところ最後に物を言うのは調合者の意思と覚悟なのだな」


 感に耐えぬといった風情のレイアは珍しい。ユウナが気を利かせて動画を撮ってくれたらしいから、後で見てみるかね。



「ユウキさん!!」


 そんなことを考えながらクランへの道を歩いていると、丁度俺達が話していた話題の人物の声がした。


 寒い中俺を門の前で待っていてくれたらしい。彼の鼻と耳は赤くなっていた。今のこいつはクランでも屈指の重要人物で、こんな真似させていいはずがないんだが。むしろ敢えてさせているのだろうか?


「よう、ポルカ、お手柄だ。やり遂げたな!」


「全部ユウキさんのおかげだよ! ありがとう、お母さんを助けてくれて、本当にありがとう!」


 もう既にリエッタ師が元気になって3日以上経っているというのに、ポルカは俺と会うと目に涙を浮かべて泣いてしまった。


「何言ってんだ。お前が作った薬で助けたんじゃないか。自信を持て、お前は世界で一番の薬師だ」


「ええっ、それはちがうよ! そうだ、その事でユウキさんに相談したいことがあるんだけど」


「なんだよ改まって」


 ポルカがその相談事とやらを口にする前にマールの元気な声が遮った。


「ああっ、やっと帰ってきた! みんな待ってたんだから!」


 フードを押さえながらこちらに駆けてくるマールの顔も喜びに満ちている。俺達に隠し事もなくなったからか、快活な印象を与える少女になった。


「おっ、今回の殊勲者のおでましだな。こうまでうまく事が進んだのはマールがいてくれたからだ。ありがとうよ」


「へっ? わ、私は何もしてないじゃない。最後にちょこっと魔法使っただけだし……あんたの方がよっぽど、うわっ、ちょっと何すんのよ!」


 謙遜するマールの頭をフードの上からくしゃくしゃに撫でてやった。


「マールとポルカの二人が居たからこそ今回は上手く行ったんだ。特にマールの魔法がなかったら絶対に荒れた始末になっただろうからな。そこいら辺はルーシアあたりから聞いてないのか?」


「ああ、我が君。マールには詳しい事を伝えぬ作戦だったのだ。考え過ぎる性質だからな」


「もう、レイアさんたら! でも言えてるかも」


 マールは気にしなくても良い事だが、彼女の魔法が無ければ騎士団と深刻な敵対関係になっていた恐れがある。騎士を強引に突破すれば彼等は面子を潰されたと受け取り、魔導院と歩調を合わせてこちらに牙を向いただろう。

 完全な暴力組織である騎士団を敵に回すのは厄介すぎた。奴等に比べれば研究畑に過ぎない魔導院はただの政治派閥だ。その手口はクランに幹部を送り込むなど穏便なものに限られている。

 騎士団がクランに対して好意的中立に立ってくれたから後始末が捗った面も大きい。彼等の損なわれた信頼はリガ・ファミリアの壊滅で十分以上に高まった。あいつらは本当に評判の悪い連中で、王都の民は騎士団の活躍に快哉を叫んだそうだ。


 マールの魔法はそういった面倒をまとめて片付けられる、本当に今回の件の最後の鍵だったのだ。

 俺としてはポルカ以上の大殊勲者だった。


 そう伝えてもいいが、今のマールじゃ気負うだけか。今のこいつに必要なのは自分に対する自信だ。己の魔法の意味と価値を理解すれば自ずと自信になるだろう。

 その自信を積み重ねていずれ慢心となって打ち砕かれ、また一から積み上げるようになると確固たる己になるんだが……それはあいつらとやればいい。




「で、リエッタ師はいるかい? 元々の俺の目的を果たしたいんだが?」


 俺の来訪を知って周囲が騒ぎ出す(要は中断した酒盛りがしたいのだ)中、それを無視して二人に話しかけた。ええい、お前ら正気か? こんな昼間から宴会できるかよ。そもそもあの時の全員揃ってないじゃねえか。


「お母さんはお出かけしてます」


「姉さんたちと各所へ挨拶回りだって。夜にならないと帰ってこないわよ」


 当然<マップ>で不在もその理由も理解していたのたが、あえて尋ねた。便利すぎる能力は他人に説明できないのが不便である。


「まあそりゃそうか。二人は王宮にいたから知らないだろうが、リエッタ師が倒れたと知って国中の偉いさんや各ギルドなんかがこぞって見舞いに来たからな」


 その見舞いの返礼に出向いているのだ。何しろ臥せっている最中の彼女の胸には魔導具のナイフが突き立っていたからその場に案内などできない。その分の詫びも込めてラルフとルーシアを連れて挨拶回りをしている。


「ええ、クランに戻ったら沢山の来客が来ていて驚いたわ」


「じゃあ先にギルドに行くか。今回の依頼の清算しないといけないし」


 俺がギルドに足を向けると二人もついてくるそうだ。ポルカがクランの前で出待ちしていたのは俺がふらっと何処かへ行かないように見張るためでもあったそうだ。別に疚しいこともないから逃げやしないのだが。



 今回の騒動で冒険者とスカウト両ギルドには役に立ってもらった。冒険者ギルドには王城前での乱闘で市井の民に被害が出ないように警備と人垣を頼んだし、スカウトギルドには騒動後の噂の流布を依頼した。


 エリクシールの作製が上手く行きリエッタ師が快復するのが最優先とはいえ、その経過でやらかしてクランが恨みを買っては本末転倒だ。あの喧嘩で罪の無い誰かが大怪我でもしたら、王都の民の俺達の評価は地に堕ちる。

 そして綺麗に後始末するのも大事だった。いかにもな美談を拵えて流したが、これが思いの外上手く行った。リエッタ師のこれまでの功績や国王バイデン3世が母親に頭が上がらなかった事実を踏まえて適当に作ったが、殆ど疑われることもなく皆信じてしまった。


 人は自らの信じたいものを信じるという好例だろうか。とにかく民は俺の嘘を信じ込み、王への歓呼とリエッタ師の快癒を単純に喜んだ。

 つまり魔導院以外は誰も損していない結末になり、事を荒立てようとする者は居なくなった訳だ。

 その魔導院は国王が責任を持って抑えてくれるしな。



 こうやって丸く収まったのは両ギルドの力が大きく、俺達は礼を込めて報酬を支払いに行った。

 スカウトの方はユウナが行ってくれた。あちらのギルドは所在を明らかにしておらず、余所者が平然と出入りすると獣王国の時のような軋轢を生むからだ。

 あれはエレーナが勝手に付いてきたのであって、俺のせいじゃないと思うが。



「あっ、ユウキさん。お待ちしてました!」


 俺がブタ箱に入っていた事は一応秘密なのでギルド受付嬢の一人がこちらを見つけて声を上げた。


 まるでこちらを待ち望んでいたような感じだが、依頼はすでに前金で半分出してるし、俺の支払い能力は知っている筈なんだがな、と思っていたらその理由が横からやって来た。


「あんたがあのユウキだな! 噂通り若いな! なあ、俺を”クロガネ”に入れてくれや!」


「あん? いきなり何なんだ、お前は?」


 目の前にやって来た大男か俺にそう詰め寄ってくる。断りの言葉を告げる前に他からも似たようなことを言う連中が次々と現れた。


「お、俺も入れてくれ」「俺もだ!」「てめえ、抜け駆けすんな!」


 説明を求める視線を巡らせて、受付嬢と目が合うがむしろあなたが何とかしてくれと言わんばかりだ。


「うん、これもある意味ギルドテンプレだよね」


 うんうんと頷いている相棒は役に立ちそうにない。突然の展開に戸惑っているマールとポルカは言わずもがなだ。


 面倒だ、他人の空似で通そうかな。


「我が君、諦めたほうがいい。”クロガネ”の者たちを率いて大いに暴れていた事を多くの者が目撃しているのだから」


 そりゃそうか。時間がなかったから一切隠さなかったしな。だが暴れたと言うのは間違いだ。俺は指揮官として周囲の状況把握に努めていて手を出したりしなかった。


 ギルド内は時間的に閑散としていたが、この事でざわめきが広がってゆく。俺が相手してやるほかなさそうだ。


「悪いが、”クロガネ”に関しては俺は何の権限もないんだ。他を当たってくれ」


「んな馬鹿な。あの”喧嘩屋”を完全に従えていたじゃないか。あんたが大頭(おおがしら)なんだろう?」


「組織には直接関わってないんだよ。じゃなきゃこんな風にフラフラ出歩いているはずないだろ」


 俺の言い分を理解する空気半分と納得出来ない空気半分って所か。


「本気であいつらの一味になりたいならこんな所に居ないでさっさとランヌに向かえ。話はそれからだ」


 俺が突き放すようにすると、途端に逡巡する空気になった。こいつら、俺の声掛かりで良い目を見ようとしやがったな? 性根の腐った奴等だ。

 ”クロガネ”じゃこういった半端者が一番嫌われる。結成時には寄らば大樹の陰とばかりに中身の伴わない雑魚がかなり湧いたが、ザイン達により全て放逐された。

 今じゃ親分さんの名の下に男と命を張れる奴しか集う事を許されない硬派な組織だ。仕向けた俺が言うのもなんだが、よく数千人規模の大集団になれたもんだな。



「てめぇ等、無様な真似してんじゃねえ! セイレン(王都)に生まれた俺等が余所者に尻尾を振ってどうすんだ、馬鹿野郎共が」


 冷めきった視線を送る俺に対して一人の若い男が半端な連中に噛み付いた。

 まだ若い男のようだが一番の特徴は包帯だらけの体だった。兄弟らしきもう一人に体を支えられてなんとか立っている有様だ。


「ルーク。だがよ、俺達じゃ奴等には……」


「そんで助けてもらった余所者に媚びるってのかよ。誇りがねえのか、お前達にはよ!」


 痛々しさを感じる全身包帯男だが、その目には誰よりも強い光があった。一気に興味を引かれた俺はすぐ側に来ていた受付嬢(確かミズキと名乗ったはずだ)に視線を向けて促した。


「彼は王都で活動する……その、なんというか、”クロガネ”のような事をしている人たちです。今回の騒動で処刑されたリガ・ファミリアに手酷く叩かれていたようですね。ユウキさんの行動は結果的に彼等を救ったわけです。頭目のルークさんはBランク冒険者でもある実力者ですが、先日闇討ちを受けてあのような姿に」


 なるほど。あのルークにすれば自分の獲物を横取りされ、仲間たちは俺の手下になろうとしているって状況か。その不様さに激怒しているのか。こいつは骨がありそうだな。


 俺は<アイテムボックス>から取り出したハイポーションの小瓶を取り出すとルークに向けて放り投げた。


「ルークと言ったな。”クロガネ”は噂を聞きつけていろんな奴が集まってくるが、殆どは半端な雑魚ばかりで叩き出してる。甘い考えの奴は長生きできない場所だ。まあ、お前くらい根性の入った奴なら歓迎するんだがな」


 俺から評価の言葉を受けるとは思って居なかったのか、呆けた顔をしているルークを尻目に俺はミズキに促されてギルドの奥の個室に通された。

 どうしてこんな事になったのかを尋ねると、奴等の一人が俺をギルドで見かけていて”クロガネ”に加えてもらおうと毎日ここで張っていたそうだ。俺がブタ箱に入っている事など知らない彼等はめげることなく通い続け、ギルドの迷惑にもなっていたそうだ。


 だから受付嬢が俺を見つけて嬉しそうにしていたというわけだ。




「あ、あのユウキさん。あの人たちはあれで良かったんですか?」


 あたふたと俺の後をついてきたポルカがそう聞いてくるが、俺に出来ることは何もない。知らんの一言で済ませるしかない。


「組織に関しては俺は本当に何も権限がないからな」


 まだ何か言いたそうなポルカだが、通された部屋にはギルドマスターが待ち構えていたから、それ以上口を開く事はなかった。


「おや、ギルドマスター直々の対応とは恐縮ですね」


「それほどの大事件だったからね。”森の大賢者”リエッタ様を救うミッションの一翼を担えた事はギルドとしても誇りに思うよ」


 あまりこのギルドに良い印象のない俺は前置きはこれくらいにして俺は早速清算手続きに移った。あちらはいくらか言葉を続けたが、俺が露骨に会話を続ける意思を見せなかったので折れたようだ。


 今回の依頼額はギルド側でも算出が面倒だったらしい。依頼時にきりの良い所で金貨20枚を提示し半額の10枚を支払っているのだが、動員した冒険者の数や起きた騒動の収拾などで経費は変動するし、薬草集めの時の人員供出の件もある。

 色々と厄介事も頼んだのでギルド側が吹っかけてきてもおかしくはない。スカウトギルド側はそれは同様で言い値で支払うようにユウナには命じてある。だがもし理不尽な額で来たら、今度の俺達の関係がどうなるかは言うまでもない。


「経理と話し合ったのだが、なにぶん前例のない依頼でね。なんとも計算が難しい」


「そちらの値付けで文句は言いませんよ。その金額を自分がどう思うかは別として」


 両ギルドはよい働きをしてくれたから含むものはないのだが一応釘を刺しておいた。だが一気にギルドマスターサイラスの顔色が強張る。さてはこのおっさん、吹っかける気だったな?


「ギルド専属冒険者であるユウキさんは私達の”身内”ではありませんか。身内をそのような扱いにはしませんよ」


 黙ってしまったギルドマスターの代わりに俺の隣に居たミズキが手にした羊皮紙をこちらに差し出してくる。そこに書かれているのは金額ではなく触媒や素材の数々だった。


「ユウキさんには金額よりも是非とも物納で頂きたいですね。金貨は他の皆さんでも都合出来ますが、特殊な素材はそうは行かないもので」


「なるほど、もちろんかまいませんよ」


 ギルド関係者には俺の能力はある程度知られているので一覧にある素材を<アイテムボックス>から出してゆく。ちゃっかりしている事に明らかな女性の文字で”ちょこれいと”や菓子が書き足されてるが、これはまあご愛嬌と言うやつだろう。

 

 しかし俺がわざわざポルカとマールを連れている意味がちゃんと彼等に伝わっただろうか?


 マギサ魔導結社が伝説の神薬エリクシールの作成に成功した事は隠してもいないので王都の誰もが知っている。 

 しかし作成者が誰なのかは謎に包まれている。現段階ではポルカの事はクラン内でも限られたものだけの秘密にしていた。こいつの技量が飛び抜けている事は皆分かっているが、エリクシールは荷が勝ちすぎて無理だったと周囲には思わせている。

 優れた薬師としての顔を持つセラ先生の存在がそれを裏付けてくれて、見舞い客などは先生が作ったと報告を上げるだろう。ユウナが調べた各国の反応もそんな感じである。


 そんな中で俺がわざわざ二人をこんな場所に連れて来た。俺はギルド専属としての働きをしたつもりなのだが、懇切丁寧に説明はしてやるつもりはない。俺は二つの意味を込めたのだが、彼等なら勝手に理解するだろう。


 二人は俺が連れまわすだけの価値がある存在であること、ギルマスならポルカが作成者だと看破するかもしれない。


 そしてなにより、二人に悪意を向けると俺が敵に回るぞと言う警告だ。



「しかし残念です。ユウキさんがまもなくこの地を離れてしまうなんて。ずっと居て下さってもいいのですよ?」


「そう言っていただけるのはありがたいが、ウィスカのダンジョンを攻略途中でして。中途半端に投げ出すのは我慢ならない性分なものでね」


 一覧より大分多い量の素材を渡して機嫌の良いミズキがそのように世辞を言ってくるが、俺の言葉は偽りのない本心だ。王城地下のダンジョンもそうだが、まずはウィスカが優先だ。色々つまみ食いしたら全部中途半端になる気がする。


「ですが貴方の攻略速度ですとウィスカ踏破もそう遠い未来ではなさそうです。その次は是非とも我がライカールへ」


「そうですね、この国には色々と縁もありますし考えておきますよ。では、いつかまた」



 別れの挨拶をしてギルドを離れた俺にポルカが意を決して話しかけてきた。


「ねえ、ユウキさん。ぼくさ、セラ先生の弟子にして欲しいんだけど、なんて言えばいいかなぁ?」


「は? 何言ってんだお前? 先生があれだけ熱心に教えてて弟子じゃないとか誰も信じないぞ」


 こっちが意外さを覚えるほどセラ先生はポルカを気に入っている。リエッタ師が長年の友人である事を差し引いても親身だった。あの人は興味ない奴には本当に無関心だから間違いない。


「で、でもさ。ぼく一言も弟子にしてくださいってお願いしてないんだよ。あの薬を作っていて思ったんだ。ちゃんとした先生の下で基礎から勉強したいなって。でもセラ先生には最近会えなくって」


 そういえば出会うなりポルカをまるでなっておらんと叱りつけたのが始まりだったな。そして<マップ>を確認すると先生はランヌに戻っている。ということはポルカと会う機会はそうないだろう。それにあの先生は素直じゃないからなぁ。ちゃんと言葉にしないとポルカの事を忘れたふりをしそうだ。


<あ、それありそう。結構ツンデレだし><大導師の性格を考えるとその可能性は高いであろうな>


 相棒とレイアが<念話>で意見を送ってくる。俺の目的の為にもポルカのレベルアップはあるに越した事はない。不安な瞳でこちらを見上げてくるこいつのためだ、一肌脱いでやるか。

 なに、全くの無策ではない。こちらには心強いマールという味方がいるのだ。先生はアリア姉弟子をそれはもう溺愛している。そしてまだ出会って間もないのに既に十年来の親友みたいに仲の良いマールが会いたいと通話石で頼めばセラ先生が転移で連れてくるだろう。


 かなりひねくれた性根をしている先生だが、真摯に頼めば聞いてくれるし、アリア姉弟子と仲の良い者には途端に採点が甘くなる。これは同じ店で働いているレイアからのお墨付きだ。彼女も姉弟子と仲良くなったら先生の態度が格段に変わったと言っていた。俺が新大陸から連れて来たリーナも同様だ。


「マールが手伝ってくれれば場は整えてやるぞ」


「え、私? 別にいいけど、なにするの?」


 俺が帰途に着きながら計画を説明しているとクランのほうでも動きがあった。


 リエッタ師が帰ってきたのだ。俺が戻ったと知って予定を変更して早めに帰ってきてくれたらしい。<マップ>ではラルフとルーシアも一緒に戻っているが……おいおい、どんだけ集まってんだよ。


「やれやれ」


「どうしたの、ユウキさん?」


「リエッタ師が戻ったみたいなんだが、その他にも真昼間だってのにクランに大勢の人間が集まり始めてるんだよ。もう数千人はいるぞ」


「それはそうよ。ようやくあんたが戻ったんだもの。ちゃんとしたお祝いは帰って来てからって話だし。皆待ってたわよ」


「そんな事になってたのか、別に俺一人くらい気にしなくてもいいのによ」


 おれは何の気なしに言ったのだが、マールは思いもかけぬほど怒り出した。


「何言ってんのよ! お母様の命を救ってくれたのよ! あんたが私達にどれほどの事をしてくれたのか、クランは一生忘れないわ!」


 俺は材料を集めただけで作ったのはポルカなんだが……それをいえばもっと怒られそうな気がする。マールは他にも何かを口にしようとしていたが、すぐ側を通りかかった奴に声を掛けられた。


「あ、ユウキじゃないか! こんな所にいたのかよ、早くクランに行こうぜ! リエッタ様の元気な顔を見ながら中断した宴会の続きをしようぜ!」


 声の主は俺と一緒にブタ箱に入った一人だった。クランにはこれから行われる大宴会を楽しみに続々と、王都中から続々と集結中だ。これは1万を優に越えそうだ。


「早く行こうよ、ユウキさん」


「わかったわかった。押すな押すなって」


 このままだと酒と食い物は俺が出す流れのような気がするんだが、マールとポルカの心からの笑顔が見れたから、まあいいか。




「マギサ魔導結社に!」「栄えある7大クランに!」

「偉大なるお袋さんに!」「勇敢なるクランメンバーに!」

「そして”子供達”全員に!」


「「「「「「乾杯だぁっっ!!!」」」」」




「美味ぇっ! こんなに酒が美味ぇのは初めてだぜぇ」

「そりゃそうだ、何せ勝利の美酒って奴だからよ」

「いや、酒そのものがすげえ上等な奴だぞ。ユウキめ、とっておきを出してくれたな。わかってんじゃねえか!」

「よっしゃあ、腰を据えて飲むぜぇ」

「待て待て、酔いつぶれる前に俺達のお袋さんの顔をもう一度見ておこうぜ」


「なんだいこの食べ物は!? どれもこれも極上の味わいじゃないか」

「この肉ををごらんよ、なんて上質なんだい。こりゃ金貨が必要になっちまうよ。それがこんなに沢山」

「これが全部あの若いのの持ち出しなんだろう? ウチの孫の婿になってくれないモンかね?」

「馬鹿をお言いでないよ。これほどの甲斐性だ、きっといい人を何人も囲っているさね」



 大宴会は盛況だった。クランに無関係な者も巻き込んで軽快な音楽が奏でられ、酒の入った者達が陽気に踊りだした。聞こえる掛け声はクラン万歳、リエッタ師を讃える声だ。



 誰かが調子はずれの歌を歌いだし、それに皆が同調してゆく。次第に大きくなってゆく歌声はクランに取って馴染み深いものの様で、隣のマールやポルカも歌い始めた。



 多くの者が声を揃える歌詞は、言っては悪いが他愛ないものだ。明日が晴れますように、健やかな日でありますように、実りある日でありますようにと願いを歌うものだ。


 だが旋律が耳に残る。俺の知らぬうちに口ずさんでしまうような、良い歌だ。



「クラン創成期に作られた古い詩なの。私が特に好きで子供達に歌って聞かせたものだから、皆覚えちゃってね」


 聞き入っていた俺の隣にゆっくりと腰掛けたのは豊かな金髪を持つ凄い美人だ。特徴を付け加えるならその耳は長く尖っている。


「自分も気に入りました。曲名を伺っても?」


「”希望をさがして”というの。私の大切な仲間たちが付けてくれたのよ」


 彼女の背後には護る様にラルフとルーシアがいる。片時も離れないと言わんばかりである。


 二人の母親にしてクラン最高幹部であるリエッタ・バルデラ師が俺の前に居た。


 あの夜に見た透き通ったような感じは受けない。最高品質のエリクシールはその力を十全に発揮したようで、周囲に溢れるばかりの生命力を放っていた。

 良かった、病魔は完全に打ち払われたようだ。これなら二度とあんな病にかかる事はないだろう。


「ご快復おめでとうございます」


「ありがとうございます。もう一度子供達を抱きしめる事ができたのは全て貴方のお陰様なのだから」


 一安心した所で、俺はこのクランに対して最後の一仕事を始めようとしていた。



「色々とお話したいから場所を変えましょうか」




楽しんでいただけで幸いです。


新年一発目が遅れて申し訳ありません。


体調不良で寝込んでおりました(コロナではありませんが)。

今年は締め切りを護る事を第一義にして以降と思います。もう遅れている時点で説得力はないのですが。


次回でライカール編は終了となります。長かった。

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