俺、転生する。
…。
……。
………。
…………、ここ、は…?
俺は、気が付いたら真っ暗闇の中にいた。暖かい場所で、何だか和むな…。温水プールで潜ったまま息が出来たらこんな感じなんだろうな…。
……んん?温水プール?ま、まさか…!?
… 胎 内 ?
いや、そんな馬鹿なことが…俺って、転生してるじゃん!!つまり、生まれ直すところから始めろってか!?あのクソ神、一言もこんなこと言ってなかったじゃねーか!
地団駄を踏みたいけど、生憎と俺は今母親の腹の中。動くことすらままならない。生まれるまで、どのくらいだ…?
早く生まれさせてくれぇ!!
「本当にいいのか?■ ■ ■ ■。彼女はお前の妻なんだぞ!?」
「…スマン。こんなことを頼めるのはお前しかいないんだ」
「しかし!!」
「…いいんです、■ ■ ■ ■さん。これは、私と夫とで決めたことですから」
「カーラ!?」
「カーラ、眠っていなさい。君は出産前なんだぞ」
「ええ、分かっています」
「俺は明日の朝には出立する。中央の動きが怪しくなってきたからな。…カーラ、君と一緒に考えた通り…」
「ええ、女の子ならニーナ。男の子なら――――」
「ああ、頼んだ」
「おぎゃあ、おぎゃ、おぎゃあおぎゃあ」
「カーラ、生まれたぞ!お前の子だ!」
「どっ…ち、でした、か?」
「男だ。元気な、な」
「この子が、私とあの人の子…。女の子ならニーナ、男の子なら――――ゴーシュ。この子の名前は、ゴーシュ・アーバント」
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