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さらば、懐かしき日々。


 基本的にサブタイトルに「俺、~。」以外の場合は章が変わるようにしています。


 それと、この小説のPVが早くも1800を突破。…別の小説の方よりはるかに早い。


 本当にありがとうございます!!




 俺は家の前に立っていた。傭兵になる、と宣言してから2日。親父は最初は驚いていたが、俺の決心が堅いと分かると、すぐに了承した。


 傭兵団の団長というだけあって、割り切りはいいのかもしれないな。


 俺がまだ村にいるのは、村中に隠していた大切なものを回収していたからだ。もちろん、母さんにの墓の前でこのことを報告した。


 母さんは呆れているだろうか?怒っているだろうか?あんがい、「血は争えないわね」と、苦笑するだけかもしれない。結構、抜けてるところがあったからな。


 最後に、俺は母さんの部屋に隠していた物を書斎の本棚の裏から取り出した。手のひらに収まるくらいの小箱。これには、母さんの結婚指輪が収まっている。


 母さんはいつもこの指輪を身に着けていた。とても、大切なものだったんだろう。


 そっと、蓋を開ける。そこには、銀色に輝く1つのリングがあった。内側には、《GからKへ》と彫ってあった。


 俺はチェーンを通して、首にかける。俺はしばらくの間部屋を眺めていたが、なにも感傷めいたものはなかった。


 感情が、希薄になっているのかな?母さんのこと以外、心が動く、ということは永遠に無い気がした。




 そういえば、あの糞ッたれな神が言っていた、前世の記憶のことだが、どうやら本当に消えてなくなっているらしい。といっても、俺が今まで生きてきた年月分の記憶が、前世の記憶を押し潰している、という感じだ。


 ゲームデータを上書きする感じと言えば分りやすいかな?前世のAという記憶を今のBという記憶が侵食している…。きっと、前世で死んだ時と同じ16歳で、完全に記憶が無くなるだろう。


 まぁ、もう俺にはもうどうでもいいことだけど。


 

 俺は家を出て、最後の仕上げをする。


 マッチを一本。シュッと火を付けて家に放り捨てる。マッチが家に触れた瞬間、そこから青い炎がシミのように広がっていった。


 村中から集めた油を、家にぶちまけてたからな。


 これで…帰る家は無くなった。ここからは、傭兵として生きてゆく。そのための、いわば誓いだ。


 ここには、もう2度と帰ってくることはないだろう。


 ああ、家を出るんだったらこう言わなきゃな。















                  「行ってきます」











 次の更新は、少し遅れそうです(汗)


 今回も遅れてすいません…。

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