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渇望。
欲しかったものがあります
それは強さであったり
それは美しさであったり
それは賢さであったり
それは恋人であったり
それは友達であったり
それはお金であったり
それは時間であったり
それは才能であったりしました
欲しかったものがあります
欲しくて欲しくて しょうがなかったものがあります
けれど 本当に欲しかったのは
つけ焼き刃の強さではなく
作りものの美しさでもなく
努力の伴わない賢さでもなく
真似事の恋人でもなく
うわべだけの友達でもなく
貰うだけのお金でもなく
怠惰の生む時間でもなく
他人の才能でもありませんでした
それは揺るぎない 世界でただひとりの『わたし』でした