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一方、その頃の政府内(女首相視点)

本日2話目です。

今回は女首相視点です。

あのマウント野郎の親子の末路でもあります。

「へぇ。 あなたに楯突く教師がいたなんてね」

「そうなんだよ! だから圧力を頼むよ!」

「そうね。 あの時のクレームをなかった事にするように仕込んでおかないとね。 池人の為にも」


(全く……。 ムチュコタンには甘い政治家とか、呆れてものが言えないわね)


 文部科学省のある一室の入り口で、私は聞き耳を立てながら様子を伺っていた。

 私は浅川(あさかわ) 七海(ななみ)

 今の日本の首相を務めており、公立館浜高校の教師をしている妹がいる。

 今回はその妹からの報告を受けて、文部科学省の部屋に来ている。

 どうやら、文部科学省の大臣に属した与党幹部が息子の為に法を破ろうと暗躍しているらしい。


 本来、男性保護法における男子同士の交流において、一人の男性が他の男性に対してマウントを取る行為は禁止にしている。

 しかし、他の学生たちの報告などで、現在あの部屋で話している男性が、他の男性にマウント行為をしていたという。

 その時点でも罰するべき案件だが……。


(まさか、ムチュコタン優先で、校長にも圧力を掛けただけでなく、クレームにも対応しないようにしていたとはね)


 どうも一人の生徒の母親から、マウント行為に関するクレームを学校だけでなく文部科学省にも入れたようだ。

 しかし、調査の結果で対応せずになかった事にしていたらしい。

 あの幹部の女は、本当に法律よりも息子が優先だとはね。


「首相」

「ええ、そろそろ入りましょう」


 側近の部下の女性から小声で入っていいのか尋ねて来た。

 頃合いなので、そろそろ突入しましょうか。


「そこまでよ!」

「なっ!? だ、誰だ!!」

「え……!? 首相!?」


 ドアをバンと強引に開けて私と側近たちは突入する。

 どうやら、幹部の女は電話をしようとしており、私が入って来るとは思っておらず、固まっていた。

 息子の方は、私を知らないのか睨んでいるみたい。

 教育を間違えたのかしらね、この親子は。


「妹からの報告と、ここの職員の内部告発などで現場調査に来たのよ。 しっかし、私もまだまだね。 ここまで後手に回るわ、同じ与党幹部がムチュコタン優先で法を破壊しようとしてくるとはね」

「妹だと……!?」

「ええ。 あなたが口論した公立館浜高校の担任の教師なのよ、南 池人くん」

「あ、あの教師が……!?」

「し、首相の……妹さん……!?」


 まぁ、私の家庭事情はこの親子には教えてなかったけど、本当に滑稽ね。

 妹が南 池人の担任の教師をしているという事実に冷や汗を掻くなんてね。


「さて、南大臣。 あなたには、別の省庁に移動して貰います。 ただし、大臣ではなく一般の職員としてね」

「な……!?」

「ど、どうしてだよ!!」


 単刀直入に、今回の処分を先に伝える。

 甘いのだろうけど、男女比が狂い始めた直後に法が書き換えられ、現在はいきなりの更迭などの重い処分は不可能となっている。

 これに関しては、改正しようとしている最中だが、相変わらず反対する議員が多いのがね……。

 今回は他の省庁に、一般の職員として移動すると言う一発目の処分を行う事になった。

 それでも納得がいかないのか、南 池人は食って掛かる。


「あなた達が息子の為に男性保護法や一夫多妻制度や婚姻法などを捻じ曲げようとしていた。 それを校長などに圧力を掛けて、クレームを無視するようにさせていたようね」

「それの何が悪い! 俺がルールだ! 文句あるか!!」

「日本は今も昔も法治国家なのよ。 それを捻じ曲げる行為は国家に反逆する行為とみなされても文句は言えないはずよね」

「ぬぐぐ……!」

「あと、南大臣は勝手に息子が通う高校に多くの男子を入学させていたみたいね。 向こうの要望を蹴って。 それも保護法違反なのよね」


 南 池人は歯ぎしりしており、その母親である南大臣はショックで放心している。

 だが、決めてしまった以上、こっちも引き下がるわけにはいかない。

 あと、男子の高校進学の際にも、政府が決めるのだが、基本的には男子側の要望に沿った形で決められていく形式なのだが、今回は南大臣が要望を蹴って、マウントしやすいように無理やりそこへ入学させていた。

 これも保護法違反の案件なのだけどね。


「移動してもらう場所は文化庁。 あなたはそこで文化庁大臣にこき使われなさい」

「あ、ああぁ、あああーーー!!」

「ま、ママー!?」

「二人を連れて行きなさい」

「ははっ!」


 後で現れた側近たちに南大臣親子を連れ去って貰った。

 息子の方は相変わらず叫んでいたが、それももう無視しよう。


「代わりの大臣に成り得る者の選定と、南大臣の息子の転校処理をしておかないとね」

「お疲れ様です」

「あと、与党大臣の不祥事だから、謝罪会見も開かないとね」


 これからのやるべきことに頭を抱えながら、私は文部科学省の部屋から出て行った。

 それでも、傷ついた男子の心は癒えないんだけどね……。


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