ー人生挽歌。ー
更新は遅いですが期待せず読んで下さい。
下らねー小説です。私の処女作です。
ここは異世界。名前は忘れた。
色々な種族、文明、そして「力」が存在している。
そんな事とはまったく関係がない男が、ある地方の外れにある
小さな村に住んでいた。
名は「よしずみ」 今年30歳を迎えたクソニートだった。
異世界にも無職はいる。いるんです。
「ちくしょー!俺は絶対大物になってやるー!!」
村の中心で願望を叫んでいた、よしずみ。
それを笑う村の人々。
「まーた言ってんのかあーのバカたれが。」
「その前に就職しろ!」
「毎日毎日シコリやがって、彼女作れ童貞!」
「彼女ぐらいおるわ!」 「え!?マジで!?」
「頭の中にな。」
「帰れ!」
村中から非難轟々。これもこの村の変わらぬ風景だった。
パカン!「いってー!」
唐突に頭を殴られ目の前に星がきらめく、よしずみ。
後ろを振り向くとそこに佇むはよしずみの父、カダル。
「バカ息子!恥ずかしい真似を毎日毎日…いいから帰ってこい!」
よしずみの足を取り強引に強制帰宅させる父カダル。
ドスッとこける、よしずみ。まるで拷問に掛けれた囚人さながら
強い力でひっばられる。
ズルズルズルズル~!!
「いたたたー!頭すれてる!すれてるー!ハゲちまうー!」
「もうハゲてんだからいいじゃねーか!」
…活字だとわからないでしょうが…よしずみはハゲていた。
某格闘ゲームの鉄の拳を持つ父親のごとく。
「まだ諦めたくない!あきらめたくないんだよー!!」
よしずみの心の叫びが小さな村に響き渡ったという…
村の外れにある木造立ての建物。そこがよしずみの実家になる。
周りは大きな湖と平原などが囲み、のどかな風景が広がっている。
家の周りには羊、牛などの家畜が気の抜けるような声を出し、ここら一帯だけ時間の流れが違うんじゃないかと勘違いするほどのクソ田舎であった。
「よしずみよ、毎日アホな事言ってないで、いい加減うちの農家を継げ。どうせもう就職は無理だろうからな。」
「いやだ!俺は大物になるんだ!農家なんてそんなこじんまりした事して人生暮らしていきたくない!!」
家の居間には、よしずみ、父カダル、母マーサの三人が集まっていた。
よしずみを連れ帰りすぐ緊急の家族会議が始まっていたのだった。
「なんだとこのハゲー!」今にも襲いかかりそうになる父。
「父さんもハゲてんじゃねーか!!」とよしずみ。
そう父カダルもハゲていた。
「お父さん落ち着いて!感情的になったら話し合いにならないでしょ!」
母マーサが父をなだめる。だが父、息子の言い合いは収まらない。
「んだとコラーッ!今は治療中だから去年より少し増えてるんですケドー!!」
「胡散臭い占い師から買った毛はえ薬だろ!知ってんだぞ!母さんのヘソクリに手ェつけて買ったってのはなァ!!」
「あ、バカ…!」
ぽんと父カダルの肩に手が置かれる。
恐る恐る振り向く父。そこにはまるで菩薩の様な顔をした母マーサが父を見つめていた。
村の中心、広場ー
「今、何か叫び声聞こえなかったか?」
「ああ、聞こえたぞ。中年の断末魔のような叫び声が…」
「よしずみ、大物になるって具体的に教えてちょうだい。何になりたいの?」
「そ…それは…」
よしずみに問い詰める母マーサ。居間の後ろで死んでいる父カダル。
母の怖さに気を押されながら口を開く。
「俺は聖王国ロードワールで騎士になりたいんだ!!」
「え!?」
「いや、騎士ではとどまらず騎士隊長、ゆくゆくは聖騎士の頂きまで上り詰めてやる!!」
この小さな村がある大陸、その中心に聖王国ロードワールという国が存在する。
世界各国の軍事力を物ともせん、強力な騎士団を擁しロードワールの騎士は他国から謳われ尊敬されるまさに“力”の象徴。
聖騎士ともなれば聖王国を守る剣、騎士の頂点!!
各国それにロードワールの王族にすら、影響力のある“力”を有する。
まさに、よしずみが言う“大物”たる存在であった。
「だから、母さんゴメン!…俺は農家を継げない。」
「よしずみ…」
「バカヤローッ!!」バシーンッ!「ぐはぁー!!」ガシャーンッ!!
台所まで吹き飛ばされる、よしずみ。食器や家具がグシャグシャになっていた。
殴ったのは父カダルであった。
「お前みたいな、三十歳まで定職についた事がない人間が騎士になんてなれるワケないだろーッ!!天気予報士みたいな名前しやがってー!!」
「お父さん、私達が付けたのよ!!」と母マーサ。
「現実を見ろ!現実をーッ!!」仁王立ちで怒る父。戸惑う母。
居間には重い空気が漂いはじめ…
頬に手をやりうずくまる、よしずみ。そして、おもむろに立ち上がり言う。
「ぶったねちくしょー!父親にもぶたれた事ないのにー!!」
「いや俺父親なんだけど!?」
「こんな家嫌だー!家出してやるーッ!!」
玄関の脇に予め置いてあった荷物を急ぎ持ち脱兎の如く駆け出す、よしずみ。
「あ、待て!!」追いかける父。
「よしずみ!!」叫ぶ母。
「俺は大物になるまで絶対帰らないからなーッ!!そこんとこヨロシクゥーッ!!」
大物ロッカー張りのポーズを決め全力で走りきる。
「待てコラー!!」
ダダダダ…………
村外れにある家から延びる長い土の道を土煙を上げ爆走する一人の男。名はよしずみ。
胸には希望、はた目は無謀。どうなるか分からない“道”を突き進む。
「ーまずは取り敢えずロードワールに行ってみよう!!」
「ま、なんとかなるだろ」
単純な思考が彼の武器。
不安やワクワク感を押さえきれず、大陸中心にある聖王国ロードワールを目指すのであった――――
――つづく―――
いかかでしたか?くだらないでしょー?続きはまた後程。
大体の構想はあるので気が向いたら書いていきますー。では。