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第三話 神様に会いました

お久しぶりです!

更新再開しました。


では、どうぞ!

 その日の夜、俺はいろいろな検証をしてみた。

 今使えるのは、魔力感知、魔力操作、無詠唱、火魔法、鑑定、隠蔽、魔力強化、身体強化、そして時空間魔法とスキル創造だ。


 改めて挙げてみると今日一日でかなり覚えたな。そのうち、検証するスキルは鑑定と隠蔽、時空間魔法とスキル創造だ。

 検証する項目は、魔力に関することだ。詳しく分けると、

 1、鑑定や隠蔽などの一見魔力に関係ないようなスキルでも魔力を消耗するのか

 2、魔法はどのくらいの魔力を使うのか

 3、スキル創造で今までにないスキルを作ることはできるのか

 4、スキルレベル上げ

 5、魔力を全部使いきる

 この五つの項目について調べて見た。


 現在、検証し終わったのは1と4だ。

 1の項目については、鑑定や隠蔽などでは魔力は使わなかった。たぶん、武術や剣術も同じく魔力を必要としないと思われる。

 4のスキル上げは鑑定が2レベル、隠蔽が1レベル上がった。


 鑑定はベビーベットの柵をひたすら鑑定し続けた。

 最初に鑑定した時に出たのは


【木製の柵】

 木でできた柵


 だったが、レベルが上がると


【エルダートレントの柵】

 エルダートレントの木材を加工して作られた柵


 となり、二度目のレベルアップで


【エルダートレントの精巧な柵】

 エルダートレントの木材の芯の部分を使って作られた柵

 頑丈でありながら、角もなく丁寧に仕上げられており作り手の配慮が感じられる。

 木工職人ロベルトの作


 となった。どうやら、レベルが上がるごとに説明が詳しくなっていくらしい。

 続いて隠蔽だが、こっちはレベルが上がるごとにできることが増えていくようだ。

 レベル1ではステータスの各スキルを消すことしかできないようだ。

 その後隠蔽して戻して、を繰り返し20回ほど繰り返したらレベルが上がった。レベル2ではスキルレベルを調整することができた。例えば、剣術Lv10から剣術Lv2に変更することができた。ただ、能力値やレベル、名前、年齢などはまだ隠蔽することができない。もっとレベルを上げるしかなさそうだ。


(1と4についてはこのあたりでいいか。次は2と5だな。魔法関連だけど、今覚えてる魔法は火魔法と時空間魔法だけだからな。火魔法だと火事になったら困るし、時空間魔法しかないな)


 俺はもはや恒例となってきたベビーベットの柵に時空間魔法を使い時間を戻した。

 始めは五分前まで戻した。その結果、魔力は50消費した。次に十分前まで時間を戻してみるが、魔力は変わらず50減っただけだった。

 それから、五分間時間を進めてみたが魔力の消費は50だった。先ほどと同じように十分間進めてみたが消費は変わらなかった。

 どうやら、時間を戻すのも進めるのも消費は変わらないらしい。そして、どれほど戻そうが進めようが、魔力の消費は50で変わらないようだ。

 詳しいことはわからないが、今はこれだけ分かっていればいいだろう。


 次は、いよいよ魔力を全部使ってみようと思う。

 先ほどと同じように時間を蒔き戻すことと進めることを繰り返す。


(こういうのって大体魔力使い果たすと気を失うんだよなぁ・・・・・・)


 そうして、三十分ほど繰り返すとスキルレベルが上がった。上がったのは一レベルだけだが、消費魔力が45まで下がった。

 それからまた数回ほど繰り返すと魔力が尽きた。

 思っていた通り、意識が遠くなっていく。


(まぁ、予想してたから驚くこともないな・・・・・・)


 そして俺は、意識を失った。












 意識がはっきりしてきて目を開けるとそこは真っ白な空間だった。


(知らない天井・・・・・・がねぇ!?)


「それはそうじゃな」


 お約束ともいうべきセリフを最後までいうことができなかった。だって天井がないんだもん。・・・・・・つーか、さっきの声は誰だ?


「ん?誰だ?・・・・・・!?声が出る!?」


「それもそうじゃな」


 俺が声が出せることに驚いているとまた声が聞こえる。というか、さっきこの声俺の心読んでなかったか?俺、声に出してなかったよな?・・・・・・ということはつまり、


「あんた、神か?」


「うむ、いかにも儂は神じゃ。って何で分かったんじゃ!?」


 どうやら本当に神のようだ。神は驚きながら俺の前に姿を現した。見た目は仙人みたいな爺さんだった。あっ、ちなみに髪の毛はあるぞ、白髪だが。


「よくあることだろ。んで、神さんが俺に何のようだ?確か俺は魔力使い切って意識を失ったはずだが?」


「いやいや、良くはないじゃろ。・・・・・・ごほん、まぁよい。ここに来てもらったのは、お主がこの世界に転生した訳を話しておこうと思ってな」


 え、何?それ伝えるってことは、アレなの?魔王が復活するから、倒してほしい的な?それとも、この世界の魔力が云々かんぬんで地球から魔力を持ってくるために転生させたとか?


「いやいや、たぶんお主の考えているようなことではないよ。ただ、お主の死に方に地球の神が心を痛めて儂の世界に転生させてやってくれといってきたんじゃ」


「ふーん、魔王とかではないんだな?」


「もちろんじゃ。この世界にも魔王はいるが、とても良い奴じゃからなのう。むしろ倒されると困るわい」


 良かったぁあああ。もし、魔王を倒してくれって言われてたら、勇者でも召喚してバックレようとか思ってたわ。


「それで、他にも何かあるのか?」


「うむ。そのあと、この世界の全神々を呼び出しお主の人生を見せてもらった。その結果が、お主についている加護じゃ」


「・・・・・・どゆこと?」


「簡単に言えば、お主の人生に全神々が涙したのじゃ!!」


「いや、そんな『全米中が泣いた!』みたいに言われても・・・・・・」


 俺が非難の声を上げるも、この神は全く聞いてないようだ。


「それで、さすがに全員の神の加護を一気に与えるとお主の体が持たんということで、とりあえず創造神の儂と上級神の神たちが先に加護を与えることになったのじゃ」


「・・・・・・それで、あんなめちゃくちゃな数の加護が」


「これから、どんどん増えていくと思うがまぁ気にするな」


「気にするわ!」


「まぁ、ただ邪神、厄神は加護を与えんといっておったの。加護を与えてもお主の迷惑になるからとな」


 確かに邪神とかの加護だと差別とかの問題が起こりそうだな。つーか、邪神も加護与えようとか思ってたのかよ。俺の過去そんなにひどかったっけ?


「そんなにひどかったんじゃ」


「心読むなよ!」


「まぁまぁ。それより、加護の話なんじゃが」


「まだ、何かあんのか?」


 もういいだろ。すでにお腹いっぱいだぞ、満腹すぎてデザートが欲しいまである。


「うむ。お主についている加護なんじゃがな。今のままでは効果がないんじゃ」


「・・・・・・はい?」


 効果がない?でも、魔法とか使えたぞ?


「それはお主が自力で魔法を覚えたからじゃな。普通なら誰かに教えてもらって覚えるはずなんじゃが、お主が転生者で地球の知識があったから、自力で魔法を覚えることができたのじゃな」


「それはわかったが、それと加護に何の関係があるんだ?」


 それは別に加護と関係なくないか?


「加護があると無いとでは、魔法や武術系スキルなんかの習得速度やレベルアップまでの時間が段違いなのじゃ」


「そうなのか?具体的にはどのくらい違うんだ?」


「魔法系なんかだと五分の一、武術系だったら十分の一は違うのう」


「そんなにか!?」


 それかなり差があるだろ。もし魔法を覚えようとして、五か月かかるものが一か月になるんだろ!?いや、普通魔法覚えるのにどのくらいかかるのかが分からんのだが、それでもかなりの違いだ。


「違いは分かった。でも、なんで今のままじゃ効果がないんだ?ステータスにはちゃんと加護が付いてたぞ?」


「うむ。普通加護というのは、儂ら神々の声を聴くことで初めて効果を表すんじゃ」


「? それじゃあ、どうやって声を聴くんだ?」


 生まれたときから加護を持っている奴は、俺みたいな転生者じゃなきゃ加護を持ってることに気づかないんじゃないのか?


「五歳になったら神殿に行って司祭にステータスを視てもらうんじゃよ。そのとき、加護を持っている者には儂らが声をかけるんじゃ」


「なるほどな。でもそれだったら、余計に俺をここに呼んだ意味が分からないんだが?」


 五歳になれば加護の効果が得られるんなら、わざわざ俺を呼ぶ必要はないんじゃないか?


「普通ならな。お主には儂と全ての上級神の加護が付いている。後五年も経ったら、中級神の四分の一ぐらいの加護もつくだろう。その加護の影響による肉体の変化やスキルの増加にお主の体が持たないからじゃよ。中級神は400柱ほど存在するからのう」


「なっ、それの四分の一ってことは50ぐらいの中級神の加護と上級神の加護と最高神であるあんたの加護が一遍に付くってことか!?」


「うむ、その通りじゃ。なので、今のうちに最初に付いてる儂らの加護を発現させようと思うてな。儂や上級神全員の加護を持った者は今までに一人もいないから、お主の体にどのくらい負荷がかかるかはわからんが、なんとかなるじゃろう。お主の魂はもともと規格外じゃからのう」


 うーん、まぁ、それなら納得できるのか?・・・・・・ん?なんか最後に全く納得できない言葉が聞こえた気がするんだが。

 もともと規格外って何だよ!確かに前世でも超人だったけどさ!もう少しオブラートに包んで言ってくれないかな!?


「そんなわけで、ちょっと上級神たち呼んでくるから少しの間待っててくれ」


 そういって、爺さんは消えた。

 つーか、そんなわけでってざっくりとしすぎだろう!?ふぅー、落ち着け、俺。相手は神なんだ。相手は神、相手は紙、相手は髪。

 そういえば、あの爺さん仙人みたいに髭伸ばしてるくせに髪の毛もふさふさなんだよな。カツラか?せっかくカツラ被るんなら普通に黒髪にすればいいのに。あっ、そうか。それじゃあ、真っ白な髭に合わないのか。そうか、そうか。なら納得。












 とバカなことを考えていたら、爺さんが帰ってきていた。後ろに数人(柱?)の男女もいる。たぶんあの神たちが上級神なんだろう。


「またせたの」


「そこまで待ってない。それで、後ろにいるのが?」


「うむ。この世界の上級神たちじゃ」


 爺さんがそう言った後、一柱の女性が前に出てきた。


「初めまして、私は時空神アイフェルよ。フェルでいいわ。これからよろしく、リューカさん」


 アイフェルと名乗った女性はとてつもなく美人だった。ママさんと同じかそれ以上の美人さんだ。あれ?ママさんも女神じゃね?・・・・・・まぁ、いいか。


 そんなことを考えていると、どんどん他の神たちも自己紹介をしていく。


「私は魔神アリスベルよ。アリスって呼んでね。よろしくね、リューカくん」


 アリスさんは、とにかくエロイ。なんか、エロイ。


「俺は武神ガレスだ。よろしくな、リューカの坊主」


 ガレスさんは、気の良いおっさんって感じだ。


「我は剣神ウルベルクである。ウルクでいいのである。よろしくなのである、リューカ」


 ウルクさんは・・・・・・うん、語尾が変だ。


「儂は獣神レオンじゃ。よろしくのう、リューカ」


 レオンさんは、頼りになるおじいさんって感じだ。


「私は生命神セフィアよ。セフィと呼んでくれてかまわないわ。よろしくね、リューカくん」


 セフィさんはとても優しいお姉さんって感じだ。


「・・・・・・死神ネヴァ。・・・・・・よろしく、リューカ」


 ネヴァさんは寡黙な暗殺者って感じだ。でも、なぜか居心地の良さを感じる。


「俺は破壊神バルティスだ。ガッハッハ、バルスと呼んでくれ。よろしくな、リューカ」


 バルスさんは酒屋にいる豪快なおっさんって感じだ。つーか、バルスってラ〇ュタかよ。確かに破壊の呪文だけどさ。


「そして、儂が創造神にしてこの世界の最高神のオーウェンじゃ。オーブと呼んでくれてよいぞ。お主の人生が良きものであることを祈ってるぞ、リューカ」


「俺は、神楽龍華。今はリューカ・アクアレートです。俺を転生させてくれてありがとうございました」


 これは、言っとかなくちゃな。俺はあの時死ぬものだとばかり思っていた。いや、実際死んだんだけどね。でも、こうして新しい人生を歩んでいけるのは、ここにいる神たちのおかげだ。


「そういってくれるのは、ありがたいのじゃがな。お主が真にお礼を言う相手はこの方じゃよ」


 そういうと、オーブさんは横に移動した。オーブさんの後ろから歩いてきたのは、惑うことなき神様だった。


「この方はお主がいた地球の神じゃ。そしてお主を転生させてくれと儂らに頼んだ神でもある。お主がお礼を言うべきなのはこの方じゃよ」


「リューカさん、改めてご挨拶しましょう。智慧と戦いの女神アテナです」


 アテナさんは凛と胸を張るわけでもなく、ただ自然に自分が神であると告げる。アテナ、その名前は俺でも聞いたことがある。とてつもない、ビックネームだ。

 なぜそんなすごい人が、俺なんかを転生させてくれるように、オーブさんたちに頼んでくれたのかはわからないが、今はお礼を言うべきだろう。


「リューカ・アクアレートです。改めて俺を転生させてくれてありがとうございました」


 そういって、俺は頭を下げた。


「いえ、あなたを転生させたのは私の自己満足です。ですから、どうか頭を上げてください」


「・・・・・・はい。でも、どうして俺なんかを?」


 そういって、顔を上げるとアテナさんは顔を赤くしながら話し出した。


「えと、あの、あ、あなたが好きだからです!」


「・・・・・・は?ええぇぇえええええ!?」


 いや、ちょっ、どういうこと!?神様に惚れられるとか意味わかんないんですけど!?ちょっと聞いてないんですけど!?聞いてないんですけどっ!??


「え、えと、その、詳しく聞いても?」


「あぅう、その、あなたが、工藤恵美さんを助けている様子や野良猫と戯れている様子を見て、一目惚れしました」


 まずい!顔が赤くなる!そんなん視られてたのかよ。って、おい!オーブさん!何ニヤニヤした顔でこっち見てんだよ!他のみんなも楽しそうに見てんじゃねぇよ!?


「それで、もともと地球の神々の間でもあなたの人生を見て泣いてしまったものも多く、それで私が最高神ゼウスと日本の最高神アマテラスに転生の話を持ちかけて全神々の賛成でこの世界――ジオリニアにあなたが転生することが決まったんです」


「そ、そうですか」


「なので、あなたが頭を下げる必要はありません。それで、そのぅ、へ、返事を聞かせてもらってもいいですか!」


 へ、返事ってさっきの告白の!?ここは何とかして誤魔化さなければ!


「え、ええと、気持ちは嬉しいんですが、俺、まだ赤ん坊なのでもっと大人になってから・・・・・・」


「わかりました!では、あなたが成人した時に会いに行きます!」


 はい、逃げ道がふさがれましたー。ま、いいんだけどね?メチャクチャ美人さんだしね?嬉しいんだけどね?心の準備的にね?・・・・・・ああ、成人するまで時間あるのか。うん、なんとかなるだろう。

 つーか、会いに来れんの?


「お主がいた世界はこの世界よりはるかに格上の世界じゃからな。その世界の神、さらに上級神であるアテナ様なら儂の世界に顕現することも容易いじゃろう」


 だから、心読むなよ爺さん!


「ま、なんにしても、これで、加護も問題なく効果を発揮するからの。これからの人生頑張るんじゃぞ」


 え?何、これで終わりなの?こんなグダグダした感じで?

 おい、コラ!何のんびりした感じで手を振ってるんだ、コノヤロー!

 アテナさんはそんなに涙目でしかも上目遣いでこっちを見ないで下さい。マチャクチャ照れますんで!


 あ、ヤベ、意識薄くなってきた。なんなんこれ?神ってこんなフレンドリーな感じでいいの?神らしい神が一人もいないんだけど。

 アテナさんは最初はそれっぽかったのに・・・・・・。あ、本格的に意識が薄くなってきた。


 そうして、俺は再び意識を失った。


感想・アドバイスお待ちしています。


次話は、少し間隔が空きそうです。

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