召喚
※注意
処女作です!
作者はメンタルはガラス並み
クレームは受け付けません!
pixivで初めて書いたものを此方に持ってきました。
こんにちは。真瀬陽と言います。
申し訳ありませんが、ぶっちゃけても良いですか?
良いですね?ではぶっちゃけます。
異世界召喚物は好きだけど、ソレは見る側としてであり、自分が体験する側としてではないから、好きなんだよ!!!!
いきなり何言ってんだ???と思っているでしょうから、今から、説明します。
どうぞ。
+
ある日、それは突然起きた。
私達は二時間目の授業を受けていた。
その授業中に、突然、教室の床が発光した。
「え!?」
「何コレ!?」
「外!外に出ないと!!」
ドアに近い席にいた人はすぐに逃げようと、ドアを開けようとした。
が、ドアに手がつくことはできなかった。
体が金縛りのように硬直し、動けなくなったからだ。
発光した光が強まり、視界が真っ白になった。
その後、感じる空気が変わった。
いつもの吸う空気がいきなり、他のところの空気に変わった感覚だった。
その後に感じたのは、体が作り変わられるかのような感覚だった。
痛みはない。ただ、今までに感じたことがないほどの万能感をひたすら酔いしれてた。
この万能感により、なんでもできる、自分が正義、自分が世界の中心だと勘違いしてしまいそうなほど、充足感に満ちた気持ち良いものだった。
しかし、その万能感に飲まれなかったのは、他の感覚があったからだった。
それは、安心感と喪失感。
母親の腕に抱かれているかのような温かみ。
警戒心が解かれ、此処で永遠に眠ってしまいたいくらい。
その感覚に沈んだと同時に襲われた、深い喪失感。
泣きたくなってしまうくらい、命に替えるほど、大切なものが失ってしまったかのような寂寥感。
それらの充実感や安心感、寂寥感などには、何故か、既知感を持っていた。
身近な人を失った経験を持たない皆は、寂寥感を感じたことに、何故か、違和感を持たなかった。
体感では数十分なのか、何日なのか、短かったのか、長かったのか、分からない。
でも、この時間には皆、無意識下で魂の奥底まで忘れてはなるまいと刻んだ。
何故、そうなったのか。
それは“神のみぞ知る”。
視界を覆う光が弱まってきた。
それと同時に体の自由が戻った。
光が完全に収まり、体がガクリと重力がかかり、皆は思わず、床へ転んでしまう。視界が開けてくると、見えたのは、地下空間の中だった。
何故、地下空間だと分かったのは、何となくだった。しかし、その地下空間はただの地下空間ではなかった。
数多の蝋燭に覆われた石垣の壁。
幾何学模様の魔法陣が描かれている煉瓦造りの天井と床。上下にも魔法陣があった。
漫画やアニメなどの二次元でしか見たことがなかったその紋様に皆は呆けるしかなかった。
しかし、現実は待ってくれない。
その床の魔法陣の上には私たちが立っており、周りには魔法陣を囲むかのように、白フードで全身を覆われている人が複数人が並んでいた。
「成功したぞ!!勇者が召喚されたぞ!!しかも複数人だ!!!」
周りにいる白フードの人達が最初の一声を始めにワッと騒ぎ出した。
まるで、大歓喜の如くの歓声だ。
「は?」
「召喚?」
「ドッキリとかのアレか?」
その様子に私達はますます混乱していた。
いつも通り、家族に見送られ、通学路を通り、授業を受けていたのだ。
こんな、漫画のような展開に皆、認識が追いつかなかったのだ。
しかし、その中、更なるトラブルが起きた。
ドサッ
「え?」
誰か倒れる音がした。音の発源を見るとクラスメイトである男子高生ーー大社翠が倒れていた。
「え!?あ、青木先生!人が倒れました!」
「何?どうしたんだ?」
担任の先生ーー青木雄が倒れた生徒のところに駆け寄ろうとした。
が、白いフードの人たちに妨げられた。
「大丈夫です。勇者の方々の手をわざらわせるわけにはいきません。こちらで治療をします。」
白フードは召喚された人達ーー私達を勇者の方々と呼んだ。白フードの人たちはその召喚の儀式を行った人だった。
そのことにより、私達は召喚されたという事実がようやく、脳に染み込んだ。
白フードの人たちの手によって、運ばれていく大社翠。ダランと垂らしている腕は白フードの人達の歩調に合わせ、揺れていた。
死人の如く、ピクリとも全く動かない大社に胸中が何故か、激しく痛んだ。
なんで?と思ったが、ある人に声をかけられることにより、そのことを意識から追いやられた。
「・・・・大社、大丈夫かな?」
クラスメイトーー兼久瑞己がそう声をかけてくる。
オ"ァ"ッ!眩しい!!こちらとら、イケメンには慣れてないんだよォ!!!!
この人は我がクラス、いや、我が学校随一のイケメンである。ソレなのに、男子からは全く恨みを買ってない。スゲェ。
そのような人物と話すのは耐え難い。
それでも、返事はする。
嫌われたくないんからだよ!!!!
その時、そういえばと、この人は召喚される前から、大社翠によく声をかけていたことを思い出した。
そっちの趣味の人が兼久と大社をモデルかネタにしていたのを偶々見かけたことがある。
それくらいの頻度でよく声をかけていた。
仲が良いのか?と心の奥底に巣食う薔薇好きの本能が覗くが、白フードの人が声をあげたので、すぐに引っ込ませた。
「すみません。仲間が心配される気持ちはわかりますが、あなた方の能力を確認するために鑑定をします。あちらに道具がありますので、移動をしてください。」
白フードの人に案内され、大社の件は信用するしかないと任せることにし、白フードの人たちに着いていった。
そして、現在に至る。
今いるのは、石垣の壁が続く階段の地下通路。多分、螺旋型の階段。さっきの地下空間から繋がっているところだ。
明かりは壁にある蝋燭だけで、薄暗くて、登りづらかった。ジメジメとした空気や薄暗い雰囲気に、今後のことを思う心内を余計に重くさせた。
暫く登った先には、重々しい両開きの扉があり、そこから広い部屋に出た。
その部屋は礼拝堂みたいな部屋だった。
台座があるべきのところには、腰までのほどの大きな白色の球があった。
「コレが鑑定のための道具です。コレに手をかざすだけで鑑定できます。」
言われた通りにクラスの人たちはその白の球に手をかざしていった。
その玉に浮かび上がるのは名前、種族、役職、称号だった。
それを見た皆は目を輝かせ、次々と手を翳していった。さっきまでの憂鬱な雰囲気はいずこへ。
期待と興奮した様子で自分の職業を話し出す皆を見て、私も凄いものだったら、と期待を持つ。
自分の職業を知った皆を観察していると、私の出番が来た。自分はなんだろうなと期待や不安を持ちながら、恐る恐ると白の球に手を翳した。
そして、鑑定の結果を見た。
_________________
個体名:アキラ・マセ
種族 :人間
称号 :召喚者
職業 :聖女
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その鑑定の結果にフリーズしかけた。
そして、二度見した。
勢いだけで、五度見しそうだったが、気合いで耐え、次の人に譲った。
召喚されたら聖女、勇者だったというパターンなら漫画やアニメでよく見てたが、まさか、自分が経験するとは思わなかったのだ。
呆然としながら、離れたところで自分の結果を何回も頭の中で回っていた。
と、ワッと騒ぎ出したクラスメイト達の声で現実に引き戻される。
「スゲェ!兼久が勇者かよ!」
兼久が勇者だった。
聖女がいるなら、勇者もいるだろうと思っていた。
兼久が勇者かー、と思っていたら、クラスメイト又は友人である下田凪が話しかけてきた。
「ねぇ!陽!どうだった?」
「あ、えっと、聖女だよ。」
また騒ぎだすクラスメイトたち。
と、兼久が声をかけてきた。
「ねえ、コレって、魔王と戦わないといけないやつ?」
「・・・・・多分?」
漫画や小説などでは勇者は魔王と戦うイメージがある。
召喚された目的は知らないが、その可能性があることを否めないことに憂鬱な気分になる。
兼久もそのことに顔を顰めていた。
と、私たちが入ってきた出入り口から、他の白フードの人たちが来た。
そちらに顔を向けると、白色の中に黒色が混ざっていることに気づいた。
白フードの人たちに混じって、大社が戻ったのだ。
そこで、白フードの人達と共に来た大社に違和感を持った人がいた。
その中の1人が担任である青木先生だった。
(?前と違う。)
運ばれる前ーー倒れる前の大社はとても内気だった。
いつも、教室の端にいて、授業や、兼久と真瀬が声をかけている時以外は話しているところが見たことがなかったほどだ。
だが、今の大社はなんだ?
雰囲気や態度が完全に別人だ。
威風凛々。
そんな言葉が似合うほどだった。
オドオドとしつつ、皆について行く前の時と違い、歩き方や手先の仕草は威厳があり、前と変わらずかけていた眼鏡から覗く目つきは鋭い。
この変化に気づかない人はいないだろう。
「あ、さっき運ばれた人だ。」
「あいつ、誰だっけ?」
「いつも教室の隅っこにいた陰キャじゃね?」
「あぁ、兼久がいつも話しかけていたやつ?」
「名前なんだっけ?つーか、そんな奴いたっけ?」
「神職っぽい名前じゃなかった?」
「オオサギ?」
「シラサギ?」
「鳥だろそれ。」
前言撤回。いた。
いやいやいや、お前たち見なさすぎだろ。しかも、存在の認識すら、怪しいやつもいる。
青木は頭痛に堪えるように顔を覆う。
うちの高校は田舎にあり、青木の受け持っているクラスはそこでは多い方のクラスだが、十数人程度だ。なのに、クラスメイトたちは名前どころか、存在も忘れてる。同窓会で、あぁ、そんな奴いたっけ、という人の方がマシだ。
「こちらへ。」
「分かりました。」
大社も鑑定を受けた。
そこで異変が起きた。
大社が手を翳した白の球には、鑑定をするときに出る淡い光は出たが、鑑定の結果が出ることはなかった。
白フードの人たちは騒ぎ出した。
“どういうことだ”、
“こんなの初めてだ”、
“能無しでは?”、
と前代未聞なのか、話し合い出した。
“始末した方が良いのでは?”
“監禁すれば?”
話し合いの最中、不穏な言葉が出て、それを聞いた生徒たちは一気に不安になる。
しかし、その中、違和感に気付く者はいたが、異常に気付いた者はただ1人。
前者は青木。
後者は鑑定士である下栗陽花だった。
名前や見た目が女子のそれだがれっきとした男子である。
下栗は前から飽くことなきの好奇心により、鑑定で知った自分の力で試しに周りに使っていた。
人によって、違う職業や身体能力に楽しんでいた。
その人ーー大社を見るまでは。
“見えない”のだ。
後に、鑑定は生物や物体などの物理的な存在にしか作用しないと知った事により、下栗はクラスの中では、大社の正体を最初に辿り着く事になるのだが、それは先の話だ。
しかし、今の下栗には、この現象を説明するに経験や知識が乏しく足りていなかった。
「どういうこと?」
下栗は思わず、ポツリとその一言を漏らした。
その疑問を拾ったのは青木だった。青木は先ほどの言葉のことを尋ねようとしたが、次の瞬間、頭から掻き消された。
「申し訳ございません。鑑定の結果が出なかった君は勇者の方々と隔離させてもらいます。」
「はぁ!??」
青木は思わず声が出た。
青木の頭に、“始末するべきでは?”という白フードの人達が言った言葉が横切ったため、最悪のことしか考えられなかった。
「何故ですか!?」
白フードの人は青木の疑問に答えた。
「勇者を召喚する魔法は限りなく、成功率が低いのです。それでようやく成功したと思えば、能無しが出たということが知られば、国の威信に関わります。」
なんだそれは。
青木はそう叫びたかったが、抑えて問い直した。
「その球が不調だったという可能性はないのですか?」
「それはあり得ません。コレは古代遺物です。しかも、禁忌級の。」
アーティファクト?タブー?
それはなんだと質問すると、後で詳しく説明しますと簡潔に教えてくれた。
「古代遺物は太古に作られた物で、禁忌級は魔法や魔道具、薬などを区別する為の階級のうちの一つです。禁忌級は上から3番目のものです。」
階級というのは何段階なのかわからないが、言い方からして、中か、上のところだろう。
だけど、隔離されるというのは納得できなかった。
「大社はまだ子供だ。離れさせるのはどうかだと思うが?」
「この国では15歳で成人です。見たところ、15を満たしていますよね?
それに、あなたたちにはコレから危険なところに行きます。その時、足手纏いを連れてはいけないでしょう。本人も足を引っ張りたくないと思います。」
大社を見るが、この状況を受け入れているのだろうか、全く反応を見せない。その事でグッと言葉が詰まった。
青木達の様子を見た白フードの人たちは大社を連れて部屋から出ていく。
大社はそれに着いていった。
が、ふと、足を止め、こちらに振り返った。
青木達を見る大社の顔に何故か、心臓が跳ねた。
大社は仏の如く、こちらを慈しむかのような優しい顔をしていたのだ。
その顔に何故か、懐かしさを感じたのだが、その顔から一変、子供のような笑顔でニッと笑い、口を開いた。
「また会おう。」
たった一言を残し、また、白フードの人についていった。
また会おう
どういう意味なのか?
その意味を知るのは後の話になる。
+
カツン コツン
地下へ続く階段の空間に複数の足音が響く。
と、いきなり先頭の人が足を止め、他の白フードも続き、大社も足を止めた。
「青木、と言ったか。あの男の問いに答えた内容は覚えているか?」
「ああ。」
「アレだけではない。
我が国はとても貧しい。大国である隣国にいつ略奪されるかわからない。
抗うためには力がある。その力を手に入れるためには人手や金が必要だ。召喚は成功率が低いが、金を使わずとも人手が手に入る上、強力だ。
だが、お前は違う。
お前のような能無しは不要だ。」
先頭の白フードの人は此方へ振り向いた。
それと同時に先頭の者だけでなく、周りにいる者全員、大社に視線を集めた。
その視線は、明らかに良い物ではなかった。
一般人なら、醜く、不快な負の感情を向けられた時、気が狂ってしまうものだ。
しかし、大社はそれに竦むことはなかった。
「死ねってか?アイツらには何て言うつもりだ?」
「他の所へ隔離し、事が終わるまで、そこで保護することになったと言うつもりだ。」
「なら、いいや。処刑されてあげる。」
大社の上からの物言いに白フードの人達は癪に触ったが、無視し、先頭の者はズンズンと先に行った。白フードの人達は大社を歩かせ、先頭の者に続いた。
そして、辿り着いた先には処刑するための道具が複数ある死刑場だった。
「遺体はどうするの?」
「魔物の餌にする。」
「なるほど。」
これから死ぬというのに、絶望する様子がない。
平和な世界で過ごしてきた若者がいきなり、死ねと言われたのだ。
狂うか、泣き嘆くかをするだろうに。
“この少年は奇怪しい”
白フードの人はフードの下で顔を顰めたが、気にしないことにし、前に向いて誰かを呼び出した。
「オイ!出番だ!!」
その呼び声に、死刑の執行人らしきの大柄な人が何人かくる。
その人達は大社の近くに寄ると、首や腕を拘束し、処刑台の上に叩き込んで縛った。
大社は叩き込まれた衝撃に咳き込んだが、抵抗を見せなかった。執行人たちもその様子に戸惑ったが、準備を進めた。
執行人のうちの1人が斧を手に取り、大社の首に添える。
「何か言い残すことは?」
「あー、気にするな、と言ってくれ。」
斧が下ろされる。
大社翠が死刑された頃、国境付近の森の中。
そこで人影が一つ。
その人影は何かに気づいたかのように後ろーー召喚されたところである王城の方へ振り返った。
いや、比喩表現ではない。
何が起きたのかを理解して、後ろに振り返ったのだ。
「お。処刑されたか。」
その人影の正体は、処刑された筈の大社翠だった。
「分身体は消えないけど、念の為に魔獣に食わせた方が良さそうだな。あ、でも、私の体を食ったやつ、下手したら神獣に変わっちゃいそうだな。ま、いっか。」
何故、生きているのかと言うと、仕組みは簡単だ。
まず、分身体を遠くの所で作る。そして、元の体に意識だけを残し、分身体へ本体を移す。
それだけなのだ。
分身体は外で作っているため、脱出劇をしなくても良い。
「さてさーて、私は今、身分を証明する証がない不審者。やっぱ、冒険者カードが必要だよねぇ。」
大社は再び、国境に向けて、歩みを進めた。
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