俺、死ぬ。
他に執筆中の小説があるけど、どういても違う作品を書きたくてやっちゃいました(汗)
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俺は大きくあくびをしながら高校の校門をくぐった。今日も眠いね。
「おっす、篤。どっか寄り道しねぇか?」
「誠か。いいな、どこいく?」
「ゲーセン行こうぜゲーセン。2丁目のとこの」
「オッケー」
あ、どうもみなさん。三下篤だ。え、誰に言ってんだって?はは、それがわかったら苦労しない。俺が生を受けて16年。可もなく不可もなく平凡に生きこれからも平凡であり続けるだろう今を時めく高校生だ。
部活は帰宅部、エースやっとります。
「はー、今日もめんどくさい授業だったな。あんなのどこで使うっていうんだろうな」
「さぁ、大学受験じゃねぇか?」
俺は親友の言葉にありきたりな答えを返す。
「かー、高校生は辛いねぇ。もっと役立つこと教えてくれたらいいのに」
「例えば?」
「彼女の作り方とか」
「アホか」
はぁ、コイツはいつもいつもこんなことを言ってる。隣のクラスの七海ちゃんが気になっている、という情報はすでに全クラスに知れ渡っている。俺が流したからだが。まぁ、七海ちゃんの方も気になっているそうだからゴールインは近いだろ。
「しっかし誘った俺が言うのもなんだが、お前がゲーセンに付き合うなんて珍しいな」
「なんとなくだよ、なんとなく」
そう、それは俺自身も思っていたところだ。寄り道はする方だがゲーセンは本当に久しぶりだ。なんでだろうな?
「ま、久しぶりにコテンパンにしてやるぜ」
「言ってろ」
俺たちは赤になった信号で止まる。ふと、何気なく隣の横断歩道を見ると、赤い風船を嬉しそうに持った男の子が歩いていた。
その時、強い風が吹いた。男の子は風に煽られた風船を手放してしまう。
ギャリギャリギャリ!!
すると、ものすごいスピードで車が走ってきた。赤信号なのに、だ。進行方向には…ヤバい!!
俺はとっさに男の子の方に走り出す。男の子は風船の方に気を取られて車に気付いていない…!
(間に合え…!!)
俺は男の子を歩道の方に押し出す。よしっ、間に合っ――――
――――ドン
強い衝撃と共に浮遊感が俺の身を包んだ。
やべ。俺も横断歩道に出たらあぶないじゃん。あ、じめんがちかづいてく―――― ――ドシャ。
全身の力が抜ける。あ、死ぬときって、痛みとか感じないんだな。おいおい、誠、何言ってんだ?もっと大きな声出せよ。聞こえないぜ。
ああ、眠く、なって き、た な。
――――こうして、俺の人生はあっけなく幕を閉じた。
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