タオルを買いに
「...うー、いたい...。」
昨日キックボ...をやったせいで全身筋肉痛である。
ストレッチもしまくったし、冷水シャワーで筋肉も冷やしたのに!
この痛さだと完治には3日くらいはかかりそう...。
ギクシャク歩いて市場まで来たけど、タオルってどこで売ってるんだろう...。りんごを1つ1ラスで買って、ビタミン補給用にした。1ラスが100円くらいで、10ラスが1スベインなので1000円で、物価の安さに驚く。りんごを売っている店員さんに、タオルを売っている場所を聞くと、あそこだよと指さして教えてくれた。
「こんにちは!タオルを見てもいいですか?」所持金は現在、1スベイン2ラス。出来れば4ラスか5ラスに収めたい…。
もらったタオルはグレーだったなぁ。濃い紺色とかどうだろう。ジュードさんに合うんじゃないかな。
「このタオルはお幾らですか?」「これは3ラスだね!」「買います!...もう一枚欲しいのですが...」これは悩む。自分用タオルって悩む...。「1番お値段が安いのってありますか?」と聞いたら、真っ赤なタオルが2ラスだった...。
結局5ラスでいい買い物ができた気がする。
次はパン屋さんパン屋さん...
「こんにちは!保存がきくパンってありますか?」
「黒パンだね!ただ、ガチガチに固くなるから、スープとかに浸して食べるといいかもね。間違ってもかじらないでよ!ナイフが通らない固さになるんだから!」
...出来れば3ラスにおさまらないかなと思っていたら、2ラスだったので、この防刃パンもまた買いに来ようと決めた。
あっという間に5ラスになってしまった。
渋々、筋肉痛と戦いながら冒険者ギルドに足を運んだ。
手頃な依頼がないか覗きに来たけど、どうだろう。
依頼用のボードは大きくて、上の方は全然見えない。はしご的ななにかがほしい。
...ウルフ討伐、薬草採取、遠距離のお届け物...。
悩んだけど、筋肉痛が酷いので、今回は見送ることにした。
「ただいま~...」
「お、なんだ、バテてるな」
「ちょっと筋肉痛で...」
「ちゃんと飯食ってるのか?筋肉痛なら肉とか豆とかだな」
「あ、りんご食べました。1ラスでした。」
「はぁ!?もしかして朝昼りんごで終わらす気!?」
...ジュワアアア...!
なんだろう、既視感が凄い。
「お前なぁ...ちゃんと食べないと大きくなれないぞ!」
「それって筋肉がってことですか?」
「いや、全体的にだ」
「なんか失礼ですね...」
いただきます!をしても慣れた様子のジュードさん。これも食っとけとトマトを出された。すっぱいから苦手...なんて言ってられないのが5ラスの私よ...。
お肉には鉄分も入ってるし助かる!ビタミンと鉄分はキックボ...には必須だから。
「ご馳走様でした!美味しかったです。あ!タオル!」
「タオル?」
「これ新品です。お返しします、ありがとうございました。」
「おー!」
なんだか嬉しそうなジュードさん。
私も買いました!と真っ赤なタオルを見せたら「...それお前...なんでもないけど凄い色だな。洗濯したら色落ちしそう……」
...そこまで考えていなかったナオである。