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1.はじまりの日

「昨夜、異世界人の召喚に成功した。

今はまだ、混乱しているので休んでもらっているが、今後、我らがサント国立学校で一緒に勇者候補として学んでもらう。」


白いひげのお爺さん校長先生が、高らかに言う。

月曜日の朝礼は、みんな食堂に集合し、校長先生の話を聞くことになっている。


「ちょっと、異世界人だって。

勇者ってことは、男よね。気になる~。」


「俺らの学校もう5年も勇者排出してねえじゃん。

異世界人に頼みの綱を託すなんて終わってるな。」


集まった生徒たちは校長先生の話にざわついた。


しかし、私はそんなことどうでも良かった。


私は、1位!全科目、1位!

信じられない。

半年間、死ぬ気で頑張ったかいがあったわ~。

協力してくれた先生方、本当にありがとうございます。


ナッツ色の髪にピンク色の瞳をした小柄の女子生徒、マリンは小さくガッツポーズをした。


これで私は、聖女候補!

もし本当に聖女になれたら、勇者になったカイと結婚できる!

今までの苦労、羞恥、我慢。全部に感謝。


「はーい。みなさーん。教室に戻りましょう。

静かに戻ってくださいねー。」


攻撃魔法科目の男の先生がやる気なさそうに生徒たちに声をかける。


教室に戻る途中、廊下には先週のテストの結果が貼りだされていた。

私はもう朝早くに見に来たので、本当は見なくてもいいのだ。

だけど、この努力の賜物と言える、素晴らしい順位の書いた紙をもう一度見てしまう。

自分の名前が輝いて見える。


「…ありがとうございます。」


小さくつぶやいた。


この結果は、放課後に関わらず教えてくれた先生たちがくれたものだ。

私だけで成しえたものではない。


それに、まだまだ安心はできない。

聖女になるためには、全国で行われる試験で上位10組に入らないといけない。

それに、パートナーであるカイにも、勇者になるための努力をしてもらわないと…。


目標に向かって一歩踏み出せた私は更に高みへと向かうために、ぎゅっと両手のこぶしに力を入れ、気を引き締めた。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ひたすら謙虚なマリン。 まだまだ情報開示がされていない状況でも応援したくなります!
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