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地に繋がれて

作者: キリスト

男は木の幹からリンゴが落ちるのを見て、なぜ自分が地上に繋がれているのか考えた。


男はリンゴを拾い、どうして腹が空くのか考えた。


そしてリンゴを一口齧り、どうして美味しいのか考えた。


これらの謎が詳細に記された魔法の道具があると知り、男は知恵の泉を覗き込んでみた。


 ——「新型iPhone1500...うん、名称が長い。今はiPhone20だが、未来を見据え時代の先駆者であり続けるため、名称を変更しないか?」男が訊き、「TwitterはXに、facebookはMetaに、今後も変更するでしょうが、我が社も刷新する必要がありますね」別の男が答えた。


「社名ごと変えてしまうのか?」


「そのほうがインパクトがあり、社会に与える影響も大きいでしょう」


会議が終わり、男たちはGoogleのAIに訊いた。


「君たちに足りないのはなんだ?」


AIは答えた『血液と肉と骨です』



知恵の泉から顔を外した男の手には、スマホが握られており、近くにいたヘビがこう言った。


「神はスマホに住まわれ、何でも答えて頂けるようになった。iPhone20というと、まだ科学の1頁目だ。800万ページまでめくった時、神は世に現れこうおっしゃる。『光栄に思え。焼き払ってやる』当然、意味がわからない人類は神に尋ねる」


頷いた男が「奇跡が起きないとわからない」と言ってヘビの反応を見た。


ヘビが「毎日、鏡で見ているのに可笑しいだろ?」と訊くと、「腐っていく自分を見続けるのは何より苦痛だ。魂が抜けた時、本当の自分がどっちかわからなくなる」頷くヘビ。


「一方は天国へ。一方は地獄へ。あるいは両方とも地獄へ」新しい宗教観だと男は思った。


「さあ神、本当の神から指令がでた。明日地上へ行ってこい」


不思議なことを言うヘビだ。神がいれば、それを生んだ神があり、それは永遠に続く。生物の理を神に当てはめるヘビ。


「神の最大の疑問、なぜ自分が神なのかが解けたのか?」訊く男。


ヘビは知恵の実を食べ「いや。だから思考する動物を創られた」否定した。


地上はまだ21世紀。マラソンで言えば一歩目だ。


「神も意外だった。もう答えが出た」ヘビが言った。


男の耳は鋭く尖り、口は裂け2本のツノと尻尾が生え、爪が鋭利に伸び、体全体が醜くなっていった。


あああああ...だんだん思い出してくる男(わ、われは...。)


『科学が滅び、言葉で白黒つけるのではなかったのか? 悪魔よ、心で聞こえる者には聞こえる。お前には何が聞こえた?』


神の言葉が田園を翔るトンボよりも自由だった。

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