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黄昏

 空が燃えています

 赤く 赤く

 瞳の底まで焼き尽くすように

 静かに 鮮やかに

 空が燃えています


 この窓から あなたとふたり

 何度沈みゆく夕陽を見つめたでしょう

 その美しさを惜しむように

 黄金色の光が消えてしまうまで ずっと佇んでいましたね

 口を開くことさえためらわれる沈黙のなか

 けれど わたしは満たされていました

 世界の終焉をあなたとふたりきりで迎えているようで

 とても幸せでした


 空が燃えています

 赤く 赤く

 瞳の底まで焼き尽くすように

 静かに 鮮やかに

 空が燃えています


 あなたと並んでこの窓から見る最後の夕陽

 もう二度と くり返すことはないとわかっているからこそ

 こんなにもまぶしいのでしょうか

 いつもと同じ沈黙を

 わたしははじめて息苦しく感じています

 あなたとともに迎えるものは世界の終焉ではなく 続いていく世界であってほしかったのです

 わたしが惜しむべきは夕陽の美しさではなく あなたともに在る時間だったのです


 空が燃えています

 赤く 赤く

 瞳の底まで焼き尽くすように

 静かに 鮮やかに

 空が燃えています


 この黄昏があなたの心に刻みついてしまえばいいと 願いました

 永遠の烙印のように

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