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ボクが『たわわ』になったので、彼女のヨメになりました。  作者: TA☆KA


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第11話 髪を切りまして

 実は学校に復帰する前日に、ミコトに美容室に連れて行かれていた。

 ボクの髪、結構な長さになってたからね。


 前髪で顔はまるっと隠れちゃうし、後ろは腰にまで届きそうな長さだった。

 初めて洗髪した時のシンドさと言ったら、もう……。

 だから早めに髪は切りたかったんだけど、ボクの体力的なモノがあったから、様子を見ていたワケなんだ。


 美容室では、担当のお姉さんに「どうせなら、元の様に短くショートにして欲しい」とお願いしたんだけど、ミコトが「折角長くて可愛いのに勿体無い!」と言い出した。


 長いままだと流石に手入れが大変で、女子歴数日のボクには「ちょっとハードルが高いよ!」と訴えたのだが、あまりボク自身の意見は重要視され無いのだと言う事を、この時何となく理解してしまった。

 なんだかんだで結局、毛先を整えただけで背中の真ん中あたりの長さに収まった。

 この時に美容室のお姉さんに、殆ど手も入れていないのに、綺麗なウェーブがかかったこの髪質はマジで反則級だ。的な事を言われていたのだけれど……。




 そんなボクの髪に、クラスの女子達は随分とご興味がある様で……。

 その日のお昼休みは、みんなで寄ってたかってボクの髪を弄り倒す事に決まった様だった。

 やはり、ボクの意思は特に問題にされていない模様……。

 ウン! 分かってたけどね!



「おお! ミナトくんこれはちょっと幼なカワイくね?! 庇護欲ゲージががが」

「ちょっと今度は編み上げてみようぜ」

「フフン! うちのミナトはどうしたって可愛くしかならないのだよ!」

美古都みことの保護者目線の欲目がヒドイよね」

「ちょっとサツキ、グロス出して」

「お? イオリ、やる気か?! いいよ! ミナのこと目一杯弄り倒そうぜ!」

「ぇ? え? な、何すんの? え?!」

「大丈夫大丈夫! ミナちゃんは、ウチに抱えられてればイイからねぇ~」

「ぁひゃぁ」

「アヤノ! 必要以上のお触り禁止だから!」

「大丈夫ダイジョブ! 変なとこ触らないから、少ししか!!」

「結局触るんかいっ?!」

 

 ミコトもそうなんだけど、クラスの女子達ってボクの事、○カちゃん人形か何かだと勘違いしてるンじゃないのかな? かなぁ?!!


「ようし! コレってどうよ? どうよ?!」

「ぅひゃぁ! コ、コレはぁ……。ちょっとミナちゃん! ボタンを2つ……、いや3つ外してみよっか?!」

「椅子に座ったままココに両手置いてくれる? ンで腕に体重かけちゃって、そうそう! そしたらミナトくん唇薄く開いてみようか?」

「はいは〜い立花さん! 目線だけコッチくれる?」


 何故か多岐川たきがわさんが仕切り、嶋岡しまおかさんに抱えられたまま鈴谷すずやさんにメイクさせられたり服を弄られたりしている。そしてかすみさんはとても楽しそうにボクにスマホを向けるのだ。

 でもボクは、そんな楽しそうな女子達とは真逆に、さっきから若干不機嫌そうに向けて来るミコトの視線がとっても気になる!

 何で? 怒ってる?


「ぅおおお!! 画像を! 保存だ保存! 永久保存! 撮れ撮れ! 撮りまくれ!!」

「ヤバッ! これヤバッ!!」

「あ、あーしは、なんて物を作り出しちまったんだ……くぅ!」

「え? え?! な、ナニ? 何がどうなったの?」

「ミナトくん! 動かない!」

「あ、ハイ……」

「ミナち~ゃん……。人はね、知らなくても良い事があるんだよ?」

「え? ボ、ボクの事だよね?」

「どうよ男共! 此れを拝み、リビドーの猛りを知れ!!」

「え?! 何言い出してんの?!」


「え? ミナト?」

「立花?! お、お前…………」

「ぅわ、ヤベ……」

「…………お、俺、トイレ行ってくる」

「……オレも」


 ……ちょっとぉ、何でアイツら前屈みなってんの?

 ボクを見てそうなってる?

 やめてよね!!

 あ、コータと目が合った。と思ったら速攻逸らされた?!


「あ、う、うん、似合ってるんじゃ……ないか?」

「え? ちょ! コータ?!」


 コータまでがボクから目を逸らし、教室から出て行った。

 ちょっとぉ……。

 

 何だか男という生き物が信じられなくなった、ある日の昼休みの出来事だった。

お読み頂き、ありがとうございます。


おもしろいと感じられましたら、ブクマ、ご評価頂けますと、作者のモチベーションが駄々上がりします!!よろしくお願い致します!

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― 新着の感想 ―
仲のいいクラスっていいよね。 おバカが多いのがポイントだと思う。
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