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俺、第2の人生へ。

 ここはどこだ?


 一面、真っ白な空間。奥行きも高さも深さもない変な空間に、俺は気付いたら(たたず)んでいた。とりあえず、どこかに行きつくかと歩いてみる。


 すると、フッとどこからか革張りのソファーが現れた。


「うわっ!?」


 はー、驚いた。突然出てくるんだもん。バクバク鳴る心臓をなだめながらゆっくりソファーに近づく。おお、なんという張り具合。一級品のソファーだな。


「じゃなくて!」


 独りつっこみ。虚しい。


「俺って、死んだん、だよな…」


『その通り』


「へ?」


 俺は独り言に返事があったことに驚きの声を出した。


『まぁそんなに驚かずに。そこのソファーにでも座りたまえ』


 …とりあえず、天の声(?)に従ってソファーに座ることにした。何もすることないし。


『やあやあ、驚かせて悪かったね。私は神、みたいなことをやってる者だ。生前の君の様子はずっと見させて貰っていたよ』


 おい!プライバシーの問題は!?


『はは、神にそんなの関係ないね。安心しなよ、見たくもない所はカットしてるから』


「て、何人の心読んでんだ!」


『これくらいできなきゃ神じゃないだろ?ささやかな証明だと思ってくれたまえ。ああ、ちなみに君の前に現れないのは結構神って仕事は忙しくてね。失礼だがこうやって別のところから会話しているんだ。勘弁してね』


 俺がまさに思っていたことにありがたくも返事を下さりやがった。…こうなったら相手が神、もしくはそれに匹敵する存在なのは納得するしかないだろう。


『理解が早くて助かるよ。さて、本来は君は死んだことで、長ーい輪廻の輪に入ってもらうのが普通なんだけど、今回は特例でね。君が助けたあの子供は将来、何万という人を助ける、ということが分かったんだ。本来ない運命が生まれたわけだね。ということで、君にささやかなプレゼントだ。さっきも言った輪廻の輪に入ってっ貰うところを、今回は特別にすぐに転生してもらうことになった』


「?それっていいことなのか?」


『もちろん。輪廻の輪に入るのは、前世の記憶を長い時をかけて消去するためなんだ。つまり、君には前世の記憶を持ったまま転生してもらうことになる』


「マジで!?」


『マジでマジで。さらにプレゼントその2。君には転生先を選べることができる。例を言うと、魔法のある世界なんかもありだね』


「おいおい、大盤振る舞いだな。いいのか、こんなに待遇を良くして」


『君が助けた子供はそれだけ価値があったってことさ。あ、最後に好きな才能を一つだけあげるよ。ま、万能の能力とかは流石にだめだけどね』


「どこまでだったらいいんだ?」


『そうだね…。高い記憶力とか、身体能力、魔法の才能程度かな。もちろん、人よりちょっとっていうぐらいだけどね』


 それだけあれば十分だな。どうしようか…。。


 俺は悩んだ末に見切りの才能にした。行ってみたい異世界が剣と魔法のある、スタンダートな世界だからな。ま、勇者にならなくてもいいしな、俺は。パンピー最高。


『君は欲がないんだねぇ。たいてい、身体能力とか剣や魔法の才能とかが普通だと思うんだけど』


「剣の才能があったって、相手の剣が見えなかったら意味ないだろ。それより、早く転生させてくれよ」


 うわー、ワクワクするな~。


『はいはい、それじゃ、第2の人生、行ってらっしゃい』


 その言葉が聞こえると同時に、俺の視界はゆっくりブラックアウトしていった。




                  『ごゆっくり、ね』





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