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3話 紋章

 「あ、刺しちゃった」

 「・・・」


 ふむ、反応はなし。

 試しに女の手をナイフで刺してみたが・・・


 「あまりにも不自然だったからもしかしたらって思ったけど、やっぱり囮か」


 僕は兵士の腹から出ていた女の手を引っこ抜いた。

 女の手は体から切り離された状態で兵士の体の中に入れられていたのだ。


 「この世界について知るきっかけになれば、って期待してたんだけどな〜」


 僕はこの世界についての情報を殆ど持っていない。

 だからこそ、この手の持ち主と会いたかった。


 「僕が手に気を取られていた時に逃げられたのかな?」


 推測に過ぎないけど、この村自体が敵国の兵士をおびき寄せる罠のような物なのだろう。

 だが、僕という異物が現れた時点で村人達は作戦の続行を不可能と判断してこの村の何処かにある脱出経路から逃げ出したのだろう。


 と、自分で推測しておいて何だけど、彼等の狙いは何だったんだ?

 敵国の兵士達の情報ならわざわざ死んだふりをする必要もなければ、体を差し出す必要もないだろう。だとすれば、この兵士達は彼等が欲しがるなにかを持っていた?


 あれ、だとすれば不味くないか?

 彼等が求めていたものが何かは分からないけど、僕思いっきり兵士達殺しちゃってる・・・


 うん、この件については余り考えないようにしておこう。


 「まぁ、取り敢えず兵士の荷物漁ろう」


 もしかしたら、地図とか持っているかもしれないし。


 「ふんふん、持ち物は剣と手袋と・・・ぇ」


 僕は兵士の持ち物を漁っているときに有り得ない物を見つけてしまった。


 それは・・・


 「・・・アルデント家の紋章」


 有り得ない。

 何故1000年前の家の紋章がある?

 それも僕の、アルデント公爵家の紋章が?


 竜は僕達の世界は滅びたと言っていた。

 ならば、紋章が受け継がれているはずがない。


 一応他の兵士達を調べてみたが、他の兵士達は紋章を持っていなかった。

 となると、最後に僕が殺した兵士だけが・・・ってまさか。


 村人達の狙いもこの兵士・・・いや、紋章か。

 だとすれば全て説明がつく。


 恐らく、この紋章は1000年後の今の世界でも重要なナニカなのだろう。

 いや、この世界というよりは消えた村人たちが所属する国にとってか。

 じゃないと、この兵士くんが所属する国はただの馬鹿になるしね。


 100年前に滅んだはずの僕の家の紋章が1000年後の今に存在する・・・


 「調べる一択だよね」


 決めた。当分の間の目標は【アルデント家の紋章の謎】を解くにしよう。

 そうと決まれば早速行動だ。


 取り敢えず、この兵士くんが所属している国に向かって・・・あ、紋章以外も漁らないと。


 「うん、少しワクワクするね」






 ◆◆◆◆◆◆






 side謎の女


 女は謎の青年ライが完全に立ち去ったのを確認したあと、ライが最後に殺した兵士とは別の兵士の腹の中から体をだし、ライが投げ捨てた手を回収し自分の手に引っつける。


 そして、ヒタヒタとある方向に歩き始めた。その方向は・・・ライがいる方向だった。






 ◆◆◆◆◆◆






 謎一覧


 ・【アルデント家の紋章】

 ーこの話の主人公、ライ・アルデントが所属していた家の紋章。

  1000年前に滅びた家のはずだが・・・


 ・【謎の女】

 ー主人公の後を追う正体不明の女

  ラブコメ展開かそれともホラー展開か 



 


 


 

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