文芸部囲み取材
年末最後に滑り込み。
「それじゃ立花サン。この椅子に座ってくれるかな」
「あ、ありがとうございます」
結局ボクは、文芸部の部室に連れて来られてしまった。
部屋に入るとボク達のクラスの委員でもある藤島さんに促され、彼女が持って来てくれた椅子に腰を掛けた。
そしてボクの座った正面に、ボクを囲うように文芸部女子達も座って行く。
前に並ぶ椅子は全部で五つ。
真ん中の、ボクのま正面に座ったのが多岐川さん。その右隣り……ボクから見て左側に藤島さん。更にその横の一番左端に竹内さんが座った。
そして多岐川さんの左側にある二つの椅子には、隣のクラスの2人の子達。
確か名前は……。
「どうも、二組の衣笠 美代です。みなとサン、今日はワザワザありがとうね」
「同じく二組の目黒 智花です。来てくれて嬉しいよ」
「あ、立花です。よろしくお願いします」
そうだ、隣のクラスの衣笠さんと目黒さんだ。
衣笠さんは身長が高めで見た目はチョットきつそうだけど、声は柔らかくて優し気な笑顔をする人だ。
目黒さんは小柄で、小動物を思わせる可愛いくて人懐こい感じの人だった。
「これで全員だ。準備が出来たら始めようか」
部員は全員揃ったと言う。文芸部って全部で5人なのかな?
「……えっと、文芸部って2年の女子だけなんだね」
「男子も各学年に2人ずつ居るよ?」
「え? そうなの? 今日は来ていないの?」
「いや、今日のインタビューではセンシティブな内容が多分に含まれるだろうからね。男共は排……遠慮してもらったんだ」
「え? 今、『排除』って言った?」
「ミナトくんも男なんかに聞かれたくない事もあるだろう? 最低限の配慮だと思ってくれ」
「え? ……あ、な、なるほど? ご配慮? ありがとうござい……ます?」
ボクの疑問に多岐川さんが答えてくれたけど、なにやらサラリとコワい事を言った気がした。
でも多岐川さんの笑顔は爽やかだし、きっと気のせいだろう。
「3年女子は部長と副部長なんだけど、今日は学際実行委員の定例会に出席しているから不参加なんだ」
「そうか。学祭は部活での参加もあるもんね」
「今頃、血の涙を流しているだろうけど……」
「ぇ? なにが?」
「なに、大した事ではなよ立花サン」
上級生の部長さん達の事は藤島さんが教えてくれた。
コッチもなにかおかしな事を言った気がしたけど、やっぱり藤島さんの笑顔が力強くてそれ以上は聞けなかった。
「それと1年女子には刺激が強すぎるので、彼女達には遠慮してもらっている。まあ倫理的配慮というやつかな」
「え? 倫理……的? それってどういう……」
「さて立花サン! そろそろ良いかな?!」
「ぅわッ! は、は、はい!」
藤島さんがイキナリ顔を近付けて来た。
その勢いに思わず身体が引けてしまう。
なんか藤島さんのメガネのレンズが光を反射してて、目元が良く見えなくなってる。
「先ずは、キミとミコトがやっと付き合い始めた事に、祝福を述べさせてくれ」
「え?! そ、そんな……別にボク達、そ、そそそんな事」
「隠さなくても良いんだよ立花サン。皆んなちゃんと分かってるから」
「ひゃっ! な、ななにを……」
「キミ達がずっと昔から想い合っていると言う事をさ」
「お、……想い」
「ミコトがミナトくんを大好きだって事は、何年も前から周知の事実だったからね!」
「ひゃッ?!」
え?! ミコトが?!! ナニソレ?! そんな話はボクは全然知らなかったんだけど?!
「ミナトくんに声をかけようとするだけで、ミコトに威嚇されて泣く女子をよく慰めていた物だよ。うん、懐かしい」
「檜榎さんの独占欲、ハンパ無いからねー」
多岐川さんの言葉に、藤島さんがウンウンと頷いている。
ボクは初めて聞く話に、思わず口をポカリと開けてしまう。
「小学校の頃からそうだったと、誰か言っていたよね」
「うむ! なのに当のミナトくんには全く伝わっていなかったと言うのだから、朴念仁も甚だしい」
「そ、そうなの……?」
「勿論、ミナトくんがミコトに発する『好き好き光線』も皆んなはシッカリ認識していたよ!」
「にゃ! にゃにをッ?!」
「そのミナトくんの熱い視線に気が付いていないミコトというのもね。何と言うか面白過ぎの反応だよね。実に2人はお似合いだと言える」
「……お、お似合い」
なんだろ、初めて知ったこの事実?
嬉しいやら恥ずかしいやらで、顔が凄い火照ってる。
ちょっとドコ見て良いのか分からなくて視線がキョドってしまうけど、文芸部の皆の目がニヨニヨしているのだけは良く分かった!
「さて! そんな立花サンへの質問です!!」
「ぅわっ! は、はい!?」
突然の藤島さんの大きな声に驚いて、背筋が跳ねてしまう。
なんだろ? 藤島さん。いつもクラスで見る学級委員っぽさが、微塵も感じられなくなってる?
「まずは……女子になってから、心情に変化とかあるのなら教えて欲しい」
「……心情? うーん、なんだろ?」
「えーーっと、そうだね例えば、甘いものが前より美味しく感じるとか、可愛い物が好きになった……とか?」
「……ああ、うん」
そう言えば、甘い物食べるとなんか幸せな気持ちになるんだよな……と思い出した。コレは確かに昔は感じなかったモノだ。
……それに、ミコトの着せ替え人形にされても、可愛いって言われると悪い気しないし……むしろちょっと嬉しい? そう言えば、可愛い物や綺麗な物にも目が行くかも。確かにこれも、男子だった頃なら有り得なかった感情だ。
心情の変化ってそう言う事かな?
「可愛い物とか、好きになってる……かも」
「「「「「ほうほうほう」」」」」
ボクの答えに5人が一斉に頷いている。綺麗に揃った動きなんだけど、それがなんかちょっとコワい。
「なるほど。確実に変化が起きている自覚はある訳ね」
「え? あ……どうだろ? そうなの……かな?」
藤島さんは「確実に」とは言うけど、そうハッキリ断定されてしまうと自信は持てない。なのでつい、曖昧な答えを返してしまう。
「よし! では此処で、ちょっとした思考実験をしてみようか?」
「え? じ、実験? インタビューじゃなくて?」
「そ、実験! ま、これもインタビューの内だから気楽に答えてくれていいからね」
「そ、そうなんだ」
藤島さんがポンと自分の手を叩き、実験をしようと言う。
これもインタビューの内って、どういう事なんだろ?
「それで、……仮の話だけどね。あくまで仮に」
「え? う、うん」
「仮に……檜榎さんが男子化してしまったとしよう」
「え? ミ、ミコトが?」
「そう! 立花クンが立花さんになった様に、檜榎さんが檜榎クンになったら! その彼が立花さんの前に立っていたら……ちょっとドキドキしない?」
「ぇ? えっと……ど、どうだろ?」
「難しく考えなくていいよミナトくん。単にミコトに迫られたらドキドキするだろう? って話なんだから」
ミコトが男に? どうなんだろ? ちょっと想像つかないんだけど……格好良くはなるんだろうな。
お兄さんの巧望さんみたいになるのかな?
それで身長も高くなって、それがボクの前に立つの?
きっとボクは、そのミコトを見上げる事になるんだろうな。
そうして…………。
「ドキドキしちゃうでしょ?」
「ぅわッッ! ビックリしたッ!!」
「しちゃうんでしょ?」
「ど、どうなの……かな?」
「しちゃうらしい」
藤島さんが振り返って「しちゃうらしい」と部員さん達に報告(?)した。
ソレを受けた竹内さんが、もの凄いスピードでノートに何か書いている。メモを取ってるのかな?
「さて、そこで更にもう一つ仮に……」
「え? な、なんだろ?」
「檜榎さんが檜榎クンになった時に、立花さんが男子のままだったら?」
「え?」
「その状態で『壁ドン』されたら……やっぱりドキドキするんじゃない?」
「え? ぇ? ど、どうなのかな? どうなんだろ?」
「ちょっと想像してみようか」
「え? 想像?」
「そう! 想像だ。まず今、キミの目の前に、男になって男子の制服を着たミコトが立っている」
「え? ぇ?」
「ホラ、目を瞑ってミナトくん。そうやって目の前に制服を着たミコトを思い浮かべて……」
「え? ぁ、ハイ」
取りあえず多岐川さんが言う通り目を瞑ってみた。
それで……えっと、男子の制服を着たミコトを思い浮かべるのか……。
思い浮かべる事自体は難しくないよな。きっと似合っちゃうし。うん。
そんで身長が高くなる……と、肩幅も広がるよね。髪も短くなるのかな? でもミコトはミコトだし……。
で、そのミコトがボクの前に立って……壁ドン? してくるの? ……えっと。
「……ミナト」
「ぅひゃわひゃひゃッ!!」
「と、ミコトが耳元で囁く訳だけど……どうだい? 胸はドキドキしてるかい?」
「してるよッ! 目を閉じている耳元でイキナリ囁かれれば驚くよ! もう胸がドッキンドッキン鳴ってるよッッ!!」
「ハイッ! 『ドキドキしてる』頂きました――――ッ!」
「「「「Yes! Yes!! Yes!!!」」」」
ボクが胸を押さえて抗議の声を上げているのに、多岐川さんはボクの方を向きもせず、文芸部の皆に対して拳を振り上げている!
なにそのアクション?!
それに対する部員たちの反応もワケが分からない!
「だがまあミコトなら、そこで終る事は無いだろうけどね」
「へ?」
「え? なんだって多岐川氏? もう一度言ってくれないか?」
だが多岐川さんは、直前の熱量など忘れたようにストンと表情を落として不可解な事を呟いた。
それに反応した竹内さんが耳をピクリと動かし、多岐川さんに対して身を乗り出す。
「少なくともミコトは速攻で押し倒すだろうと、わたしは考えている」
「「「「ふぉ……」」」」
何かザワリと室内の空気が揺れた気がした。
「アイツがその状況で大人しくしていられる筈が無いんだよ」
「よろしい多岐川氏、続けたまへ」
「うむ。ミコトがそう言った状況に陥ったとするならば。今のミナトくんを間違いなく押し倒す。それだけは断言できる」
「ひゃッ……! にゃ、にゃんにゃ……!」
「だが仮に! ミナトくんが元の状態だったとしても……やはり奴なら押し倒す!」
「くぅぅぅうぅ――――ッ! ブレが無いゼ檜榎さん! やはりそこにシビレる憧れ……」
「い、いいいぃぃいい一体にゃ、にゃにをひゃッ?!」
「ゴフッッ!!」
「竹内っ?! なんてこった! メディック! メーディーーック!!」
「チクショウ! クリティカルだ! 竹内の良い所に当たっちまったぞ!」
突然竹内さんが血を吐いた!
その竹内さんを衣笠さんが支え、目黒さんがその隣で苦し気に何か言っている。
2人の言っている意味が良く分からないけど、早く竹内さんを保健室連れて行かないと!
「ど、同志よ心配するな……。小弟はまだ……戦える!」
「ほ、保健室! 早く保健室行かないと!」
「あ、大丈夫よ立花サン。いつもの発作みたいなものだし直ぐ収まるから」
「え? で、でもあんなに血を……あれ?」
藤島さんは大丈夫だと言うけれど、あんなに血を吐くなんてただ事じゃない!
と思って竹内さんを見たけれど……あれ? あれだけ出ていた血の汚れがどこにも無い?
口元にも服にも床にも……痕跡が無い?
え? どうなってるの?
どういう事? と思って竹内さんを改めて見ると、本人は何故かツヤツヤとした顔で、独り満足気に頷いていた。
「そんな事よりもだよ立花サン」
「ぅわぁぁ」
またまた藤島さんが、ボクの顔の間近で声をかけて来た。
驚いてやっぱり変な声が出てしまう。
なんだろ、今日はマジで藤島さんには何度も驚かされてる気がする。
ホントこの人こんなキャラだったっけ?!
「それでね! この流れでついでに聞いてしまいたいのよね」
「えっと……なんだろ? え――と、この流れって?」
「男子になった檜榎さんには、ドキドキするんでしょ?」
「え……っと。そ、そうなのか……な?」
藤島さんの顔がドンドン近付いて来る。
藤島さんの目力も凄っくて、つい視線を外してしまう。
「なら……佐伯君だったら?」
「へ?」
「佐伯君に壁ドンされたら…………どう?」
「ど、どうって……どういう……事?」
「やっぱりドキドキしちゃったりしちゃわないかな? って事!」
「な、なななんでコータがココで出てくるの?!」
「『もしも』の話よ! 『もしも』の!」
「そ、そんな仮定の話は……」
「だから『もしも』押し倒されたりしたら……どんな風に感じちゃうのかな……って?」
「お!? お、押したぉ…………」
そこでフッと、脳裏にフラッシュバックしてしまった……。
コータの部屋へ行った時の事を。不可解なラッキースケベが発生して、コータに覆い被さられた時の事を!!
あ! ヤバい! 思い出したら顔が熱くなって来た! 思わず咄嗟に両手で顔を覆ってしまう。
同時に周りが大きくざわついた気がする。
「たた立花サン?! ナニこの予想だにしなかった反応は?!」
「ちょぉーっと待ってくれないかミナトくん!!」
「もしや何かあったとか?!」
「ひょっとして既に事後ぉ?!」
「ふむッ! フムッ! フムーーーッッ!!」
皆が何か大きな誤解をしている様な気がする!
何だかよく分からないけど、ここはシッカリ否定しないとイケないと本能が言っている!
「ない! 無い! 何にも無いから!!」
とにかく皆に向かって声を上げさせて頂いた!
ココで否定しておかないと、今後の人生に大きな歪みが生じてしまうと直感が警告しているんだ!
「み、皆が思っている様な事! 何にも無いからね!」
「既に関係を持っていた……だと?」
「まさか他の男子とも……?」
「やはり片っぱしから複数と……?」
「やってやがる……やってやがる……やって……」
何か余計におかしな方向へ話が飛んでいる気がする!
「ボ、ボク! 男子とおかしな事なんて一切全然して無いからね?! そんな事あるワケ無いからね?! 分かるよね?!」
「カ、カカカ、カマトトぶるなぁ――――ッ! オノレは突き出した尻を自ら振って誰彼構わず惑わす誘いウケの権化だろうが――――?!!!」
「何の事言ってんるの――――――――ッ?!!」
突然竹内さんが叫び出した!
この人ホント何言ってんの?!!
「ステイ! 落ち着け竹内」
「ぁ゛ぶッ」
「すまないねミナトくん。竹内は感情が高ぶるとつい現実と創作の境界が曖昧になってしまうのだよ」
「え? そ、そうなの? でもそれって……」
結構危ない事なのでは? 日常生活大丈夫なのかな?
「創作する者には少なからずある事なんだ。何しろひとつの世界を作り上げるんだ。それは正に天地創造に匹敵する人類の奇跡と言っても差し支えない。創作者の頭の中ではその世界は現実に等しく存在しているのさ。入り込んだ時には現実との境を見失うのも止む無しなんだ。因みに我々界隈ではその境界の事を『事象の境界線』呼んでいる」
多岐川さんがなんかすごい早口で説明してくれた。
何だか囚われたら最後、光すら二度と戻って来られなさそうな呼び名だよね。
でも、それよりも……。
「い、一体どんな創作物を創っ…………」
「「「ゲフンッげふんっゲフンッッ!!」」」
「うわっ! ビックリした!」
突然、文芸部のみんなが一斉に咳き込みだした!
その咳の大きさに、思わずビクリッ! と身体が跳ねてしまったよ!
なんだろ? 何か悪い空気でも入って来たのかな? 換気とかしようか?
「さてミナトくん。残念ながら時間の様だ。そろそろ定例会が終わって、ミコトが戻って来る頃合いだ」
「え? もうそんな時間?」
窓を開けようかと立ち上がりかけた所で、多岐川さんが腕時計を見ながらそう言った。
何か色々あり過ぎて時間の感覚が飛んでいたよ。
ボクも時計を見れば、確かに良い時間になっていた。
「おかげで、学園祭に出展する部誌が間に合いそうだ」
「あ、まだ準備できてなかったんだね? お役に立てたなら何よりだけど……」
ふと多岐川さんの後方で、しゃがみながらブツブツ言っている竹内さんに視線を向ける。
大丈夫なのかなあの人。2組の衣笠さんと目黒さんが、一生懸命話しかけてるようだけど……なんかトリップしてないか? やっぱり保健室とか連れて行かなくて大丈夫なのかな?。
「竹内なら問題無いよ立花サン。ヤツも良い取材になったと悦んでいるから!」
藤島さんが多岐川さんの横に立って心配ないと言って来た。
2人が並んでしまったので、竹内さん達が見えなくなった。
「え? あれ喜んでるの? そ、それなら良かったけど……でも」
本当に大丈夫なのかなぁ? 心ここにあらずな感じだったし。
時々奇声も発してるし……。
「本当に今日はありがとうね立花サン!」
「いずれまた、気が向いたら是非協力して欲しい!」
「あ、う、うん。ボクで良ければ」
何か少しずつ2人の圧で後ろに下がってた。
で、気が付けば、いつの間にやら部室の扉の外だ。
「「今日はありがとう! またね!」」
2人の揃った挨拶と共に、ガラガラピシャン! と目の前で戸が閉め等れた。
「ぅん……またね」
何だろう、妙に慌ただしく部室から出されてしまった。
扉の向こうからは女子達の燥ぐ声と、その合間に『サオ付きが――!』とか『誘い総ウケが――!!』とか意味の分からない奇声も聞こえて来ていた。
うん! 早くこの場を離れよう!
これ以上ココに居てはイケナイ気がする!
早く教室でミコトと合流して帰ってしまおう! うん、そうしよう!!
気付けばボクは教室に向け速足で、廊下を進んでいたのだった。
後ろから聞こえて来る奇声を、全力で聞かないふりをしながら……。
――――――――――
「遅かったじゃん。どっか行ってたの?」
「……あ、ミコト。早かったね」
「クンクンクン」
「え? なに? どうしたの?」
「他の女の匂いがする」
「え?!」
「……何やってたの?」
「えっと……あの。多岐川さんに文芸部での取材をお願いされて……」
「……あぁ、なるほど」
「なんかね、ちょっとコワかった……よ?」
「ふむふむ……スリスリスリ」
「わ……な、なに?」
「匂いの上書き……スリスリ」
「そ、そうなんだ……」
「さて! 帰るよ!」
「あ、ぅ、うん!」
「今日は夕飯ごちそうになってくね」
「あ、うん! モチロン良いよ! へへ」
「それと、……今日も泊って行くから」
「……え?」
「いいでしょ? さ! 帰ろ!」
「ぁ、うん……うん!!」




