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ルルシィ・ズ・ウェブログ  作者: イサギの人
第三章 北伐のゲオルギウス編
30/60

◆◆ 22日目 ◆◆

 

 朝日とともに起床。

 久方ぶりのマイギルドハウスです!


 やっぱりね、我が家が一番!って思うもんだよね。

 別にヴァンフォーレストで生まれたわけじゃないけど!

 でもプライベートルームバンザイ!


 完全に気が緩んでいたわたしは、下着のまま洗面所までやってきた。


 いや違うんです。

 ほらわたしが住んでいたのは女子寮だから!

 露出狂とかじゃないから!

 読者サービスでもないし!


「ルルシさん……ちゃんと服を着るようギルドルールを決めていたはずだが」


 泥棒が見つかってしまったときのように、思わず背筋を正します。

 ぎこちなく振り返ると……手を顔で抑えたイオリオ。


 アイエエエ! イオリオ!? イオリオナンデ!?


 じゃ、じゃなくてうっわ恥ずかしっ。

 その場で上着を装備すればよかったものを、わたしは思わず固まってしまった。


「き、キサマ……見ているなッ!」


 胸を抑えながら背を向けて振り返る。

 イオリオは嘆息。


「あっちを向いているから、その隙に部屋に戻ってくれ……」


 すっごいあしらわれている!

 わたしはイオリオの横を過ぎ、早足で部屋へと戻る……

 くー、カッコ悪い……





 で、きょうもまた大事な約束があるのだ。


 なんかわたし、最近毎日約束だらけだな……

 もっとだらけた生活を送って、好きな時に好きなモンスターを狩りたいんだけどなー……

 でもまあ今のところ、やらなきゃいけないこととやりたいことのベクトルが合致しているのが助かるね。


 わたしの怠け癖よ、しばし眠れ……

 

 お馴染みの【蛍草の広場】。

 そこには若きクラフターたちが集っていた。


 エルドラドたちに言いようにこき使われていたプレイヤーたちだ。

 合計12名。もちろんモモちゃんもいる。

 こちらは<ウェブログ>の四人である。


 ともあれ、わたしは彼らに向かって言い放つ。


「ごきげんよう冒険者の皆さん! きょうからあなたたちは自由です! フリーダム!」


 すると感じる感じる負のオーラ。

 バリバリの『そんなこと言われても』感。

 うーん戸惑っている戸惑っている。

 まるで星の見えない夜に、大海原に投げ出されたような顔をしています。


 すると、ふたりの少年少女が歩み出てきた。

 ひとりはモモちゃんで、もうひとりはテディベアのような体型の可愛らしい種族【クルガモ】の少年。

 多分モチーフは、ホビットとかノームとかそんな感じ。

 キリッとして、学級委員長とかしていそうなお顔。


「あの、ボクたち昨日話し合ったんです」


 彼の名はカット。

 話し方からしてモモちゃんと同年代ぐらいかな。


「ボクたちもギルド<ウェブログ>に入れてもらえませんか?」


 おっと、突然の申し出。

 隣でモモちゃんも「お願いしますっ」と頭を下げている。


 12名の意見は統一されているのだろう。

 みんなは思いつめた顔でわたしを見つめている。

 一気にクラフターが12名も加入?

 オイオイ、一躍金満ギルドになっちゃうよウチ。ウヒヒヒ。


 隣でシスが「いいんじゃねーの? これも人助けだろ」と促してくる。

 イオリオもルビアも賛成のようだ。

 うちが民主制ギルドなら間違いなく可決だね。

 しかしわたしは手のひらを突き出す。


「でもダメです!」


 みんなは( ゜д゜)ポカーンとしていた。

 無理もないと思う。モモちゃんとか固まってるし。

 ルビアが珍しく血相を変えてわたしの手を引く。


「こ、こんなところで嫌がらせしてどーするんですかぁ! 大人気ないですよぉ!」

「嫌がらせではないわ」


 キリッとして口調を正す。


「わたしたちのギルドに加入すれば確かに将来は安泰、受験も不要、就職先も楽々見つかるかもしれないけどね」

「なんの話ですか?」


 カットくんが聞き返してくる。

 ごめん、わたしもわからない。


「でもね、それって勿体無いことだと思うのよね。ニュービーは、ニュービーのうちにしかできない色んな楽しいことで溢れているもの」


 わたしがもし『ネットゲームでもっとも面白い遊び方は?』と聞かれたら、こう答える。

 それは「右も左もわからない初心者同士で集まって、サービス開始時の混沌とした世界を徐々に解き明かしてゆくこと」だ。


 発見の喜びは、仲間たちと歩んだ思い出は、何物にも代えがたい宝物だと思う。

 たかがネトゲで何語ってんだ、って言われるかもしれないけどね。


「だからあなたたちには、わたしよりももっと相応しいギルドマスターがいると思うわ」


 わたしはまっすぐに手のひらを差す。

 恐らく誰にとっても意外だったのだと思う。

 彼女自身も目を丸くしていた。


「え、ええっと……も、モモ、がマスター?」


 そう、モモが。


「あなたたちは12名でギルドを作るの。

 チュートリアルクエストを受けて、1からこの世界を楽しんでちょうだい」


 だが、その言葉は突き放すようにも聞こえただろう。


「で、でもモモはっ」


 モモちゃんはわたしに詰め寄る。


「おねえさんとか、ルビっちたちと、一緒に冒険して……それで、これからも一緒にって……!」

「同じギルドじゃなくったって、冒険はできるわ」


 わたしは毅然と微笑む。


「……ど、どうしても、ダメなの?」


 うっ。

 上目遣い攻撃に揺らいでしまいそうになる。

 目がうるうるしてて、め、メッチャ可愛い!

 だが耐えた…… 


「もしわたしたちと一緒に遊んだことが楽しかったのなら、モモちゃんもその楽しさをみんなに分けてあげて。

 MMOは怖いものじゃないんだって」


 しばらくモモはじっとしていた。

 ふたりきりのときに話していたら、わたしもモモの願いを断りきれなかったかもしれない。


 だが今は後輩プレイヤーたちの目がある。

 モモはわたしたちと共にひとつの冒険をくぐり抜けたのだ。

 それなら彼女だってもう、ひとりの立派な冒険者プレイヤーだ。


 彼らと旅をして、色々なところを見て回って、新たな素材を得て、クエストを攻略してゆき……それはきっと楽しいに違いない。

 その魅力は、モモちゃんだってわかっているはずだ。


 モモは下唇を噛む。

 そして、ついにうなずいた。

 決意したその顔は可愛いというより……うん、カッコイイね。


「……わかった、おねえさん。モモにできるかどうかわからないけど……」


 若きギルドマスターの誕生だ。

 誰だって最初は初心者なんだから、恥じることなんてないからね。

 どうか、楽しんでほしい。


「困ったことがあったら、どんな小さなことでもコールしてきていいからね」


 さらにモモの隣に立つカットくんに微笑みかける。


「というわけで、モモちゃんを頑張ってサポートしてあげてね、副マスターのカット少年」


 急に話を振られて、少年はうろたえる。


「ええっ、ボクですかぁ!?」


 はは、大丈夫大丈夫。


「腹黒サブマスターがギルドを裏から操る手練手管を教えてくれるからさ」


 おい、と後ろから声がかかるがNPCする。

 イオリオも巻き込んでやったぜ。

 なんだかんだで面倒見の良い彼も、これでモモちゃんのギルドのことを気にかけてくれるだろう。


 と、ゆーわけでね。

 以上。わたしが誘拐したモモとの顛末は、これにて終了です。

 実はここに書いてないところで、(昨夜に)もうちょっと甘いシーンもあったのだけど……


 まあ割愛します。

 させてください。

 べ、別に恥ずかしいわけじゃないケドねえええ!

 

 



 彼らと別れてから。


「先輩ってば、まーたかっこつけちゃってぇ……」


 さっきからルビアは不満気だった。

 なんだかんだで、この子もモモちゃんと離れるのが寂しいのだ。

 最初は仲悪かったくせにー。

 ほっぺぷにぷに。


「 が う わ う っ ! 」


 噛まれそうになり手を引っ込める。

 おっと、ツン期だったか。


 わたしとルビアは昼夢市にやってきている。

 ルビアの密輸業(ベリーダンスの衣装など)を見守りながら、新たな旅立ちのためにアイテムを補充しに来ていたのだ。

 せわしないでござる、せわしないでござる。


「さすがに十日も経つと、露天にも新製品が続々増えているねえー」


 期待しつつ売り子の間を練り歩く。

 新たな武器、新たな防具、新たなアイテムに新たな素材。続々と発見されているようだね。


 ヴァンフォーレストの近隣も次々と開拓されているんだろうなー。

 そのビッグウェーブに乗れなかったのは残念だけれど……

 まあその代わりダグリア料理に出会えたからね。

 仕方ないね……


 ルビアなんかは「こ、これ革装備作るときに使うものですぅぅぅ! うきゃぁぁぁあたしのものぉぉおぉ」などはしゃいでいるが、

 クラフトをやっていないわたしとしては温度差がすごい。


 あ、チラホラと銘入りの武具も販売しているね。

 騎士剣、大剣、戦斧、長槍、片手槍、ナックル……実に色んな種類があります。


 レシピを探求する楽しみも味わいたかったな……

 うう、体が三つぐらいあればダグリア攻略とヴァンフォーレスト探索とクラフトワークスを同時にできたのに……


 でもロクな鉱石が見つかっていないのか、鍛冶屋のスキルがまだまだ低いのか、並んでいる武器は軒並み修正値が低いなあ。


 愛刀【一期一振】、相当なレアだったみたい。

 ていうか刀自体もまだ合成レシピ見つかってないそうだしね。


 せいぜい買い換えるとしたら鎧かな。

 でもチェイン一式ってもうどこにもないのよねえ……

 防具ってさ、店売りだと防御力と重量が正比例だからさ。

 単純にフルプレートとかフリューテッドとかがいいわけじゃなくて……


 つまり何が言いたいかというと、レアなチェイン装備がほしいです!

 売ってませんが! 完!


 お金も、びっくりアタックのための触媒と、あと水薬ぐらいにしか使わないからー……

 結構貯まっちゃったのよね。

 だから、わたしが美味しい料理を食べ歩きしてしまうのも、無理ないことだと言えないだろうか!


 わたしが完璧な論理を頭の中で組み立てているところ。

 ひとしきりショッピングをして満足したらしいルビアが、また大きな真ん丸おめめを精一杯釣り上げてくる。


「でーもー、あんな風に突き放して、モモちゃん可哀想ですよぉー」


 おっと、突っ掛かってくるね。

 わたしだって、許されるならモモちゃんとずっとイチャラブしていたかったのに……

 ぶーぶー。


「はいはい。どうせわたしは血も涙もない効率厨の冷血漢ですよー」

「なに拗ねているんですかぁ。その通りですよホントに。改めてくださぁい」


 ルビアにたしなめられるとは、なかなか珍しい図だと思う。

 ま、わたしが悪者扱いされるのは当初の予定通りだしね。

 モモちゃんたちがこのまま<ウェブログ>にいたら、とんでもないことに巻き込まれてしまう。

 さすがに“北伐”に付き合わせるわけにはいかないからさ。


 いやホントはわたしも、のんびりゲームを楽しみたいんだけどね?

 そういうわけにはいかないっていうか、乗りかかった船っていうかね……


「だから、ルビアだって無理して付き合わなくてもいいんだから」


 と、わたしがぽつりとつぶやくと。

 ルビアはぷくーっと頬を膨らませた。


「そーゆーこと言うの、優しさじゃなくて空気読めないって感じですぅ」


 あらあら、先輩KY扱いされちゃいましたか。

 ルビアは目を閉じて人差し指を立てる。


「『この世界を脱出するための手がかりがある』。だからうちのギルドにも協力して欲しいんですよね。

 あたしだってギルドの一員ですよぉ。もう立派な戦力ですもーん」


 おっと、色々と自覚が芽生えたのかな。 


「確かにキミのしぶとさはメンバーの中でも図抜けているからねえ」


 大型の盾で身を守り、回復魔術でひたすら耐えるその姿はまるでカメ……もとい、聖騎士!


「回復魔術が効きません~って泣いてたルビアちゃんは、もういないのね」

「きー! そういうこといちいち蒸し返すのは意地悪ですぅー!」


 ぽかぽかぽかと痛くないように叩かれる。

 照れ隠しにしても、あざとい……

 自分をいかに可愛く見せるかの技術だけは卓抜している……


 さらに、胸を強調するかのように前かがみになり、こちらを上目遣いに見つめてきて。


「大体先輩はひとりなんでも勝手に決めて、ひとりで背負い込みすぎなんですぅ。

 もっとあたしたちを頼りにしてくださぁい」


 そんなことないけどなあー。


「してるしてる。キミたちがいないと生きていけないよ。LOVELOVE愛している」

「誠意が感じられませんねぇ……」


 ルビアはジト目でこちらを見やる。

 しかし不機嫌を装っていたのはほんの束の間。

 すぐに、にっこりと笑った。


「……でも、“愛している”の言葉は嬉しかったので、許してあげますぅ。えへへ」


 まるで恋人のように、腕にぴたりと寄り添ってくるルビア。

 ……可愛いじゃないの。

 この子のデレ期の破壊力はなかなかです。

 



 

 ――ここから回想です。


 時は【樹下の月長亭】の会談に戻ります。

 

 その遺跡は、かつては魔術師たちの教育施設、あるいは世界的な図書館の跡地、神々を祀っていた神殿だったとも言われている。

 永い年月によって風化した敷地内には、多くの魔物が棲みつき、そして数多くの石碑が今もひっそりと遺されていた。


『それは、歴史を断絶するほどの大破壊の記録だったのさ』


 レスターは言った。

 自分たちのいるこの世界――『666』の大地を形容する言葉はいくつかある。


 一番ポピュラーなのは【ドミティア】。

 ドミティア大陸やドミティアランドといった呼び方はせず、地球のようなニュアンスでドミティアと呼ぶ。


 一部の教徒はこの世界を【R・D】と言うようだ。

 この場合は崩壊後の新世界のみを差す。なにもかもが【R・D】によって変革してしまったのだと。何の略かは教徒も知らないらしいけど。

【R・D804年】のように年号として使っているところもあります。

 その他にも色々と。

 使う設定なのかどうかはわからないけれど……


 ヒューマンを含めた友好種族のみでの社会は【アレイスター】。

 魔物が跋扈する危険な未開地を含めて呼ぶときには【グレゴリ】。

 神々の伝承に出てくる聖地としてのドミティアは、【ルキ・ドミティア】と。


 すっごくたくさん。

 まあ単なるネトゲの設定だと思います。よくある感じの。


 でも、遺跡には【中雲中】と描かれていました。

 それがどうやら大破壊以前で使われていたドミティアの呼び名だと思っていたけれど<キングダム>が調べた結果、実は――


 ――中略――


 えーと、ついてきている? 大丈夫?

 一旦ダグリア料理の話書く?

 あ、大丈夫? そう。


 というわけで。

 かつて【天儀天】より数百人の使者が【中雲中】に降りてきて、【地端地】から這い出てきた悪い神と戦いを繰り広げました。

 大戦【666 War】です。まさかここでタイトルが絡んでくるとは。


 この伝説をなんとレスターくん。

 VRMMOに閉じ込められたわたしたちに当てはめてみたんです。


 ちょっと強引な気がする? まあそれだけだったらわたしも半信半疑だけどさ。

 というか、『666』が稼働したのここ最近だし。

 伝説になるほど昔に、閉じ込められた人とかいない、し……?


 あれ、なんか引っかかる。


 かなり前にポケ○ンのアニメのフラッシュをまともに見て、子どもたちが光過敏性発作を引き起こした事件があったじゃない?

 確か、1000人近くが病院に搬送されて、約150人が入院したっていう。


 日本のアニメにはテロップが表示されるようになったきっかけの事件だけど。

 そんな感じで、それに似た原因不明の出来事が、一個あった……よね?

 ギルド<ゲオルギウス・キングダム>の長を見ながら、わたしはそのことを完全に思い出した。

 

 二年前か三年前だ。

 場所も性別も年齢もバラバラの数百人が同時に昏睡状態に陥るという事件が起きました。

 確か、彼らはみんな自宅でPCの前で倒れていたっていうけれど……


 あれ、そういえばあの事件ってどうなったんだっけ。

 全員病院に搬送されて……そこから先のことは、報道されていないよね?


 もしかしたらきっかけがネットゲームにあるかもしれないっていうんで、

 ネトゲの法整備が進むかな、って掲示板とかSNSで話題になっていたけれど。

 全然なんにも音沙汰がないまま、いつの間にか誰も話さなくなったよね。


『被害者のひとりは、俺の兄貴だ』


 レスターは言いました。


『とあるネットゲームのβテストをプレイした途端、まるで抜け殻のようになっちまったんだ』


 ……それって。

 いや、それ、どういうこと?


『そのままの意味だ』


 わたしの心拍数が急上昇してゆく。

 息苦しい。


『兄貴は今も病院のベッドに横たわっている。意識はあるし、食事も摂る。

 だが、なにも話さなくなった。どんな症例にも当てはまらない奇病だという。

 俺に言わせれば、あれはもうただの容れ物さ。魂がねえんだよ』


 彼の言葉は詩的で。

 とても、リアリティがなかった。

 生き証人のレスターは語る。


『ネットゲームの名は“レッド・ドラゴン”』


 赤竜。

 聞いたこともないMMORPGだ。

 だが、その言葉が、頭の中で分解されてゆく。

 文字が組み合わさり。

 再構成される。


 まさか。


“R”ed “D”ragon?


【R・D】。それは大破壊そのものの忌み名だった。


『制作運営会社はイスカリオテ・グループ。しかし事件の直後、グループは解散。

 R・Dも正式スタートすることなく闇に消えていった。

 だが、俺は追い続けた。そして見つけたんだ。

 ネットの記事に載っていた666 The Lifeのプレイ画面は、あの日兄貴が魂を盗まれた“レッド・ドラゴン”と瓜二つだったんだ。

 ――そして、俺はここにいる』


 レスターは激情を圧縮したような瞳でつぶやく。


 彼の主張には頼りない部分が多い。

 イスカリオテ・グループとアーキテクト社の関わりや、R・Dが本当に『666』の前身だったかどうかも不明瞭だ。

 それに、こんな奇怪な事件にどうして警察が関わっていないのか。

 なによりも、そのグループは一体どうやってわたしたちをゲームの中の世界に閉じ込めたのか。


 全てが推測の域を出ないのだ。

 根拠の元になった話ですら、こじつけのような気がしてならない。


 それでも――わたしはレスターの情熱に打たれた。

 ゲオルギウスは伝説に登場する人物。

 高名な竜殺し(ドラゴンスレイヤー)の名だ。

 ギルドマスター・レスターは、『レッド・ドラゴン』の亡霊を屠る英雄となるのだろうか。

 

 いやホント、壮大な話になってきたよね。

 

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