第二話 生まれ変わっても超人でした
『チート問題児』より早くできました。
べ、別にこっちの方が書きやすいなんて思ってないんだからねっ!
それではどうぞ。
ママさんがパパさん相手に無双した次の日。俺は魔法を使ってみようと試行錯誤していた。
なぜ今になってかというと、ママさんが無双した日の夜に俺は初めて魔法を見たのだ。今まで、魔道具は見たことがあったが魔法を見たことが無かったので、本当に魔法が存在するのかは半信半疑だった。
そのとき使われた魔法は、『クリーン』という魔法でその名の通り洗浄の魔法だ。昨日の夜、俺が漏らしたときにママさんが使っていた。・・・・・・ごほん!
まず、よく小説であるように体の中の魔力を感じることから始めてみる。とりあえず、目を瞑り耳を澄ませてみる。
・・・十分経過
・・・・・・三十分経過
・・・・・・・・・・・・一時間経過
わからない!全くわからない!心臓の音が邪魔して血の流れぐらいしかわからなかった。そもそも魔力を流す管とか魔力を送り出す器官なんてものが存在するわけもないので、幾ら耳を澄ましてもそんな音が聞こえるわけがなかった。
(普通なら本とかに載ってるんだろうけど、読めないしなぁ)
本当なら人に教えてもらうか、魔法書を読んで魔法を覚えるのだろうが、まだ、俺は話せないし生後十日くらいの赤ちゃんが本を読むのもおかしい。何よりこの世界の文字をまだ知らないので、そもそも本を読むことができない。
むぅ~、こうなったらあれだ。座禅的なものをやってみよう。しんとうをめっきゃくしてせいしんをしゅうちゅうさせるのだ!
・・・十分経過
むむむ!
・・・・・・三十分経過
ん?なんか体の中に暖かいものが・・・・・・
・・・・・・・・・・・・一時間経過
暖かいものが体の中に流れてるな。これが魔力か!それで、これをどうすればいいんだ?
えーと、たぶんラノベとかで見たのは、火が燃える現象をイメージして・・・・・・
ボンッ!
「おぉう!?え、えあ(で、でた)」
ビックリした~。まさかこんなに簡単に出るとは思わなかった。でも、これ魔法の練習は危なくないか?でも他にやることもないしなぁ~。
―――魔力感知を取得しました―――
―――魔力操作を取得しました―――
―――火魔法を取得しました―――
―――無詠唱を取得しました―――
・・・・・・ぱーどぅん?え?なに、今の声。え?ここってそんなゲームみたいな世界なの?それじゃあ、ステータスみたいのも存在したりするん?
うぉ!?なんか目の前に半透明の板みたいなのが出た!
・・・・・・なになに?
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
名前 リューカ・アクアレート
性別 男
年齢 0歳(生後十二日)
種族 龍人族
Lv 1
HP 2000
MP 1500
STR 15
VIT 12
DEX 18
AGI 21
INT 55
LUK 250
〈スキル〉
武術Lv10・剣術Lv8・刀術Lv11・弓術Lv5・身体強化Lv4・五感強化Lv4・魔力感知Lv1・魔力操作Lv1・火魔法Lv1・無詠唱Lv1
〈レアスキル〉
模倣Lv6・固有化LV6・百戦錬磨Lv4・鑑定Lv1・隠蔽Lv1
〈固有スキル〉
最適化Lv3・竜化Lv1・龍化Lv1・竜神化Lv1・龍神化Lv1
〈加護〉
創造神の加護・時空神の加護・魔神の加護・武神の加護・剣神の加護・獣神の加護・生命神の加護・死神の加護・破壊神の加護
〈称号〉
超人・転生者・聖龍女神の息子・英雄の息子・アクアレート伯爵家の次男・半龍神・神々の寵児
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
・・・・・・うん、生まれ変わっても超人でした!
なんですか、これは?いやね?STRとかの能力値は平均がわからんから何とも言えないよ?でもね?流石にスキルが多すぎるってことはわかるよ!
なんだよ!総スキル数二十個て!?剣術とか生後十二日で覚えれるわけないだろ!明らかに前世の能力混ざってるよね!?
それと、さっき覚えたスキルはいいよ!なんだよ、鑑定と隠蔽って!そんなスキル覚えた記憶ないよ!?きっと、生まれたときから覚えてたんだろうね!ああ、そうだろうね!
で?次は何?固有スキル?全くこんなので驚くわけ・・・・・・あるわ!!百歩譲って前三つはいいよ?後ろの二つは何だよ!?神とかついてるんですけど!?
とか思ってたら今度は加護だよ!多いよね?多いですよね!?うれしいんですけどね!?でも、死神さんと破壊神さんはいい方の神様なんだよね?なんかいろいろ複雑だけど一応ありがとうございます!
さて、ようやく最後ですね?もうないですよね?ちょっと大きな声出していいですよね?
パパさんとママさん凄すぎだろぉぉおおおおお!?
はぁ~、スッキリした!あ、いきなり大きな声出してすみませんでした。いえね?ちょっと、凄すぎませんか?
まぁ、パパさんの方はいいですよ?まだ、ありえますから。うん、ママさん?あなたここに書いてる聖龍って何ですか?え?聖なる龍、ああそうですか。じゃあ、女神ってのは?なるほど、女神様なんですね。・・・・・・ふざけんな!!!
二人とも大物すぎるだろ!?っつーかパパさんなに神様と結婚しちゃってるの?そして、地味に伯爵家の次男だしね。・・・・・・長男誰だよ!?あったことねぇよ!?
はぁ~、はぁ~。落ち着け、落ち着くんだ、俺。そうだ、英雄ってのは二つ名みたいなものだ。きっと、ママさんも二つ名に違いないんだ!本当の女神様とかではないんだ!
・・・・・・よし!吹っ切った!とりあえず、今日はもう寝る!
次の日の朝、俺は悩んでいた。理由は簡単で、やることが思いつかないのだ。魔法の練習は危なくてできないし、自分のステータスを見て今の自分の状況は大体把握できた。何せ赤ちゃんなので自由に動き回ることもできない。なので、仕方がないのでこの前覚えた魔力感知と魔力操作のレベル上げをすることにした。
とりあえず、目を瞑って自分の魔力を感じてみる。なんで、目を瞑るかって?なんとなくだよ。ああ、あれだ、情報量を少なくして集中する的な?・・・・・・まぁ、そんな感じだ。そのあとで、自分の魔力と似た気配のものを探ってみる。
すると、上の方に何か同じような気配を感じた。目を開けてそこを見てみると照明の魔道具があった。おそらく、先ほど感じたのはこの魔道具の気配だろう。
よし、順調だ。さらに広範囲の魔力を探っていく。すると、扉の前に魔力を感じた。何の魔力だろうと思っていると扉が開きメイドさんが入ってきた。
なるほどな、さっきの魔力の反応はメイドさんだったのか。
前も少し話したと思うが、この家にはメイドさんが三人いる。名前はまだわからないが、一日に数回きて俺に話しかけたり、部屋の掃除をして出ていく。
一人目のメイドさんは、深い青色の髪で髪型はポニーテールにしている。身長は150後半くらいの十四、五歳の女の子だ。髪の色のせいで少し大人っぽい印象を受ける。
二人目のメイドさんは、赤茶色の髪でショートボブ?って感じの髪形をしている。身長は150くらいで十二歳くらいの女の子だ。こちらのメイドさんはまだ見習いらしく忙しなくあちらこちらを行ったり来たりしている。そして二人目のメイドさんはなんと猫耳なのだ!よくアニメなどで見かける猫耳だ!尻尾もちゃんとあるぞ!もう、初めて見たときはテンションマックスだ!!危なく奇声を発するところだった。
そして、三人目のメイドさん。三人目はまだ見ていない。どうやら、この家のメイド長的な立場らしくたぶんママさんたちの方を担当しているのだあろう。早く見てみたいが見に行ってみるわけにもいかず、もどかしい思いをしている。
っと話が逸れたな。いま入ってきたのは猫耳メイドさん見習いの方だ。猫耳さんはまだ、俺の世話は任されてないらしく、時折話しかけてくるだけで掃除が仕事らしい。
俺はそんな猫耳メイド見習いさんを横目に今度は魔力操作をやってみる。だが、この魔力操作何をすればいいのか全然わからない。
といあえず、魔力を左手に集中させたり、右手に集中させたりしているが何の意味があるのか全く分からないのだ。
いまいち実感がわかないまま、三時間ほど作業を続けていると、始めたばかりの時よりもなんとなくだがスムーズに魔力の移動ができているような気がした。
そこから少しずつ工夫を加えてみる。できるだけ早くしたり、出来るだけ正確にしたり、右手と左手、一度に二つの場所に魔力を移動させたりいろいろと試してみた。
一通り試した後、魔力操作で魔力を左手に集めた状態でベビーベットの柵を掴む。
バキッ!
つかんだ瞬間、柵が折れてしまった。
―――魔力強化を取得しました―――
(っ!?っまたなんか覚えた!っていうか、まずいまずい!どうしよう、これ。ママさんたちが来る前に何とか直さないとちょっとした騒ぎになるぞ!?そうだ、こんな時の魔法だ!えーと、どうすればいいんだ!?・・・・・・そうだ!時間を巻き戻すイメージでやれば!)
俺は折れた柵に手を向け、魔力を手に集中させる。そして、時間が巻き戻るイメージで魔法を発動させる。
(えーと、とりあえず五分くらい巻き戻そう)
すでに何を考えてそんな考えに至ったのかわからなかったが、自然とどんなイメージでどんな考え方なら魔法が発動するか感覚的に理解していた。
そして、魔力が抜けていく感覚と共に魔法が発動した。
柵に目をやった俺の目には、俺が折る前と変わらない柵がそこにあった。
(ふぅ、なんとかなったな。それにしても、なんで使ったこともない魔法があんなスムーズに発動できたんだ?)
―――時空間魔法を取得しました―――
―――スキル創造を取得しました―――
・・・・・・・・・・・・またですか。
次話は少し間隔が空きそうです。
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