表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/21

9

流石に、王様を狙った事件だったので、レオン様のお父様も、レオン様も、なかなか帰ってきませんでした。


今日は、公爵家の本家に来て3日目です。


朝起きて、ビックリしました。


起こしに来た、マーヤさんと、リーヤさんの顔が、腕を伸ばしたくらい離れた距離までなら、見えるのです。


まあ!なんと素晴らしい。

本当です。マーヤさんと、リーヤさんは、鏡に映ったようにソックリでした。


見える事を伝えれば、二人は、涙を流しながら、喜んでくれました。私は、なんて優しい人たちに囲まれて、幸せなんでしょう。


これなら、レオン様のお姿、お顔を見る事ができます。それも、なんと幸せな事でしょう…。


レオン様のお母様と、治して下さった先生にお礼を言わなくてはいけません。そう思い、マーヤさんに言えば、これから朝食の席で、レオン様のお母様には、会えると教えてくれました。


服を着替えて、鏡の前に立ち、数歩近づいていきます。成長して初めて自分の顔を見ました。


「こんな顔だったんですね。」


「とても可愛らしいお顔ですよ。」


「そうなんですか⁈」


今まで、見えていなかった私には、いい悪いの判断基準が無いので、顔という認識しかありませんね…。


これから色々見れるのが、とても楽しみです。



朝食の席で、レオン様のお母様に、眼の事を伝えてお礼を言いました。

レオン様のお母様も喜んでくれ、私をご自分の近くに呼びました。


近くで見た、レオンお母様の顔は、ずっと見ていたいと感じました。ああこれが、キレイとか見惚れると言う感情なのですね…。

眼が、美味しい物を食べたかのように、離れたたがらないのです。


「困りました。レオン様のお母様…。

おキレイ過ぎて、私の不甲斐ない目は、自制が効かず、眼が離せません。」


素直に、感情を口にすれば、


「あらあら。まあまあ、ふふふふふ…

嫌だわ、こんなおばさんに…ありがとう。」


と、はじめは驚いた顔をされ、その後にお礼を言いながら微笑まれました。


ああ。眩しいです。光ってないのに、眩しいと感じることがあるんですね。






その日のお昼過ぎ、レオン様のお父様がお帰りになられました。

お母様とお出迎えをしましたが、お父様は、お疲れで、挨拶をしたら、すぐにお部屋に行かれました。


マーヤさんと、リーヤさんが、しばらくしたら、別宅から、迎えが来る事を教えてくれました。


レオン様も、お屋敷に帰られたようです。


お迎えが来る前に、治癒魔法使いの先生にお礼に行きました。先生は、顔にシワのある、優しい御老人でした。





迎えには、セバスさんが来てくださいました。



セバスさんは、マーヤさん、リーヤさんからの報告で、私の眼の事は知っていました。

会ってすぐに、よかったと、近くで、顔を見せて下さいました。


セバスさんは、渋いと言うか言葉が、よく似合う大人の男性でした。


セバスさんは、不思議な事を言いました。


「お迎えには、参りましたが…。

マリア様の住みやすい方に、居ていいとの、レオン坊っちゃまからの伝言でございます。」


「?」意味がわからなくて、首を傾げます。


「目が、見える様になりつつありますからね…。坊っちゃまには、色々気にかかる事があるようですね…。本当にヘタレ…っゴホゴホ。


マリア様が、好きな方に、お住まいになっていいと言う事です。本家と、別宅どちらがよろしいですか?」


セバスさんが、はじめに口の中で何か呟きましたが、言葉になっていない咳ばらいの前は、聞き取れませんでした。


好きな方に、住む事を許されると言うなら、答えは、簡単です。


「私は、住む場所は、どこでもかまいません。置いて頂けるなら、レオン様のお側がいいです。」


なんでしょう。セバスさんの顔が、これでもかと言う程微笑みました。そして、直ぐに帰りましょう!と、レオン様のご両親に挨拶を済ませると、あっという間に、別宅に連れ帰られました。



連れ帰られ、着いた部屋は、前から貸して頂いている、使い慣れた私の部屋です。

出かけた時のままキレイに掃除されています。


マーヤさん、リーヤさんに言われるまま、着替えをして、レオン様のお部屋に、帰った挨拶をしに行くためです。

2人の雰囲気は、フワフワ楽しそうです。

私も、久しぶりにレオン様に会えるのが、嬉しいです。



レオン様のお部屋の前で、ノックをします。中から許可を得たセバスさんが、扉を開けてくれました。


カタン。


部屋の奥で、足音がします。

あれはレオン様の足音です。椅子から立たれたのでしょう…。


私は、レオン様がいるだろう方を向き、淑女の礼で挨拶をしました。


「ああ。」


レオン様からは、何か硬いお声が、帰ってきました。

そして、近づく許可も頂けません。


部屋の中には、しばらく沈黙が落ちます。

今まで、そんな事は、ありませんでした。レオン様はいつも、快く迎えいれて、目の不自由な私が、不自由しないように、直ぐにお側に置いて下さいました。


ああ…。今は、不自由じゃ無いから、お側に寄らせていただけないのでしょうか…。

それは、なんだか、すごくすごく寂しいです。


「お茶の準備ができました。」


沈黙を破って下さったのは、セバスさんです。

セバスさんは、私の手をとり、ソファーへ誘導してくれました。


いつもなら、向かい側のソファーに、レオン様が座られるのですが…。


「私は、ここでいい…。」


レオン様は、部屋の奥にある執務机に行かれた様です。

なぜでしょう…。近づいて頂けません。


この間の有事で、余分な事をして、足を引っ張ってしまった事をお怒りなのでしょうか…。

ああ。私を庇った時、大事な、豚の剥製が、傷ついたと、お母様が、説明して下さいました。

そうでした。私のせいで、大事な物が傷付いてしまったのです。お怒りは、ごもっとも…。


ですが、優しいレオン様は、私にお怒りには、ならない。でも、鎮め切れないお怒りを私にぶつけないように、距離を取られいるのでしょうか?

私なんか…叱り飛ばして頂いて良いですのに…。


お優しいレオン様は、ご自分の中に閉じこめるのですね…。


でも、悪い事をしたのは、私です。謝らないわけにはいきません。


「レオン様…。あの……あの時は、庇って頂きありがとうございます。その…足手まといになり、大変申し訳ありませんでした。あと、そのせいて、大切な物を傷つけてしまったと、伺いました…。

本当に申し訳ありません。」


「あ。いや、君がなんともなくてよかったよ。僕こそ、弓から、庇ってくれて、ありがとう。」


少しだけ、レオン様の雰囲気が、いつもの雰囲気になりました。ですが、やはり近づいては、下さいません。


その日から、ずっとレオン様は、ある一定の距離以上、近づいて下さらなくなりました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ