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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

俺の 一寸法師

作者: さとぽっぽ

 皆様の作品を読ませて頂くうち、書いてみたくなりました。

 初心者ですので、よろしくお願いします。

一寸法師


 子供の居ない老夫婦が住吉神社に願をかけた。しかし老夫婦の願いもむなしく、懐妊の兆候もなく一年が経とうとした時のある日、川へ洗濯に来ていた老婆は急な腹痛を覚えた。

仕方なく草むらにしゃがみこんだ。

力むとしかるべきものがひり出される。便秘気味なのは以前からだ。更に力むと前の方もにゅるっと何かが出てきた、ついでに放尿する。

そこらの草を千切って後始末をした老婆は、前の方からひりだ出たものをよく見てる、低出生体重児だ、3センチほどしかないが「生命機能が未発達」ではないので「未熟児」ではない。

 ツンツンしてみると「ぎゃー」と泣いた、生きてる男の子だちゃんとモノはついている。

これは住吉様からの授かりものと、腰巻を破って包みそっと懐に入れて持ち帰る。

老夫も喜んだ。「子供」が授かったのだ、これで老後が何とかなる。

 しかし、この子は大きくならない、成長はしているが身長も体重も増加が無いのだ。

5年10年15年と年月が過ぎても大きさは3センチのままなのだ、農作業ができない人間は役に立たない。

 老夫婦は将来を考えた、京の都に行かせて見世物にでもなれば仕送りさせる事が出来る。

「武士になるために京へ上れ」と針を刀に麦藁を鞘に、椀を船に竹箸を竿に、弁当は米3粒もあれば十分だろう。

「武士になる」意気揚々である、それが唆されたものだとは気づかない。


 京で大きな立派な屋敷を見つけ、そこで働かせてもらうことにした。

屋敷の家人達も物珍しさで彼を雇い入れた。食費もかからない、米二三粒で済むなら鼠を飼うのと変わらない。

 その家の姫が彼の事を気に入った。最初は遊び相手だったが、身八つ口から懐に入った頃から寝所にも伴うように成られた。

家人は「一寸なら男でも問題なかろう、雄猫や雄犬と同じだ」と思っていたが、彼は「人間の男」に違い無かった。

 寝所へ伴われる様に成ってからの姫は、彼を「一寸」と呼び溺愛して止まらない。

彼は身長が一寸でもを齢15を過ぎた男である、興味旺盛な年齢である、盛んな年齢である。噛みついたり、殴ったり、蹴りを入れたり、乱暴狼藉のやり放題、それが姫の布団の中の姫のあんな所やこんな処でなければの話である。

彼の噛み、殴り、蹴りは、姫にとっては心地よい刺激である、そのひとときの後の気怠さは得も言えぬ快眠に姫を誘う。


 神社詣での姫に付き添う、と言っても姫の懐に入って頭を出しているだけなのだが、そんなある日のこと、鬼と遭遇した。

お付の家人が応戦するが、彼は鬼に丸飲みにされてしまう。

 しかし咽頭で引っ掛かり咽頭反射ですぐに吐き出される、その際に帯びていた剣代わりの針が鬼の咽頭に刺さって残ってしまう、催吐に苦しむ鬼は打出の小槌を落として逃げ去った。

 彼は丸呑みされて吐き出されただけで戦ってはいない。寧ろ姫の胸の谷間に隠れようと懐でごそごそしている所を鬼に捕まり丸呑みにされたのだ。

 屋敷に戻った姫は家人の拾ってきた打出の小槌を弄っている、試しに振ってみると側にいた一寸が巨大化した、150センチぐらいに・・・

 15歳までの年月、喰って糞して寝る以外何も出来なかった彼に何か取り柄が有るだろうか、身長故の未経験なら豊富にあるが、全く何の経験のないただの男、一度姫の寝所に忍び込み一夜を共にした姫であったがそれは普通の男だった、あんな所やこんな処を噛み、殴り、蹴ることはもはや出来ない。要は「閨房術」が下手なのである。

 屋敷を追い出された彼その後を知るものは居ない。


 ある方の作品に出てきた「フカシ話」とはどんな話だろうと思い書いてみました。

過去に小生のブログで書いたものもこちらに移動したいと思っております。

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