少し日にちが経って……
本日3話目です。
次回は明日に更新します。
俺が学校の休学を決めてからの初めての日曜日。
由芽は文化部所属なので、学校は休み。
そして、つかさも文化部に入ってるので学校は休みなのだ。
一方で俺は、ようやくある通信制高校から教材が届いたので各教科のレポートを片付けている所だ。
なお、体育はその通信制学校でスクーリングとして向かう事になる。
言い忘れていたが、これも男性保護法による特別処置によるものだ。
成績は問われず、一定の単位数を取れれば卒業扱いになるのだが、本来の学校で男性が学校に行きづらくなった場合には、通信制学校による代理学習が認められる。
その後の状態で、そのまま通信制高校に転校するか、復学するかはその男性次第になる。
俺は、もう向こうには行きたくないので、のちに通信制高校に転校する形となる。
母さんも父さんも理解してくれてるし、由芽も応援してくれている。
つかさもその方がいいと言ってくれているので、安心している。
「あーっ! ビリになっちゃったー!!」
「あはは、甘かったね、由芽ちゃん」
「というか由芽、スカートで激しいリアクションはやめろって」
さて、今日の日曜日はつかさが俺の家に来ており、由芽と俺との三人でレースゲームをしている所だ。
由芽が負けた悔しさで、思い切って寝転がるのだが、スカートなので中の下着が見えてしまっている。
ちなみに由芽の下着は白だ。
「しかし、南 池人が京都に転校していたとはね」
「どうも、ボクの中学時代の友人によれば、担任の先生の姉が今の首相なんだって」
「それでか……」
「私もそれを知ってびっくりしたよ」
レースゲームをやりながら、俺とつかさと由芽は今日までの動きについて話をした。
南という男がまさか京都に転校になるとは思わなかった。
そして、担任の先生が今の首相の妹さんだった事も初耳だった。
「しかし、何で京都に?」
「文化庁が京都に移設したからね。 そこで文化庁の大臣の下でその男の母親はこき使われるみたいだよ」
「除名処分とかではないのか」
「何か、男女比が狂い始めた直後に、それが出来ないように変えられたみたい」
「何とまぁ」
文化庁は首都の東京ではなく京都に移設した関係で南 池人は転校になったらしい。
しかし、男女比が狂い始めた直後に議員に関する法案が変わったとはな。
そのせいで、すぐに除名処分が出来なくなったらしい。
当時の政権にも困ったもんだよ……。
「でも、あれで済むような事はないだろうな」
「そうだね。 叔母さんが言うには、あの男は自分ルールに酔狂している節があって、自分以外の男は結婚してはいけないとまで発言していたみたいだよ」
「お母さんの知り合い、沢山いるみたいだけどそこから得た情報って事?」
「そうみたい。 だからこれで済むとは思わないよ。 ボクも由芽ちゃんも自分の身を守るための何かをしないとね」
母さんの知り合いからもたらされた情報では、どうもあの南という男は自分ルールに染めないと気が済まない性格のようだ。
その上で、自分以外の男は結婚もしてはいけないという、ある意味ME思想に近しい思想も持っている。
なので、由芽もつかさも警戒を解かないようにと自分を戒めるのだろう。
「転校やら休学続きになると、あの学校はどうなるだろうな」
「多分、男性保護指定から外れて、女子高になるだろうね。 男子は基本的にその男性保護指定学校以外は入れないからね」
あの南という男のせいで、あの学校の男子生徒は俺を含めて休学している。
さらに南自身が転校したとあっては、あの館浜高校から男性保護指定学校というカテゴリーから外されるだろうとつかさは予想している。
まぁ、確かに今のご時世じゃ男性が高校に通うにはそういう施しがある学校でないと、色々ヤバいからな。
「さて、湿った話はここまでにして、折角だしお出かけしようか」
「うん、いいね♪ お兄ちゃんも一緒にだよね」
「そうそう。 ケンくんも気分転換に外へ行かないとね」
「ああ、そうだな。 由芽とつかさが一緒なら安心だろうな」
時間的もいい頃合いなのか、湿った話を打ち切ってお出かけしようとつかさが提案する。
由芽も乗り気だし、確かに俺も気分転換に外に行く事も必要だな。
二人が一緒なら安心できるし。
「さぁ、そうと決まったら……」
由芽とつかさが立ち上がった時、開けっ放しになっていた窓から風が吹いてきた。
「あっ」
「わっ」
(うおっ、由芽とつかさのスカートが……!)
その風は思いのほか強く、つかさと由芽のスカートが捲れ上がる。
当然ながら、その際に二人の下着が見えてしまったのだ。
由芽は白だが、つかさはピンクだった。
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