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ルルシィ・ズ・ウェブログ  作者: イサギの人
第一章 始まりのヴァンフォーレスト編
6/60

◆◆ 5日目 ◆◆

 

 前回のあらすじ。

 突如としてわたしの体から放たれた青い光はオークを包み込んだ!

 おお、見よ! ジゴクめいたそのユニーク・ジツを!


「サヨナラ!」


 オークは爆発四散! ゴウランガ!

 


 ……いえ、はい、ウソです。

 普通に殴って普通に勝ちました。

 選ばれたわたしのユニークスキルがついに開眼……!? とか。

 全サーバーでたったひとりしか使えない技……!? とか。

 そういうのじゃありませんでした。

 夢がない。

 でも代わりに面白いことがわかったからいいんです。

 

 とゆーわけで、わたしは新たなスキルをふたつ手に入れました。


 ひとつは《ウォークライ》。

 斜面を駆け下りたときの叫び声だね。

 戦いの前に大声をあげることによって、グループの身体能力がわずかに上昇するみたい。

 毎回するのすっごい恥ずかしいからやんないです。

 ……シャイな子とか、どうするんだろこのスキル。

 恥ずかしがりながら?


「……お、おおぉ~!」って?


 握った手のひらを突き上げて?

 やばい、萌える。


 そしてもうひとつ、《タウント》です。

 日本語訳は『嘲る』。

 どういうものかというと、相手の注意を引きつける効果があります。

 そう、PvE(プレイヤーvsエネミー)のゲームではお馴染みの技です。

 つまり四日目の日記の最後でわたしがやったアレですね。

 いわゆる“挑発”ってやつ。

 これだけは、どんなMMORPGにも必ずあります。

 ある、よね?

 ……存在しないMMORPGは見たことがないけど。

 でも、わたしが知らないだけで、実はあるのかもしれない。

 まあいいや。

 ヒールと同じぐらいメジャーな技だね。

『666』にもきっとあるとは思っていたけれど……

 まさかいくらボイチャ必須だからって、発声スキルがあるなんて思ってもいなかったよ……

 すげーな『666』……

 こんなの、恥ずかしがり屋な子はタンクできない仕様じゃないか……


 13才ぐらいの女の子がさ、顔を真っ赤にしてさ。

 オークに向かって、「ば、ばーかーっ」って言うの。

 でもなかなか振り向いてくれなくて。

 それでも仲間を守るために、「も、もぅ、こっち向いてよぉ!」って怒鳴ってさ。

 うん。

『666』って、良いゲームですね……

 開発者と握手したい。





 っちゅーわけで、朝っぱらから詰所前に集合。

 昨夜帰って寝ちゃったから(帰り道は、みんな疲れてフラフラだったし)、クエスト達成報告はきょうなのです。

 わたしは昔から、美味しいものは取っておくタイプでした。

 楽しみー、わーい。


「でも昨日はビックリしたよ」


 顔を合わせるや否や、イオリオ。


「オークに大喝するとか。意外と怖い人だったんだな、ルルシィさん」


 あ、あら、そのお話?

 よ、よしてほしいわね……

 わたくしこんなにお上品で通っているのに。

 ……い、一応高校はお嬢様学校だったよ!


「俺、きょうから敬語使っちゃうかも」


 シスまで……!

 ふたりの注意も引きつけてしまった。

 

 で、でもルビアは助けてもらって嬉しかったよねえ?

 と、わたしが話を振るとですね。

 この子。


「いえ……頭の中真っ白で、なんにも覚えてなかったっていうかぁ……」


 キミね……

 お姫様を目指すなら、そういうところも媚を売れるようにならないとダメだと思うの。

 そんなんじゃ、いつか王子様が現れてもがっかりしちゃうよ……

 くっそー、助かってよかったねチクショー。





 クエスト達成してきたよー、とライエルンさんをぺちぺち叩きます。

 衛兵を呼ばれない程度にね。

 で、話しかけると。

 いぇい、ミッションコンプリート!


 クエスト報酬は、今度は足装備をプレゼントしてくれました。

 わーいわーい、新しいブーツだー。

 なんか新しい靴って、お洋服を買うのとはちょっと違ったドキドキがあるよね。

 足元が引き締まると、全身が引き締まるっていうか、ね。


 で、報酬はいくつかの種類の中から選べるみたい。

 シューズ、コットン、レザー、チェインで、全四種類かな?

 でもそれぞれ色違いがあるみたいだからね。

 はー、なにこの嬉しい気遣い。


 みんな悩みながらもらう靴を決めたみたいで。

 じゃあわたしはせっかくだからこの銀色のチェインブーツを選ぶぜ!

 すると、アイテムバッグの中にぽわんとアイコンが出現しました。

 今までのレザーブーツに比べて防御力が格段アップだー。

 早速履き替えてみる。

 防具をチェンジするためには、非戦闘状態でアイコンをダブルタップです。

 まるで魔法少女の変身シーンみたいに、わたしのレイジングハートがセットアップされます。


 が、しかし……

 大体全部が布装備なのに、足だけ金属製だと……

 これは……

 姿見を見なくてもわかる。

 コーディネートが、やばい。

 わたしの理想はこうでぃねえ(こうではない)


 よし。

 決意する。


「きょうはショッピングしよう……」


 ああ……

 きょうこそはベッドさんが買えると思ったのに……

 ベッドくんさようなら、さようならベッドくん……また会う日まで……

 


 まあ、いいさ……

 いつまでも初期装備のままっていうのは、ちょっとね。

 前衛としてっていうより、ゲーマーとしてどうかと思うしね。

 で、シスくんとイオリオくんも一緒にやってきた。

 しかし、四人で団体行動というのは、さすがに効率が悪い。

 大体、前衛と後衛が同じ店に入っても意味ないし。

 っていうわけで。


「じゃあこっから別行動にしましょう。わたしとシスくん。イオリオくんとルビアの二組ね」


 もはや決まったことのように言ってしまう。


 その申し出に異論を唱えたのは、もちろんルビアだ。


「え、え~~……」


 しかしわたしはあえてNPCスルーする。

 知りません知りません。

 これぐらい強引にしないと、あなた聞かないもの。

 一緒に戦った仲なんだから、ちょっとは打ち解けてちょーだいよねー。

 ハハー。


「イオリオくん、ルビアのことよろしくね」

「わかった。じゃあ案内するよ、ルビアさん」


 すると、平然とうなずくイオリオ。

 おお、なんだこの人。

 頼りになるぞ。

 本当に年下か?


「うう~……よろしくお願いしますぅ~……」


 ルビアと一緒に歩くと完全にお兄ちゃんだ、コレ。

 いってらっしゃーい、と手を振る。

 妹ちゃんのほうはこっちを恨めしそうに見ていたけれど。

 知らない知らない。

 さ、わたしたちはわたしたちで向かいましょう。

 そのシスくんはニコニコ顔。


「新しい装備、楽しみだなあ! イェーイ!」 


 なんという犬っぽさ。

 ブンブンと振り乱れる尻尾が見えるようだよ。

 ……似合う。

 




 ヴァンフォーレストが主に取り扱うのは、皮製品です。

 森の中にあるだけあって、野生動物が大量に、ってイメージかな?

 武器のほうはですね、片手剣、短剣、後は弓辺りです。

 そこらがヴァンフォーレスト軍の標準装備になっているようでね。

 それ以外の武具は品揃えが悪いのだよ。

 ま、それでもひと通りの初心者用装備は取り扱っているから。

 今は選り好みするような立場じゃないし。


 シスくんとふたり、数少ない重装備の店に入る。

 飾られた鋼鉄の装備に目移りしながらも、カウンターへと近づく。

 NPCのおじさんに話しかけると、【メニュー】がポップ。


 おー、種類はあるけど、良い物はそれなりにお値段が張るわねー。

 持っているお金でフルセット揃えられそうなのは……

 一番安いチェインメイルか、その次のスケイルアーマー、かな……?


「やっぱり硬いのは重そうだよなあ」


 このゲーム、一般的なゲームにある“重量”がお飾りじゃないのが辛い。

 普通だったらさ、重要があろうがなかろうがVITってステータスの上限値までは影響がないでしょ?

 でも『666』だと、重いからビックリするほど動きが鈍くなるのよね……

 リアリティェ……

 こんなに装備重量が大切なゲームって、コレかダーク○ウルぐらいじゃないの。


 で、シスくん。

 財布を見て若干冷静になったようだ。

 渋い顔をしてメニューを睨んでいる。


「うーん、今わたしたちのつけているのって一番軽い防具だからねえ……

 これが金属鎧になったとき、どれぐらい動けなくなっちゃうのか……」

「んだな……」

「って、おお、試着室借りれるじゃーん!」


 素敵な配慮!

 わたしは喜び勇んでフィッティングルームに入る。

 カーテンを締める前に一言。


「シスくん、覗かないでよー?」


 ま、お約束ですから?


「やんないってば!」


 怒られたー。


 ま、茶番は良いとして。

 ショップメニューから装備を選ぶ。

 試着の項目をクリック。

 メタモルフォーゼ的に、わたしの装備は瞬時に変わる。


 って、重ぉ!

 やだ、なにこれ!

 スケイルアーマー重っ!

 顔を真っ赤にして耐えるわたし。

 装備ステータスギリギリのものはヤバイんだってば……

 慌てて装備変更。チェインメイル。


 うん、重いは重い。

 全身に金属がのしかかる。

 けど、こっちのが全然マシ。

 結構ずっしり来るけど、まあそのうち慣れる、でしょう。

 そもそも重騎士は、この上からプレートアーマーを着込むんだもんなー。

 いやー、わたしにはタンクは無理ねー。

 スキルがあがれば、そのうち軽々と動けるようになるのかなあ。


 鏡の前で若干ポーズを取ってみる。

 うん、ルルシィールさんが着るとお綺麗だわ。

 頭を覆うコイフとかないし、あちこちの装飾も凝ってて、デザイン的にもかなりカッコいい。

 ここらへんは実用性とか関係なく、パラメータの変動だけで許されるゲームだからこそだね。

 頭部を守らない装備が許されるのはゲームだけだよねー! キャハハハ! 的な。

 ゲームばんざい!


 もう買う気満々でカーテンを開く。

 きょうは慣れるためにもこの格好でいよう……

 と思っていると、向かいの試着室もちょうどカーテンが開いた。

 スケイルアーマー姿のシス。

 あれです。

 五月人形の格好を真似して武者鎧を着込み、潰れる寸前の幼児みたいです。


「俺、これに、する、ぜ……!」


 おお……

 まさにファッションとは我慢……

 


 鎧を整えたわたしとシス。

 次はもちろん武器です。


「で、結局シスはなに買うの?」


 わたしたちが入ったのは、ちょっぴりコンビニっぽいお店。

『666』の世界で全国チェーンを展開しているらしい武器屋さん【メガマート】です。

 アレだね。

 スタートする街で装備に偏りがないようにっていう、ゲーム的な配慮の……

 ゲフンゲフン!

 うがった見方の大人っていやあね。


 シスはメニューを眺めてうなる。


「使わないアイテムを売り払っても、二種が限度だな。ルルシさんは大斧買うんでしょ?」


 んーそうねえ。

 まー、チョット飽きてきた感は否めないケドも。


「武器と防具を同時に変えると慣れるまで時間かかりそうだからね。今回は斧にするよ」

「なるほどな……」


 シスくんはうなずいた。

 それから軽く30分。

 シスは深刻に悩み続けている……

 人生の帰路に立っているんじゃないんだからキミ……





 新調した大斧ジャイアントアックス(エミリーちゃん)をバッグにしまう。

 はい、お金はほとんどスッカラカンです。

 明日からは金策だな、これ……

 フォーチュンなパステルちゃんみたいに、冒険記を売ってお金に変えられればいいのに……


 で、わたしはルビアとイオリオの様子を見に行くことにした。

 シスくんは放置。

 この後にも、クラフターギルドとか見て回りたいんだから。

 ものを作る喜びを知りたい!(ただしバーチャルで)

 そんなかつてのネットゲームの広告のようなことを考えていると、ルビアたちの姿を発見した。


 おーい、と手を振るも、なんだか様子がおかしい。

 誰かと揉め事?

 知らない二人組がいる。

 どうやら、また勧誘に合っているみたい。

 縮こまっているルビアをイオリオがかばっているっぽいけど……

 なんか、それが余計に事態をややこしくしているようで。


 しょうがない。

 ここはオトナのわたしが事情を聞くとしましょう。

「どうかしたー?」と金属鎧を鳴らしながら近づく。

 すると、二人組は『うっ』という顔をした。

 え、なになに。

 イオリオが肩を竦める。


「悪いな。うちのギルドマスターが来ちまった。

 そろそろ諦めてもらわないと、痛い目に合うかもしれないぜ」


 なになにー?

 どゆことどゆことー?

 二人組は舌打ちをしながら去っていった。

 ……何だったのだろう。

 ぼーっとしている間にひとつの事件が終わってしまった。

 

 わっ、いきなりルビアに抱きつかれた!?

 お、おー、よしよしよし。

 胸メッチャ当たってますね。デレ期?


「思ったよりもしつこくてさ。完全武装の戦士さんが戻ってきて助かったよ」

「あーなるほど」


 そういうことかー。


「勧誘、やっぱり激しい?」 

「つか、タチが悪い。ギルドの勢力拡大なのかは知らないが、無差別って感じだよ。

 頭数を揃えたいんだろうな。人数だけいれば、少なくとも生産職ははかどるだろ」


 やーねえ。

 わたしみたいな小市民は絶対に関わり合いになりたくないわね。

 君子危うきに近寄らず。

 イオリオは自らの頭の上を差す。


「ギルドに入ってない人は、誰からでもわかっちまうのが問題さ。

 エンブレムが名前の横に表示されていないからな」


 ふーん。

 わたしはルビアをなだめながら、思いつく。


「じゃあ、ギルド作っちゃう?」


 ルビアが「えっ?」と顔をあげた。

 さほど、ものを考えないで発言しちゃったんだけど……

 イオリオは……ニヤリと笑ったような気がした。

 えっ、は、はめられた?

 




“ギルド”とは、まあネトゲの意味合い的には仲間みたいなものです。

 マスターを中心とした固定メンバーの徒党、って言えばいいのかな。

 規模は様々で、数名から多いところになると何百人というメンバーが集まったりする。

 もちろん冒険するだけじゃなくて、クラスター同士が情報交換や素材の売買を行なうために作った『商工ギルド』なんてものもあります。

 基本的には掛け持ちはできないね。

 ギルド選びは慎重に! おねーさんとの約束だよ!


 あっという間に。

 ギルド立ち上げの手続きをするために、ヴァンフォーレスト行政区の冒険者管理窓口へとやってきたわたしたち。

 どうやら、書類申請式らしい。

 設立にお金はちょっぴりかかるみたい。

 わたしの全財産だ……

 うう……

 ま、まあいいや。

 

 結局シスくんは新装備を槍と拳闘ナックルにした模様。

 ルビアとイオリオも新しい衣装に着替えている。

 あらあらカッコイイじゃないの。

 わたしたち、みすぼらしさがすっかりなくなった。

 ちゃんとした冒険者っぽい!

 

「で、ギルドマスターなんだけど」


 受付に立ち、口火を切る。

 全員の目がわたしに集まっている。


 だろうね、知ってた。

 

「イイケド……」


 言い出しっぺの法則ってやつよね、これ……

 話し合いで決まったわけじゃないから、押しつけられた感がすごいわ。


「いや、絶対適任だって」


 笑いながらシス。

 その信頼はどこから……

 わたしたちまだ2日3日ぐらいしか一緒にいないのに。


「ああ。消去法でいっても、間違いない」


 うなずくのはイオリオ。

 うーむ。

 買いかぶられている気がするわ……


「そういうイオリオだってやればできそうなのに」

「僕はそういうの苦手だよ。裏方で策謀を巡らせるほうが好きなんだ」


 金髪ロンゲ眼鏡エルフ魔術師に、腹黒の二文字を追加してやろう……

 さっきからずっと大人しいルビアにも意見を求める。


「キミはどうなのさ」

「えっと……ぴったりだと思いますよぉ」


 あ、そうですか。


「だって先輩、仕切り屋ですし、おせっかいですし、

 器が広いというよりなにも考えていなくていひゃはゃは」


 頬を掴んで引っ張る。


「基本悪口しか言ってないよねえ!?」


 あーもういいよ、わかりましたよ!

 やるよ、やるってば!

 わたしについてこい!


「えっと、じゃあギルドの名前、だけど……」


 その一言でみんなが固まった。

 代表して語るイオリオ。


「まったく考えてなかったな……」


 でしょうね……!




 十分後、みんなで案を披露し合う。

 まず最初はシスくん。


「<紅刃旅団>!」


 空前絶後のドヤ顔です。

 ああ、そういうカッコイイ系ね……

 嫌いじゃないけどうちには合わないよ……

 

 続いてイオリオ。


「……パス」


 えっ。


「僕、こういうの苦手だ」


 あれぇー、ひょっとして恥ずかしいのぉー?

 ここぞとばかりに煽ってゆく。

 顔赤いですけどー?(笑) 


「……うるさい」


 アヒャヒャ。


 今度はわたし。


「<NAKAMA Club>とか、ど、どう?」


 三人同時に首を振られた。

 ……論外ってこと?


「子育て雑誌じゃないんですから、先輩……」


 後輩にまで一蹴されるとは……

 恥ずかしくなる。


「じゃ、じゃあキミはどんなの思いついたのよ……」


 ルビアを睨む。

 彼女は髪をくるくると弄りながら。


「えっとぉ……

 とりあえず、“ルルシィ”は使いたいなーって」


 いやいやいやいや。

 断固拒否させてもらおうか!


「なんでわたしがわたしのギルドにわたしの名前をつけないといけないの!?」

「違いますよう」


 やんわりと否定するルビア。

 彼女はわたしたちを順番に差す。


「“ル”ルシィール。“ル”ビア。“シ”スくん。“イ”オリオさん。

 頭文字を合わせて“ルルシィ”ですぅ」


 お、おー……

 三人、思わず関心した。

 が、すぐにわたしだけは気づいたよ。

 事情を知らない人には、わたしが恥ずかしいのに代わりはないだろそれ! 

 ルビアはさらに思いついた顔。


「あ、そうだ。先輩いっつも日記書いてますから、

 <ルルシィ・ズ・ダイアリー>とかどうですかぁ?」


 またもわたしが焦る。


「な、なんで知っているのそのこと!?」 


 きょとんと目を丸くするルビア。

 え、なにこのリアクション。

 三人はなにも不思議ではないという顔をしていた。


「だって、休憩中とかに」

「まあ最初はメモだと思ってたけど」

「隠していたんだったら、うかつですぅ」


 変な悲鳴が口から出た。


「ひぎゃあー!」

 

 恥ずかしい! 恥ずかしすぎる!

 今すぐお布団にゴロゴロしたい! 悶えたいいいい!

 

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