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学校案内~休憩室にて~

予定より少し遅くなりましたが、更新しました。

「それにしても、独りよがりの男子のせいで、館浜高校が狂うことになるなんて思いませんでしたね」

「今は京都に転校した南 池人によって、殆どの女子生徒がぞっこんになりましたからね」

「甘いマスクと甘い言葉で我が物にしたという感じでしょうか?」

「そんなところですね」


 4階の休憩室で飲み物を飲みながら、時雨と千景校長が話をしていた。

 話の内容は、南 池人と奴にぞっこんになった女達の話だ。

 あれは、俺や他の男子をモテない男だとしてマウントを取られたせいで、未だに忘れることは出来ない。

 それだけ、奴は甘いマスクと甘い言葉で殆どの女子生徒を虜にしたのだ。

 今のご時世の男性が抱える事情すら知らずに。


「しかし、それを看過させたその男の母親も許せないですね」

「政治家の息子だから、自分ルールに染めさせようとしてましたしね。 それを崇拝した女子生徒がほぼ残りましたからね」


 母親が政治家だという南は、今の法律で禁止されてるマウント行為を自分ルールで歪ませようとし、それを母親が看過した。

 千景校長は、それを許さないだろうな。

 さらに、今の館浜高校は、南が京都に転校した際に、お金持ちの女子生徒は奴の後を追って京都に行ったが、そうでない女子生徒がたくさんいる。


「その女子生徒達は、南 池人以外の男子生徒と謙二くんとあの男に靡かなかった私や僅かな女子生徒に恨みを抱えてますね」

「だから、生駒さんもここに。 しかし、恨む相手が違うでしょうに」

「だから、クラス再編の隙に私や僅かな女子生徒にも通信制高校などの転校を勧めてましたね。 最早、あの学校はスパルタでもして正気に戻させないと新たなME思想者が現れるからと。 私はそその前に家族に相談して決めたのですが」


 黙って聞いてた俺もお門違いだと思っている。

 しかし、完膚なきまでに奴の虜になった女達は、そうでないようだ。

 それほどまでに館浜高校は、奴一人のせいで汚染されたわけだ。

 だから、まともな考えを持つ時雨や他のまともな女子にも通信制高校などへの転校を勧めてたのか。

 ただ、時雨は前もって家族と相談して、転校を決めたようだが。


「あ、日下部くん、ごめんなさい! 二人だけで話をしてしまって」

「いつの間にか謙二くんをハブってた! ごめんなさい」

「いや、いいよ。 気にしないでほしい」


 話が盛り上がってる途中に、俺が何も話をしていないのに気付き、時雨と千景校長は慌てて謝罪する。

 だが、俺はあまり気にしていない。

 ともかく、館浜高校についての詳しい内容を知ることが出来ただけでも良しとしよう。


「そういえば、ここの窓から見えるのって、観覧車ですよね」

「あー、確かあそこは……」


 ひとまず話題を変えて、密かに窓の外を見て気になった景色について話をする。

 少し遠目ではあるが、観覧車が見えたのだ。

 ここのから少し歩いた所に遊園地とかあるのだろうか?


「新館浜の遊園地ですね。 中規模のですが、周辺住民には人気のスポットとなってます。 もちろん、我が校のレクリエーションや交流会でも利用してますよ」


 校長曰く、あそこは中規模の遊園地らしい。

 だが、周辺住民に人気のスポットで、ここ『館浜みらい通信学校』でも交流会などで利用するらしい。


「交流会なんてものがあるんですか」

「すごいですね」

「通信制学校である故に、生徒さん達の交流がしにくいですからね。 そういう機会を設けてます」


 そこは致し方が無いというべきか。

 通信制学校である以上、多くの生徒は入学していてもスクーリングなどのスケジュールがコースによって違ってくるからな。

 俺と時雨は週二回必須のスクーリングがあるが、人によっては年4回のみでOKなんて生徒もいる。

 だからこそ、数回は交流会をしているのだろうな。


「デートスポットでもありますから、機会があれば一緒に行って見るのもいいでしょう」

「考えておきます」


 また、あそこの遊園地はデートスポットにもなってるので、時雨とつかさ、由芽とスケジュールが合えば行ってみようかな……。

 千景校長も勧めてくれてるんだし。


「さて、一休みはここまでにして、トイレを済ませてから案内の続きをしましょう。 次は3階と2階になりますので」

「分かりました」


 そろそろ時間なので、先にトイレを済ませてから学校案内の続きを行う事になった。

 次は3階と2階のようだ。



 

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