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そのガラスの破片は、私達の居る辺りにも、細かな破片が降ってきたようです。



肩や腕、頬に、微かに痛みを感じるが、大した事は無さそうです。


「レオン様のお母様は、大丈夫ですか⁈」


「ええ、あなたが、私に、肩掛けをかけてくれたから、傷ひとつないわ。でも…あなたに傷が…」


「それは、よかったです。私は大丈夫です。

周りの方も、叫んでおみえですね…酷いのでしょうか⁈」


「そうね…。ガラスを割って、ロープで不埒者が、侵入してきたわ。

まわりも、ガラスで傷ついた方はいるけど、みんなカスリキズよ。」


「侵入者ですか…⁈」


「ええ、王を狙ってのようね…。

大丈夫。レオンと主人が王を守っているし、騎士達も来たわ。」


「え⁈」


「ふふふ。レオンも、主人も強いのよ。

だから、心配いらないわ。

ああ…。とっても、かっこよく戦っているのに、見せてあげられ無いのが、残念ね。

1人で5〜6人いっぺんに、相手にしながら戦っているわよ。」


「えええ⁈」


「とりあえず、足手まといになっては行けないから、端に逃げるわよ。手を…」


ギギギー


「あの…まって下さい。あちらに、何かありませんか⁈」


「え⁈あっち⁈

あ!!弓を持ってるわ…あの角度は…、

レオンを狙っているのね!!レオ…」


レオン様のお母様が、何か話していましたが、

「弓がレオン様を狙っているなんて…」聞いてしまったら…。

確か弓は、飛んでいく武器のはずです。

セバスさんに、一度触らせてもらった事があります。狙いをつけるのが、大変と言っていたので、起動をずらせれば良いはずです。


音がするところに、体当たりしに、いきます。



無我夢中で走ります。

そして、どうにでもなれ!と言う思いで飛びつけば、弓を持っていた人ごと転びました。



「っついたぁ…」


「なにするんだ!このやろ!」


罵倒され、そのまま叩き飛ばされました。




ガチャ




これは金物…剣か何かを構えた音です。

立たなくては…逃げなくては…

でも…どっちへ…?



足がすくみ動きません。

先程は、レオン様が、危ないと思えば無我夢中で、何も考えれませんでしたが…

今は、考えても、何もできません。




このまま、刺されるか斬られるのでしょう…。

「………。」






ガギーン!!!!



目の前に、誰かが現れました。誰かではありません。靴音で、レオン様だとわかります。


ガス、ドカ、ガシャと、音がすると、レオン様は、私を立たせると、左手に抱き抱えました。



「安全な所まで、連れてくから、僕について来て。」


「はっはい。」


レオン様は、ダンスの様に、私を回したり、後ろに下げたり、引き寄せたりしながら、進みます。


剣のぶつかる音が、聞こえますから、戦っているのでしょう。


不意に足元に何かあり、それにつまずきました。

慌てて逃げた、御令嬢のヒールのようです。


膝を着いた私をレオン様が、覆い被さるように、かばっています。


「ふん、こざかしく逃げやがって…。なんだよこの豚は!」


レオン様は、頭を持たれたようです。

そして、


スポ。


グサ!


私の顔からは、血の気が引きます。

何かに刃物が刺さる音です。


「なに!?」


「悪いね、それは被り物なんで、脱げるんだ。」


「ぐがあああ」


「レオン様…⁈」


「大丈夫だよ。剥製は取り戻した。」


「え⁈」


「母上」


また立たされて、連れて行かれたあと、トンと、背中を押された。

そのまま数歩進めば、柔らかい胸に埋もれた。




「大丈夫⁈勝手に飛び出してはダメよ。

足手まといになると言ったでしょ。」


「すみません。ですが、あの、さっきは、どうなっていたのでしょうか⁈」


慌てて、柔らかい胸から顔を上げます。



「ああさっきの?

レオンがあなたを助けて、途中あなたが、転んだ拍子に、あなたが斬られそうになったの。それを剣で拮抗しながらかばったら、後ろから、豚さんの頭を掴まれたのよ。

そのまま、後ろから前に、豚さんに剣を突き刺されたけど、豚さんの頭を掴まれた直後に、レオンは頭を下げて、剥製から頭を出したから刺さらなかった。

でも、大事な豚さんが傷ついたから、ちょっと…いえ、だいぶ怒ってたわね〜あれは。ふふふ。

すぐに叩きのめしてたわ。そのあと、あなたを私の所に連れてきたの。」


「……。」


レオン様の神業に、ビックリしていれば、周りからこそこそ話が聞こえてきました。



「ねえ!みた⁈豚公爵様の素顔!

キャー何あれ!すごくすごく、お綺麗なんですけど!?」


「ええ、見たわ。しかも、今戦っている姿も、お強くて素敵よ…。あんなに素敵な男性を見た事ないわ。」


「わっ私も見ました。

私、以前お見合いの席で、倒れてしまいましたの…。あの素顔で、いて下さったなら、倒れるなんてありませんでしたのに…」


「私、まだ、お見合いしていませんわ。お父様に、お見合いをお願いてもらいます。」


「今日ご一緒だった方も、所詮、男爵位のご令嬢でしょ⁈なら、うちが申し込めば大丈夫ね。」



何やら、皆さん、レオン様の素顔をみてキャピキャピ色めきだっているようです。

胸のあたりがチクチク、ザラザラします。

レオン様は、豚の剥製を被ろうが、なかろうが、優しくて素敵な方なのに…。




会場全体の騒音が止みました。

戦いが終結したのでしょう…。


レオン様のお母様が、公爵様とレオン様は帰れないので、とりあえず、公爵家の本家に一緒に来るようにと、連れて帰って下さいました。


控え室にいたセバスさんは、1人でレオン様のお家に帰り、マーヤさんとリーヤさんは、私について来て下さいました。



マーヤさんと、リーヤさんは、私の傷をたいそう心配してくれました。

丁寧に手当てして、予備の肩掛けをかけてくれました。



公爵家の本家には、すぐに着きました。


客間に行くように言われ、マーヤさんとリーヤさんが連れて行ってくれました。


レオン様が、一人であちらのお屋敷に移る前は、マーヤさんもリーヤさんもここで働いていたので、勝手知ったる場所のようです。


リーヤさんは、本日泊まる部屋の準備に行きました。マーヤさんは、私の為に、残っていてくれます。


しばらくすれば、治癒魔法使いの先生が、お見えになりました。

声から察するに、ご高齢のようです。


「奥様を庇ってくださったとか、ありがとうございます。今、治しますので、もうしばらく我慢してくだされ…」


そう声をかけられたあと、温かい物が体を撫でて行く感覚があり、傷の痛みは消えていました。


「ありがとうございます。痛くなくなりました。」


「それで、奥様からは、眼も見るように言われたので、ちょいと触りますよ。」


先生は、そう言うと、頬に手を当て、診察しはじめたようです。


「うむ。成長過程で、光を阻害されたか…。まあ、ゆっくりじゃが、少しづつ成長させる事はできる。3日あれば近くの物は見えるように治るじゃろ。3ヵ月すれば元々成長するはずだった視力までは回復する。

ほれ…。」


先生は、そう言いと、方手で、両眼を優しく覆った。その後、先程の様に温かい感覚に撫でられた。


先生にお礼を言えば、大した事はないと、すぐに部屋から居なくなった。

入れ替わりに、リーヤさんが、泊まる準備ができたと、部屋に入ってきました。


マーヤさんから、私の眼の話を聞いて、リーヤさんは、とても喜んでくれました。



泊まる部屋に入って、お風呂に入り、パーティーでは、全然食事出来なかっただろうと、マーヤさんが、準備してくれた軽食を食べました。


2人は食べたのか心配になりましたが、待合室では、食べる以外やる事が無いから、立食式のあったお料理を全て制覇したと聞いて、ビックリしました。



いつものように、優しい時間が流れ、いつもとは違うベッドでしたが、疲れもあり、その日は、よく眠れました。

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