十三話 ギャルのスマホ
「どうしましょう! 相良さん!」
自分、全力を使ったせいで、もう気功砲が撃てません。川島くんがさらに自分の髪を切り投げて来ます。髪が再び鉄柱になって自分たちを襲います。
「相良さん、逃げて下さい!」
自分にはもう、防ぐ事が出来ません。
すると、カシャカシャッと隣で音がなります。
「ギャル舐めんな! そんなもん消したるわい!」
相良はそう言うと、スマホをいじりました。
すると、
「消えた!」
鉄柱になった髪が消えました。
「どういうことだ!?」
川島くんもビックリして狼狽えてます。
「消しゴムマジックじゃい!」
自分詳しくありませんが、スマホのアプリ機能だったと思います。
「はっ!? そんなのあり得ないだろ!」
「ギャルのスマホ舐めんな!」
そう言うと川島くんに突撃していきました。
「おりゃっ!」
川島くんに全力で殴りに行く相良さん。
自分もそれに続きますが、全力の気功砲を使ったせいで身体が上手く動きません。
「おら! 殴らせろ。このクソボケナス!」
「ふざけんな!ブス」
取っ組み合いになって殴り合ってますが、自分が遅れたせいで、川島くんと相良さんは一対一になってしまい、男と女の力の差で川島くんが相良さんを倒し馬乗りになりました。
「降りろ!クソボケナス」
馬乗りになった川島くんが、相良さんを殴りつけようとしています。
まだ自分とふたりの距離があります。
間に合え!
腹の奥から少し力が湧き、全身に広がりました。
「相良さんから離れろ!」
自分はそんな川島くんに全力で体当たりしました。体当たりした川島くんは吹っ飛びました。
自分全力で体当たりしたとはいえ、そんなに人間が吹っ飛ぶとは思いませんでした。
「相良さん! 大丈夫ですか!?」
相良さんも吹っ飛んだ川島くんをみています。
川島くんは気絶しているようです。
「イッチー! 凄いじゃん! かめはめ波以外も出来るじゃん!」
「自分無我夢中で……」
自分でも驚いていると、全身に痛みが走りました。
「イッチー!大丈夫!?」
「相良さん、ヤバイです。身体がバラバラになりそうです」
「なってないから、大丈夫! それよりはイッチー!」
「はい」
「勝ったどー!!」




