私たち、護衛する。3
最近、目標ができました。
日間ランキングで100位以内に入ることです!ここから話も盛り上げていこうと考えているので、読んだ後に評価を付けて頂けると幸いです!
「暗ーい」
「今灯りを付けますね」
ジル教授がリュックからランタンを取り出して導力機関に魔力を通す。灯りの灯ったランタンが、空洞の中をぼんやり照らし出した。
「ここに、旧フランスが何かを隠しているのね…」
「ええ。今回はそれが何なのか調べることが目的です。ランタンの灯りはあまり強くないのではぐれないように気を付けてください」
「了解!」
「がってんだ」
私たちは頷いて奥へと進んでいった。
「しっかし旧フランスはこんなとこに一体何を隠したんだろうな。人工的な洞窟とはいえ、あまり奇麗じゃないし…」
「確かに、不思議よね。『フランス革命』は直前までレジスタンスが潜伏していたことにすら気が付かなかったって言うし」
「私の予測では、新型魔術に関係する物が隠されていると思うんですがね」
「それって?」
私はジル教授に疑問の声を出す。
「ええ。旧フランスが新型魔術を秘密裏に研究していたことは周知の時事ですが、研究施設と思しき物は見つからなかったそうなんです」
「それがここかもしれないと?」
「はい。それにしては、あまりに大雑把な作りですけどね。ここはまるで、最初からあった物をそのまま使っていたとしか…」
その時、奥からキラッとした物が一瞬私の目に入った。あれは何?
「ねぇ、何かあそこで光ったんだけど」
「何?」
「ふむ、何かありそうですね。慎重に近づいてみましょうか」
私たちは足元をランタンで照らしながらゆっくりと光った場所に近寄ってみた。
するとそこには――
「これは――」
「「スイッチ?」」
そう。そこには目立たないようにしていたのだろう。今はカバーが開かれているが、それは確かにスイッチだった。
「こんなとこに何でスイッチが?」
「取り敢えず押してみるか?」
私はスイッチを押そうとするミュラーにストップをかけた。
「待って、ミュラー」
「何だよ」
「それ、トラップか何かかもしれない」
「「!?」」
こんな目立つようなトラップがあるわけない。そういう心理を逆手に取った物だったら、まんまと嵌ってしまうことになる。傭兵修行で学んだことの一つだ。
「離れたところから棒か何かで押してみよう」
私たちは離れた所から、教授のリュックにあった伸縮する指し棒(何でこんなのが入ってたんだ?)を使ってスイッチを押してみる。
ズズズズズズズズズズ……。
どこからか、何か重たいものが動く音が聞こえてきた。
…ガコン。
「…収まったね」
「隠し扉を開くためのスイッチか何かか?」
「そうかもしれない。とにかく、前に進んでみよう」
私たちはさらに用心しながら前進していった。あれ、少し明るくなった?
「ね、ねぇ」
私は前を進むミュラーに話しかける。
「ああ。洞窟内が少し明るくなったな。こりゃ何かあるぜぇ」
「ゴクリ」
ジル教授が唾を飲み込んで前方を凝視する。目に光が入ってくるのは、3人同時だった。
四角く光が漏れているのが分かるが、逆光で中の様子は分からない。私たちは頷きあってそこに入っていった。
「これは――!」
「すげぇ…」
「奇麗…」
中は、今まで通ってきた洞窟をドーム状にしたように広がっている。その奥、おそらくこの洞窟の最終地点には、水晶でできた女性の石像と、その足元には祭壇があった。私たちの足元には巨大な陣が描かれていて、ここで魔術の研究をしていたのは間違いないらしい。
でも――
「魔術で陣なんて使ったっけ?」
「いや、必要なかったと思うが」
だよねぇ。
私たちは奥の祭壇に近づく。そこで、私は後ろから隠れた気配を感じた。後ろの闇に向かって声をかける。
「誰かそこにいるんでしょ。コソコソ隠れてないで出てきたら?」
「え?」
「何?」
私の声に釣られて2人も後ろを振り返る。すると、闇から浮き出るように人影が出てきた。
それは――――
―――――黒い鎧を纏った騎士だった。
連続で投稿させてもらいました。
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