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033⚫️珍道中の始まり

ヤイズのマンジとカザアナのヤハチは、

命令を受けて視察と武者修行を兼ねた旅に出ていた。

公国の海岸線にある湾’龍の顎’から出発し、ボレリアを通過する。


「マンジ、部族国家群に入るぞ。」

「ラベリアは問題なかったよな。元貴族も民衆の長も、バランスを保って国政に励んでた。」

「それだけ、実は帝王にうんざりしてたってことかもな。帝王は今どこにいるんだろう?」


気楽そうに見える道中でも、ふたりは常に感覚を研ぎ澄ませている。

だからこそ、前方の森で何かが起きていることにすぐ気づいた。

「行くぜ、マンジ!」

「よしきた、ヤハチ!」


森に入ると、ライオンキャットが誰かを襲おうとしていた。

マンジが囮となって注意を引き、ヤハチは荷物から備品を取り出す。

マンジが抜いたのは雷牙ではなく、公国製の通常剣。通常の剣。

とはいえ、公国の鍛冶職人によるものである。

白刃はマンジの手にかかれば、獣は一刀両断される。


ライオンキャットがたじろいだ瞬間、ヤハチが“’それ’を投げた。

粉末が霧のように顔面に広がる。

獣は棒立ちとなり、やがてゴロゴロと喉を鳴らし始めた。

「今だ!おい、大丈夫か?!立てるか?こっちだ!」

倒れていた者を抱え、3人は街道へ戻る。


助かったのか・・・?

あの獣、なんだったんだ?見上げるような巨体で、すばやかった・・・。

喰い物を探していたら、こっちが喰われるところだった。


「おっー、よかったな、お前!おおっ、すごい!ツノが生えてるんだな!」

「街道を外れるとまずいぞ。このあたりは、ゴリラモンキーやドラゴンリザードもいるからな。」

「感謝する。何をしたんだ?あの獣、どうなった?」

「あれはキーウィの枝から作った粉だ。ネコ科は酔っ払ったようになるのさ。」

ヤハチが穏やかに説明する。

「お前ら、強そうだな。俺はハバタキ。今じゃ、ユニコーンって呼ばれてる。」

「へっー!ユニコーンかあ!かっこいいなあ!怪我はないか?」

「ああ。助かったよ。」

こうして3人は、共に旅をすることになった。

3人というべきか、2人と1体というべきか・・・まだ、よくわからない。


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