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くちなしの花

亡き祖母に。

 どうしてでしょう

 わかっていたはずなのに

 いつか この日が来ると

 あなたにさよならを言わなければならないときが来ると

 わかっていたはずなのに

 言葉が出ないのです

 あなたに告げるべき言葉が

 出てこないのです

 溢れる想いを口にすることが こんなにも難しいなんて

 たったひと言告げることが こんなにもおそろしいなんて


 それでも わたしは言わなければなりません

 去りゆくあなたを 見送らなければなりません

 あなたとの日々を 終わらせなければなりません

 これからも わたしがわたしであるために


 今のわたしは わがままな子どもなのでしょう

 先延ばしに過ぎないけれど

 あなたの記憶を 思い出に変えるには早すぎて

 手を伸ばせばそこにいるようで

 砂のようにこぼれ落ちていく面影を まだ留めておきたいのです

 どうか あともう少しだけ

 わたしを くちなしの花でいさせてください

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