男女比が狂った日本で
新作を懲りずに書きました。
よろしくお願いします。
「おはよう、母さん、由芽」
「ええ、おはよう謙二」
「お兄ちゃん、おはようっ♪」
俺、日下部 謙二は朝食を摂るためにキッチンへ向かった。
そこには既に母親の春菜と中学一年生の妹の由芽が待っていた。
「父さんは?」
「もうすぐ降りて来るわ。 今日もリモートだからね」
なお、父親である健一は、昨日と今日はリモートでの仕事だ。
なので、起床にも余裕があるのだろうな。
ちなみに朝食は既に用意はされているが、父さんが来てから食べるのだろう。
「それで、謙二は今日からあの学校には無期限休学するのね」
「ああ。 通信制学校の代理学習でやっていくよ。 どのみちその通信制学校に転校になるけど」
「分かったわ。 学校などにそう伝えるわ。 しかし、何で謙二の進学先を政府が勝手に決めるのかしらね」
「本当だよ。 お兄ちゃんは男子校に行きたかったんだよね」
父さんが降りてくるまで、母さんが俺に学校はどうするのか聞いて来た。
無期限休学、のちに通信制学校への転校を伝えると母さんも了承してくれた。
同時に、俺の進学先を政府が勝手に決めた事に怒りを露にしていた。
いや、俺だけではない。
今の時代を生きる男子は、こぞって進学先を共学校に進学させるように政府が仕向けていた。
何故、政府がそうしているのか。
「将来、女性だらけの環境に放り出されるからだろうな。 今の時代は男女比が1:300になってしまったからな」
「あ、父さん」
「お父さん、おはよっ♪」
「あなた、おはよう」
そう言いながら父さんがキッチンに現れた。
俺達三人は、父さんに挨拶をする。
そう。
政府は将来、仕事などで女性に揉まれる事が多くなるため、この機会に女性慣れをしてもらおうとして、進学先を強制的に共学校にしているようだ。
母さんはそれに怒りを持って、クレームを入れたようだが、応じてもらえなかったらしい。
それもそのはず。
さっき父さんが言っていたように、今の時代は男女比が1:300にまで落ち込んでいたのだから。
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