涼人との対談
「我ながら、教室に弁当箱を忘れるとは、甚だ遺憾である。」
とりあえず、さっさと弁当箱を取りに行くか。
うわ、何か俺の席で爆睡してるやついんだけど。誰だよ。実瑠かよ。なんで、俺の席で爆睡してんだよ。自分の席で寝ろよ。
「おーい、実瑠起きろー。」
全然、起きる気配がない。こいつ俺の席に恋してそうだな。
「おーい、起きろー起きろー。」
いや、ほんとに起きろよ。こいつ本当に、俺の席に恋してるだろ。
「起きろって言ってんだろ。はやく起きろ。」
「うわ、誰だよ。うるさいな。」
「涼人だよ。起きたばっかすまんが、俺の弁当箱取ってくんね?」
「おう、わかった。涼人、この弁当箱で合ってる?」
「そう、それ。」
なんか、実瑠「涼人」って言う時声小さかったな。何か俺したか?
まあ、いい。いつも通り実瑠と話そ。
「そういや、お前俺の席のこと好きか?」
「は?」
「いやさ、俺の席に恋してそうな勢いで寝てたからさ。」
「それは、流石にない。」
「なら、誰に恋してるの?」
「だっ、誰だっていいだろ。」
面白い。こういう実瑠を見るのは楽しい。もっと面白くしよ。
「まあ、確かにそうだな。でも、俺が恋してる人は実瑠だよ。」
「やめろ。涼人やめろ。」
「好きだよ、実瑠。」
俺はそう言って実瑠に抱きついた。
その時の実瑠の顔はすごく赤かった。リンゴみたいに赤かった。
「涼人やめろ。離せ。」
離せって言われたなら。はやく、実瑠のこと離さなきゃ。
「ほら、すまんな実瑠。」
「まったく、涼人はいきなりこんなことしてくるんだから。そういう所ほんと怖いよ。」
「すまんな。じゃあ、俺はもう帰るぞ。」
「わかった。じゃあねー。」
「おう、またな。」
なんか、元の実瑠に戻ったな。起きたばっかの実瑠、俺のこと睨んでたからな。まあ、いいや。さっさと家に帰ろ。