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少女の涙

お待たせして申し訳ない

 俺たち冒険者は日が昇ると同時に動き出した。火を熾し朝食の準備をすると双子メイドもこちらを手伝ってくれた。本来なら姫の朝食は別に作るもんらしいが、もう俺たちは同じ志の仲間だ。誰も異論は挟むことはない。

 

 和やかは雰囲気で朝食を終えたが、先ほどからしきりに俺に視線を送ってくる女騎士がいる。だが、何か言おうものなら他の皆からどう思われるか――ここは我慢だ。それでなくても王女が俺の隣に座ってくるし。ソフィアはリリィに話しかけているんだが、俺にそこまでくっつく必要はないと思う。

 ソフィア達の一件はリリィにも伝えてある。だが、目下最大の問題はジュリアは視たという俺のスキル一覧だ。朝一でリリィに確認してもらったら確かに<■■■>という感じで羅列されているらしい。これは<隠蔽>の能力がお粗末にすぎる。能力自体は間違っちゃ居ないんだが、スキル名が見えなければ良いというもんじゃない。頼むぞ相棒、俺は自分じゃスキル欄が見れないから、お前だけが頼りだ。

 ジュリアのような<鑑定>持ちは大商家か高位貴族の雇われで殆ど野良なんかいないというが油断は出来ない。不幸中の幸いは最初に出会った<鑑定>持ちがこちらに好意的なジュリアだったということだ。彼女自身貴重な例外だが。

 別段隠したいわけではないが、面倒事は借金だけで十分だ。早急に対策を立てるとリリィが言っていたから彼女に託すしかない。上手い具合に誤魔化せればよいが。


 ちなみにソフィアの暗殺者の件はまったく心配していなかった。ただ一言、ソフィアをよろしくといわれただけだ。リリィの信頼には応えねばなるまい。



 出発の準備はすぐに終わった。元々馬車から荷物を大して下ろしていなかったのと、朝食準備中に色々動いていたためすぐに出発できるように調整していた。昨日と同じ方法で速度を稼ぎたい所だが、敵がこちらを襲いやすいように冒険者たちは徒歩で進み始めた。


 昨夜、あれから俺たちは作戦会議を行った。会議といっても”ヴァレンシュタイン”のメンバーは取れる手段が殆どないようなので、俺が腹案を披露しただけだ。

 その時に一番揉めたのが敵の扱いをどうするかだった。冒険者の女性陣は主に敵を撃退する方向で考えていたのだが、ザックスを除く俺たち男性陣は一人残さず殲滅することを主張した。

 ザックス本人は取りまとめ役として立場を示さなかったが、暗にそこまでするのかと目で訴えていた。

「われらのことを案じてくれるのは有り難いが、意に沿わぬ行動を取る必要はない。共に戦ってくれるだけでも十分なのだ」

 

 言い募るジュリアにナダルは首を振る。


「騎士様、あなた方だけの話ではありません。お前たちの疑問もわかる。皆殺しにしたら連中と同じだって事もな。だが、今回は事情が事情だ。敵はここで王女殿下を逃すと後がない。王都で再度狙うかもしれんが、可能性は低いだろう。祖国に帰った所で待っているのは皇太后による粛清だ。邪魔をした俺たちを自棄になって標的にする可能性がないわけじゃない」

 

 後先考えない手負いの獣と化した暗殺者に付け狙われる日々を送りたいか? とナダルに問われると沈黙が支配した。


「王城に入った殿下たちを他国の間者は襲いにくい。余所者に好き勝手されないようにこの国の同業が阻むからな。そうなるとむしろ俺たちのほうが狙いやすいだろう……」


 何の解決にもならんだろうが、帰る場所を失った者に理性を期待してもな、と腕を組んだジキルが呟いた。


 故に全員殲滅する。情報を敵に渡さないために、この国に入り込んでいる暗殺者一味はすべてこの世から消えてもらう。そうしないと”ヴァレンシュタイン”も狙われるかもしれないし、なによりソフィアたちが王都で安心して眠ることができない。

 幸い、<マップ>で全員の居所が判明している。洗脳した相手から人数を聞いた途端に反応が現れたからだ。本当に五十近い敵性反応が深夜にもかかわらずこちらに移動中だ。速度からして明日の昼には全員合流しているだろう。だが、それはこちらにとっても好都合だ。

 こちとらソフィアの泣き顔を見た瞬間から俺の殺意は燃え盛っている。一人残らず地獄に叩き込んでやる。


 それから、襲撃を受けた際の対応を話し合う。といっても俺が外である物を作り出したら全員が納得してくれた。

 むしろこちらの攻撃手段の方が問題になった。俺の考えは遠距離攻撃が主体なのだ。女性三人は有能な魔法職だが途中で魔力が枯渇するだろうことは固くない。俺の考えでは彼女たちが主攻を務めるので、いかに魔力を温存するのかが鍵になる。途中までは俺も数を減らす手伝いをするが、その後は別行動を取らねばならないから助けられないのだ。


「普段は長丁場の時どうしているんです?」


()()()魔法使いは一日に5回も魔法を行使すれば魔力切れになるわ。マリーは多い方だけど7回がいい所ね。考えられる状況から言って広範囲魔法は使えないだろうし、ジキルが手伝ってくれてもおそらく半分倒したくらいで魔力切れよ。触媒も残り数回使えればいいほうだし、手数が足りないわ」


 魔法職はその触媒とやらを魔力槽として用いるようだ。例えば100の魔力がその触媒にあったとして、10ずつ引き出して使えれば僅かな魔力で10回は魔法を行使できるという具合だ。威力を重視するなら20でも30でも引き出せる。その分の触媒の魔力は減ってゆくが、本人の消費は変わらないそうだ。


 触媒か……そういえば、最近毎日見ていたような……あれでいいのか?


「これは使える感じ?」


 荷物から取り出す振りをして<アイテムボックス>からジャイアントバットのドロップ品であるコウモリの羽を取り出した。毎日100個近く見ているから俺には銀貨4枚という認識しかなかった。この品は最後に潜ったときに換金せず残しておいた物だ。換金はいつでも出来るからと20個近く残してある。


「これは、未使用の純正品!? なんて濃厚な魔力なの……」


「使えるんなら良かった。いくつか持っておいたほうがいいですね」


 マリーとカレンにそれぞれ3つずつ渡した。僧侶のメルヴィにはコボルトの杖の方が喜ばれた。僧侶の使う神聖魔法はこちらの方が相性が良いらしい。知らないことばかりで本当に勉強になる。ダンジョンに篭もっているばかりじゃ得られないことばかりだ。

 彼女たちは無料ではもらえないと言ってくるが押しつけた。俺は使ったことないし、それぞれ毎日3桁は手に入れていたものだ。勉強代だし、端数程度無くなっても気にはならない。

 メイドのアンナとソフィアも欲しそうにしていたので渡したが、彼女たちがそれを使うときは俺たちは斃れているはずだ。王女一行には防御に徹してもらうつもりなので、あまり意味はない気もするが強請(ねだ)られたら嫌とは言えるはずもない。


「これで魔力は問題ないな?」


「ええ、勿論。これ一つで十分なくらいよ」


「よし、では明日は作戦通りに動くよ、いいね」


 ザックスの言葉に一同は深く頷いた。




 皆は周囲を警戒しているが、<マップ>ではまだ敵はだいぶ先どころか、ロクに配置にもつけていない。ジュリアは俺の態度で敵の有無を把握しているのか、彼女もだいぶ気楽に御者をしているな。真っ先に狙われるのは馬か彼女なのだが、<結界>で周りを囲っているから安全とはいえ剛毅なものだ。強度もジキルやザックスに試してもらって保障済みだ。リリィもいざというときのためにソフィアの元に行ってもらっている。

 俺の想像通りに行けばそんなに心配するような戦いにはならないと思うが。

 ”ヴァレンシュタイン”の皆には悪いが、<マップ>の詳細を話すわけにも行かないので警戒して進んでもらおう。その方が臨場感が出る。


 そして俺たちはこの旅一番の難所に差し掛かった。地元の人間が”黒革の森”と呼ぶ深く大きな森だ。

 この名前の由来にもなった黒く変色した木々が鬱蒼と生い茂っている中を一本の街道が貫いている形になっている。元々は野生のモンスターが多く棲み着いていた危険地帯だったらしく、昔はこの森を迂回する道が主流だったが今は王都の騎士団が定期的に森に入っているそうで、夜間でもなければ通行に支障はない。迂回する道を辿ると一日以上の時間の無駄になる。国が責任を持って管理するに足る理由があった。

 俺たちはかなり朝早く出てきたから、周囲に人影はあまりない。普段は王都と東部を結ぶ大街道として賑わっているそうだが。 

 お互いに都合がいい環境が整ってきたな。ここを抜ければ王都まで平地が続くから、大人数で攻めるにはあまりにも目立つ。敵が狙うならここしかない。




「皆さんそろそろ来ますから、手筈どおりに行きましょう」


 俺は極力気のない声で周囲を見回したのだが――駄目だな、これじゃあ警戒していますって言っているようなものだ。だが向こうもそれを解っているからいいのかね。さて、<マップ>を見れば敵はようやく配置についたようだ。慌しく動き回ったせいであまり統率が取れた配置ではないな。とりあえず囲む形を作り上げた感じだ。無論、ギリギリで間に合うようにこっちが合わせたのだが。



 最初はやはりジュリアとその愛馬が狙われた。四方から短い矢が彼女とその愛馬に向けられた。当然、俺の張った<結界>に弾かれるが、直線軌道で放たれる矢はかなりの勢いだ。屋羽根も短いからこれは弩だな。弩は生半可な甲冑は簡単に貫いてくるし至近距離なら盾さえ貫通する。本人は矢程度は防いで見せると豪語していたが、弩は流石に無理だろう。

 <結界>を油断なく準備しておいて良かった。馬を失った馬車はただの箱だからな、足を止めるために敵は最優先で狙ってくる。


 矢が弾かれたのを見て、黒装束で固めた人間たちがゾロゾロと湧いてきた。手にはいかにも盗賊ですといわんばかりの雑多な武器が多い。盗賊を装って襲撃する方針は昨日<洗脳>で聞き出していたが、計画に変更はないようだ。暗殺者としての技術をまったく利用できないが、これは相手の長所を潰せたソフィア達の戦略的勝利だろう。本来ならば、闇夜や雑踏に紛れるのが彼らの本領だ。わざわざ偽装までして姿を晒すなんて下策極まる。黒装束なんて露骨な気もするが、逆に特徴が強すぎて個人の判別がつかないからワザとやっているのか?


 俺たちも臨戦態勢を取り、作戦通り馬車の円周上に散る。向こうはこっちを罠に嵌めた気なんだろうが、逆に嵌め返してやるよ。


「では、行きますよ。土よ、わが意に従え!」


 俺はわざとそれっぽい詠唱を行い土魔法で馬車の周りに厚く、そして高く土壁を作りあげる。敵のどよめきが聞こえる中、更には屋根も作って周囲を一方だけ残して完全に覆ってしまう。その形状は馬車の車庫を思わせる作りだが、その堅牢さは要塞もかくやというほどだ。何しろ壁の厚さは1メトルを優に越えるのだ。入り口をわざと細く狭く造り、人が三、四人入れるのが精一杯の広さにした。

 そして仕上げに出口に向けて風魔法で強風を作り出す。飛び道具がまっすぐ飛ばないほどの風を常に送り出すことによってこちらの安全を確保する。


「何だこれは!?」「魔法で作り出したのか?」「壁を壊せ!!」


 敵の慌てる声が壁越しに聞こえてくる。中には壁を壊そうと持っている得物を叩きつける音が聞こえてくるが、この圧縮した土壁を壊すには破城槌でも持ち込むんだな。事実、金属を叩くような土壁と思えないような音が聞こえてくる。最早岩壁というべき代物になった。

 これで相手の数の有利を完全に潰したことになるわけだが、これを説明するまで”ヴァレンシュタイン”のメンバーに納得してもらうのが大変だった。風呂の浴槽に使っているのと同じ事をしていると説明したのだが納得してもらえず、深夜だというのに宿の庭に出て同じもの作り、実際の強度を見るためにザックスが全力で獲物を叩き付けけて確認までしていた。

 その効果たるや死闘を覚悟していた皆の張り詰めていた空気が弛緩してしまうほどだった。



 全てを覆った土壁の中は暗いから出口の近くに火魔法で光源を幾つか作っておく。同時に地下トンネルを作り空気の確保を行う。勿論出口は見つけられないように森の中だ。

 視界を確保した後は苦戦することもなく、淡々と現れた暗殺者を倒す作業を繰り返せばいい。


「予想はできたが、ホントにとんでもないな!」


「ええ、相手が不憫ね。こちらに殺されに向かってくるだけなんて」


「普通ならここは退いて立て直すべきなんだろうが、向こうも後がないからな。無策で突っ込むしかないんだろう。それにメルヴィの祝福が確実に効いてるな。でなきゃ音に聞こえたロッソ一族がこうまで突っ込んでこない」


「お陰でこっちはヒマなしだ。幸い矢種には余裕があるし、こっちは追い風だ」


 二人の魔法使いに弓使いのジキルが中心になって敵を駆逐してゆく。俺は風を起こし続けながら放たれる弓や魔法を誘導して確実に敵を減らして行く。死体が積み上がっていくので火魔法で吹き飛ばして敵が新たに入ってこれるようにするのも忘れない。


「これは、最早戦闘ではない。ただの作業だな」


 唖然とするジュリアだが、この状況にまで持っていくのは結構頭を使ったのだ。一番の問題は相手が馬鹿正直に空けた出口に向けて殺到してくれるかどうかだった。向こうもケツに火が点いているから物量に任せて押してくるとは思っていたが、明らかな罠なら指揮官や頭が回る奴なら打開策を練るだろう。

 俺の策は野戦応急築城だからこちらから打って出るという選択肢は取れない。相手に来てもらう必要があるのだが、いくら追い詰められているとはいえ様子見されたらこちらも打つ手はないのが現状だった。時間はこちらの味方とはいえ、狂戦士のように突貫してほしいが、相手もそこまで馬鹿ではないだろう。

 俺はその点を皆に話し、対策を考えようとしたのだが思わぬ所から解決策がもたらされた。


 僧侶の使う神聖魔法のひとつに味方の勇気を奮い立たせる祝福<鼓舞>があるのだが、これをかけ続けると正気を無くすほどの効果があるという。本来は戦いの緒戦で景気付けに使われるが、別の場所では恐怖に震える新兵を無理矢理戦わせる為に使われるらしい。神聖魔法の闇の部分を垣間見た気分だ。

 広範囲はかなり魔力を消費するが僧侶のメルヴィには触媒をいくつか渡してあるので、戦闘中は<鼓舞>を周囲にかけ続けることができる。

 その分回復役がいなくなるが、このままなら手傷を負う可能性はなさそうだ。なにしろ相手に向かって風速30メートル近い強風が常に吹いている。相手はこちらに向かってくるだけだけでも重労働だし動きも緩慢すぎる。弓は勿論のこと、威力に優れた弩でさえこちらに到達する前に力を失って落下する。そもそも強風下で弓を引き絞ることが難しい状況だ。魔法の詠唱を行っていた奴が風にあおられて転倒したところにナダルのダガーが追い討ちをかけた。心配はなさそうだな。

 


 あっという間に死体の山が出来上がる。死んだ振りではないことを確認する必要もなく出入り口から吹き飛ばし更に敵を待ち受ける。中には周囲の土壁を何とかしようと考えた奴もいるようだが、超高圧で固めてある壁だ。何とか突破口を開こうとしているのだろうがこの襲撃中に何とかなる壁ではない。時間をかけると他の旅人がわんさか通る街道だ。敵も勝負を急いでいるのはひたすら突っ込んでくることからも分かる。



 <マップ>で確認すると周囲に敵は後18人か。襲い掛かってくる敵の半数以上を倒した計算だが、俺の仕事はここからである。周囲にいる敵以外にも広範囲に敵が分散しているのだ。動かせる人間を全て動員しても見張りや伝令は必要だろう。離れているのはこういった連中だと思うが、こいつらを殲滅しなければならない。

 無駄な殺人は趣味ではないがこれは必要なことだ。こいつらは全員行方不明になってもらわねば困る。生き残って失敗の報告でもされて新たな連中が仕向けられたら困る。逃げ切られて王都で再起を図られたら困る。俺たちの情報を持ち帰られたら、邪魔をした冒険者達の名前を確認されたら困る。

 故に一人も逃がさない。どこかで生きて名誉挽回の機会を窺っているくらいの認識でいてくれるほうが俺たちが色々工作する時間を稼げていいからだ。


「別行動を取ります。戦況は王女殿下から話があります」


「私がちゃんと引き継ぐから問題ないよ。ユウこそ油断しないでね!」


 リリィには王女の側にいてもらっているが相棒は<共有>で<マップ>の状況を把握できるし、風魔法も維持できる。状況を王女に伝えれば彼女が皆に伝えることになっている。


「本当は俺も付いていきたいが……敵味方の判断ができないからな……」


 メンバーで唯一何もできることがないリーダーのザックスが悔しそうだが、流石に連れて行く事はできない。<マップ>で敵味方の判断をしているとはいえないので昨日、<洗脳>した相手から人相書きを見て顔が頭に入っていると嘘をついた。隠れて後をついて来るような人物でもそんな立場でもないのでここに残ってくれるだろう。


 

 俺は森の中に造った空気穴兼脱出口から出ると一番遠くにいる敵から始末することにする。<マップ>を頼りに近づくと二頭立ての馬車と御者台に男が一人いたが、どう見ても馬の扱いが本職には見えない大男だった。


「おはようございます。良い朝になりそうですね」


「あ、ああ。おはよう、旅行者か? ここは今立ち入りが禁止されているぞ、凶悪なモンスターが出たらしい」


 朝とはいえ妙に人気がないと思ったら、やはりそういう理由で遠ざけていたのか。


「わざわざ隣の国から50人も押しかけるほどか? そっちの稼業の方がよほど凶悪だろうが!」


「貴様、何も……!」


 見張りは最後まで言葉を発することなく死んだ。俺の<投擲>により奴の胸には短剣が生えている。………始めて人を手にかけたというのに、意外と何も感じないもんだな。記憶はないが、前世の俺もロクでもない人種だったに違いない。それでも年端もいかない女子供を殺して金を貰う人種にだけは堕ちたくない。

 死体をこのままにするか悩んだのだが、<アイテムボックス>に収納ができてしまった。マズイな、完全犯罪できるじゃないか。

 まあいいか、次へ行こう。



 結果として7人の刺客を始末し、10頭の馬と3台の馬車を手に入れた。特に伝令用の馬は駿馬といって良いほどで売ればよい金になるだろうからあとで回収に来よう。

 本隊の戦闘はまだ続いている。動ける敵は10人を切っているが、逆に膠着状態のようだ。そりゃ敵も考えるわな。そして一人だけ、襲撃開始からまったく動いていない奴がいる。森の中に潜んでいるが、場所から考えて全体を見渡せる位置に居るからおそらくは頭だろう。

 ちょうどいい、奴には聞いておきたいこともある。


「この俺に気取られる事なく現れるとはな……何者だ」


「クズの親玉に名乗る名はない。喋るのはそっちだ」


 粗末な馬車の近くにいた50位の瘦身の男の前に出るなり最大効力の<洗脳>をかける。こいつらによってソフィアが受けた苦しみを考えると別に拷問で吐かせてもよかったが、時間の無駄だろう。<洗脳>は抵抗されることなく成功した。正面から相対したら手間取りそうなくらいには強い男だと思うが、一瞬で無力化か……抵抗手段はあるのだろうか。俺以外に使える奴がいないとも限らないしな。


 今回の案件の実行者でこいつが最高責任者だ。こいつが知らないことは誰も知らないし、誰にどれくらい情報を流しているかも気になる。俺たちのことをどれほど把握しているかも知りたい。持っている情報を徹底的に吐かせていく。祖国に残した戦力、復讐される可能性、俺たちの情報の有無、その他知っていることを吐かせていると馬車の戦闘は終了したようだ。最後は痺れを切らした”ヴァレンシュタイン”のメンバーがこっちから打って出たようだ。ジュリアや双子メイドも大立ち回りでけが人もなく終了したようだ。

 こちらも気になる情報も手に入れたし、知りたいことは知った。もうこいつに用はないが、<洗脳>状態のままあっさり殺すことはしない。きっちり因果を含めて殺してやらんといかん。


「どうした? 呆けたか?」


「き、貴様……何をした!?」


 自分が何をしていたのか分かっているのか、男の顔には驚きと焦燥がある。


「どうせここで死ぬんだから大して気にするなよ。本隊の襲撃も失敗したようだぜ」


「ならば、貴様も道連れにするまでよ!」


「手足が動かないのにか?」


 俺の言葉と同時に男の手足から鮮血が迸る。俺の風魔法<ウインドカッター>を受けてそのまま倒れた男が呻き声を上げた。 千切れてはいないがかなり深く切ったのでもう立ち上がることも手を動かすこともできないはずだ。


「闇に生きる我ら一族が……異国で狩られる側に回ったか…」


「自分の罪を数えて死んで行け。外道にはそれすら生温い」


 最後に上級土魔法<タイタンフィスト>で頭蓋を砕いた。


 最後に奴が呟いたのは人の名前のようだったが……気にする必要もないか。とりあえず証拠になりそうなものを残すわけにも行かない。死体と馬車と荷物を<アイテムボックス>にまとめて放り込むと皆と合流することにした。


「やれやれ」


 戦闘が終わって気が緩んだわけでもないが、心にどっと疲れが押し寄せた。頭の最後の言葉が気になってでもいるのか、唐突に虚無感に襲われた。奴にも守るべき家族がいたのか、人を殺す稼業の家に生まれれば他の道は選べないのか、益体も無いことが浮かんでは消えてゆく。

 俺はこんな感傷的な人間だったのかと自分でも驚くが、だからといってソフィアたちを見捨てる選択肢が取れるはずもない。

 

 この稼業を続ける以上、こんな事はこれからもあるだろうがせめて人を殺す依頼は受けないようにしよう、俺はそう思うことにした。



「あ、帰ってきた! ユウ、おかえり! その、大丈夫……?」


 皆の所に戻ると、リリィがこちらに飛んできたが、俺の心境を慮ったのか、俺の額に触れてくる。


「ああ、大丈夫だ。ありがとう、それに」


「兄様!」


 馬車から駆け出して俺に体当たりしてきたソフィアの顔は涙でぐしゃぐしゃだった。折角の美少女が台無しだが、この娘の顔を見れただけでもこの行いの全てに意味があったと確信できる。


「今まで良く頑張ったな。もうこの地にお前を狙う輩は一人も存在しない。今日からは安心して寝れるよ」


「私は、兄様が無事なら、もうなにもいらない……」


 俺にひっついてはなれないソフィアを何とか宥めて号泣しているジュリアに渡すとニヤニヤしている”ヴァレンシュタイン”の方へ向かう。彼らは戦場清掃を行っているようだ。改めて確認したが彼らに怪我はひとつも無い。遠距離攻撃を主体にしたせいもあるが、あまりの完勝ぶりに”ヴァレンシュタイン”のメンバーはまだ自分たちのやったことが信じられないようだ。

 

「皆さんもお疲れ様でした。首尾よくいったようですね」 

 

「ほとんどお前のお陰だけどな、俺なんてナイフ投げてただけだからよ。こっちは任せてお姫様と仲良くしてきてもいいんだぜ?」


「全部終わってからにしますよ。先に敵の死体を片付けましょう。土壁も直して戦闘の痕跡を無くさないと……」



 俺は瞬間的に手を出した。<瞬間スロウ>が勝手に発動して何かが起きていると直感したからだ。銀色の何がが目の前を通過しようとしている。軌道の先は魔法使いのマリーがいる。彼女は背を向けており、回避は無理だ。俺は<結界>を起動する間もなく何とか遮ろうと手を出してしまい、俺の右の手の平を突き刺して何とか止めることに成功する。


「うぐぁっ!」


 衝撃と激痛が右手を襲い、俺はうめき声を上げて片膝を付く。一瞬遅れて気付いた”ヴァレンシュタイン”のメンバーが俺を中心に円陣を組んで防御し、メルヴィが回復魔法の詠唱を始めてくれた。俺は右手に突き刺さっているものを無理矢理引き抜くと同時に回復魔法が発動し、即座に出血が止まった。こんな怪我<エイド>で十分だが、どうやら<ヒール>をかけてくれたようだ。続いて毒を警戒して<キュアポイズン>もかけてもらった。スキルがあるので勝手に治るはずだが、パーティでもない俺に回復魔法をかけてくれることには感謝しかない。


「ユウ、一体何にやられたんだ? 敵の気配はなかったはずだろう?」


 周囲を警戒しながらザックスが聞いてきた。ジュリアは馬車の警戒をしているようだが、<マップ>にはやはり反応が無い。


「弩の矢ですね。誰を狙ったわけでもないようですが……」


 矢の軌道から打ち出されて地点を探すと、木にくくりつけられた弩が見つかった。周囲には予備と思われる弩の罠がいくつもあった。


「ここから撃ったのか。誤作動して勝手に撃っちまったようだが、それに当たるとはツイてないな、ユウ」


 スカウトのナダルが笑いながら慰めてくれたが、マリーはクロスボウの固定された位置を見て蒼い顔をしている。勘のいい彼女は状況に気付いたようだが、一々恩着せがましくいう場面でもないから黙っておいた。向こうはしきりにこちらを見てくるが、笑って返した。背中に弩を受けたら大怪我では済まなかっただろう。

 戦闘が終わり、どこか浮ついた気分が引き締められた気分だ。油断大敵である。


 しかし、やはりスキルも万能じゃない。悪意を持っていない機械や事故などは脅威として認識してくれない。そういう不幸な事故にあう可能性は低いのかもしれないが、俺は不幸なことにかけては定評のある男だから遭遇する可能性は十分にある。これまで<マップ>は便利すぎるスキルだと過信していたが、盲点を突く事もあるのだからあまりスキル頼みは危険だ。<瞬間スロウ>は自律型のようだが、状況を理解できずに発動されてもただ無為に過ごすだけだ。気をつけなければ。

 自分の目で注意し、周囲を確認する基本中の基本を思い出させられた。その勉強代と思えばこんな怪我安いもんだ。



「ユウ! 大丈夫!!?」


 俺の状態が伝わったのかリリィが馬車から文字通り飛んできた。心配してくれたようだが、既に治療も終わって傷跡も残っていない。ここで何かがあったとわかるのは血に塗れた矢と俺が流した血溜まりだけになっている。

 土をかけて血溜まりをごまかすと死体集めに合流する。彼らは穴を掘って埋めるつもりのようだが、俺は自分の<アイテムボックス>に入れるように要求する。誰かが意外な情報を持っているかもしれない。


「もう<アイテムボックス>位じゃ驚けないな。お前の非常識にも慣れてしまったよ」


 ザックス達の呆れもなんのその、死体を次々に放り込んでゆく。きっちり54個を確認する頃にはリリィが土壁を元の大地に戻していた。俺は魔法の行使で少し抉れた土を均して仕上げに水を撒いて流血を洗い流して戦場清掃は終了だ。


「これでよし、と。これで誰かが水を撒いたとしか思わないでしょう」


「ええ、ここで50人以上が戦闘をしたなんて当事者の私達だって信じられないわ」


 カレンの言葉に皆が頷く。となれば長居は無用だ、さっさとこの森を移動することにした。





 俺たちは森を抜けた辺りで小休止を取る。差し迫った危険は終了したのでここで雑事をこなすことにする。


「この3箇所に馬車が繋いであります。誰も使いませんし回収しましょう」


「そりゃあいい。本筋の商隊護衛の方にも馬車を回せたら楽になるな」


 ”ヴァレンシュタイン”には木片に書いた簡単な地図で戦利品の回収をお願いした。盗賊団のアジトから奪うのと変わらないので皆乗り気だ。終わった後に馬も馬車も売ればかなりの金額になるはずだしな。


「サリナは俺と来てくれ、確かめたいことがある。そんなに時間は掛からないからアンナとジュリアはここで待機だ。相棒もつけるから連絡はすぐに付く」


 有無を言わさずサリナを連れ出したが、当然彼女は不満顔だ。だが、ソフィアがいる場で事情は話せなかったのだ。


「私は姫様のお側を離れるわけにはいかないのですが」


「敵の首魁から情報を得た。連中はソフィアに対する人質を手に入れていたようだ。青い髪の子供らしい」


 サリナの瞳が驚愕に見開かれた。


「まさか、そんなことが……」


「話は終わっていない。その子供は深手を負っているようだ。敵はその子供の生死に特に拘ってはいなかった。意味は分かるな?」


「早く、早く連れて行ってください!」


 その人質がいるとされる街道沿いの村はここから休みなしで馬を飛ばしても一刻は掛かる場所だった。懇願するサリナに根負けした俺は禁断の移動方法に手を付けてしまった。

 それは馬車を浮かせた魔法を己に使い、さらに風魔法で己を吹き飛ばす滅茶苦茶な移動法だ。そのためにはサリナを強く抱き寄せる必要があり、また移動というより吹き飛んでいるという言葉が適当な中でも彼女は悲鳴ひとつ上げずに耐え切った。

 彼女の献身もあり、僅かな時間でその村にたどり着く事ができたのだが、もう二度とやるまい。



「やあ、女将さん。ちょっとものを尋ねたいんだが……」


「おや、旅の人かい? 随分と珍しい組み合わせだねぇ」


 俺は一軒の宿屋に入ると、その女将と思われる年増の女性に無遠慮に近づいて、硬貨を握らせた。


金貨(こいつ)で例の訳有りを気前よく差し出すか、血と激痛で泣きながら案内するか選べ」


 僅かに<威圧>を交えて脅すと、閑散とした宿の気温が数度下がったような錯覚を覚える。


「い、いやだねえ、お客さん。何を言っているか分からないよ」


「何に義理立てしてるのか知らんが、ここを発った連中はもう二度と戻ることはない。俺がここにいる理由を想像してみろ」


 青くなった女将はあわてて裏口へ案内を始めた。



 案内された先は納屋だった。その子は寝台にさえ寝かせられず、土の上に横たえられていた。元は良い仕立てだったのだろう服は土に汚れ、何より血に塗れていた。


「レナ!!」


 サリナが血相を変えてその子供に駆け寄ると懐から出したポーションを使用した。一つでは足りずに二つ三つと使い続ける。だが、その行為は……。

 おそらく彼女がソフィアの身代わりとなって敵の襲撃を受けたという子なのだろう。その子供は確かに深手を負っていた。いや、より正確にはまだ死んでいない、というだけだった。腹部の傷は傍目にも致命傷で、連中も上手くすれば何かに使えるくらいの認識でしかなかったのか、治療とも呼べないおざなりな処置がされている。この子が襲撃を受けた時期を考えれば、生きているのが不思議なくらいだ。


「レナ! お願い、目を開けて!!」


「サ…リナ姉さま……?」


「レナ!」


 レナという少女は熱に浮かされたような声で呻いた。実際、傷が悪化して高熱を発しているようだ。ポーションは彼女の意識を覚醒させただけで治療になっていない。おそらく傷が深すぎ、そして体力を消耗しすぎている。


「どうして姉さまがここに……これは夢なのですね……。でも夢でも最後にお会いできて…よかった。姫様は……ご無事…ですか?」

 

「ええ、ええ! 皆無事で元気よ、貴方が身を挺して私達を守ってくれたから!」


「よかった……姫様に、お伝え…ねがえますか? レナは……姫様にお仕え…できて、本当に…幸せ者でした、と」


「気をしっかり持ちなさい! その言葉は貴方が自分の口から伝えるのよ!」


「それは、むずかしい…かもです。もう体に……力が入ら…なくて、さっきまでお腹の傷が…痛くて仕方なかったの…に、今は痛みも……きえてしまって……」


「レナッ!!」


「そりゃ、傷が癒えたんだ。痛みも消えるだろ」


「ほえ?」


 傷を負ったこの子を見た瞬間から俺は最上級回復魔法<オールヒール>と状態異常回復魔法<エクストラキュア>を重ねがけしていた。普通は手をかざして回復魔法をかけるのが一般的なんだが、飛び道具のように回復魔法をあてることも可能だ。むしろ、ウィスカのダンジョンに篭もるような超一流は当然のように遠くから魔法を当てているから盗み見て出来るのは知っていた。

 レナという子供は内臓を傷めていたからそちらの回復を慎重に行ったので時間が掛かってしまったが、内部の修復がようやく終わって表面の傷も癒せたというわけだ。臓器損傷して生きてるってのも凄い話だが。


「この深手を容易く回復させるなんて……」


「貴方様は、賢者様なのですか?」


 さすがに賢者は持ち上げすぎだ。せいぜい流れの治癒士だな。


「いや、縁があってあんたの姫様に雇われた冒険者だよ。傷の方はもう癒えたか? おそらく大丈夫だと思うが、一応確認してくれ」


 傷跡を残すことなく完全に治療するのが目的だった。傷が残ってこの子の将来に暗い影を落としたくないが、俺がこの目で見るわけにもいかない、サリナに頼むことにした。ついでに回復魔法の口止めもする。この世界の治癒士はみんな僧侶ギルドに所属してモグリを許さないらしいからな。

 ついでに湯の入った桶と布を渡した。血と泥に汚れたレナを清めてやる必要もある。



 納屋の外に出た俺は相棒に連絡をする。内容はもちろんレナの無事を報告だが、その事実を聞いた彼女たちは急いでこちらに向かうらしい。街道沿いなので合流は容易いが、それまでにレナの身なりを何とかする必要がある。今の彼女を見れば何があったかは一目瞭然だからな。


 怪我の癒えたレナがサリナに抱えられて納屋から出てきた。傷跡も完全に消えたと聞いて安心したが、失った血と体力は回復魔法では戻らない。レナ本人はすぐにでもソフィアに会いたがったが、まだ己の足で立ち上がることも出来ない状態だったので俺が背負うことにする。


「あ、あの賢者様、わたし重くないですか?」


「むしろ軽すぎるな、ちゃんと飯を食えて……いるはずもないか」


 ほぼ放置されていたレナが食事を与えられていたとは思えない。本当によく生きてたなと思って<鑑定>したら<HP回復>のスキルがあった。これで何とか命を永らえていたようだ。

 そのとき、レナのおながが空腹を訴えた。彼女は恥ずかしがったが、背負っていた俺も当然聞こえてしまう。<アイテムボックス>の中にハンクが作ってくれた弁当があるが、何日も食べ物をとっていない彼女にいきなり固形物を与えるわけにはいかんだろう。何か他に口に入るもの、出来れば栄養があるやつは何かないか……ああ、蜂蜜があるじゃないか!


「サリナ、これをレナにくれてやってくれ」


 俺はレナを背負っているのでサリナに頼みつつ、足は村の雑貨屋に向かっている。レナの服を手に入れるためだ。血まみれの服で再会させるわけにもいかない。


「こ、これは、天上の甘露! しあわせですー」


「まだあるからゆっくり食べるんだ。服を代えたら食堂で臓腑に優しいものを食べて殿下にお会いするぞ」

 

「姫様がいらっしゃるのですか?」


「向こうが待ちきれなくてこっちに来るそうだ。それまでにちゃんとしておかないと姫様に瀕死だったのがバレるぞ。あまり心配させたくないだろ?」



 こちらも急いで準備を整えたのだが、ソフィアたちはもっと早かった。おそらくリリィが昨日の俺の移動を真似たのだろうが、何とかギリギリ間に合った形だ。


「レナ!!」


「姫様ぁ!! よ、よくぞご無事で」


 何とか歩けるくらいまで回復したレナを見るや馬車から飛び出したソフィアが駆け寄る。そのまま抱き合うと思ったのだが、いきなりソフィアがレナの頬を張った。


「ひ、姫様」


「もう二度と勝手に私の前から居なくならないで。わ、私がどれだけ心配したと思って……」


 もう後は言葉にならなかった。二人はお互いを抱きしめて泣き合っている。そこにジュリアとメイド二人が加わって凄いことになっている。こっちまで涙腺が緩んできそうだ。


「ユウ、おつかれさま」


「ああ、そっちもな。これで一件落着ってとこだな」


「だねぇ。あの子が無事だと伝えたときのソフィアの笑顔はホント忘れられないよ~。ユウもありがとね」


「相棒の友達を助けるのは当たり前だろ?」


 いやぁ、本当によかったよかった。


「兄様、ほ、本当にありがとう。私の家族を取り戻してくれて、ありがとう」


「昨日の夜に、全てを諦めなくて良かっただろう?」


「うん、兄様を信じてよかった」


 溢れる涙を拭うソフィアの顔は今まで見たどの表情よりも輝いて見えた。





 残りの借金額  金貨 15001194枚  銀貨7枚


 ユウキ ゲンイチロウ  LV115


 デミ・ヒューマン  男  年齢 75


 職業 <村人LV130〉

  HP  1943/1943

  MP  1341/1341


  STR 326

  AGI 299

  MGI 315

  DEF 283

  DEX 249

  LUK 192

  STM(隠しパラ)540




  SKILL POINT  455/465     累計敵討伐数 4329




楽しんでいただけたら幸いです。


実はこの章めちゃ長かったりします(汗)

ストック上でまだウィスカに戻ってません。

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