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世界最強になった俺、史上最強の敵(借金)に戦いを挑む!~ジャブジャブ稼いで借金返済!~  作者: リキッド


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冒険者登録 1

お待たせしております。

また寝過ごしました。気が付いたらこんな時間です。


 

 襲い来る毒蛾の鱗粉をかわしながら風魔法でマッドバタフライの集団を殲滅する。


 迷宮でモンスターが倒されると通常はすぐに塵に還るが、中にはその効果が残り続けるものがある。モンスターが放つ魔法やその魔力で作り出したものが当てはまるが、この狂える蝶の鱗粉もその一つだ。一匹だけならともかく、数十枚から繰り出される鱗粉は視界を埋め尽くすほどだ。


 この鱗粉は吸い込むと各種状態異常、特に平衡感覚や意識混濁を引き起こす凶悪な代物だ。そして困ったことに風魔法で撒き散らすこともできないというまさに嫌がらせ階層の本領発揮の敵といえる。<各種状態異常無効>を持っている俺だが、あの怪しい鱗粉漂う中を突っ切る勇気は持たない。本来はそうやって死んだ後も侵入者を出来る限り足止めする役目なんだろうが、俺の対処は違う。


 その空気ごと<アイテムボックス>に突っ込んでしまえばいいのだ。<範囲指定移動>で全方の空間を指定し、後はそのまま入れるだけで元通りの綺麗な空間に元通りだ。

 更にこの鱗粉はドロップアイテムの扱いになるようで蜂蜜が入っていた小瓶一つで金貨一枚分の価値があるという。その他に普通のドロップアイテムもあるのだから一度で二度美味しい敵と言える。


「あ、来るね」


「おっと」


 相棒の声にひょいと頭を下げると、今迄頭があった場所を猛烈な速度で何がが飛び去っていく。今立っている場所はちょうど曲がり角で、そこからマッドバタフライに奇襲をかけたので、俺の後ろにはダンジョンの壁がある。そしてその壁には先程飛び去った”何か”が突き刺さったままになっている。


「ピピッ」


 頭が壁に突き刺さったままジタバタしているのはこの層で出現するもう一つのモンスターであるアサルトスワローだ。文字通り凄まじい速度で突撃してくる燕だが、ご覧の通りオツムはイマイチだ。俺が誘うように壁を背にした状態で戦っていたのに気付かず突進してしまう。嘘みたいに硬いダンジョンの壁に容易に抜け出せないほど深く突き刺さるだけでも大したものだが、こうなってはもうどうしようもない。俺の魔法の餌食になる定めは避けられない。


 毒蛾の鱗粉を受けて苦しんでいる上であの突撃を受ければいかなる腕利きもひとたまりもないのだろうが、鱗粉は対処できる上に<魔力操作>で敵の位置まで把握している俺としては、突撃すべく待ち構えている敵など当たってやる方が難しい。


 このダンジョンには珍しくほぼ1匹、多くても3匹ほどで現れるこの燕を逃す手はない。なぜなら塵になって消えた燕が落とすただひとつ落とすアイテムが貴重なのだ。


 燕の巣  金貨20枚


 特殊触媒。魔力の層が幾重にも積み重なって燕の巣のように見えるからその名が付いた。魔力が失われると外側から剥がれ落ちるように消えて行くので、他の触媒とは比べ物にならないほど長持ちする。

 魔法を使う冒険者垂涎の品物。特に新品は生涯どころか一族郎党が使い倒してもまだ残ると言われている。



 この燕の巣を冒険者ギルドやセラ先生に触りだけ話したら、えらい勢いで食い付かれた。すぐさまアイテムの提出を求められ、一つはギルドのオークションに出されることが即座に決まり、もう一つは先生の研究テーマの大事な実験に使うという。


 既に3桁に届こうかという数が貯まって来ているが、その事は言わない方が良さそうだな。

 だが、オークションで高値で競らせる為に、俺の<アイテムボックス>の中に死蔵しているアイテムが相当貯まっている。ゴーレムの起動核やミスリル等はかなり集まっている。数を出せば値が落ちる心配もわかる。あと半月ほどのはずだが、早く終わってほしいものだ。


 マッドバタフライのドロップアイテムは通常品が蝶の糸と呼ばれる糸というより布で、金貨6枚の価値だ。決め細やかな布はこの世界では本当に貴重だ。雪音と玲二の服を買い求めた時に古着でも数着で金貨数枚が飛んでいったのだ。それを聞いた雪音は綿の栽培で行う商売を考えたが、プランテーションに必要不可欠な安い労働力が奴隷しかないことに気付き泣く泣く諦めた。

 綿を創造すると、最初にパスタの麺が出てきた時には笑ったな。何十年振りか忘れたが、久々のトマトパスタはとても旨かったけど。


 レアアイテムは蝶の翅と呼ばれる美しい宝飾品だ。蝶の羽根を模した形に色とりどりの宝石が飾り立てていて、疎い俺でもこれは大したものだと感心してしまう出来だった。

 金貨15枚だというが、もっと価値がありそうだな。

 ちなみに落とす魔石は5等級で、金貨10枚の価値だ。ここの所の敵はずっと5等級の魔石ばかりだが、逆に4等級以上の魔石を持つモンスターがぐっと減るらしいので、ここらあたりで得られる魔石としては5等級がほぼ最上位と見ていいのかもしれない。敵の強さが上がっても得られる魔石が変わらないのは残念だが、この層ではかなりの確率で魔石を落とすので収益的にはかなり改善されているように感じる。何しろ敵の数で押すダンジョンだから、敵が出れば出るほど得られるアイテムは増えていく傾向にある。


 モンスターはこの二種類だけだが、23層の代名詞だと思っている”嫌がらせ要素”も忘れてはならない。悪夢の増援に絡め取られる蜘蛛の巣に続き、この層は滑る床が俺達を襲ってきた。


 氷の上を歩いているような足場の悪さに加え、油のような不思議なぬめつく液体に濡れていてまともに立ってもいられないほどだ。少なくとも近接武器を振り回して戦うのは無謀といっていいだろう。それくらい足元が滑って踏ん張りが効かない。

 そのくせモンスターは空を飛んでいる奴しかいない意地の悪さなので、このダンジョンを設計した奴の根性は相当腐っているのは間違いない。


 最初は水や火で洗い流すか焼き尽くそうとしたが、水分でないのかいくらやっても変化なかったので諦めた。そのまま戦うとなると当然だが非常にやりづらい。俺は魔法が主体だが、これが剣を持って戦うしかないなら23層は悪夢の階層だろう。



 俺もどうすべきかとあれこれ悩んだ結果、発想を逆転させることにした。


 これまでは滑るのを恐れ、なんとか踏ん張って耐えていたのだが、もうこうなったら逆に滑って移動すればいいのだ。


 そう考えたら後は楽だった。相棒がスケート靴のようなものを使えばいいのでは? と提案してくれたが、俺はそのまま滑って移動することを選んだ。すぐに止まらないので高速で突っ込んでくるアサルトスワローの対処だけは面倒だが、それ以外は非常に上手く行き、かなり戦闘も含めて簡単な層に変貌した。


 先程広間のように開けた場所で階層主との戦闘も終わらせたばかりだ。23層の主はマッドバタフライで数十匹の僕を引きつれて現れたが、ただの的当てに過ぎなかった。俺の魔法の威力が激しく増大しているようで、広間を焼き尽した火魔法の残滓が何時までも残っているほどだった。

 これまではそんな事はなかったので、間違いなく玲二のユニークスキルの影響だろう。たしか全てのステータスが倍になるというぶっ壊れスキルだったが、俺の能力値からさらに倍化されればこうなるのか。


 正直な所、ステータスとやらに表示される数字にほとんど興味はなかったりする。ある程度レベル上げて挑んだ商隊護衛の時点で、一定以上のステータスがあれば俺が求める体の動きにはなっていたのだ。

 具体例を挙げれば『力』の数値は50もあれば十分だ。むしろそれ以上になると逆に自分の肉体を傷つけてしまう恐れさえある。筋力の上昇と一言で言っても筋肉組織が強靭になっているというわけでもなく、外部からの補助で無理矢理力を引き出している感じなので、危なっかしくて仕方ないのだ。その前にもし筋肉が増強するのであれば、『力』が四桁を突破したおれは筋肉の固まりになって居なくてはならないはずなのだ。

 さらに事実として剣を使って戦おうとしたら、敵に剣を叩きつける前に力を入れた時点で剣の柄を握りつぶしてしまうありさまだ。通常は自らの脳で使うべき力の配分を勝手に考えてくれているのだと思うが、力比べでもしない限りはステータス上の恩恵はある程度の数値で収まるといっていい。腕相撲をしようにも力を入れると相手の腕を倒すのではなく、握った相手の手を潰しかねないといえば解ってもらえるだろうか。


 同じことは敏捷にも当てはまるが、魔力は単純に威力向上だけのようでこちらとしては有難い。ただ視覚的効果として雷魔法には稲光や火魔法には炎の残滓がちらつくようになる等、なんだか豪華というか派手な感じになっている。個人の趣味でいえば敵を屠るための手段に威力以外は求めていないので、余計な”演出”は俺が力をもてあましている証明だと思っているので、鍛えなおす必要があるな。


 23層の階層主と倒した事だし、続いて24層に向かおうとしたところで<念話>が入った。


<おーい、ユウキ。こっちはそろそろ準備が終わるんだが>


<もうそんな時間か。解った、今から戻る>


 玲二からの連絡を受けて俺は地上へ帰還することにした。時刻としてはまだ午前10時ごろで本日の探索としては始まったばかりだが、本命の用事の前に今日の一稼ぎとして時間が許すまで狩りをしていただけなのだ。狩った時間は5刻程度に過ぎないがそれでも金貨1500枚近くにはなっているはずだ。やはり地下深くに降りれば降りるほど得られる報酬も多くなっている。


<俺は()()の所で仕事してるわ。姉貴はレイアさんと一緒に向かっているってさ>


 玲二に解ったと伝えると俺は20層にある転移門へ足を向けた。

 これからの事を考えれば、暇な時間帯に全て終わらせてしまうほうがいいからな。


 今日はこれから玲二と雪音の冒険者登録を行う予定なのだ。



楽しんで頂ければ幸いです。


補足です。(主人公が気にしてないので作中に入れられませんでした)


玲二と雪音は主人公の名前を<鑑定>で知っているので、ユウではなくユウキ(結城)と苗字で呼んでいます。

主人公の記憶は日本人である二人と会話するうちにほんの少しずつ戻ってきています。ただそれは個人の記憶ではなく、一般常識程度です。トマトパスタの件もそれで思い出しました。それまでは漠然とした単語でさえ、なんだっけこれ? 状態でした。


そこらへんは主人公の内面しかかけない一人称の欠点ですかね。(自分の筆力のなさは棚に上げる)


 今度こそ次は今日中目指して頑張ります。


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