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友よ ――夏の窓辺で
新しい季節を迎えたあなたへ。
友よ
ずいぶん遠くへきたね
そう言って笑いあったあなたよ
想えばいつしか
あなたのとなりで過ごした夏が
人生の半分むこうへ行ってしまった
わたしも あなたも
ずいぶん遠くへきたよ
友よ
あなたのとなりで過ごす夏が
わたしを訪ねることはもうないけれど
おもいでの窓をひらけば
夏雲の下で笑うあなたが そこにいる
友よ
ずいぶん離れてしまったね
懐かしいさみしさを分かったあなたよ
あなたの窓辺のわたしは 笑っているのだろうか
夏を惜しむあなたへ
ひまわりのように手を振っているのだろうか
友よ
遠く離れ
友と呼ぶあなたよ
あなたを訪ねる夏の明るさ 暮れる翳り
遠いわたしが見ることはないけれど
ひかり輝く窓のむこう
友よ
あなたのほほ笑みを ふと想うよ