8/11
ピーター・パンにさよならを
大人になりたくないと願ったことも
大人になりたいと願ったこともありました
日々は変わることなく いつまでも続いてゆくと思っていたあの頃
永遠の子ども時代は夢物語ではなく ごく当たり前のことでした
小さな小さなわたしの掌の中には
大きな大きな世界のすべてがあったのです
とめどなくこぼれ落ちる砂のように時が流れ
はじまりには終わりがあることを
わたしが世界のなかにいることを知りました
もう背伸びをする必要はなく
わたしの目は しっかりと道の先を見据えることができます
そこに向かって この足で歩いてゆくために
大人になりたくないと願ったことも
大人になりたいと願ったこともありました
記憶のかけらはきらきらと輝きながら いつか思い出となるでしょう
わたしが歩き続けてゆく限り
さよなら わたしの永遠の子ども時代
さよなら わたしのピーター・パン