王子は婚約破棄するプロです【改稿版】
王子です。
婚約破棄するプロです!
あなたのスカッとに、僕をお使いください!
身分は王太子!
権力しかないボンボン!
この男にだけは国を任したらあかんぜよ、の代名詞!
嫡廃されても優秀な弟がいる!
それが! この! 僕です!
シャキーン!
イラッとくるポーズならお任せあれ。
指の角度まで、バッチリです。
鏡の前で毎日、練習していますからね。
僕よりムカつくポーズをできる人はいません!
断言します!
いません!!!
もちろん、サラサラヘアー。
金髪碧眼のイケメンです!
しかーし!
ヒーローよりはイケメン度、低!
ご飯のサイズで例えると、普通盛り。
後からババンとくるヒーローより、控えめなイケメンです!
イケメンを引き立てる調味料。
それが僕の顔です。
ソルト♪ ソルト♪
もちろん、王族ですからね。
ロイヤルオーラはかもしだしていますよ?
歯ブラシがない時代でも、僕の歯は、白さを失いません!
ホワイトフラッシュは標準装備です。
キラリン☆
甘い微笑みもお手もの。
悪役令嬢を初めとする主役枠には、変顔にしか見えない効果まで付いています!
顔で! 彼女らは! 騙されません!
それは、僕の特殊スキルによるものです!
キリッ!
さぁさぁ、僕をお書きあれ。
婚約者がいるのに、違う相手に心を奪われた浮気者と罵るのです!
乙女ゲームが舞台なら、その乙女ゲームは略奪愛推奨ゲームだなって疑問が残りますし、攻略されただけで、文句があるならゲームを作ったシナリオライターに言えばいーーのにっ!と思いますけど、そんなの関係ないのです!
だって、そういう話がお好きでしょう?
あなたのために僕はいます。
ルンタッタ♪
さぁさぁ、僕をお書きください!
ざまぁパートナーは、誰にしますか?
転生ヒロイン?
主人公の義妹?
それとも、聖女様?
誘拐という名前の召喚しておいて、「こんなはずじゃなかったー!」というのもやりますよ?
なんなら、デスボでやりましょう。
発声練習はかかさずやっています!
あ、え、い、う、え、お、あ、おー!
ざまぁされたシーンの顔の演出は、やはり名画ムンクの【叫び】のようなものがいいでしょうね。
マンガにしたときに、ウケると思います。
今はコミカライズの時代ですからね。
ポーズ演出は、大事です。
とうっ!
おやおや、ざまぁを書くのは苦手ですか?
ノンノンノン。
ご安心あれ!
僕はプロですからね。
いくら踏みつけられても、あ♡、いい♡、そこですぅ!しか思えないのです!
恍惚を感じながら、悔しい顔をするのは得意です!
僕は、そう。ドMの極みにいます。
あなたの書くざまぁに、僕はメロメロです♡
シャララ〜ン
「いつも婚約破棄して、お疲れ様です!」
「非番はあるのですか?」と、僕を知る方は言ってくれますけど、もちろん、前髪をかきわけて、「フッ、僕はプロだからね!」と返していますよ?
きっちり、指を立ててグッドラックポーズ。
見事にざまぁされたら、拍手喝采を送ってください。
僕は婚約破棄するプロです!
あなたのスカッとに、僕をどうぞ、お使いください。
イケメーン! フラッシュ!!
王子「フッ。決まったな」
作者「フラッシュの効果は極小だけどね(笑)」