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AGI極子爵令嬢の逃亡劇  作者: 明和里苳


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短い話となりますが、今回も読んでくださってありがとうございます。

「だから、サナギを運搬してただけなのに」


「どこからどう見てもラブラブおデートだが」


 デイモン閣下がすかさずツッコミを入れる。こないだラブラブおデートと言って冷やかしたのを、相当根に持っているらしい。いいじゃないか、君ら上手くまとまったんだから。


「散々私たちのことをバカップルとおっしゃってましたが…」


 エリオットうじの視線が冷たい。だって事実だし。


「お嬢様もやるじゃないですか〜」


 ブリジットがニヤニヤしている。やかましいわ。お前こないだ白馬で弾丸デートしてプロポーズされてたろ。


「…でもちょっと分かるっス。なんていうかこう…土のローブで包んだら、コクー的な?」


「そうそう!分かってるね裕貴くん!どっちかっていうと、風のドレスでトラセル的な?」


「何言ってんスか…」


 また訳の分からないネタで盛り上がり始めた前世組。


「フェリックスうじフェリックスうじ、ブビィー、ブゴッって言ってみて?」


「違うっスよアリスさん、ブールルガウガウっスよ」


「そして得意技は?」


「「かたくなる」」


 それな。あーっはっはっはっ。


「…あなたたちは、馬鹿ですか?」


 滅多なことで嫌悪感を表に出さないエリオットうじが、ついに毒を吐いた。


「何となく馬鹿にされてんのは分かる。まあ、不甲斐ない俺が悪いんだから仕方ねぇ」


 あ、フェリックス氏がスネちゃった。


「違うんだよぉフェリックス氏、チョウチョポケモがサナギになったんだよぉ。トラセル可愛いよトラセル」


「お嬢様、チョウがサナギになるんじゃなくて、サナギがチョウになるのでは」


「いや、やっぱスピーの方が格好イイっスて!男は黙ってスピーっス」


「デバフ舐めんな」


「バタリーと違ってもう一回進化するっスぅ〜」


 しょうもない言い争いをしているうちに、いつの間にかフェリックス氏はいなくなっていた。


「アリス嬢。照れ隠しはいいが、あれではフェリックスが立つ瀬がないぞ」


「お嬢様、後で謝っといた方がいいんじゃないっスか?」


「ユウキ、あなたも悪ノリし過ぎです。分かりますね?」


「「ごめんなさい」」




 デイモン閣下の執務室をしおしおと退出し、裕貴くんと二人してフェリックスうじに謝りに行こうとしたが、その日はフェリックス氏は捕まらなかった。彼は隠密筆頭、仕事中はどこで何をしているのかは教えてもらえない。


 翌朝、いつも通り朝食を摂って、今日こそごめんなさいしようと思っていたところ、執事さんに呼ばれて、デイヴィッド様の執務室に案内された。正面の立派な机越しに、デイヴィッド様が、満面の笑みでこう切り出した。


「アリスちゃん、結婚式はいつにしようか?」

本年は、なろうに投稿を始め、楽しく執筆させていただきました。

こうして読みにきて下さった皆様のお陰様です。

本当に、ありがとうございます。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。


どうぞ良いお年をお迎えくださいね。

皆様にとって、いいこといっぱいの素敵な一年になりますように。


今回も、読んでくださってありがとうございます。

評価、ブックマーク、いいね、とても励みに致しております。

皆様の温かい応援のお陰様で、いつも楽しんで執筆させていだいております。

心から感謝いたします。

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