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魔界の勇者の改世記  作者: さかこり
序章
9/9

08話 契約と引越

 オーガを従えてからオーガを引き連れてゾンビ村へと帰る。


「リベル様、その方々は」

「知っての通りオーグ族の者達だ。もう攻撃してこないから安心しろ」

「ですが、その者達は私たちの仲間を...」

「あぁ、その気持ちは分かるがそもそも攻撃を仕掛けたのはお前らだ。そこは割り切ってくれ」

「リベル様がそこまで言うのでしたら」


 それから俺達はしばらく話し合い互いのことを許しあった。

 そして。


「リベル様、われわれを貴方様の配下にしてくれないかだで」

「是非我々もお願いします」

「配下にするのはいいけど、どうやるんだ?」

「ご存知ないのですか? それほどのお力を持っていて配下が居ないのですか?」

「ああ、実は俺は元人間なんだ」

「そ、それはどういうことだで?」


 それから俺が魔物になった経緯をオーガとゾンビに説明した。

 人界で弱かったこと。アルベルトに助けられたこと。悪魔と契約をして死神になったこと。

 今までの経緯を全て話した。


「では、貴方はあの悪魔との契約を交わして死神になったというのですか」

「それはさっき言っただろ?」

「ですが... 悪魔と契約を成功させるには魔帝やロード級でないとまず悪魔を呼び出せないはずだで」

「そうなのか? アルベルトは簡単に呼び出してたけどな」

「ではそのアルベルトさんはさぞかし強いのでしょう。 それにしてもこの目で死神を見れるとは、劣等種であるゾンビの私からしたら光栄なことです。それにその方が私たちの主になっていただけるとは心強いんだで」

「話がそれたが結局どうすればいいんだ?」

「はい、魂結契約はとても簡単です。リベル様は配下として受け入れようとするだけで大丈夫です。私達がリベル様の事を主として契約します」


 なんだ、ということは俺はほとんどすることがないじゃないか。

 さて、魂結契約とやらを終わらせちゃいますか。


 《魂結契約を開始しますか?》


 もちろんイェスだ


 《魂結契約を開始します》

 《契約が完了しました》


 400弱の魂と契約をした。こんな数の魔物が俺の配下になるなんて夢にも思わなかった。

 さ、このままどんどん話進めちゃいますか。


「みんな聞いてくれ、唐突にこんなことを言われても混乱するかもしれないが俺は人界にいる神を殺したい」


 みんな静まり素直な眼差しでこちらを見つめてくる。


「確かに無理だと思う気持ちも分かる。だが今はまだの話だ。

 これから俺らの勢力を強め、俺自身も強くなり。

 そしてやがては人間、それを超え力量序列を人間に植え付けたあの憎き神を殺す。

 そして俺が人魔の隔てなく皆仲良く平和に暮らせる世の中を作りたいと思っている。

 どうか皆俺の野望のために日からを貸してくれ!」

「おぉぉぉ!!」


 どうやら俺の熱意は伝わったようだ。

 俺はこの後まずは何をすべきかを伝える。


「だが俺らには拠点となる場所がない。だが土地は腐るほどある。俺が何を言おうとしているか分かるか?」

「まさか、1から街を作るおつもりで?」

「あぁ、その通りだ」

「ですがここに作るには少し不便ですよ、近くには森と山岳しかないので」

「ならば我らの郷はどうだで?平坦な土地ですし近くに海もあるんだで。水源確保も出来るで。それにここよりも近く帝都もあるんだで」

「それはいいな、っておいおい。魔界にも帝都があるのか? てことはさっきサラッと聞き流してたけど“魔帝”って言うのは統治してる王様的なのか?」

「はい。人間と同じように全魔物には個々に心も意思もあります。なのでそう言った制度は自然と作られるものです」

「そうか。じゃあオーガの郷に引越しをしよう。

 ゾンビ達はこの村を離れるのは名残惜しいかもしれないがまたいつ襲われるか分からないから一緒についてくるのがいいと思うが、どうする」

「ぜひご一緒ささてください。

 あと、宜しければゾンビではなく名前で呼んで頂けると...」

「ああ、そうだったな。申し訳ないところで名前を聞いてなかったな」


 それから俺はゾンビの村長、そしてオーガの次期主になるはずだった者の名前を聞いた。

 さすがに全員の名前を聞いて覚えられる自信はない。

 村長はケイル。オーガ次期主はデリタと言うらしい。


 その後一通りの支度をケイルたちに済ませて荷物を全部村の中心に集めるように言う。


「リベル様これをどうするのですか?」

「これは俺があとで運ぶから安心しろ」

「分かりました」


 それから俺達は山々の間を通りオーガの郷を目指す。

 だが2日歩いても着きそうにない。


「郷までどれくらいかかるんだ」

「このペースで行くとあと1週間はかかるかとおもうんだで」

「おい、うそだろ」


 甘かった。確かにオーガ達はものすごい速さで走ってきた。あの体はしっかりと意味のあるものだったと痛感した。

 俺はケイル達からしたら超高ステータスだろうし、これ以上ゾンビには無理だろう。

 仕方ない、運んでやるか。


『浮遊』でゾンビを浮かせる。

 体力のあるオーガ達は案内係として走らせる。


 ゴブリンやスケルトンなどこんな山道に出てくる雑魚敵は邪魔なので『将軍圧気』で黙らせる、そして味方は鼓舞され余計にペースが上がる。


「我らの郷へようこそだで」


 デリダの紹介で見たのは綺麗に整った街並みだった。

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