将棋の面白さに最も貢献している駒は角ではないかという話
角という駒は、斜め方向には好きなだけ進む事ができる強力な駒です。
しかし、上下左右には1マスも進むことができません。
近接能力は低めだけど遠距離の利きが強いという、大砲みたいな感じの駒な訳です。
効きは強いけど、弱点がある。
だから小回りの利く金銀でその弱点をカバーする、あるいは安全地帯で遠距離砲としての活用に留める、といった作戦の違いが発生する訳です。
また角の独特な効きの特性から、お互いに角を取り合う角交換が非常に発生しやすいです。
その為角交換をどんどん狙っていくのか、あるいは阻止するのか、といった駆け引きも重要になって来ます。
角交換を狙っていく場合は、角交換後に自陣に角を打たれる隙が小さくなるように陣形を考慮したり、絶好の角打ちポイントとなりがちな、最適な盤上の中心、55をどうにかして制圧する必要も出てきます。
このように角の存在は将棋における優位性の多様化に大きな役割を果たし、様々な戦法や駆け引きや陣形を生み出す立役者となっていると言えるでしょう。
また、基本的に安定して強い飛車と比べると、状況によって価値が大きく変わって来るのが角の特徴です。
小回りが利かないという欠点は、裏を返せば相手に取られても防御に使われにくいという事でもあります。
その為、金銀なんかと交換してしまって、そのままガンガン攻めるという選択肢もありますし、寄せの場面でも角は切り込み隊長として大活躍することが多いです。
更に、敵陣に成り込むと馬となり、弱点だった上下左右にも動けるようになり、角の時と一変して縦横無尽に盤上を駆けまわる、オールラウンダーで防御力の高い駒になるというのも面白い所です。
時には王様を守り、敵陣を突き崩す。その機動力と汎用性はまさに馬の名に相応しいです。
角、いつもありがとう! 大好きです!
でも、香車はもーっと大好きです。
雅な感じの名前なのに真っ直ぐしか行けないという、不器用で猪突猛進で一途な所がいいです。
重ね打ちロケットで玉頭狙い撃ちにするのも最高に楽しいですね。