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世界最強になった俺、史上最強の敵(借金)に戦いを挑む!~ジャブジャブ稼いで借金返済!~  作者: リキッド


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王都で楽しむ 1

お待たせしております。


 

 王都の冒険者ギルドはデカい。王都にいる冒険者は一説には3千人を超えると言われているが、確かにそれくらいの数となるとこの規模の施設は必要かもしれない。


 王都の南地区でも有数の一等地に3階建てで石造りの立派な建物だ。大陸南方の大国に数えられるランヌ王国の王都に構えるに相応しい偉容を備えている。


 <マップ>で内部を確認すると、この世界でも珍しい地下を備えた建物でその地下が訓練場と解体場のようだ。一階が受付と併設された酒場のみで構成されているというだけでその大きさがわかってもらえるだろうか。

 建物一つの大きさだけでも貴族の邸宅を凌ぐほどだった。


 二階が職員達のいる区画と大小様々な会議でも行うような空間があった。

 三階は倉庫やギルドマスターの部屋など重要な区画になっているようだ。ここは魔法の護りが数多く設置されており、重要なアイテム等が保管されているに違いない。


 この大きさを知っていたジェイクがウィスカのギルドマスターを拝命したとき、都落ちを感じたとしても不思議はないな。



 その王都のギルドで俺は盛大に揉めていた。


「だから、何度も言っているでしょうが! こちらはギルドマスターからの依頼で王都に呼ばれたんだって! それなのに取り次ぎどころか確認もしないなんざどういう了見だ!」


「あなたのような子供にギルドマスターが招聘をするわけがないでしょう。ここは子供の遊び場ではないの、他で遊びなさい」


 とまあ、こんな感じである。

 この若い姉ちゃん、こちらの話を聞く気が一切ないのが良く解る話である。自分の正しさを確信して、もしかしたら俺の言葉が正しいのでは? という疑問を全く持っていない。


「うん、こりゃダメだね。初めから信じてない顔だよ」


 リリィの言う通りだ。つまり、これ以上何を話しても無駄である。


 やれやれ、ユウナを連れてくれば話は早かったんだが、彼女は初体験となるホテル、サウザンプトンに興味津々だったので他の皆と共にそちらへ向かっていた。

 大声を出しているからけっこう注目を浴びているし、実際ここに現れた事で俺のこのギルドへの義理は既に果たしたと言っていいだろう。

 


 既に俺の中で王都のギルドに対する厚意は急激に失われていた。魔物の異常も別に俺でなくてはならない問題ではないだろうし、大して報酬が貰えるわけでもない。ならば、護衛騎士のアインや玲二達とダンジョン攻略でもしていた方が楽しそうだ。


「あんたの言い分は解ったよ、これ以上話を続けても無駄だろうな。だが、とりあえずこの召喚状は置いていく。捨てるなりなんなり好きにすればいいが、その結果の責任はあんたに全て負ってもらうからそのつもりでいろよ」


 

 俺はそれだけ言い捨てるとその場を去った。背後でなにか叫んでいたが最早気にする気も起きない。



 だが、それだけで話は終わらなかったのである。


「おい、駆け出しのガキが嬢に文句たぁ、随分と偉くなったもんだな」


「薄汚ねぇガキは貧民街でドブ掃除でもしてこいよ。その方がお似合いだぜ」


「そういうガキは俺達のような大人がちゃんと教育してやらねえとな!」



 俺の先に立ち塞がったのは3人組の冒険者らしき男たちだ。ノッポにヒゲモジャにチビデブという非常に特徴的なやつらだった。お笑い集団かな?


「キターーー!! 待ちに待ったギルドテンプレよテンプレ!? ウィスカの街では全く無かったから王都ではと密かに期待していたんだよね!」


 何故か相棒が大はしゃぎだ。このお笑い3人組に絡まれるのがそんなにうれしいのか?

 俺の疑問に玲二が<念話>で答えてくれた。というか、嫌に時期が正確だな。まさか俺の行動を見てたのか?


<いや、新人冒険者に先輩がイビるのは伝統美にしてお約束だからな。つーか、ユウキに喧嘩売る馬鹿が居たのか? うわ、超見てえ。今から行っても間に合うかな?>


 いや、見世物じゃないから。


 それに俺が楽しむ訳にもいかないが、周囲の冒険者たちはこれを止める気配はない。なるほど、こいつらも楽しんでやがるな? つまりまとめて同罪だ。


 じゃあ遠慮をする必要も無いか、この阿呆共をどのように料理してやろうかと考えていたら、その様子を怖気づいたと勘違いしたのかさらに調子に乗り出した。


「ここで手をついて謝るってんならこっちも考えてやってもいいんだぜ」


「だが、それなりの誠意ってモンがあるだろうよ。俺達を満足させ……ぶぎゃッ」


 3馬鹿の最後の一人の口上も聞いてみたかったのだが、その前にチビデブの顔が大きな手に掴まれて遮られてしまった。実に残念だ。


「よし、お前らちょっとこっちに来いや、俺達と楽しくおしゃべりしようぜ」


「な、なんだあんたら! ちょ……」


 お笑い3人組は数人の男たちによってギルドの隅に追いやられてしまった。

 だが、装備品に身を包んだあの後ろ姿は、この王都で最近知り合ったザインにそっくりだが……。


 続いてギルドの正面扉にこれまた軽装ではあるが、冒険者のいでたちで武装したジークがいた。珍しい所で会うなと思ったら、向こうも僅かに目礼してくる。俺に気付いたという事は、やはりあれはザインなのか。


 

 ザインたちの乱入で騒ぎはうやむやになってしまったので周囲の冒険者たちも白けてしまった。それは相棒も同じようで、しきりにつまんないと不満を言っているが、あの手の馬鹿は決して学習しないからしばらくすればまた現れて笑わせてくれるだろう。




(かしら)、ご挨拶が遅れまして申し訳ありません」


 ギルドを出て少し歩いた後、通りの雑踏に紛れながらジークが話しかけてきた。


 頭じゃないと何度言っても聞いちゃいないな。だが、ここは言い続けないとまた既成事実化してしまう。

 俺はかなり流されやすい性格だと押しかけ従者と押しかけ部下であるレイアとユウナの件で学んでいるからな。


 こちらに係わる気がないのに俺を責任者にされても彼らだって困るだろう。だから彼らでボスを決めてほしいのだが、あちらに言わせると今のままでは虐げられていた頃となにも変わらないから俺を頭に据えて新しく生まれ変わったことを内外に証明する必要があるという。

 納得できない話ではない。俺が中心人物であることを除けばだが。


 そもそもリノアに押し付けたはずの彼らだが、当のリノアがこっちに投げ返してきたのだ。組織図で表すならば一応はリノアたちの組織が最初に来るのは間違いない。問題は俺がその一員として数えられていることなのだ。確かに彼らの力を借りて二つの組織を潰したのは事実なのだが、俺はあくまで外部の助っ人だと言い張っても彼らは誰一人として聞いてくれない。

 俺達の頭はあんたしか居ないの一点張りでお互いに引かない状態が続いていた。



「頭は止めろ。それよりギルドで会うとは思わなかったな」


「我々の多くは冒険者の資格も持っています。ギルド員の特権は王都の民でも便利ですし、危険な依頼をこなしていれば鉄火場での度胸もつきますから」


 最近は規定クエストをこなすばかりでしたが、と続けようとしたジークを追い付いてきたザインが割り込んできた。


「頭ぁ、若い奴等の躾が行き届かず申し訳ありやせん。あの馬鹿共はきつく仕置きしておきますんで、どうか命ばかりは」


 土下座しかねない勢いで頭を下げるザインだが、俺別に殺気出してなかったよな?


<ユウは笑顔で黙っているのが一番怖いよ。あれを見たら周りが勝手に動いて事を収めようとしても不思議じゃないけどね>


<えっ、本当かよ。全く自覚なかったな>


 リリィのため息と共にもたらされた事実は俺を驚かせた。あの3馬鹿共をどうしてやろうかとは思ったが、命までは取ろうと思ってなかったんだが、周りは血の雨が降ると思ったわけだ。

 俺がザイン達の前で何したのかを思い出せばわからぬ話ではないが、あれはゴミ掃除だしあれしきで殺しはしないが、これからはもう少し穏便に接することにしようか。



「あの阿呆どもに怒ってはいないが、その様子だと、まさかあいつら部下なのか?」


「そんな阿呆は手下にしやせんぜ。頭はアレですがうまく育てばそれなりに使えそうだったんで、目をつけてはいやした。ですが頭に舐めた真似をしたからにはそれなりのケジメはつけさせやす」


「放っておけ、別に害があるわけでもないしな」


「へい、頭がそう仰るなら……」


「それよりジークと話をしていたんだが、二人も冒険者だったんだな。ランクは?」


「ジークの奴はこっちにも才能があったようでやして、Cランクです。俺は芽が出ない盆暮なんで、Dランクでさあ」


「頭、ザインは稼業に精を出していただけです。戦闘の腕はBにもひけを取らないのはご存知のはず」


 あの大掃除の時の最後の本拠地攻めの際に見せた鬼神の如き暴れっぷりは百戦錬磨のリノア一家の猛者たちも認めていたからな。


 ジークは鍛え直すと言っていたが、ザインも弱い無頼漢に存在する価値はないと思い立ち、時間を作って鍛えているようだ。


「俺にとっては二人とも大先輩さ、よろしくな」


 俺がFランクの冒険者カードを取り出して見せると二人は驚いたようだった。


「頭ぁ、流石にFはまずいですぜ。なんでしたら俺達がお手伝いしても」


「待て、ザイン。ギルドカードがまだ新しい。頭はまだ登録をされたばかりなのだろう」


「それもあるが、俺はダンジョン専門でやってたんだよ。依頼は規定クエストと薬草納品くらいしかやってないんだが、やはり舐められるか?」


 そう訊いた二人は声を揃えた。


「頭を舐めた奴は俺らが潰します(やす)。ですが、ランクを上げることによって避けられる厄介事があるのも確かです(やす)」

 

 やはりそうだよな。王都にいる間は借金返済ににあくせく働くつもりはない。この一週間ほどダンジョンに精力的に潜ったおかげでダンジョンアイテム類はかなり豊富になった。触媒やマナポーションなどを中心に手に入れたので主に10層から15層を回ってアイテムを搔き集めてきたのだ。

 冒険者ギルドとしては26層の金銀はあまり喜ばれなかったりする。たしかに金を買い取りに出して金貨で払ってもらうというよく解らない状況になるし、金と金貨の交換は両替商の領分だから色々煩いらしい。

 ギルドとしてはダンジョンアイテムを納品して欲しいし、こちらはスキルで買取した方がセリカも喜ぶので現状では何の問題もない。


「暫く王都にいる予定だし、せめてDくらいまでは上げておくべきか」


 玲二や雪音も箔付けのためにそれくらいは上げておくか。ギルドカードは身分証代わりのつもりだったが、舐められる身分じゃ意味がないからな。


「それがよろしいかと。それと頭、話は変わりますがお時間はございますか? お耳に入れておきたい話が」


「ああ、ギルドでの用事はさっき無くなったから暇と言えば暇だな」


「そういや、何を揉めてらしたんで? あのカレンの嬢ちゃんはまだ経験の浅い受付嬢でやすが」


 あれは経験が浅いとかそういう次元の話ではない。あ、くそ。思い出したら腹が立ってきた。


「この野郎、せっかくお笑い3人組のお陰で忘れかけていたのに、思い出させやがったな?」


「あ、いやすいやせん。お気に障ったんなら」


「いや、ギルマスからの呼び出しに応じてやったのに、あの女が全く取り次がないんだよ。確かに俺はFランクだし、疑うのもわからんでもないが、確認さえしないで嘘と決めつけられたんでな」


 とりつく島がないとはあの様を言うのだろうと俺が肩を竦めると、ジークも呆れたように続けた。


「私も側で見ていましたが、頭の固い女でしたね。高価な紙の手紙をただの子供が持つはずかないと冷静になれば解るでしょうが」


「そりゃあひでえや。ですが、頭はギルマスともお知り合いだったんですね。たしかギルマスは偉い貴族様のはずでしょう」


 顔に似合わない追従をするザインに胡散臭そうな顔で返してやる。


「お前も会っていたじゃないか。もう忘れたのか?」


「ザイン、頭と初めてお会いした夜に居たエルフの男を覚えているか? 俺の調べが確かなら、あれがギルマスだ。現Aランク冒険者のドラセナード。二つ名は銀閃だ」


「あ、あの優男がギルマスだったのか。居たのは覚えてるけどよ」


「我々の倍は生きているはずだがな」


 このやり取りが示す通り、この二人はザインが荒事を、ジークが情報関係を担当している。冒険者としても前衛とスカウトとして活動しているようだ。

 ザインは頭の方が少しばかり足りないようだが、集団の頭として必要な能力は充分以上に備えており、手下の数はザインの方が多かったりする。

 逆にジークの手下は王都内に限ればスカウト顔負けの能力を発揮すると俺は見ている。明らかに質はこっちが上なんだが、ジーク本人がザイン達と離れたくないようで彼等はうまく分担しているようだ。

 邪魔な奴らを排除した結果、二人の集団は急速に勢力を拡大していると聞いている。数は力である事実を無視するつもりはないが烏合の衆では意味がない。

 

 仲間にする奴は選べよ、と話はしたがどうやら”ウロボロス”に吸収される前に家族持ちの奴や真っ当な奴は切り離しておいたようでそういう奴を呼び戻して勢力を戻しているらしい。



「そういう訳で時間は空いているのさ。不本意ではあるがな」


「そいつは災難でしたが、俺らに取っては有り難いですぜ。なぁ、ジーク……おい、どうした?顔色が悪いぞ」


「いや、ギルドも恐ろしいことをすると思ったのでな。ザイン、もしお前が頭をわざわざお呼び立てしたのに、下の者が勝手に追い返したのが後になって解ったらどうする?」


 しばらく考えていたザインははっきりと断言した。


「そりゃあ、今すぐ死んで詫びるしかないだろ。ああ、なるほどそういうことか。確かにこりゃヤバイな。ギルドはどうやってケジメつけるつもりなんだ?」


 簡単に許すつもりはないが、あの姉ちゃんをクビにして済ませたらタダじゃ済まさない。ギルドの危機管理意識の問題だからな。


 とりあえず立ち話もなんだから、どこかに入るかと言う話になった。時刻は丁度昼を回った辺りでどこも忙しそうな店ばかりだ。

 リノアの店は人気店だし、彼らを連れては入店できない。大掃除後に直ぐ姿を消してしまった俺を探すために彼らは唯一の手掛かりであるリノアの店に日参し、日々の営業に悪影響がでたそうなので、もうその筋の奴は団体で店に入れないという話になったのだ。


 その最中にキレたリノアが転移環を使って、俺のところに文句を言いに来たというわけだ。


「それでしたら近くに良い店がありやす。手下の一人がやっている店なんですが、奥には普段は使っていない個室もありやすんで、そこを使いやしょう」


 

 ザインに連れられてやってきたのはかなり立派な店構えの飯屋だった。正直に言えば、裏組織の構成員がやっている店には見えない。


「そいつの親父が始めた店でさぁ。俺達とは昔からの馴染みなんですが、マトモな奴なもんで今までは外れておりやした」

 

 それが大掃除で色々柵もなくなったので晴れて復帰したと。元々だだっ広い王都を地元にしているだけあって、そういう奴はかなりの数になるそうだが、ウロボロスの下にいた頃は下手をすれば店ごと奪われかねないので真っ先に切り離したそうだ。


「よう、来たぜ。リッチーはいるかい」


 賑わっている店に入ると、ザインは働いているウェイトレスに声をかけた。


「えっと、店長ですか? はい、厨房にいるかと」


「なんだよ、ザインにジークじゃないか。話なら後にしてくれよ、店はこんな状況だぞ!?」


 比喩表現ではなく戦場である厨房から大汗をかいている太った男が顔を出した。周囲を見回すと席は全て埋まっており、外には順番待ちの列もできている。

 ここで割り込んだら明らかにこっちが悪者だろう。


「客としてきたんだよ。”予約席”を貸せや。奥にいるからな」


 返事も聞かずに奥に進んでしまうザインと平然としているジークに連れられて俺も進む。リリィは男三人の話よりソフィアも来ているホテルの方に既に戻っていた。



「なんだよ、相変わらず勝手な奴だな。せめて客の引いた時間に来いよ。」


 文句を言いつつ現れたリッチという太った男の脳天にザインは無言で拳を落とした。


「手前、態度がなってねぇぞ。頭の前だ、ちったあ弁えろや」


「か、頭ってこの少年、いやこの方が俺達の頭だってのか?」


「ああ、そうだ。せっかく俺達が守ってやっていたのに、いつの間にかお前が博打の負けで盗られた店の権利書を奪い返してくれた方だ」


「こ、こいつは失礼しました。自分はリッチモンドという者です。知らぬこととはいえ大恩ある頭に失礼な事を致しました」


 慌てて頭を下げるリッチという男に俺は手を振って気にするなと意思表示をする。彼の事など今知ったし、あの組織を潰したのもこちらに利あっての事だから礼を言われる筋合いもない。


「ユウキという者です。別に頭ではないと言っているのだが、皆が聞いてくれないだけですが、それはそれとしてよろしく」


「は、はい、どうぞお見知りおきを」


「よしリッチ、何かもってこいよ。俺達は仕事終わりでな、大層腹が減ってんだ」


「昼の終わりに来られても困るっての! お前たちはともかく、頭にお出しできるような物は今はないぞ」


「リッチ! 手前、頭にお出しするモンがねぇとはどういうつもりだ!! テメエ、舐めてんのか?」


「おいおい、いきなり寸劇はじめてんじゃねぇよ。そもそも押しかけたのはこっちだぞ、そちらさんの事情も考慮してやれよ」


「頭、すいやせん。俺の管理不行き届きです。この責は俺一人が」


 さてはこいつ俺の話を聞く気ないな? なんか今日は人の話を聞かない奴とよく会うな。


「もういいって。それより食うものがないならいつもの肉で良いか? こっちは有り余っているんでな」


 腹も減っているし、とりあえず焼いてくれとでかい葉っぱに包まれた肉の塊を渡すとリッチは目を見開く。そりゃそうだろう、元の大きさを5分の1程度に切ってはいるが、この大きさを物価の高い王都の市場で買えば金貨5枚はする。それでもこの店で使えば余裕で回収どころか大儲けできる量だからな。


 もちろんタイラントオックスの肉である。最近は16層に出向くことが大幅に減った。何故ならば多くの冒険者が17層への階段を探そうと合同で大規模な居留地を建設したのだ。

 今までは一度として行われなかった合同作戦が行われたのは、やはり俺に先を越された焦りがあると思われる。名うて冒険者である自分達が今まで発見できなかったものをポッと出の新人があっさり追い越していけば誰でも焦るだろう。

 

 階段が見つかるまでの期間限定だが多くのパーティが協定を結び、特に殲滅力の高い魔法職を効率的に休ませるための拠点を作ったようだ。これにより継続性と安全性を確保した彼らは16層をくまなく探索している。

 つまり、16層には必ず何処かのパーティに見つかることになり、17層への階段を知っている俺が見つかれば当然後を尾けられることになる。

 

 別に悪い事をしているわけではないが、尾行が煩わしいので16層には近づかなくなったのだ。転移門があれば20層には一瞬で跳べるし、それまでに得た大量の肉は既に各所に卸してもまたそれぞれ4桁以上あったりするからこれ以上増やしても仕方ないのだ。

 数が減らない一番の理由はやはり肉の大きさが影響しているだろう。大の大人でも一抱え以上ある肉はどう少なく見積もっても50人前はある。それが部位によっては下手をすると数個ドロップするのだ。それが集団で勢いよく襲ってくるから収穫がどえらいことになる。スキルでもギルドの買取でも価格は金貨一枚で変わらずだ。セリカの依頼などで多少は入れているものの、全く減った気がしない。

 それにしばらく王都に滞在するから(といっても朝はウィスカのダンジョンで稼いでいるが)と各種アイテムを念入りに揃えた影響で16層にも顔を出しており、肉がまた増えてしまったのだ。


 転移門といえば、またダンジョンで新たな事実を発見したのだが……それはまた今度にしよう。


「こ、この肉はまさか最近噂になっているっていう」


 リッチは拝むようにして肉を受け取ると、直ぐに厨房へ引っ込んで行った。


「頭、よろしいのですか? こちらがお誘いしましたのに」


「そうですぜ。そこまでしていただく訳には……」


 二人は口々に申し訳ないというが、こちらも肉を使えて万々歳だ。周囲は女ばかりだから健啖家といえるのはソフィアの所のジュリアとレナくらいで、全く肉を消費しないからな。玲二もかなり小食で、理由を聞いたら食が細い方が食費が浮くという悲しい理由が帰ってきた。ここでは腹一杯食えよといったら凄い嬉しそうな顔をしたので、なんかこちらが居たたまれないに気分になった。


 既にこの組織の主だった面子にはリノアの店で肉を数度食わせているので、ザインもジークも言葉では殊勝だが、表情は明るい。ちゃんとした肉はここから西にあるこの国最後の”アディンのダンジョン”から送られてくるダンジョンアイテム品くらいしかない。アディンのダンジョンは低層に環境層があり、農作物は豊富だが、肉類は程度の低い鳥や豚の肉くらいしかなくて牛が非常に喜ばれる。

 ちなみにアディンのダンジョンは未踏破らしいのでいつか攻略してみたい。難易度はそこまで高くないそうだが、深度が相当深いらしく100層以上は確実にあるといわれている。



「それはそうと、二人とも冒険者として活動する時間があったんだな。最近は稼業が忙しいと聞いていたが」


 肉が焼けるまで雑談をすることにした。ジークが既に人を使って俺が王都にいると残りの幹部に連絡をしているようなので、二度同じ話をするのもなんだし、彼からの話は全員が揃ってからにするつもりだ。


「へい、仕事のほうは目の回る忙しさですが、逆に若い連中に経験を積ませ、慣れた奴を独立させるには良い機会かと思いやして。俺達は極力手を出さずにいます」


「元から居た者たちも自分達が組織の中核になるのだという自覚が芽生えてきたようで、我等はその分己を鍛え直す時間を得たという訳です」


 かつて300人近い勢力を誇っていたウロボロスは12個の拠点(賭博場)を所有していた。俺が組織消滅のわかりやすい証明として本拠地を魔法で粉砕し、ザインとジークの拠点を火事で半焼させたものの、まだ9つの賭博場を有している。

 そのうちの実動員だけを狙って叩き潰したので単純に働き手が枯渇していたのだ。賭博場で働く専門職はともかく、店の維持に必要な構成員を軒並み消してしまっては日々の営業に障害が出るのも当然だった。

 店の運営は彼らが考える事なので、俺としては無関心だったのだが助言を求められた時には一応出来る事はやって無理なことは諦めるしかないと、無難な返答を返したのだが、なんと二人は規模を縮小することなく9つ全てで営業を再開したのだ。

 人を少しは増やしたとはいえ、300人で回していたものを60人弱で切り盛りするのだ。明らかに過重労働のはずだが、やる気を刺激させる事によって何とか回しているようだ。


「それにやはり空白地帯を生むと他の勢力が侵食してきやす。ウロボロスの時もとある勢力が力を落とした空隙につけ込まれて一気に勢力拡大されやした。二度と同じ轍を踏むわけにはいきやせんので」


「皆同じ気持ちでおりますから、今の所は上手く回っております。それにあの二つの組織は現地の吸収した組織以外は地元の者をあまり仲間にしませんでしたので、我等に加わりたいと願う若い奴は続々と集まってきております。もちろん、頭の仰るとおりに根性のない生半可な奴は弾いております」


 別に俺が指示したわけでもないのだが……目障りなゴミをそちらで分別してくれるというなら俺に言う事はない。


「ここに頭が来ていると連絡があったんだが……おお、頭! お出ででしたか」


 そこにソンダの親爺が現れた。このおっさんは夜の賭場とは別に石工の定職を持っていて、その仕事場に連絡が行ったようだ。


「あら、お頭が昼間から王都にいるなんて珍しい」


「頭、遅れまして申し訳ない。それにしても何かあったんですかい? ジーク、例の話か?」


 その後直ぐに残りの二人が現れた。ゼギアスと共に現れた女は瑞宝(ずいほう)の名を持つ妖艶な雰囲気を持つ美女だ。

 本名ではないのだろうが、店に入ったときからその名で通っているという。その謎めいた美貌から直ぐに売れっ子になり、”ウカノカ”で何人かいる女たちの纏め役の中でも最も名の通った女だった。


 瑞宝は片目を長い黒髪で隠した年齢不詳の女だが、たった一人の弟が存在し、その弟が人質状態になった事により仕方なく組織に従っていた。彼女自身もカナンという麻薬に冒されていたが俺の回復魔法によって全快している。

 大掃除の日に歳の離れた弟を確保した俺達は、彼女の裏切りの意思を確認した後で騒動が起きると混乱するであろう女たちの取り纏め役を頼んでいた。


 ”ウカノカ”の始末が順調に進んだのは彼女が女たちに話をつけたことが大きい。何も知らせずに事を起こしたら女たちにどれほどの被害が出たか解らないし、人質にでもとられたらひどく時間がかかってとても一晩では終わらなかっただろう。

 女たちにお願いしたのは騒動が起きたら、決して騒がずに部屋に鍵を掛けて大人しくしていることだけだったが、素早く制圧を完了させたことによって”ウロボロス”に気取られることなく全ての始末を完了できたからだ。あの夜は彼女自身も他の女たちと共に動かずに居たので俺と会うことはなかったが、ある意味では幹部会で暴れただけのゼギアスよりも功績は大きいとも言える。

 俺が彼らとこれ以上関わる気がなかったので、俺と面通ししたのはしばらく後になってからだったから、そのことについてはかなり嫌味を言われた。彼女としては気になる男に素通りされた形で誇りをいたく傷つけたようだ。


 無論ゼギアスも使える男だ。彼は娼婦の息子として生まれ、娼館の皆は家族ともいえる関係を築いているから縄張りの隅々まで知り抜いている。組織運営には絶対に必要な男で”ウカノカ”が彼を彼の母親を人質に取って無理矢理働かせていたのはその意味では当然といえた。



 ジークが既に人数が追加する事をあらかじめ伝えてあったようで、人数分の分厚いステーキが焼きあがって各自の前に運ばれた。瑞宝はこの量の肉を辞退したので軽食を持ってこさせてある。

 彼女の分は誰かが勝手に食うだろう。


「こいつは何度食ってもたまらんな! ありがとうございます、頭」


「俺ばかりこんな良いもの食ってちゃ娘に怒られちまうな」


 ゾンダがそうこぼすものの、その顔はまんざらでもないようだ。だが、娘さんの心配は要らないぞ。


「リノアの店には定期的に卸しているからむしろ親爺さんより食べる機会はあるんじゃないか? カリンも同じことが言えるな」


「なんてこった。若いうちからこんな良いもの食ってちゃ将来大変だ。まともな肉が食えなくなりかねんな。しかし、リノア嬢ちゃんの店にこんなステーキメニューにあったかな?」


「妹に聞いたんだが、完全な裏メニューらしいぞ。こっちから要求しないと出てこないみたいだ」


 この店はさすがの人気店で、料理人の質も良いようだ。分厚い肉は焼くほうも相応の腕を必要としているし、まず分厚い肉を焼く機会があまり巡ってこないはずだ。それでもきちんと焼き上げてくるあた腕利きを抱えているな。


 面倒な話は食べ終わってからという事で、各自思い思いの談笑をしながら食事を進めている。ゾンダの娘とザインの妹は今はリノアの店で働いている。身元も解っているし、何しろ安全な職場という事でザインの側もリノアの側も双方に利のある話でまとまったのだった。



「へえ、それじゃあ頭は長期間王都に滞在なさるって事で良いんですね」


「ああ、そうなるな。しばらくの間邪魔するよ」


「こちらとしても助かりますよ。ご報告しなければならない事も貯まってますし。ちなみに滞在先が決まっておられないならこちらで都合をつけさせて頂いても……」


「いや、すでに宿は決めてある。もう俺の仲間がそのホテルに居るから大丈夫だ。ありがとう」


 ゼギアスの心遣いに感謝する。この男は腕っ節はもちろんこういう所にも気が利くのだ。本人はガキの頃から年上の女に囲まれて過ごすとこうなると言っていたが、”ウカノカ”でも最高幹部の一員としてやっていけたのはそういう所があったからなのだろう。


 それはそうと玲二たちは何故かサウザンプトンの最上階、かつてソフィア達と泊まった層にいる。

 確かに安全面では文句なしだが、今回は狙われているわけでもないから俺は普通に部屋を取るつもりだった。何しろ一番良い部屋だから無闇やたらと高いんだよな。前回は招いた王国持ちだったから別に気にならなかったが、レイアが何かしたのかもしれない。

 


「さて、じゃあ始めるか。ジーク、俺に話したいことがあるんだったな?」


 腹もくちくなった事だし、本題に入ろうか。


「はい、こちらからは2点、早急に片をつける必要があるものと、そうでないものがあります」


「じゃあ、余裕のあるほうから聞こうか」


 急ぐ話を先に聞いたらもうひとつを後回しにしかねんからな。話だけでも聞いておこう。


「この王都には我等のものを含めて主だった組織を指して5大組織と呼ばれていました。ウロボロスとウカノカは姿を消して、頭の下に纏まりましたが、残る3つの組織のうち特に”ジラント”がこちらに接触を求めています。より具体的には頭との会談を望んでいます」


 ジークの後をゾンダが引き継いだ。


「”ジラント”のトップは俺の知り合いでもありますが、要はこちらの傘下に入りたいんだと俺は見ています。あいつらもあの夜にウロボロスがどうなったかをその眼で見ていますから、頭の力を理解しているはずです。ですがあいつも一団の頭として誇りがありますから簡単に下るような安さは見せられないんだと思います」


「面倒くせぇな。ザインかゾンダがやっとけよ、俺に持ち込む話じゃないだろうが」


「そう言わんで下さい。あいつとしても頭に降りたいんです。俺らがやったんじゃどうあっても序列は下になっちまいますが、頭からとなれば同格ですから。奴はともかく手下どもは150人を越えますから、そいつらが理屈では俺らの手下の更に下につくことになります。それを避けたいんでしょう」


 わからなくもない理屈だが、俺がいちいち会う理由にはならないな。


「今の俺らよりも大組織じゃないか。何でそんな奴等がこっちに降るんだよ、逆でもおかしくないだろう」


「奴等もウロボロスとウカノカの台頭を指をくわえて見ているだけでしたから。余所者の組織がこの王都で幅を効かせるのは我慢ならんのでしょう。あのときはそれぞれバラバラで行動した挙げ句に返り討ちでしたから、今度は一つに纏まって力を束ねる必要があることはあいつも解ってます」


 王都の裏組織が纏まるためには俺が必要だと力説してくるが、俺の答えは変わらない、変わりようがない。


「何度も言ってるが俺に組織の頭は無理だって。力量以前に常に王都に居ないんだからな。なにか起こった時に頭不在じゃ存在する意味がないだろう」


 だから俺は彼らが持ってくるかなりの額の上納金とやらも受け取っていない。一度でも受け取れば俺が彼等の首領であると認めることになるからだ。

 責任がとれないのに、その権利だけ受けとるわけにも行かないからな。



 そしてそうなると結局誰が頭になるか、という話に戻っちまうんだが


 皆が俺に視線を集めるなか、俺はゾンダを見やった。


「この中での貫目で言えばゾンダの親爺さんしかいないんだがな」


「頭、どうかそればかりはご勘弁を。何度も申し上げている通り、今回の件で思い知りました。あっしに大人数を統べる度胸はあっても(あたま)はありませんや。同じ過ちを繰り返さないためにもどうか若い奴に任せてやってください。あっしは裏方として働きますんで」


 本人の言う通り、正直ゾンダに大組織の頭は難しいと思える。あの夜のやらかした大失態は擁護のしようもない。

 こちらの指示に従わず本拠地に一人で殴り込んだ事は、ひとつ間違えば全体の作戦が崩壊する恐れもあった。

 奴等がこちらを舐めてかかっていたので作戦に大きな変更もなくゴミをまとめて殲滅できたが、もしゾンダが何か口走りでもすれば警戒した幹部連中が散り散りに逃走する可能性もあったからな。


「と本人はそう言っているが?」


 俺は残りの四人に水を向けるが、反応は今一つだ。


「俺は肝心なときにあの豚野郎と遊んでいましたから。そもそも権利がありませんよ。それにこの後はともかく、初代は一番人数が多い所から出した方が揉め事は少ないです」


「同じ理由ね。そもそも男所帯の所に女が頭張っても面倒なだけです。頭が地ならししてくれた後なら喜んで引き受けますわ」


「俺達は所詮負け犬です。バーラントの野郎の軍門に降ったまま勝つことなく終わりやした。今の自分達を鍛え直さない限り頭など力不足でさぁ」


 ジークは何も言わなかったが、ザインに深く頷いていた。


 とまあ、こんな感じで話が全く進まないのだ。


「お前たちがあんまり頑固なんで俺も考えた。組織の長については少し時間をくれ。俺が王都にいる間には決着を着けるさ。それよりもそのジラントとかいう連中はどんな奴等なんだ? 詳しく教えてくれ」


 王都に全く詳しくない事は数度の顔見せで全員が理解している。

 ゼギアスやゾンダと視線を交わしたジークが説明を始めた。


「”ジラント”は港の労働者を中心とした組織です。荷揚げや荷下ろしの雑務に必要とされる沖仲仕を中心に手配師たちを構成員として港で巨大な縄張りを得ています。人数は150人あまりとこれまでの組織と比べるとそこまで大きくはありませんが、縄張りの性質上構成員の全てが戦闘員です。暴れ者が多い組織なのでウロボロスも数では圧倒していましたが、扱いには気を使う相手でした。組織の頭はイーガルという30台の大男です。荒くれどもを纏め上げる力と先代を策略で追い落とした頭の切れる男です」


「イーガルは俺の冒険者時代の知り合いの息子なんだが、話は解るほうだ。頭の力を目の当たりにして真っ先に下につきたいと言い出したんです」


「残りの組織はバイコーンとシュウカですが、バイコーンの方も似たような打診はきています。ですがあちらも我々の出方を見ている節がありますので現状では無視しています」


「もし会うとしたら同時だな。同じ日の時間を変えてそれぞれの要求を聞いてみようじゃないか。それまでは徹底的に無視しろ。今は全部聞いた振りして、向こうからなんでもするから入れてくれと言わせるまで焦らすぞ」


「頭のお言葉通りに」


 ここまで言えばジークには俺の考えが解っただろう。その二つの組織は自分達が最も高く売れる売り時を考えているんだろうが、そうは問屋が卸さない。

 駆け引きするにしても、どちらが主導権を握っているかを解らせてやる必要がある。

 あれ、こういう事をいちいち指示するから彼らは俺を頭といい続けるのか? いかん、つい楽しくなってあれこれ話してしまったな。


 その後は例の薬カナンに関する話になった。ゼギアスにあの薬の詳しい出所を探らせていたのだが、結果は芳しくないようだ。


「流通経路は大体探れたのですが、大本を辿ろうとすると不意に糸が切れます。王都内に突然現れて周辺の街や村にそこまで流れていない事を考えると……」


「新大陸から流れてきているとの話だが、この国にまだ直通路線はなかったはずだよな? と言う事は第三国を中継しているか、特定の国が敢えてヤバい薬をこの国に撒いているのか、だな」


 俺の言葉にゼギアスが頷いた。


「王都だけに広がりを見せているということはやはり港から入ってきていると見て良いでしょう。カナンの事を考えるならジラントの件、前向きに……いえ、差し出がましい事を言いました。忘れてください」


 別に彼らが自分で考えて出した結論ならそれはそれで良いと思うが、まだそこまで話せる関係ではないので彼らの思うままにさせている。


「カナンと言えば瑞宝、女たちの症状はどうなんだ? 治癒師ギルドからの人員は変わらず来ているんだろう?」


 知らぬうちに重い空気になってしまったので振り払うかのように話題を変えた。瑞宝は場の空気を読むことの出来る女性なので、俺の意図にすぐ気付いたようだ。


「ええ、頭の手配のお陰で皆元気を取り戻しましたわ。回復魔法で癒せるとはいえ通常の治癒師の料金表では金貨5枚を要求されますから、末期症状の子も自分から治療を受けたいとは言い出しませんでした。ですが、治癒師ギルドが無料で治療を請け負ってくれたので皆遠慮なく魔法を受けて回復に向かっていますわ」


「そいつはなによりだ。ギルドも苦しめられていた女たちを救ったと評判が上がったそうじゃないか。御互いに利益のある話で結構な事だな」

 

 いや、本当によかった。とある情報を治癒師ギルドに流したら向こうから是非とも協力させてくれと懇願してきたのだ。たとえ今のギルド長が幼い見かけの少女に心を奪われている証拠があるとしてもそれは偶然だ。彼らの善意による奉仕の心が王都に感動を呼んだのである。



 話が弾んで場の空気も回復した瞬間を見計らってジークが重い口を開いた。これからが早急に解決しなければならない問題らしい。

 ジーク曰くせっかくの肉があるならそちらを優先した方が良いといっていたから、飯がまずくなる話題なのは明らかだ。


「頭、どうやらこの王都内に違法奴隷たちを集めて一時保管する施設があるようです」



楽しんで頂ければ幸いです。


まさかこんなに時間がかかるとは思いもしませんでした。

その分量が多いから許してください。


前話で日本人たちのステータスをやりましたが、主人公と共有のステータスを保持しているものの、全能力30くらいじゃないとマトモに日常生活を送れないためあえて低い数字にしています。

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