表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/13

二話 ヲタクとギャル

 王都から二時間ぐらい歩いたと思います。


 「ねぇねえ、この花の色ヤバくない?

 ウケるんですけど」


 自分と一緒に追放された、クラスメイトの相良さん。明るくクラスでも人気者の彼女です。


 「ねぇってば。聞いてる」


 「あっ、はい。聞いてます」


 「なら、返事ぐらいしろよぉ~」



 同じクラスの方ですが、これまで一度も話したことがありません。

 はっきり言って僕には苦手なタイプです。


 「ねぇ、これからどうすんの?」


 「とりあえず、となりの町まで行こうと思ってます」


 ふーんと、言う彼女。

 どうやら僕に追いてくるみたいです、


 「てか、なんでそんなに変な歩き方してんの?」


 「だってここは異世界ですよ。いきなりモンスターや盗賊が襲ってくるかもしれないじゃないですか!」


 「そんなもん、いねーよ」


 「なんで言い切れるんですか!?」


 「だって、王都からまだそんなに離れてないじゃん。そんなんいたら、騎士団や冒険者が討伐してるって」


 確かにそうです。

 全身に力が入ってたせいで、体が痛い。


 「というか、相良さん。凄いですね。普通そんな事思い付かないですよ。異世界モノのアニメとか好きなんですか?」


 「異世界モノのアニメ?

 そんなもんみたことないよ。これに聞いたんだよ。こ・れ・に」


 彼女は僕に向けてスマートフォンを見せてきました。


 「はい?」


 「はい? じゃねーよ。グールルだよ。グールル」


 「なんだ、検索アプリか……ってスマホ使えるんですか!?」


 「当たり前じゃん!」


 「いえ、僕の電源すら入らないんですけど……」


 「マジ!? ウチのスマホすげ~! ウケる!」


 なんでだ?

 自分も一応両親に連絡をいれようとしましたが、電源が入らない状態になっていました。


 「でも、電話とか出来ないんだよね~」


 元の世界の家族に連絡出来ればと思いましたが、

 そう甘くはなかったようです。


 「てかさ、名前なんだっけ?

 ウチ名前覚えるの苦手でさ~」


 「あっ、一条です」


 「ふ~ん。ならイッチーだね」


 「イッチー……ですか?」


 女子の方にあだ名で呼ばれるのは初めてです。


 「な~に、照れてんだよ」

 「照れてませんよ」

 「なら、顔見せろよ~。うわっ!?なに」


 急に突風が吹きました。

 砂ぼこりが舞い、それを腕でガードし、突風が収まり顔を上げると、そこには巨大な生物が。


 「でででた……!!ドラゴン!!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ