03 診察
私はお水を飲み、一息ついたところでモニカに今置かれている状況を聞いた。
「モニカ、ここは何処かしら? 私の部屋ではなさそうだけど⋯⋯」
「此処は、シベリウス辺境伯領にある領主邸です。今王宮に姫様がいらっしゃるとまた狙われる可能性が高い為に一先ず陛下のご指示で王姉殿下が嫁いでらしたこちらの領に参った次第です。詳しい話は医師の診察を受けてからにしましょう。呼んで参りますので少々お待ちくださいませ」
そう言うと、一礼して部屋を後にした。
私は、何故毒を盛られたのか、何故狙われるのかが全然判らなかった。
けど、お城にいてお父様達に迷惑がかかるといけないから伯母様の処に身を寄せるのが一番いいのか⋯⋯。
でも私が此処にいるのがばれたら伯母様達にも迷惑がかかるのでは⋯⋯。
判らないことをつらつらと考えていると、モニカが医師とシベリウス辺境伯家当主、そして伯母様と一緒に戻ってきた。
「殿下、お目覚めとお聞きしましたがご気分はいかがですかな?」
王宮の筆頭医師であるブルーノが聞いてきた。
「気分は、大丈夫ですけど⋯⋯少し、身体が重く感じます」
「いくつか質問と身体を診させて頂きますよ。まずはご自分が何処の誰か判りますかな?」
「私はエステル・ヴィルヘルミーナ・グランフェルトです。ここはグランフェルト王国で私は国王の娘です」
「倒れる前に何をしていたか覚えておられますかな?」
「⋯⋯確か、お勉強が終わり少しお昼寝をして、目覚めた後に休憩にお茶をいただいていたと思います」
そう答えていると、部屋にいる全員が驚きの表情をしていたが、私には何故皆が驚いているのか判らなかった。
ブルーノ医師は驚いてる皆とは違い動じず、私の顔や首元、身体や手首にと手を翳して調べていった。
「ふむ、熱はまだ少しありますが、魔力は安定しているようですな。ただ安定はしているものの少々揺らぎも見えます。これは精神的なところからくる揺らぎじゃろう。受け答えはしっかり出来てますし、毒の方はほぼ問題はないのでご安心くだされ」
その言葉から此処にいる皆が驚きから安堵の息を吐いた。
私もその言葉に安心した。
「熱が下がるまでは安静に、食事は滋養のある流動食がよかろう。熱がさがったら固形物を食してもよいですが、ただし、消化のいいもので。一週間後に再度診察に赴きますゆえ、一旦王宮に戻り陛下に報告しておきましょう」
「医師、お話しをするのは構いませんか?」
私はブルーノ医師に質問をした。
「勿論。じゃが、無理は禁物じゃよ。少しでも体調が悪くなったり、眠くなったりしたらすぐ休むこと、今殿下に必要なのは考えるより何よりも休息ですからの」
そう言い残し、辺境伯と一緒に部屋を後にした。
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