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⊥∀○
終わりはいつも突然に
始めるには勇気がいる
「なんでわからないの?」
「どうして?」
「もう無理だよ…」
日々紀は予兆に気付けない
彼女が何故いなくなってしまったのか
自分はいつからこうなのか
理由はない
彼は世界を信じていた
彼は自分を信じていた
でも、それだけだった
彼の世界は閉じられていて
自分の為だけに生きていた
それはとても幸せで
ひどく退屈な世界
自分ってなんだろう?
なにが好きで、なにが嫌い
なにが出来て、なにが出来ない?
彼は自分の事がわからなかった
考えた事もなかったから
閉じられた世界はとても幸せだった
でも、ひどく退屈だと気づいた
だって自分には本当の意味で大切な物がないんだから
これは日々紀の成長の物語