1話 はじまり
どうぞよろしくお願いします。切りの良いところまで連続投稿です。
「店長、店長。こんなとこで寝てないで起きてください」
若い女性の言葉によって、俺こと榊田 ユウジは重たく閉じた瞼をなんとか開き、その場で上半身を起こし、声のした方を一目見る。
そばには、肩まである少し長い髪を後ろで一つに束ね、有名コンビニチェーン店の制服に身を包んだ、20才前後に見える可愛らしい女の子が立っていた。
「なんだ、美坂か」
まだ眠たい頭を我慢し、彼女にそう返す。
彼女は美坂みるく。うちのコンビニ店員だ。
それを聞いた彼女は不服そうに頬を少し膨らませ、腰に手を当てながら言葉を返す。
「なんだ、美坂か、じゃないですよ! もう、朝の8時ですよ。これから忙しくなるんですから起きてくださいよ~」
俺は分かったと言うように頷いて見せると、手をひらひら振って彼女を向こうにやる。
意識が覚醒してきた俺は、凝り固まった首を少し回す、周りに目を向けると、そこはバックヤードに置いてあるソファーの上だった。
ちょっと仮眠するつもりだったところが、いつの間にかここでぐっすりと朝まで寝てしまっていたみたいだ。
とはいえ、帰るといっても二階の住居スペースに向かうだけだったのだか。
俺は起き上がると、レジの方に顔を出し、レジの番をしていた美坂にシャワーを浴びてくると言って、住居スペースに向かうのだった。
俺は榊田。今年で26才になる、しがないコンビニ店長だ。
一昨日の晩、背後から魔女に腰を打たれ、その場で崩れ落ちることに。そして、GWが巣籠もり確定。することが某馬ゲームアプリぐらいなのでリハビリがてら書いてみました。