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休養!

「いでででで...。」

筋肉痛が本気を出してきた2日目。あまり詳しくないけど、本筋肉痛というのがあった気がするんだよなぁ。

異世界に来てまだ一週間経っていない。

そろそろ心身共に休まないと。

今日は休む日と決めた。


寝て起きてボーッとしてジュードさんにご飯作ってもらって、寝て起きてボーッとしてジュードさんにご飯作ってもらって、

シャワー浴びて歯磨きして、またソファーで寝た。


...夜中に目が覚めてしまった。昼寝しすぎたみたい。

ボーッとしてたら、知らない人が水を飲んでいた。

「...あの、初めまして...こんばんは?」

まさか泥棒さんじゃ...ないよね?

「...すごい寝癖」


え?

「あの、ナオと言います。よろしくお願いします...」

髪を押さえながら言うと「マハト。ジョブは黒魔術師と薬師」

それだけ言うとすたすたと部屋に戻ったみたい。

え!ずっと居たの!?気づかなかった!

私は近接系コミュ障だけど、遠距離系コミュ障がいるとは...。

そんな事を思いながら寝癖を押さえたままでいたら、

マハトさんがスタスタやって来て、筋肉痛を治す薬と、体力回復の薬、と言って瓶に入った水薬をくれた。

え?いい人なのに分かりにくい...



無理やり寝て起きたら、筋肉痛もあと少しで治りそう。超回復まで我慢...と思ったけど、レベル上げとお金稼ぎに行きたいよお~!...マハトさんにもらった水薬はもったいなくて飲めなかったので、次回の猛烈な筋肉痛用に取っておくことにした。あと、瓶が可愛いので取っておきたい...



寝起きでぼんやりしていたらマハトさんに「なんで飲んでないの」と言われた。

「おはようございます……」思わず寝癖を押さえてしまった。「飲めば治るのに」と不服そうなので、「次の筋肉痛の時に飲もうかと……もったいないですし……瓶もかわいいし……」

「次の筋肉痛の時はまた飲めばいいでしょ」

「もったいなくて…」

なんかグイグイくるな、この人。

「人間には自然治癒力がありますから!薬に頼りすぎも良くないかなって。生き物ってそんな感じですし。」

「変なの」


………コミュ力を上げる薬とかどうです?


そういえば明日はダンジョンに行くから、バンテージが必要だった。そういえばグローブも必要なんだけど、なんだろう、せっかく魔法があるなら、パンチが打ててこう……なんかゴオッ!!ってならないかなぁ……。攻撃魔法に詳しそうなアランさんを探してみる。


「すいませーん、アランさんいますか?」

廊下で呼んではみたものの、どこが誰の部屋なのか全く分からないし、そもそも居るのか分からない。この家は人数に対して広すぎると思う。

そんなことを考えていたらドアが開いて「どうしたー?」と変な姿勢のアランさんがいた。


「筋トレ中でしたか。お邪魔してすみません」と言うと「いいよいいよ」と着替え始めた。ムッキムキ。あんまり筋肉付きすぎるとスタミナを使うので、めちゃくちゃ走り込みしないといけないし大変だなぁ……と思っていたら

「どう?筋肉すごい?」と見せびらかしてきた。気持ちは分かるので「凄いです」と棒読みしたような返事をする。


女じゃ、あそこまでムキムキになれないので少し妬ましさを感じたが、要件を思い出した。

「丈夫な長い帯だったり布だったり、包帯みたいなのってありますか?」

「全然分からないんだけど……。えーと、何に使うの?」

「バンテージと言って、拳や指の間に巻いて、殴ります」

「殴るってなに!?」

「ダンジョンのガイコツとかを殴る用ですけど……」

「あー!レベル上げね!今度一緒に行こうね!……そのバンテージってどんな感じでどんな長さなの?」


1m50センチくらい??グローブがないなら厚いほうがいいよね……


色々説明したら、古いシーツをビーッと割いて作ってくれた。

私が巻き巻きしているのを真剣に見てる。

最後にニギニギしてキツすぎないか確認した。

ガイコツくらいなら大丈夫そう。


「あ!あと、こう、殴った時に拳を保護する魔法みたいなのはないですか?骨折予防というか」

「部分的な防御魔法か……。リシェルの方が詳しいかも。リシェルー!!」


ゴソゴソ音がしてドアが開き、若干不機嫌そうなリシェルさん。

「なーにー?私いまお勉強中なんだけど」

「ナオの拳だけに防御魔法って付与できる?」

「あ、すいません、お勉強の邪魔して……できれば手首までの防御魔法があれば教えてほしいんですが……」


「出来るけど、一日中保つわけではないかなぁ。定期的にかけて継続させないと」


「魔法って私がやるのは難しいですか?」


リシェルさんは難しい顔をして唸る。

「ナオは拳と蹴、ってことは、武器なしで近接攻撃するじゃない?そして私は回復術士と強化魔法士なのよ。一人一人役割があって、自分一人で戦うだけが戦闘じゃないのよね。」


ふうっと髪をかきあげながら「アランは前衛のナイト、ジュードはアサシンとスカウト、マハトは会ったかしら?黒魔術師と薬師よ。みんな役割があって、助け合って戦うの。だから、ナオはナオのジョブを強化してレベル上げすれば、近接戦闘の穴が塞がる、生き残る確率が上がるの。頑張って!」


リシェルさんがドアを閉めても、アランさんが予備のバンテージをたくさん作ってくれても、私はずっとリシェルさんの言ってることについて考えていた。



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