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カザン獣王国 7

お待たせしております。




「しかし見事なものですな。この規模の催事を僅かな準備期間で行ってしまう手際、流石は世界に冠たるオウカ帝国の大店、ダイコクヤさんですな」


「全くその通り。噂に名高いエドガー大番頭の実力の一端を垣間見させていただきましたよ。2日たらずで全ての準備を整えるとは、脱帽でございますぞ」



 俺は今、エドガーさんからの紹介を受けたこの地の大商人達と談笑をしている。待ち人の到着まではまだしばらくの時があり、とある出来事の証人として確認のためにここにいる二人の相手をする必要があった。

 この場にいるのはバザールで純然たる影響力を誇る(現在世界経済の中心地といっても過言ではない獣王国のバザールの大立者、つまり世界規模の大商人だ。本人が大店の総本店の大番頭ではなくとも、ここを任されているというだけでその実力は窺い知れる。事実、今回の催事の準備期間を正確に見抜かれていた)二人の人間の商人とエドガーさん。そして今回の主役でもあるダイコクヤの支店長サウルと俺である。


 埠頭の全景が把握できる視界の開けた場所に特別に設けられた席で俺達は適当なものをつまみながら軽く飲んでいた。


「いやいや、事の仕切りはこのサウルが行った事です。私はあくまで皆様をお誘いする際に横から口と顔を出したまで。本来であれば出店の際に私も皆様にご挨拶すべきところをここまで遅れてしまい、申し訳なく思っておる次第です」


 エドガーさんの口添えを受けてサウルが頭を下げる。彼は黒豹の獣人であり、かつてはオウカ帝国に流れた旅人だったそうだ。それが不思議な縁で大店の店員として働き出し、実力を認められて獣王国への支店の店長として選ばれた。

 本来なら支店の出店の際には本店から十分な支援が行われるのが通例だという。なにせ勝者が自分優位な規則を勝手に作り、それが認められるため新規出店は大変な茨の道だ。他国に店を出せるほどの大店であれば割り込んでやっていけるだけの十分な余力があるが、本当ならはエドガーさんら大番頭や支店長が陣頭に立って一番大変な時期を乗り切ってゆくものとされている。


 しかし獣王国への出店が獣人のサウルという都合いのいい人材がおり、さらに魅力的な店舗が居抜きで手に入るという絶好の機会に恵まれた為、これを見逃すまいとダイコクヤは準備もままならぬまま出店を強行した。結果として多くの有益なものを手に入れたが、エドガーさんの年季明け(奴隷の身分を金で買い、自由の身を得た)が重なってしまい、彼がランヌ王国に帰還を果たす準備の為に獣王国への対応が殆ど出来なかったそうだ。

 それを心残りに思って今回のサウルへの助力へと繋がったのだが、二人の商人の視線はサウルではなくエドガーさんの一挙一投足に注がれていて、サウルの為になったのかどうかはちょいと微妙なところだ。


「なんのなんの。今商人たちの世界でランデック商会の名を知らぬものなどおりませんぞ。私どももこうやってエドガー会頭の知己を得ることができて大変嬉しく思っております。大黒屋の大番頭からのランデック商会への華麗な転進とその大活躍は、遠い新大陸でも語り草ですからな」


「まったくですぞ。ここにならぶ品々はオウカ帝国産のようですが、会頭が売り出している珠玉の品々は他の追随を許さぬ逸品ばかり。私も海を渡ってきた品を拝見したのですが、どれも言葉に出来ぬ珠玉の品でございますぞ。同じ商人として言葉にしたくはありませんが、嫉妬で身を焦がしておる所です」


「今回はダイコクヤの元大番頭としてのお出でのようだが、いずれはランデック商会の支店がこのラーテルの地に出来る日を待ち望んでおります」


「世界有数の商人である御二方にそう言っていただけること、身共の誇りといたします。まだまだ小さい我が商会でございます。手を広げるのは時期尚早と思っておりますが、この王都ラーテルは経済の要、商人としてこの地に我が名を刻みたいといつかは思っております。その時には色々とご指導ご鞭撻を頂く事もございましょう」


 二人の追従にエドガーさんは大人の対応として謙遜して見せたが、実際の所はどうだろうか。


 組織上としてはセリカが始めた商売に雪音が協力し、エドガーさんという凄腕店長を迎えたことで始まった商売だが、すでにランデック商会という看板を持つ彼の再始動という形で世間は捉えている。


 セリカも雪音も表に顔を出す気がないので都合よく回っているから問題は起きていないが、セリカ自身としては自分が始めた商売なのにエドガーさんばかり目立っていて顔には出さないものの内心不満のようである。王都の商売が大成功したので、彼女はランデック商会とは別に今はウィスカで細々と別の商売を始める準備をしている。”えすて”のウィスカ支店もその一つだが、セリカとしては華々しい世界も好みだが、こじんまりとした地道な商売も好きらしい。


 そしてあまり今回の件とは関係ないが、留まる所を知らないランデック商会は現在、無敵街道を驀進中である。

 なにしろ売り出す商品の殆どは異世界産の品であるから、これに近しい物を売る競合他社がまずいない。それに客層も金貨での買い物に何の疑問の抱かない超富裕層目当てだから利益も大きい。

 さらに商品を雪音の<アイテムクリエイト>で創っているから、偽物が出回ることもありえない。これがこちらの原料を用いてこちらの人材を雇って工場で作っていたら技術の流出やそれに基づく類似品も出回っただろう。

 だがこちらは完成品をいきなり創りだしているのだ。新製品とはそれまでに試作品や改良を行い、改善を重ねた跡が見えるものだが、これにはそれがない。熟練の同業他社から見ればその品がどんな仕事をしているのかというのは大体解るという。その時代の技術課程や用いられる技量から推測が可能だからだ。

 だが異世界の高品質の紙をこちらの技術者が手に入れても、これを原料までの推測はついてもどうやって作っているのかは想像もつかないだろう。俺も”こぴー”用紙を手に取ったが、こちらで非常に高価な手漉きの紙と同じものとは到底思えない手触りだ。異世界ではそれを一日百万枚以上作る所もあるというから驚きというか呆れる外ない。こちらの品質とは文字通り次元が違うのだ。

 逆にこちらの手作り品は玲二達稀人の評価が高かったりするが。


 現在のランデック商会は王都の3店舗を本家として既に今俺達の拠点であるアルザスとランヌ王国にもう一つあるダンジョンの街、通称魔都アディンについ最近、支店を構えた。ここまでは罠に嵌められて凋落する前の商会にもあった支店なのでようやく勢力を戻したといえる。これからも支店計画はあるが、人材の育成もあるため過度な出店は考えていないそうだ。

 それになにより、彼には戦うべき敵がいる。彼を嵌め、多くの従業員の命を奪ったバーリガ商会との戦いに向け日々己の牙を研ぎ澄まし、力を蓄える日々を送っている。その際にはもちろん俺も手を貸すつもりだ。彼の敵は俺の敵だ。何故ならまだ俺はエドガーさんの主人であるからだ。


 俺としては奴隷云々は既に終わった話だったし彼も気にしてなかったのだが、今回の転移環の件で彼が改めて主従の誓いを申し出てきた。妻子持ちの彼を奴隷になんて勘弁して欲しかったが、これほどのとんでもない秘宝の存在を明かした俺に対するケジメらしいので、受ける他なかった。

 当然これまでの関係が変わるわけでもない。転移環という秘密の共有者としてもし事実が露見した場合は腹を切ると向こうが言い出したくらいか。彼ほどの商人は世界を見回してもいないだろうからそんなもったいない事はしないけれど。

 だが商人にとって転移環がどれほど金を生むかは言葉にする必要はないだろう。それがマジックバックや<アイテムボックス>などを駆使すれば……間違いなく世界が獲れるな。

 今回もオウカ帝国で買い付けることによって、普段の店頭価格の半値以下で売り出しているし、普段なら手が出せないような品もこの価格ならばと買い求める庶民も多い。


 実はこの件で雪音と如月が俺より先にオウカ帝国に足を踏み入れてしまった。俺としてはオウカ帝国は稀人に関係する国としてこんな片手間ではなく旅行という形を取りたかったので申し訳ない気持ちでいっぱいだ。二人はそんなこと気にする事はないと言ってくれたが、何というか……楽しみを奪ってしまった気分だ。

 そしてそれにより、ある事件が発生してしまったが、俺は気にしないことにした。


 世の中には、気に病んでもどうにもならない事がある。俺はさっさと諦め、忘却の彼方へ追いやる決心をした。



 さて、この場はダイコクヤの宣伝が表向きの目的なので、俺としては隠れ蓑以上の効果があって喜んでいる。俺の計画が敵にとっては痛手に、皆にとって良い利益になったならば嬉しい事だ。





「しかし、今回の件は私達としてもいささか懸念を覚えておりますな」


「然り。エドガー会頭ほどの方が仰る事だ。疑う事はしたくないのですが、ものには限度というものがございます」


 先ほどまで上機嫌だった二人が不意に態度を変えてきた。海千山千の商人にとって己の感情の制御など出来て当然だ。やろうと思えばこの場で号泣する事も、その直後に笑い転げる事もできるだろう。

 つまり何もかも演技だ。推測するまでもないがこの場に二人がいる理由はエドガーさんが約束したある事の真偽を確かめに来たのだろう。


 そしてこの場もそのために設けられた。多くの人で賑わいを見せる埠頭が見渡せる位置にあるのもそれが理由である。


「お二人がお疑いになるお気持ちも理解できます。ですが、私も名高い皆様にそのような世迷言を申し上げる為にここに来た訳ではありませんぞ。そうであろう、サウルよ」


「もちろんでございます。それに皆様も可能性を感じでここにお出でくださったと思います。そしてご存知とは思いますが、間もなくとある方々がこちらにお見えになります。その時に全ての真偽が明らかになるものかと。ですのでもうしばらくは我等とご歓談願います。ささ、これからは大番頭の店で提供しておられる酒をご用意いたしましたぞ」


「おおっ!! それは誠ですかな!? 我等も献上品として一度試飲をしたきりでそれ以降は口に出来る機会は少なく……」


「うむ。このまろやかな酸味。そして口当たりの良さ。我々が商っている酒とは桁が違う美味さですな。これをご用意くださったのが、貴方様と伺っておりますぞ。流石は……」


「それ以上の言葉はご勘弁を。私が彼の不興を買いますので。本来はお二人とお会いすることにも難色を示していたのです。ですが、お二人のたっての願いという事で無理を聞いていただきました。それをご理解いただきたい」


 サウルがこればかりは譲らないとばかりに口を挟んだ。俺は名前だけ自己紹介しただけで、後は置物と化しているが、この二人は当然俺の素性を知っているだろう。そしてエドガーさんとのつながりも理解し、俺と顔つなぎをしようとこの場を求めたわけだ。

 これと先ほど二人が懸念した約定の対価としてラコンへの協力を約したが、新大陸に居続けるつもりもない俺が二人と友誼を交わしても得るものはない。商人はエドガーさんとその従業員だけで全て事足りる。というか彼以上の商人がこの世界にいるはずがないから、この古狸たちと交友を求める意味が感じられない。


 俺が僅かに頭を下げ誠意を見せると、二人も引き下がった。土産にこの酒をつけるとエドガーさんが申し出たのが効いたようだ。

 しかしエレーナを連れてこなくて良かった。彼女もこの2日間を通した関係でこういった密談や政治的駆け引きは得意そうには見えたが、あまり関わらせたくない。むしろ経験の為にカオルを同席させたかったのだが、エレーナが仲良くなったカオルを連れて即席で作られた舞台に向かってしまった。

 そちらに軽く視線を向けると、今は4人の着飾った美女達ががオウカ帝国の楽器を演奏して涼やかな音色を奏でている。笛や(かね)、特徴的な弦楽器を用いて奏でられるその調べはタダ飯にありついているがさつな連中をも聞きほれて大人しくしているほどだ。


 いやはや大した者だ。普段の姿からは想像もできないお淑やかさじゃないか。



「あちらの方々もダイコクヤさんの手引きですか? 見事な演者であり、そして大層な美しさですな。望めば演奏の依頼も適うのですかな?」


 俺の視線が気になったらしい一人の商人がそうサウルに尋ねたが、彼女達を用意したのは彼ではないので答えに困っている。見かねたエドガーさんが答えていた。


「オウカの調べを皆様に披露できる技量を持つ方々となるといささか厳しくございまして、旧大陸で知り合った方々に依頼しました。喜んで頂けたなら私と共に海を渡ってもらった甲斐があったというのものです」


「そうでしたか。この催事の為にそこまでの努力を。これに賭けるダイコクヤさんの熱意が窺えますな」


 そのとき、俺の視界に先ほどの大型船が見えてきた。まだ豆粒以下の大きさだが、魔法を使って速度を出しているからかその姿はすぐに大きくなってゆく。


<玲二。こっちでも見えてきたぞ。そっちに変わりはないか?>


<ああ。さっき水先案内人っぽい船が近寄ってきたんだが、こっちは船長が無視してユウキのいる港の向かってる。ここが勝負どころだな>


 <念話>で玲二と確認を取ると、やはり外洋で船を待ち構えてどこか人気のないところに誘導するつもりだったようだ。敵がやり手である事を踏まえてこちらの意を汲んだ船長に全て無視して俺達のいる港に突っ込んでくれと依頼したのがうまくいったようだ。

 理由なんざ長旅で体調不良者が続出したので急いでいたとでも言えばなんとでも取り繕える。敵がいくら強大とはいえ、あっちには三王家のラビラ族の継嗣であるラコンと元総戦士長で武門の雄たるアードラーさんがいる。衰えたとはいえ病人がいるとでも言えば無理を押し通せるだけの権力は持っているだろう。

 さて、玲二も言ったがここが土壇場だ。あの二人にもこちらの状況は伝えている。アードラーさんの演技には期待できなくても、必要な行動は政治的嗅覚でやってのけるとギルドマスターのライネスから聞いている。伊達に宮廷に長く席を置いていたわけではない。

 ちなみにライネスは今、奥方であるセレナさんを迎えに行っている最中だ。


 俺は歓談する商人たちに向けて口を開いた。


「皆さん、時間になりました。今回の最大の演目が始まります」


 可能な限り準備はしたが、最後はラコンとアードラーさんの二人にかかっている。俺は所詮裏方に過ぎず、主役が劇を張らねば何も事は成らないのだ。


 さて、この一手。成るか成らざるか。




 まず最初に気付いたのは、タダ飯とタダ酒にありついていい気分になっている中年男だった。


「ん? なんだありゃあ? この第三埠頭にずいぶんとデカい船だな」


 隣で赤ら顔になっている男も気付いたようだ。


「それに随分と立派な船じゃねぇか。見ろよ、マストに書いてあるのはありゃグリフォンか? また大仰なこったな」


「マストに意匠を描いていいのはお偉いさんだけだぜ。それにグリフォンって言やあ、新大陸(こちらの奴に言わせると向こうが新大陸と思っているそうだ)の南端のランヌ王国の国章じゃねぇか」


「相変わらずどうでもいい事に詳しいなお前。つうか、ナリは立派でもここのこと何も知らねぇんじゃねぇか? どっか他の港に行きゃあいいのによ。哀れなもんだ」


 間もなく未来に悲惨な事になるであろうお偉いさんの悲劇を笑ってやろうと企んでいた男たちは周囲の同類の男達にも近づいてくる船の存在を教えてやった。

 中には気のいい奴が立ち上がって身振り手振りでここに来るなと伝えようとしたが、まだまだ遠い距離にいる船からこちらの事が伝わるはずもない。

 船はぐんぐん近づいてくる。()()()()はまだか暗い喜びを抱いていた男たちだが、意外にも船は何の問題もなく近づいてきており、既にここから乗組員の姿が見えるほどだ。


「あん? どうなってんだ? なんで入ってこれんだよ」


「随分と運がいいのか? けっ、期待させといてこれかよ」


 酒に酔っている男たちはこの出来事が何を意味するのか、いまいち理解していなかったが、飯だけを食っていた連中はありえない光景に絶句していた。

 こんな光景がありえるはずがないからだ。


「嘘だろう? ここは第三埠頭だぞ? この国で唯一の寂れた埠頭だってのに」


 誰も使わないような、地元の漁師が漁に出るくらいしか使えない港なのだ。だからこんな催しが開かれる許可が出たのだ。何せ他の港は世界中から船が押し寄せ大混雑するくらいなのだ。

 この港だけが唯一つの例外にして、この国最古かつ最大の港、王都の民が勿体無いと嘆く宝の持ち腐れだった。


 事情を知る者が呆然と見守る中、ありえない光景は続く。

 なんとそのままその大型船は接舷すると、そのまま碇を下ろし、桟橋を渡してしまった。


「いやいや、おかしいだろ! どうなってんだよ!」


 王都の住む者にとっては夢のような出来事に皆が呆気に取られていたが、その船から下りてきた立派な体躯の獣人に誰もが釘付けになった。


「あれは総戦士長だ!! アードラー総戦士長が帰還されたぞぉ!!!!」



「なんということだ! まさか本当に大型船が入港してくるとは! エドガー会頭の仰った事は事実だった!」


 驚愕して口が開きっぱなしの商人と、即座に席を立ったもう一人の商人が口を開いた。


「こうしてはおれん。直ちに準備を本格化せねば遅れを取りかねん。会頭、そしてサウル支店長。私はここで中座させていただきたく思う。しかし貴方との約定は我が商会の看板にかけて必ず履行させてもらいます」


「わ、私も失礼させていただく。ラビラ族の公子様の件は、私も御力添えを約束いたしますぞ。ダイコクヤさんとはこれからも末永くやっていきたいものですな」


 この地の商人から認められたサウルは飛び上がらんばかりに喜んでいるが、その商人は去り際に俺の向けて声を顰めた。


「まさに御噂どおりの方ですな。まさかあの港を大型船が通れるようにしてしまうとは。まさに嵐のように全てを変えてしまう方だ」



「ユウキ殿! ありがとうございます! これでようやく私もこの国で商売人としての最初の地点に立つ事ができました。深くお礼申し上げます」


「いえ、おかまいなく。こちらの事情に巻き込んだ形になってしまい、申し訳なく思っていますよ」


 深々と頭を下げてくるサウルに俺は本心からそう答えた。今回の件でダイコクヤは親ラコン派として敵に認識されるだろう。黙ってやられるつもりはないだろうが、政治に巻き込まれる事になる。


「なんのなんの。商人が大きくなりたければ貴族と関わらないというのは不可能です。私からすれば貴方はその機会を齎してくれた恩人ですよ」


「私からもお礼申し上げます。サウルの件は本当に心残りだったので、これでようやく胸のつかえが取れた気分ですよ。徒手空拳でも赤字を出さずにやってこれたお前だ、後は軌道に乗せるだけだぞ」


 エドガーさんも俺に礼を言ってくるが、今回は本当に巻き込んだ形なので恐縮してしまうな、


「そう言っていただけるとこちらとしても救われます。ああそうだ、ダイコクヤさんもこれから忙しくなるでしょう。雑事が増えると人手が足りないと思われると事もあると思います。その際は今日の連中を使ってやってください。性根を叩き直しましたので、十分にお役に立てるかと」


 俺が今日のための人集めを頼んだレンバルトたちは今、この会場の警備を頼んでいる。どこの世界もそうだが、警邏は王家の秩序の為にあるのであって民の為に動きはしない。だが揉め事が起きれば問答無用でとっ捕まえて牢にぶち込む。そして解放には多額の金を要求する。

 こんな奴等が民衆の支持を得るはずがないし、奴らも奴等でそれがわかっている。だから遠慮なく弱者から毟り取るし、悪びれる事がない。


 だからこそシロマサの親分のような無頼が街の衆から支持を受けるのだ。初対面は最悪だったが、付き合ってみるとレンバルトたちもなかなかどうして町の役に立っていた。だが、それも自分達の仕事や金が続かねば意に沿わぬ仕事をさせられる事もある。

 セレナさんにした事は赦せる事ではないが、本人たちが誠意ある謝罪をし、被害を受けたセレナさんがそれを受けて赦しを与えたので俺が口を出す事ではなくなった。


 だが、あいつ等の懐事情が改善されないとこの問題はまた起きる。そのためのダイコクヤとのつながりだった。

 それにこれはエドガーさんが”クロガネ”でやっていることでもある。連中に仕事を与える大店というのは大事な存在である。癒着といわれればそれまでだが、それを取り締まる連中がもっと最悪なので悪く言われる事はない。


「ありがとうございます。”黒獅子”の皆さんはこの王都に長く続く組織なので、新参の私達にも繋がりができれば箔になります。縁を繋がせて貰います」


「だがこれもすべてユウキさんの御力があってこそのこと。サウルよ、お前も思い知っただろう? 私を拾い上げて下さっただけでなく、奇跡をこのように容易く起こせる方なのだ」


「エドガーさん、酔ってませんか?」


 ユウナじゃあるまいし、そんなに俺を持ち上げる必要などないだろう。そう思ったが、隣のサウルも同調してきたので困った。


「いやいやいや。大番頭の仰るとおりですよ。まさかあの第三埠頭を掘削して大型船を利用可能にしてしまうとは。王都に住むものであれば誰もが夢見て諦めてきたこの大願をあっさりと成し遂げてしまう。これこそがまさに英雄というものでしょう」


 サウルの言葉に頷きはしなかったが、確かに一晩でやるのは大変だった。寝不足はこのせいである。



 この第三埠頭はこの国最古の港である。元は王都として移転する前からこの港町に最初からあった港だという。それは第一じゃないのかと思ったが、そこはいろいろあったらしいが別の話だ。


 港としての立地は一番いい。中心地に近く、今となっては王城にも比較的近い。大きさも現在最大の港である第2埠頭よりも僅かに大きく、当初は良く使われた港だというのは痕跡からでもわかる。


 だが、この第三埠頭は港として致命的な弱点があった。驚くほど遠浅であり、水面が3メトルほどしかない場所が延々と続いているのである。

 これでは中型船でさえ満足に近寄れず座礁してしまう。これまでは漁民くらいしか満足に使わなかったので特に問題視されなかったが、例の旧大陸侵攻時にその問題が頻発したそうだ。

 もちろん獣王国側もこの問題を早くから認識していた。魔法を用いて浚渫を行えないかと魔法王国ライカールに知見を求めたりして今まで続く長い歴史があったり、結果として神殿での交流が盛んだったりするが、この遠浅の海底が固い岩盤だったこともあり、手間が掛かりすぎるとして放置されてきた。


 そして獣王国が新大陸の玄関口として世界中から大型船がやってくるようになると、使えない第三埠頭より他の港を整備した方がよいという話になり、幸いすぐ近くには港に適した地形があったのでそこが用いられてきた。

 だが多く者が勿体無いと思ってきたのも事実である。この大きな港が十全に使えればどれほどの利益が転がり込んでくるか。今でもやってくる船が多くて港の拡張が求められているくらいなのだ。それに港のすぐ近くには倉庫街も必要だ。王都として発展した後に必要に駆られて拡大した新しい港は不十分だが、最初期からある第三埠頭には十分すぎるほどの面積の空き地もあり、事情を知るものからすれば悔しい思いを抱く者が多かった。


 不用品の代名詞、それが第三埠頭だ。だから2日前に使わせてくれと申請しても僅かな賄賂であっさりと許可が出た。これがもし他の港だったら簡単に許可は降りなかっただろうし、敵の目が大々的に向けられていたら、いくら無関係でも念のため対策を講じられていただろう。

敵の目がこの埠頭から完全に離れていた事も俺達の狙い目、というか港で出迎える以上、ここしかないほど都合のいい場所だった。


 そういうわけで、一晩で掘削しておきました。


 いや結構大変だった。港の浚渫は歴史的に結構行われている、いや国の繁栄のため行わなくてはならない国家的事業だが、やはり難事業だ。普通にやれば水を抜いて底の土砂を取り除くのだ。しかも今回は固い岩盤だったのでなかなか苦労した。岩盤自体は最近鉱山をくり抜いたり土砂に埋まった隋道を掘ったりして縁があったので慣れたものだが、水を排除しながらそれを港全体に行うのは難しい。

 難しいというより、結構な精密魔法作業だった。最終的にはこれは魔法の訓練と思うようになったので最後の一刻(時間)ほどは驚くほど早くできたが、それでも港やその周辺を大型船が出入りしても問題ない深さまで掘るのに深夜から夜明けまでかかってしまった。


 そして利に聡い商人たちにサウルとエドガーさんがラコンへの協力と引き換えにこっそり伝えるのだ。


 ”これからは第三埠頭に大型船が停泊するようになります。周囲の土地建物をいち早く手に入れておけば他店に大きく差がつけられますよ”と。


 第三埠頭周辺の土地は余っている。他の港で水揚げされた品はここまで持ち込まれずにバザールで消費されたり周辺の倉庫にしまわれるからだ。つまり今なら格安で手に入る。

 もちろんダイコクヤが一番良い立地を抑えているが、良物件はまだまだ残っているほど第三埠頭は大きく、だからこそこの港が使えれば、どれほど儲かるかと思われていた。


 そしてこの持て余されていた不良物件が、今この時を持って金のなる木へと変貌を遂げたのである。




 商人たちにとっては驚愕の出来事だが、俺にとって把握まで副次的要素、都合よく衆目を集める為の手段に過ぎない。本番はこれからだが、既に反応は上々だ。アードラーさんとそれに続くアレの登場はここに集まった連中の度肝を抜いた。


「な、なんだありゃあ。ありえねえ、あの武威、ばけもんかよ……」

 

 随行員4人によって抱えられているハイオークキング・サラトガの巨大な佩剣だ。明らかに人類に扱える規模ではないその巨大な剣は、力に敏感な獣人たちにその威容を余す所なく伝えている。


 そしてそのすぐ後に続くのは黒光りする巨大なサラトガの魔石である。台の上に置かれた魔石を掲げるように下りてきた使者の一人が、敢えて周囲に見せ付けるように見せびらかしている。


 ラコンやラナの姿はまだ見えない。特にラナの姿はこの国では表に出せないのだ。アードラーさんが奴隷落ちした件はこの国に広く伝わっているが、その詳細は全く知らされていない。

 当事者であるラナとラコンから聞いて俺は知っているが、これは神殿の祭事の最中の出来事だ。ひいては神殿の不始末になるため口外しないでほしいといわれている。神殿の巫女である娘の将来に関わる話のため、アードラーさんも沈黙を選んだのだ。


 最初は事情を説明すればいくら不名誉な奴隷堕ちとはいえ、娘を人質に取られれば事情はわかってもらえるのではないかと期待したが、ラコン、ラナ、そして獣神の神殿三者全てに傷がつく話のため、彼は遭えて黙る事を選んだのだ。


 面倒だが、男の覚悟としてはわからんでもない。俺としては彼の覚悟に準じてもいいのだが、それを見て涙を流すラナとラコンにお願いされてはおっさんの覚悟など砂上の楼閣より脆い。


 アードラーさんが言葉を尽くさないなら、こっちも言葉意外で証明する他ない。だとしたら彼が何を成し遂げたのか、それを端的に現す品で語ればいいのだ。


 公爵の意を汲んだ使者は完全な形でそれを行ってくれた。サラトガの武の証明であった大剣と魔石の輝きは彼の偉業を雄弁に語ってくれた。


「総戦士長の後に出てきたっことはよ、まさかあの人があの魔石の主を倒したってことか?」


「たしかにあの人なら有り得るぞ。ふらっと見回りで森に入ったら大物をあっさり狩って来る人だしよ」


 そのとき、不意に一人の吟遊詩人が立ち上がり、とある英雄譚を謡い始めた。そして一人、また一人と新たな詩人が立ち上がり、同じ詩を高らかに語り始める。


 それは俺も何度も聞いた彼の偉業を讃える歌である。詩は吟遊詩人にとっての商売品である。特にこの国で知らぬもののいないアードラーさんの英雄譚は彼等にとって実入りのいい商品だったはずだ。

 寸暇を惜しんで学び、周囲の喝采を受けるはずだったその詩は、突然の禁止命令によってあえなく立ち消えた。


 これに吟遊詩人たちは憤った。これまで彼等の活動を阻むなどどんな国も一度も行わなかったからだ。歴史的に見ても権力者に愛される事はあっても冷遇される事など滅多になかった彼等の自由は唐突に奪われた。お触れに従わずに歌った者は容赦なく捕らえられ、その多くはまだ牢獄のままだ。


 ひとりの吟遊詩人が失意に暮れていた時、不意にスカウトが現れ、彼にこう告げた。


 アードラー総戦士長が帰還する。そのときに相応しい詩を歌って欲しいと。それが彼の新たなる闘いの序章となると。


 相場の数十倍の金を置いて去ったスカウトの意図は明らかである。そしてその吟遊詩人は立ち上がった。弾圧を恐れる気持ちもあったが、獣王国の吟遊詩人として、獣人の英雄の英雄譚を歌うことができないという現実は、彼を酷く苛立たせた。

 そしてそれは彼だけではなかった。そのスカウトは他の者達にも声をかけていたのだ。

 

 現地にて同僚の存在を見て取った彼らは、これを企画したものの意図を感じ、最高の瞬間に最高の詩を届ける為、己の出番を待った。




「いいじゃないか」


 俺は眼下に広がる大歓声を聞いて、口の端を歪めた。状況は想像以上にうまくいった。やはり獣人たちにとって彼等の英雄が外国で大活躍をして帰ってきたというのはこれ以上ないほど自尊心をくすぐられるものらしい。英雄譚(サーガ)が語られるたび、アードラーさんを讃える声が聞こえてくる。


 歌の中で卑劣な罠に落ちて奴隷落ちするも、この地で有名人のクロイス卿の助けを得て復活を遂げる内容である事も受けている。この地で命を落とした彼等の仲間であるリッケルトの詩はこの地の酒場では定番の詩だ。

 お調子ものだが情に厚く仲間思いの巨漢の男。大酒飲みで女にはめっぽう弱く、幾度となく騙されるが、不思議と愛嬌があって誰からも愛された。そんな男の最後は瀕死の仲間に命を分け与えて冥府へ旅立つ。


 エレーナは聞くのも辛いようだが、この地の獣人たちにはひどく受けがいい。男子の本懐ともいうべき感情を抱いているようで、そんな性質を持つ彼等にこの詩はとても相性がいいと踏んでいたが、想定以上の盛り上がりだ。

 敵がこれを恐れて規制をかけていたのもうなずける。


 そして今度は武勲をあげて帰還した彼の配下の戦士達とその家族の再会が行われている。


 元々彼らはアードラーさんの屋敷に身を寄せていたのだ。誹謗中傷を受けていた家族を憂いたセレナさんが屋敷へと呼び寄せ、それをエレーナが守っていた形である。


 俺は屋敷に上がったことはないので面識はないが、<マップ>では屋敷内に相当数の生命反応があったが、使用人には暇を出しているとあったので別の者達なのだろうと見ていたが案の定だ。


 生きて故郷へ戻った戦士たちは家族との涙の再会を果たしているが、その後は船から大量の財宝が現れて周囲の人々を驚かせた。


 これはランヌ王国から下賜された褒賞とリルカのダンジョンの踏破報酬を合わせたものだ。


 俺がレン国にいた頃、夜会三昧だったアードラーさんが体が鈍るというのでダンジョンを攻略したいと言い出した。部下たちもそれに続き、俺達が攻略した時の情報を元に彼等もダンジョンを踏破したのだ。

 そういえば王都ダンジョンの最下層のボスがグリフォンであることと、ランヌ王国の国章が同じである事が偶然であるとは思えないな、何が理由があるのだろう。例の裏ボスは出なかったそうなので、これからは少しは安全なダンジョンになるのかもしれない。


 それはいいとして、31層からの隠し部屋も全部踏破した彼等には莫大な報酬を手に入れた。それを自分についてきてくれた部下たちに報いようとして全て渡したのだとか。だから彼らは全員が金持ちに成っているはずである。

 

 そろそろいいかな、とエドガーさんたちと共に到着した彼等の元へ向かう。どうやらアードラーさんたちや王国の使節を迎え入れる準備をこちらでもしていたのだが、それは他の港だったようで彼等は慌ててこちらへ向かっているようだ。

 だが、感動の再会に水を指す無粋な連中があらわれるのは全ては終わった後でいいだろう。俺は会場の警備をするレンバルトたちに連中の足止めを依頼しておくことにした。



 船から下りてくる玲二を見かけたときには盛り上がりは最高潮を迎えていたが、俺個人としてはもっとも緊張する瞬間を迎えていた、


 アードラーさんとセレナさんが再会したのだ。


「すまぬ、本当に迷惑をかけた」


「よいのです。ご無事の帰還、お喜び申し上げます」


 二人の会話はそっけないものであったが、強い結びつきを感じるものであった。

 だが本当の問題はこれからである。


 玲二の足元には彼に隠れるようにしてラコンとキャロがいるのだ。ラコンは書置きひとつを、キャロに至っては何も言わずに出てきてしまったので、怒ると怖いセレナさんの雷を恐れてふたりはびくびくしていた。


 幾度となく俺にどうしようと問われたが、俺の答えはひとつしかない。ちゃんとあやまんなさい。


 周囲もこの気配に気付いたのか、喧騒が消えてゆく。ラビラ族の公子であるラコンがアードラーさんの貢献を受けているのは周知の事実らしいし、彼が消えた事は国中に知られている。事情も噂は流しておいたので、ラコンに対して咎める空気はない、



「あ、あの、セレナさん」「ママ……」


 ぬいぐるみであるラナを手にした玲二に促された二人は怖々とセレナさんに近寄っていくが、彼女は無言のままだ。キャロなど既に涙目になっている。


「……」


「心配かけてごめんなさい」「ママ。ごめんなさい」


 二人がぺこりと頭を下げると、無言を貫いていた彼女は堰を切ったように二人に駆け寄って強く強く抱きしめた。


「ラナに続いて貴方たちまでいなくなって、私がどれだけ心配したと思っているの。お願いだから、もうどこへも行かないでちょうだい」


 僅かに震える声で告げられた言葉は、俺の涙腺まで直撃しそうだが、当の本人たちは既に泣き崩れている。


「セレナさん、ごめんなさい!」「まま、ごめんなさいなの、もうどこにもいかないの」


 こいつはいかん、俺の目からも汗が出そうになっている。視界の端に見えるエレーナも既に号泣しているのが見えた。これまでの付き合いでわかっていたが、彼女の結構な激情家だ。大いに怒り、大いに笑い、そして結構泣く。いい年したおっさんであるクロイス卿が彼女に心奪われる理由がわかったような気がする。ったく、それでいて思いを告げることなく帰っちまうんだから、色男の名が泣くってもんである。



「よっ、ユウキ。ご要望どおり、ちゃんと皆を送り届けたぜ」


「ああ、ありがとうよ。恩にきるぜ、玲二」


 感動の再会に水を差さないように遠回りしてきた玲二と拳を打ち合わせた。今回の件は本当に助かった。玲二には一銭の得もないのにこんな面倒な事をしてくれたのだ、感謝しかない。


「別にいいって何度も言ってるだろうに。俺だってラコンやキャロは心配だったしさ、ラナもそうさ。なあ?」


「玲二さんにはお世話になりました。父に代わりまして改めて御礼申し上げます」


 玲二に抱かれている格好のラナは彼に頭を下げる。彼女だけまだ母親のセレナさんと再会出来ていないが、この姿を見られるのはいろんな意味でまずいらしいので仕方ない。一応目線で親子の会話はしたので今はそれで良いそうだ。


 それにラナだけがここにいるという状況はある意味で都合がいい。


 俺は彼女に早急に告げなければいけないことがあるのだ。俺の気配を感じ取ったのか、ラナのその表情を真剣なものにしてゆく。ぬいぐるみの顔だけど。


「後でアードラーさんにも話すが、心して聞いてくれ。ラナ、君の本来の体なんだが、目下行方不明だ」




楽しんで頂ければ幸いです。


前話にて前二話と合わせて一話分と書きましたが、それを合計すると三万文字近くなるのでどの道分割していました。意味ないですね。


ようやくちょっと話が進みました。主人公の目的はあくまでこの地の地均し、彼等が来るまで状況を整えておく事なので、彼の仕事は大分終わったと考えています。

向こうに乞われれば手伝える事は行いますが、後は彼等が行うべき闘いだと思っています。


もしこの拙作が皆様の興味を引いて頂けましたら評価、ブックマークなど入れていただくとこれに勝る喜びはございません。何よりも作者のモチベーションが爆上げします。更新の無限のエネルギーの元になりますので頑張ってまいります。

 超頑張りますので何卒よろしくお願いします。皆様の反応が本当に励みにって執筆意欲が湧いてきます、ホントです。


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